就職先の決め方や判断基準がわからず、内定をもらったどの企業を就職先として選ぶべきか、悩んでしまうことは少なくありません。
就活を頑張った結果、複数の会社から内定をもらえば、どの企業も魅力的に思えてしまうこともあります。
また逆に、複数の内定を獲得できたものの、どの企業からも魅力を感じず困ってしまうケースも多いでしょう。
そろそろ就職先を決めて就活にピリオドを打ちたい…となったら、就職先を決める方法を積極的に整理しておきましょう。
今回は、そんな悩みを抱える皆さんに向けて、最終的な就職先の決め方や注意点について解説していきます。
- 就職先選びが重要な理由
- 就職先を選ぶうえで実践したいやりたいこと価値観の整理
- おすすめの就職先の決め方
- 内定先を比較するときのポイント
- どうしても就職先を決められないときの対処法
- 複数の会社から内定をもらい、就職先の決め方に困っている人
- どの企業も魅力的に見えてしまう、あるいはどの企業からも魅力を感じない人
- 就職先を決めたいが失敗しそうで怖い人
- 内定先を比較したいが、具体的に何を比較ポイントにすべきかわからない人
目次[目次を全て表示する]
【就職先の決め方】就職先選びが重要な理由
確かに「そろそろ就活疲れてきたし、内定もあるんだからさっさと解放されたい」と思ってしまうのは当然です。
しかし、ここで焦って誤った判断をしてはいけません。
イメージやなんとなくで会社を決定してしまうと、実際に入社した後に後悔することになってしまいます。
働くことに苦痛を感じる
社会人になると会社中心の生活が始まり、1日、1週間のほとんどを仕事に費やすことになります。
「華やかな企業イメージ、実際はかなり地味な業務で、自分には合わない。」
「このままこの仕事を続けていたら、自分の理想のキャリアに繋がらない。」
などの場合、イメージと実情の乖離が激しいため、毎日の業務が苦痛となり、最終的には短期離職につながってしまいます。
企業イメージや知名度などの外面的な要素だけではなく、自分が働いている様子をイメージしながら就職先を決定する必要があります。
ストレスを感じる
ただし「イメージと実情が乖離していた」という場合は、後々仕事の面白さややりがいに気づいたり、意外と自分の性格にあっていたり、新しいキャリアイメージがつかめたりする場合があり、必ずしも長期的なストレスになるとは限りません。
しかし、精神的肉体的に疲労が溜まるというような場合、職場や職種に問題があるため、短期的な改善は期待できません。
そのような中で無理に働きすぎると、体を壊してしまったり、精神を病んでしまうという最悪な事態に繋がります。
就活は早く終えればよいわけではない
このように誤った就職先を選んでしまうと、後々非常に後悔することになります。
複数の内定があったにもかかわらず、自分に最適なものを選ぶことができなかったとなれば、悔やんでも悔やみきれません。
「さっさと就活から解放されたい」という気持ちは非常によくわかります。周りの友人たちが就活を終えはじめたという場合などは尚更でしょう。
しかし、就活で目指すべきなのは「就活を終える早さ」ではなく「いかに自分に合った就職先から内定をもらえるか」です。
ここが最後の踏ん張りどころだと思って、最後まで冷静に判断しましょう。
【就職先の決め方】後悔しない就職先の決め方のポイント
では、どうすれば複数の内定先の中から自分に合ったものを選ぶことができるのでしょうか。
結論から言うと、「自己分析」と「企業分析」を深めることに尽きます。
ここからは、自己分析と企業分析をさらに深めていく方法について解説していきます。
自己分析をしっかりと行う
まずは自己分析についてです。
当然ですが、自分に合った企業を見つけるには、自分のことを深く理解していなければなりません。
親や先生、友人、ネット上で好評な会社であっても、自分にあっているとは限りません。
自分史を作る
まずは自分史を作ってみましょう。
自分史を作ることで、今までの自分を振り返り、自分の好きなことや嫌なことの傾向を掴むことができます。
- 今までどんなことをしてきたか
- どんなことが好きだったか、得意だったか
- どんなことにやりがいを感じたか
- またどんなことが嫌だったのか、すぐにやめてしまったのか
- どんなことを続けられたか
などを振り返ってみましょう。あなたに合った企業や業務の特長が浮かび上がります。
また、時間をかけて自分史を作ることで「自分が就職するなら」という意識を強めることができます。
SNSや友人たちの内定先自慢や就職活動終了宣言などに焦らされることなく、自分を維持したまま就職活動を続行しやすくなります。
自分史の作り方の詳細については、こちらの記事で解説していますので合わせてご確認ください。
キャリアプランを考える
次に、キャリアのイメージを膨らませましょう。
将来の自分のライフイベント(結婚や子育てなど)などを意識しつつ、どんなキャリアを歩んでいきたいかをイメージし、それがより実現できそうな内定先はどこかを考えましょう。
3年後、5年後、10年後はどうありたいかなど、小刻みに目標を立てていくと考えやすいです。
就職活動から解放されたいがために妥協するのではなく、将来を見据えてしっかりと選び抜くことが大切です。
就活の軸を決める
最後に就活の軸を定めましょう。
確かに、内定を獲得された皆さんは既に就活の軸を持っていたと思います。
「成長できる環境」「自分のスキルを磨きたい」などのバリバリ働く系の就活軸の方も多いのではないでしょうか。
しかし、ここでは「本音の軸」を大切にしましょう。
「福利厚生」「給料」「年間休日」「残業時間」「ワークライフバランス」などは長く働くうえで無視することはできません。
自分の本音と向き合う最後の機会だと思って、「本音の軸」で内定先を見てみましょう。
企業分析をしっかりと行う
自己分析も大事ですが、企業分析も大切です。
企業が企業説明会などでは一般に広く公表していない情報を積極的に収集し、さまざまな視点から企業を比較できるようにしましょう。
企業のホームページを見る
企業分析を深める最も楽で早い方法は、企業のHPを見ることです。
企業の採用HPをもう一度読み込んでみたりすると、今まで読み飛ばしていた部分を見つけたりすることがあり、意外と有益です。
また、実際に働いている社員の声や一日のスケジュール、仕事のやりがいなどを公表しているところもあるので、まずはHPをもう一度見てみましょう。
大企業などの場合、決算説明会資料や企業レポートをIR情報などで公表しているので、それらを閲覧すると、事業内容の現状などについて理解を深めることができます。
OB訪問をする
次に、OB訪問をしてみましょう。
OB訪問は選考の前や選考中に行うこともできますが、選考後にもOB訪問を行うというのも手です。
自己分析で明らかにした「キャリアイメージ」や「本音の軸」が、しっかりと実現できるかを確認しましょう。
仕事をする上で大変なことは何か、ライフワークバランスは取れているかなどをしっかりと確認しておきましょう。
これが入社前に社員の方とお話しできる最後の機会だと思って、疑問や不安を残さないようにしましょう。
口コミサイトを見てみる
最後に、口コミサイトを見てみましょう。
「オープンワーク」や「enライトハウス」などの口コミサイトでは、現在働いている人や退職した人の生の声を閲覧することができます。
特に気になる福利厚生や残業、業務でのやりがい、退職検討理由なども赤裸々に掲載されているため、参考になるでしょう。
ただし投稿者の主観で書かれているので、客観的な意見ではないこともあるので注意しましょう。
「マイナスなコメントが多いからこの企業はやめよう」とすぐに候補から外してしまうのはもったいないので、OB訪問などと組み合わせながら事実確認を行うことが大切です。
【就職先の決め方】おすすめの就職先の探し方
事前に就職先の探し方決め方をチェックしておけば、あとで後悔することなく自分自身のキャリアプランを練ることができます。
「本当にこの就職先で大丈夫なのかな…」とエントリーしてから内定してから悩むこともなくなるでしょう。
就職先の探し方には、いくつかのポイントがあるため、そのポイントに沿って探すことが重要になります。
具体的には、以下の探し方が選択肢として挙げられるでしょう。
- 業界から絞る
- 職種から絞る
上記のように業界職種いずれかのポイントで絞り込んでやりたい仕事や興味のある分野を探せば、スムーズに自分自身に適した就職先が見つかる可能性があります。
就職先の見つけ方に困っている人は、積極的にチェックしたいところです。
では、それぞれの探し方のポイントを詳しく解説していきます。
1.業界から絞る
就職先を決めるには、まず、業界から絞ることを考えてみましょう。
就職先として選択肢になる「業界」は、たとえばメーカーや商社、サービス業などさまざまなものが挙げられます。
業界によって求められる人物像や特徴は異なるため、それに伴って向いている人の特徴も変わってきます。
そのため単純に「〇〇が好き」「興味がある」「楽しそう」というだけでは、決められないのも事実です。
自分自身の性格の特徴や趣味嗜好、価値観、そして就活の軸をもとに、向いている業界や興味関心を向けられる業界を探すのが望ましいでしょう。
一般企業の主な業界とは、たとえば以下のような業界があります。
- メーカー(例:自動車、食品)
- 商社
- 小売り(例:百貨店、スーパー、コンビニ)
- 金融(例:銀行、証券会社、保険会社)
- サービス(例:ホテル、フィットネス)
- マスコミ(例:出版、新聞)
- ソフトウェア
業界はしばしば、上記の種類に大別される傾向にあります。
それぞれの業界の特徴や仕事内容などを理解し、自分に適性のある業界を見極めていきましょう。
2.職種から絞る
就職先を探すときは、業界だけでなく職種から絞る決め方もあります。
自分の就職先は慎重に決めるに越したことはないため、就職先の探し方に迷ったときは、職種から候補を絞り込むことも検討しましょう。
職種から絞る考え方は、より具体的な仕事内容から適性をチェックしたい人やスキルを活かせる仕事を見つけたい人におすすめといえます。
一般的には、企業には以下のような職種があります。
- 営業
- 企画
- 事務経理
- 販売接客サービス職
- 専門職(コンサル、プログラマーなど)
- 技術研究
- クリエイティブ系
特徴が大きく異なる業界でも、上記の職種は会社を回すうえで最低限必要とされることが多いです。
【就職先の決め方】内定先を比較する際のポイント
自分や企業についての理解が深まってきたら、いよいよ比較してみましょう。
「何社か内定を持っているけどどれも魅力的で選べない」
「本当にこの中から選んでいいのかな、まだ就活を続けるべき?」
などの悩みを抱える方に向けて、内定先を見極めるポイントを解説していきます。
自分の思い描くキャリアを歩めるか
まず、内定した企業でどのようなキャリアを歩めるのかを比較しましょう。
自分と企業をいかに照らし合わせるかが重要です。
自分のキャリアイメージが無かったり、ズレていたりすると、何のために苦労しているのか分からなくなってしまいます。
逆にキャリアイメージと合っていれば、モチベーションを高く維持することができますし、一時的に辛いことがあっても乗り越えやすくなります。
入社後の自分をイメージして、長く働けそうなのはどこか、自分が意欲的に働けるのはどこかを考えるようにしましょう。
就活の軸に合致しているか
次に、就活の軸にどの程度当てはまっているかを確認しましょう。
ここでは、「本音の軸」もしっかり検討することが大切です。
やりがいや成長などの「建前の軸」も大切ですが、基本給や残業時間、有給取得率などの「本音の軸」をないがしろにしてはいけません。
OB訪問や口コミサイトから集めた情報なども考慮しながら、企業をさまざまな角度から比較しましょう。
成長を求めて入社しても、短期離職してしまったり、心身を病んでしまったりしては元も子もありません。
自分に正直に、企業を比較しましょう。
企業に入社するメリットデメリットをまとめる
次に、企業に入社することのメリットデメリットをまとめましょう。
全ての要求を満たす企業は存在しないといっても過言ではありません。どの企業に就職するのにもメリットやデメリットはあるはずです。
「就活の軸に合致しているけど家から距離が遠い」
「業務内容が魅力的だけど給与が少ない」
「社風に惹かれたが勤務地が未定」
「成長できるし給料もいいけど、ライフワークバランスがとれていない」
などそれぞれです。
そのなかから自分が妥協できる点や、重視したい点を優先し、絞っていく必要があります。
なぜ応募したのかを振り返る
また、なぜ応募したのか、初心に振り返ることも有効です。
就活を進める中で、心情に変化が起こることは少なくありません。
「最初は安定性を求めていたが、自分が成長できる環境を重視し始めた」など仕事観が変わる場合もあれば、「とにかく内定がもらえればどこでもいいや」と思って応募した企業もあるかもしれません。
ES提出時点と今では心情に変化がある可能性があるので、なぜ応募したのかを振り返ることが重要です。
応募当時の心情を書き出してみて、今の心情とずれていないかどうかを探るのもおすすめです。
企業を様々な観点で数値化する
企業を項目ごとに点数をつけ、合計点が高い企業にするという方法もあります。
「業務内容」「社風」「給与」「残業時間」「福利厚生」などの項目をピックアップし、点数をつけていきます。
最終的にはその合計点が高い企業を選ぶことになると思いますが、「自分にとっては業務内容よりも職場の雰囲気や福利厚生の方が大切である」などの重視するものがある場合は、その項目の配点を高めるなどの工夫が必要です。
内定者イベントを活用しよう
最後に、内定者イベントの場を活かしましょう。
内定者イベントではざっくばらんと社員と話せる機会が設けられていることが多いです。その機会を利用し、疑問解決の場にするのもおすすめです。
既に選考が終わっているので、踏み込んだ話をしやすくなりますし、内定者同士の交流によって知らなかった情報を集めることもできます。
また、内定後にOB訪問を行い、これまで聞きにくかった残業や福利厚生などの条件名について聞くのもおすすめです。
【就職先の決め方】どうしても決められない場合の対処法
就職先を決める際にはさまざまな考え方決め方のアプローチがありますが、それでもどうしても決められない…と悩んでしまうことは少なくありません。
どうしても就職先が絞り込めないときは、以下の対処法を実践してみてください。
- どの企業も魅力的に感じる場合→口コミなどのリアルな情報を集める
- どこの企業も魅力を感じない場合→一度就活から離れてリフレッシュする
悩んでいるときは、上記のように「どこも魅力的に感じる」か「どこも魅力を感じない」のいずれかのパターンに陥っていることが多いです。
どちらに当てはまるのかを考えたうえで、対処法を整理していきましょう。
どの企業も魅力的に感じる場合
どこも魅力的で決めきれない!と困ったときは、よりリアルな情報に目を向けてみることがおすすめです。
企業は、マイナスな印象を与えかねない自社の評判をわざわざ伝えることはありません。
「ブラック企業」「いつも現場はピリピリしている」などの実態は、企業発信の情報からは読み取れないでしょう。
そういったときに役立つのが、オープンワークやライトハウスなどの口コミサイトです。
働く社員の口コミを集めたサイトには、比較的リアルな情報が多いです。
チェックすれば各企業の実態がわかるため、どの企業も魅力的に見えるというフィルターをなくすきっかけになります。
どこの企業も魅力を感じない場合
どこの企業にも魅力を感じないときは、そもそも、第一志望の企業から内定をもらえなかったせいで燃え尽き症候群に陥っている可能性もあります。
そんなときは、いったん就活から離れ、リフレッシュする時間を設けるのも一つの手です。
ほかには、将来的に転職することを見据え、必要なスキルを身に付けられるかどうかを判断基準にするのも良いでしょう。
時間的に余裕があり、すぐに就職先の答えを出さなくても良い場合は、就活を諦めずに見てみるのも良いかもしれません。
【就職先の決め方】就職先選びの注意点
最後に、就職先選びの際の注意点を強調しておきます。
「就職活動を終わりにしてしまいたい」という焦りに身を任せて就職先を選んでしまうと、企業イメージが先行したり、他人の意見に流されたり、懸念点を軽視してしまったりしまいがちです。
しっかりと、自分自身や企業と最後まで向き合いましょう。
イメージで決めつけない
まず、イメージで決めつけてはいけません。
「有名な企業だしきっと社員を大切にしているはず」
「この業界のこの職種は大変そうだし辞退しよう」
などよく調べずにイメージで決めてしまうのは危険です。
イメージの元となっている情報源を思い出し、確度の高い情報を基に企業を比較するようにしましょう。
他の人の意見に流されない
就活をする上で、周りに相談したり、インターネットで調べるというのは有効です。
しかし、1つの意見に流されてしまったり、根拠のない意見に流されてしまったりするのはNGです。
他人の意見だからといって客観的であるわけではありません。
年齢層やその人の価値観、運、就活当時の能力などは人によって様々なので、それが自分にも当てはまっているとは限りません。
その意見を参考にしつつ、自分が納得できるポイントなのであれば候補に入れるなど、あくまで参考程度にとどめておきましょう。
懸念点は解消する
また、懸念点は解消しましょう。
「ここの部分が気になるけど、まあここでいいか」
「きっとこうなはずだし、この企業はいいかな」
と聞いたり調べたりせずに決めてしまうのは危険です。
例えば、基本給が少ない印象を受けた場合、自分が住宅手当を受けられなかったり、寮に入れなかったりすると非常に生活が苦しくなってしまいます。
内定者イベントなどを活用し、懸念点を払拭してから選ぶようにしましょう。
離職率が高い企業は注意
最後に、離職率が高い企業は注意しましょう。
離職率が高い企業は耐え難いネガティブな要素が含まれている可能性が高いです。
令和3年度の平均離職率は14.2%といわれています。この数値を上回ると離職率が高いといえるでしょう。
これらの情報は東洋経済新報社の「就職四季報総合版」などで確認できるので、一度目を通しておきましょう。
未回答の企業や、離職率が高い企業はいわゆるブラック企業である可能性が高いです。
ただし、離職率は業界により変化するので、その点は留意しておきましょう。
まとめ
いかがでしたか。
ここまで、複数の内定先から最終的な就職先を選ぶための自己分析企業分析の方法や、注意点な度について解説してきました。
確かに就活は辛いものなので「とにかく早く解放されたい」という気持ちになってしまいます。
周りの友人たちやSNSなどで他の就活生の動向を知ってしまうと尚更焦ってしまうことでしょう。
しかしここで焦って判断してしまうと、短期離職につながるなどの大きなデメリットが生じてしまいます。
ここが最後の踏ん張りどころだと思って、今一度冷静に、就職先を選ぶようにしましょう。
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