「文学部って将来に役立たないから就職が不利そう」
これは文学部出身の筆者である私が、他学部の知り合いに実際に言われた言葉です。
これを聞いた当時は大学3年生で、その頃から就活が不安になりました。
しかし、実際はそこまで不利とは感じませんでした。なぜなら、文学部ならではの強みを活かしたからです。
さて、それは一体何でしょうか?
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【文学部の就職】やっぱり不利なの?就職率も解説!
まず、文学部の就職が不利とはどこから広まったのでしょうか?
そして現代でもやはり文学部の就活は他学部と比べて不利になっているでしょうか?
この記事を見ている文学部のあなたも不安になっていませんか?
しかし、現代においてその不安は杞憂になりつつあります。なぜそんなことが言えるのか、以下の2つをご覧ください!
不利ではない
確かに文学部にとって就活が不利だった時代もありました。
文学部と聞くと、本を読んで研究するイメージから「単独行動がメインだから会話ができない」や「国語力はありそうだけど数字には弱そう」という印象を持たれます。
そういった要素が就職後は大事になることがしばしばなので、文学部は使い物にならないとされてきた時代がありました。
しかし、令和の時代では文学部の就職はそういった先入観がなくなる傾向にあります。
現代では就活生の人柄に注目することが多くなったので、学部で不利と考えてしまうのは今この瞬間でやめましょう。
就職率は年々あがってきている
文学部の就職率の実態を見てみると、現在は9割弱が就職に進んでいます。
他の学部でも8割から9割の間を占めているので、文学部がそんなに劣っているわけでもありません。
また、学校によっても就職率は異なってきます。大学は学部ごとに就職率や就職先を掲示している所
が多いので、あなたの大学の文学部はどうなのか確認してみましょう。
あなたの先輩方もしっかり内定を得て就職をしているはずです。「文学部だから......」というフィルターをかける必要がないと理解できたら、安心して就活に挑みましょう!
【文学部の就職】文学部の人がアピールできる強みとは
ここからは文学部だからこそ活かせる強みを紹介していきます。
実際に私も以下の4つを大いに活用して内定を獲得しました。
「会話ができない」やら「数字に弱い」やら文学部の弱みを突っ込まれてもどうしようもありません。自分が不得意なものを改善して勝負するよりも、得意な部分を伸ばして勝負に臨む方が自信にも繋がります。
我々文学部が戦える土俵で就活を乗り切りましょう!
プレゼンテーション能力
今までゼミで研究成果を発表してきませんでしたか?
就活ではゼミで鍛えてきたプレゼンテーション能力が発揮されます。
人前で発表することも経験済みです。研究の成果をアピールすることも経験済みです。
それを面接官に向けて自分のことを発表すると置き換えれば、少しはイメージが付きやすいのではないでしょうか?
確かに場面が違うので緊張は感じることでしょう。
ただ、聞き手のことを考えて話す能力は文学部の長所です。
そこが面接官のアピールにもなるので是非活かしてもらいたいです。
課題解決力
文学部の研究は、答えがないものに対して自分なりの解答を作るために追究することが多いです。(哲学、歴史、心理など......)
納得する答えを出すために参考文献や先行研究から調査することもあったはずです。その力はまさにこの「課題解決力」を伸ばしています。
入社後も様々な答えのない課題に直面します。
この場合は参考文献や先行研究といった資料がほぼないものの、どうやったら解決に近づくかを思考する能力が文学部のあなたには備わっているはずです。
課題解決力が高いほど、企業からしたら高く評価されやすいのでアピールするチャンスを逃さないでください!
思考力
先程の「課題解決力」でも少し出しましたが、文学部の学生には解決するための「思考力」も備わっていると述べました。
ただ、それは解決だけに至らず、受け取った情報を鵜呑みにしないで多角的・客観的に物事を見る力でもあります。
本や論文をよく参照しているあなたはこの力が強いことでしょう。
もちろん会社ではこの思考力が必要になってくる場面が頻繁に登場します。
特に選考の時点で、ディスカッションやディベートを取り入れる会社も増えてきているので、対策の際はこの能力が高ければ高いほど有利に働きます。
文章力
文学部の一番の強みではないでしょうか。
論文作成やレポート、発表する時の原稿などはしっかりとした文章構成がされていなければ読み手や聞き手に伝わりません。
就活ではエントリーシート・履歴書といった企業に提出するものを始め、志望動機・自己PRを言うために添削することを前提としてやらなければなりません。
企業にアピールできる文章を構成する能力は、日頃から文章と向き合っている文学部にはとても有利です。
また、入社後でもメールやチャットでのやり取りが増えてくるので、やはり文章力は求められる能力だと言えます。
【文学部の就職】人気の業界5選
ところで、文学部の学生たちはどの業種を志望することが多いでしょうか?
「文学部」で学んだことを仕事に活かすとなると、かなり限られた業種になってしまう可能性もあります。
しかし、専門知識がなくても入社してから習得できるので、「文学部出身なのにこの業界に入れるのか!」ということもしばしば。
あなたがまだどの業界に行きたいかを決めていない場合は、どんな業界が文学部の学生に人気なのかを把握して選ぶ参考にしてください!
出版・マスコミ業界
本や雑誌、新聞といった紙媒体を中心に学びを進めてきた文学部のあなたにはぴったりな業界と言えるでしょう。
また、文章を書くことが好き、自分の文章で人に何かを伝えたいと望んでいるあなたもこの業界はマッチします。
このように出版・マスコミ業界は文学部に人気ですが、上記の理由だけで入社すると少し危険です。
取材や編集などを同時に進行する業種なので、文章力だけではなく思考力・課題解決力も備わっていないと本当にマッチするとは言えないでしょう。
広告業界
広告業界はものづくりに関わることから、自分の文章・表現で見る人の目を惹きつけたいと思っている文学部の就活生も多いです。
文章力はもちろんのこと、あらゆる知識を活用して宣伝するための思考力やプレゼンテーション能力も必要になってくるでしょう。
人気があるほど狭き門な業界なので、この業界に入りたいと思っているあなたは上記の能力を伸ばすことだけではなく、しっかり自己PRや志望動機といった就活の基本を押さえましょう。
教育業界
この業界も特に文学部の学生に人気です。歴史や文学、英語などこれまで学んだことを子どもたちに伝えたいという理由で、教師や塾講師になりたいという話を聞くでしょう。
ただ、その熱意だけではなかなか思うようにいかないのが教育業界の難しいところ。
いざ夢が叶ったとしても、その後が上手くいかずに辞めてしまう話もよく耳にします。
本当に自分自身と教育業界がマッチしているのか確認してみてください。これから先の人生のためにも少しでも合わなさそうと感じたならば、自分に合う業種を探し直しましょう。(全ての就活生に言えることですが)
金融業界
「数字に弱い」と言われるにもかかわらず、実は文学部の就活生に金融業界を志望する人は多いです。
金融業界というとやはりお金が絡む仕事が思い浮かぶでしょう。しかし、それ以外にも営業や窓口の職種が存在するので、後者の方に就職する傾向があります。特に営業ではプレゼンテーション能力が問われるので、文学部の良いところが出せる仕事でもあります。
「自分は数字に弱いから金融業界には縁がない......」と感じているあなたもチャンスが十分にあるので、興味を持っていたら是非挑戦してみましょう!
物流業界
物流業界もトラックを運転して物を運ぶ仕事と思われますが、実際に運搬をしなくてもその前の段階で文学部出身の職員が活躍する場があります。
例えば、海外との取引の際は英語でやり取りする必要があり、外国語を専攻している学生にとっては学んだことを実践できます。
その他にも、海外に問わずメールでやり取りするには少なくとも文章力はあった方が有利です。物流に関しては何の知識がなくても大丈夫です。企業研究を進めると、意外にもあなたに会っているかもしれませんよ?
【文学部の就職】さらに就職を有利にするためのポイント
これまで文学部の就職についてポジティブな面をたくさんお伝えしてきましたが、やはり未だに弱みが目立つことで上手くいかないこともあります。
そこで強みを高めつつ、さらに何かを経験して就職を有利に進めたいところ。
ここでは有利にするためのポイントを紹介します。
どれもよくある就活に役立つものばかりなので、実践オススメです!
資格取得
TOEICや簿記検定といった有名なところから、行きたい業種に関係する検定・資格を予め取得すると、とても有利になる且つアピールできる要素が増えます。
特にTOEICはグローバル化している現代では重宝される資格であり、内容もビジネス関連の問題が多いことから人気となっています。
また、文学部でもシステムエンジニアのようなIT系の職種に行く人も多くなっていることから、プログラミングを学ぶ人も増えています。
簡単なところから始められるので、文学部だろうがあまり関係ありません。
ビジネスの知識を付ける
社会人になる前にある程度ビジネス知識を付けておくと、入社直後は少し気楽に働けるかもしれません。
そもそも誰しも基本的な知識は入社後でも学習するので、早い段階から学び始めることをオススメします。
加えて面接の場でも十分に活用できるので、面接官に印象を与えられる可能性も秘めています。
このように就活の時点でも役立つのがビジネス知識。現在就活に励むあなたも、今から始めても遅くありませんよ?
インターンシップに参加する
実際に会社で働くとはどういうことかを体験しに行ってみるのも、今後の就活で大いに役立つこと間違いないです。
長期のインターンシップはもちろん、最近は1dayのインターンシップも開催している企業は多いです。
ただ、1dayは企業説明会を少し長くしたバージョンなので、より業界や会社のことを知りたいのであれば長期の方を応募しましょう。
ただ、闇雲にインターンシップに参加してはいけません。
目的が浅はかであると、せっかく参加したのに今後に活用できない可能性が高いです。何のためにその会社のインターンシップに応募・参加したいのか考えましょう。
【文学部の就職】やりたいことが見つからないときは
この記事では文学部のあなたが就活で励みになるような情報を提供してきました。
しかし、未だに自分の就職先は果たしてどこなのか想像できないこともあるでしょう。
この項目では、あなたの行きたい業種が定まるヒントになるようにお助けしていきます。
少しでも興味が湧いた業界が見つかれば、すぐ企業研究にシフトしましょう。
自分のやりがいを見つける
何か取り組むとなった時には、大抵やりがいがあって取り組むものです。
大学で文学部に入ったあなたも何かやりたいことがあってその学部に決めたのではないでしょうか?
仕事でも同じです。あなたが働く意味を見つけ出したら、それがやりがいとなって働く上での活力となります。
まず、あなたが何をもって働くのかを考えてみましょう。最初は抽象的なもので構いません。
「お金が欲しい」となったら今度はなぜそう思うのか、という風に派生を繰り返すと確固としたやりがいを見つけることができます。
ゼミや授業で何を学んできたか振り返る
大学で学んできたことも決して無駄になりません。
そこから何かやりたいことが見つかる可能性もあります。
例えば、ゼミで発表が褒められた時に「自分はプレゼンテーション能力が意外とあるかもしれない......」と気付く場合だってないわけではないでしょう。
一見何でもないところから大きなことへ発展するものです。
今一度、あなたが所属しているゼミで起こった出来事や大学の授業で印象に残ったことなどを振り返ってみましょう。
OB・OG訪問をする
自分でも行きたい企業の業種が見つからない場合は、就職している大学の先輩方の話を聞くのも一手です。
OB・OG訪問は企業のホームページやWebサイトからでは得られないリアリティのある仕事の実態を聞くことができます。そこから志望動機や企業研究が深められることが期待できるので、結果的に自分の行きたい場所が見つかるかもしれません。
ただし、OB・OG訪問の際は実際に会うまでの流れや会う目的をしっかりしないといけないマナーの部分も気を付けなければいけません。
気軽にするものではないので、必ず計画を立てて訪問しましょう。
まとめ
不利とは言われつつも、有利な面も多く存在することが理解できたでしょうか?
「文学部って将来に役立たないから就職が不利そう」はれっきとしたデマです。
文学部の学問は「実学」だとこの記事でも分かることでしょう。
だからこそ就活を心配する必要もないのです。取り組んできたことを全面にアピールすれば必ず成功します。
以上、文学部出身からのメッセージでした。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート