はじめに
インターンに応募するにも、本選考に応募するにも、ほとんどの場合でESの提出が必須です。
ESにおける代表的な質問項目の一つとして「自己PR」がありますが、どう書けばいいのかわからないと悩む就活生は多くいらっしゃいます。
今回は、「ESにおける自己PRの書き方を知りたい」という方に向けて、
・ESの自己PRを通して企業は何を見ているのか。
・自己PRのおすすめの基本構成
・魅力的な自己PRを作成するための準備
・自己PRを作成する際のポイント
を解説していきます。
エントリーシートの自己PRで企業は何を見ている?
まず、ESを通して企業が見ているのは、
・学生の人柄
・自己分析が足りているか
・企業とのマッチ度
の3つです。
企業は選考を通して「自社で活躍してくれる人材」かどうかを判別しなければなりませんが、それは能力の高さだけでは決まりません。
日常業務では、同僚や上司とうまく連携しながら仕事を進めることになるので「職場の雰囲気に合っているかどうか」「他の人とうまくやっていきやすい性格かどうか」を見極める必要があり、この3つの視点から判断しています。
学生の人柄
1つ目に、「学生の人柄」を見ています。人柄とは、性格や価値観などのことです。
先ほども触れましたが、企業は「自社で活躍してくれる人材」を採用しなければならないので、逆に言えば、職場の雰囲気とかけ離れた人柄、あまりにも職種に向いていない人柄の人はまず採用しません。
例えば、BtoCのビジネスモデルをとる企業の営業職の場合、「人当たりがいい」「人懐っこい」「ストレス耐性がある」などが求められますが、そのような強みが無い場合、企業にとっても従業員本人にとってもデメリットしかなく、短期離職に繋がってします。
このような理由から、仕事と人柄がマッチしているかを確かめなければなりません。
自己分析が足りているか
2つ目に、「自己分析が足りているか」を見ています。
「学生時代に力を入れたこと(ガクチカエピソード)」や「志望動機」などからも、学生の能力、性格、価値観をうかがい知ることができますが、それと自己PRの内容がずれすぎていると、「選考を突破するために、自分をかなり偽っている」という印象を与えてしまいます。
例えばガクチカにおいては「壁にぶつかっても諦めず、最後までやり通した」というエピソードを紹介しているにもかかわらず、自己PRで「適応力」や「柔軟性」などをアピールしても説得力がありません。自己PRではガクチカに合わせて「執念」や「やり遂げる力」などをアピールすべきです。
ESを通して自分の人柄に一貫性が出るように、自己PRの内容を選びましょう。
企業とのマッチ度
3つ目に、「企業とのマッチ度」を見ています。
自己PRの内容が企業とマッチしているかも重要なポイントです。
同一業界で、ビジネスモデルも似ている企業であっても、企業が最も重視しているものが異なる場合があります。
例えば、一方の企業は「顧客の満足度」を最重視しているが、もう一方は「会社の利益」を最重視しているというように、企業の理念や方針が異なります。
そのような価値観の違いは、日常業務や社風にも表れるので、企業の価値観と就活生の価値観がマッチしているか否かは、日常業務に馴染めるかどうかに関わってきます。
例えばアルバイトの経験を語るにしても、行動の動機が「顧客を第一に考えて」だったのか「月間売り上げを向上させるため」だったのかを使い分けるようにしましょう。
エントリーシートの自己PRの基本構成
次に、自己PRのおすすめの基本構成について見ていきましょう。
結論
まず、結論を最初に明示しましょう。
結論から入る文章の構成は、一般的に「結論ファースト」と呼ばれます。
「ゴール」の部分を初めに相手に見せることで、聞き手・読み手は話の流れを追いやすくなり、話の内容を理解しやすくなります。
「私は○○と思います。なぜなら~」「○○です。それは~」というように、結論ファーストで文章を構成すると、何が言いたいのかがわかりやすく、相手を疲れさせません。
自己PRの場合は「私は○○のような人間です」「私の強みは○○です」のように入りましょう。
今まで「話が長い、わかりにくい」「つまり何が言いたいの?」と言われてしまった経験がある方は、結論ファーストを意識しましょう。
聞き手・読み手にとってだけではなく、就活生側にも、話の道筋が見えやすく、後の文章を構成しやすいというメリットがあります。
書く時だけではなく、面接で話す際にも用いることができる手法なので、しっかりとマスターしておきましょう。
具体的なエピソード
次に、具体的なエピソードを書きましょう。
ここでは、自己PRを裏付ける原体験をイメージしてください。
例えば、自動車業界の企業であれば「大学時代に友人とドライブに行った経験」、日用品や食品メーカーなら「一人暮らしをしていた時の経験」などが考えられるでしょう。
再度結論
最後に、結論を再提示しましょう。
結論を再度提示することで、より印象的な構成になります。
また、具体的な説明を挟んでアピールすることで、最初よりも深い理解につながります。
ただし、文章のはじめと全く同じ文章だと、同じ文章の繰り返しになってしまうので、稚拙な印象を与えてしまいます。
最初に書いた結論とは、文章を変えつつ、結論を述べましょう。
自己PRの場合は「日常業務の○○のような場面で、私の強みである○○を活かして、必ずチームに貢献します。」などのように締めくくると綺麗にまとまります。
企業に向けて魅力的な自己PRを作成するための準備
ここからは、企業に向けて魅力的な自己PRを作成するための準備について解説していきます。
先ほども解説した通り、企業は自己PRを通して、
・学生の人柄
・自己分析が足りているか
・企業とのマッチ度
を見ているので、それを踏まえた文章を書くための準備が必要です。
具体的には、
・自己分析を深める
・企業研究・業界研究を行う
・アピールしたい能力や人柄の言い換えを探す
の3つです。
これをしておかないと、企業にとって魅力的なアピールをすることはできません。
自己分析を深める
1つ目に、自己分析を深めましょう。
先ほども述べた通り、自己PRで自分がどのような人間かをアピールする際には、それを裏付けるエピソードが必要です。
逆に、エピソードがあれば、自然と自分がどのような人間かわかるようになるので、まずは自分自身の過去の出来事を振り返ることから始めましょう。
できれば高校時代にさかのぼり、大学受験や大学入学後のエピソードについて振り返りましょう。
その際は、
・どのような状況で、どのような人に囲まれていたか
・その中で自分はどのように考え、行動したか
・そこで困難だったことは何か
・どう考え、その困難に対処したか
・どのような結果が得られたか
など、どんどん自分で深ぼっていくことが大切です。
このように、原体験をベースに自己分析を行うと、自分の弱いところから強いところまで明確になり、よりリアルな自分像を掴むことができます。
企業研究・業界研究を行う
2つ目に、企業・業界研究を行いましょう。
ここでの企業・業界研究では、製品ラインナップや事業戦略、売上規模などの比較などではなく、主に仕事の進め方や大変さ、必要とされる能力の理解、会社ごとの社風の違いなどに注目しましょう。
自己PRでは、会社で既に働いている社員の方々と毛色が似ているということをアピールすると、受け入れられやすくなるため、社風の理解等が大切です。
会社が求める社員像などは、企業の採用HPや就職四季報総合版などに掲載されているので、一度目を通しておきましょう。
また、OB訪問やインターンなどを通して、社員の方々の雰囲気を掴んでおくことも有効です。
アピールしたい能力や人柄の言い換えを探す
3つ目に、アピールしたい能力や人柄の言い換えを探しましょう。
というのも、アピール内容がみんなと家具りやすいと埋もれてしまう可能性があるからです。
「○○力」「○○性」「○○さ」などの言葉は、多くの就活生が用いるので、他の就活生と印象が被ってしまいます。
そのため、例えば「継続力」なら「何が何でもやり抜く力」、「絶対に諦めないという強い意志」、「結果に対する強い執念」など、自分なりにより想像しやすい言葉に言い換えましょう。
この際、面接などで淀みなく、力を込めて言葉にできるかどうかも考慮に入れると、なお良いでしょう。
>企業としても、読んでいてインパクトがあるので、印象にも残りやすくなります。
エントリーシートの自己PRを作成する際のポイント
最後に、自己PRを作成する際のポイントです。
企業側が自己PRを読んでいて「なんだかモヤモヤする」というタイミングは、
・一般的な言葉遣いができていないと感じられた時
・エピソードが明らかに嘘っぽい時
・自己「PR」なのに、企業にどのように貢献できるかが書いていない時
・ES全体でみると、一貫性が無い時
です。
せっかく自己分析や企業・業界分析を一生懸命行ってESを書いたにもかかわらず、このようにモヤモヤされてしまうのは、非常にもったいないですよね。
このようなモヤモヤを与えないために、特に気を付けるべきポイントを解説していきます。
「御社」ではなく「貴社」
1つ目に、相手の会社を呼ぶときは「貴社」と書くようにしましょう。
なかなか慣れないかもしれませんが、今後書く機会が多いので、しっかりと押さえておきましょう。
実際に声に出して言うときは「御社(読み:おんしゃ)」が正しいです。
文章で書く場合は「貴社(読み:きしゃ)」が正しいです。
ESでは貴社、面接では御社をしっかりと使い分けましょう。
分かっていても、文中でたまに御社と書いてしまっていることもあるので、書いた後はしっかりと見直しをすることも大切です。
エピソードで自分らしさを示す
2つ目に、エピソードで自分らしさを示しましょう。
例えば、「協調性」をアピールしたい学生はたくさんいますが、そのエピソードは十人十色です。
自分のエピソードをしっかりと深掘りして、自分なりのオリジナリティを出しましょう。
バイトリーダーやサークル、部活動などの経験だと、他の人と被りやすくなってしまうかもしれませんが、どのような壁にぶつかり、何を考え、どう行動したのか、結果はどうなったのかまで触れられると、オリジナリティが出てきます。
オリジナリティ溢れる、リアルなエピソードを語るためにも、しっかりと自己分析を行いましょう。
企業に貢献できることをアピール
3つ目に、企業に貢献できることをアピールしましょう。
企業に入社した後に、どのように貢献できるのかをアピールしましょう。
自分の強みが、日常業務のどの場面で活かせると考えているのかを説明しましょう。
文体としては、「もし貴社にご縁をいただけた際には、○○の場合でも、自分の○○を活かして~」などのようにすると綺麗にまとまりやすくなります。
例えば「チャレンジ精神」をアピールする場合、「難しい案件、前例のない案件にも、自分自身のチャレンジ精神を活かして全力で取り組みます。」など、入社後を想定してアピールしましょう。
他の回答との一貫性を意識
>最後に、他の回答との一貫性を意識しましょう。
ES内のほかの項目での回答も鑑みて、自分の人柄に一貫性を持たせることが大切です。
あまりにも極端に自分の人柄がぶれていると感じる際は修正が必要です。
例えば、ガクチカや自己PRで「粘り強さ」「執念」「継続力」などをアピールしている場合は、自分の強みなどの項目で「柔軟性」などを挙げてしまうと、性格が矛盾しており、人柄がブレてしまいます。
逆に、自分の弱みの項目において「柔軟性に欠ける」という説明をすると、ES全体を通して一貫性が保たれるので、むしろしっかりと自分を内省できているという評価を得ることができます。
しっかりと一貫性を保つためにも、自分の弱みなどにもしっかりと目を向けながら、自己分析を行いましょう。
企業の印象に残るエントリーシートを作成するために自己PRのポイントを押さえよう
いかがでしたか。
ここまで、
・ESの自己PRを通して企業は何を見ているのか。
・自己PRのおすすめの基本構成
・魅力的な自己PRを作成するための準備
・自己PRを作成する際のポイント
について解説してきました。
自己PRは必ずと言ってもいいほど問われる、代表的な質問の一つです。
これを機会に、自己PRの書き方をしっかりとマスターしておき、ESや面接で自信をもって回答できるようにしておきましょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート