パチンコ業界の市場動向とは?仕事内容・職種・求められる人物像も紹介

パチンコ業界の市場動向とは?仕事内容・職種・求められる人物像も紹介

就職先に悩んでいる方の中には、パチンコ業界に興味はあっても詳しいことはわからないという方や、パチンコ業界に就職するとあまりいいイメージを持たれないかもしれないと心配している方も多いのではないでしょうか。

確かにパチンコは馴染みのない方には全くわからない世界でしょうし、ギャンブルという側面があるため否定的なイメージで語られることも少なくありません。しかし、実は毎年多くの学生が入社を希望しており、一定の人気を保っている業界でもあります。

この記事では、パチンコ業界の市場動向や仕事の内容、さらに就職に際して求められる人物像についても解説しています。記事をご覧いただくことで、パチンコ業界のことがより具体的に理解でき、業界に対する印象も変わるでしょう。

パチンコ業界について正しく理解し、就活を有利に進めていきましょう。

パチンコ業界とは

日本におけるパチンコの歴史は古く、大正時代に縁日などに置かれた遊戯台が原型だといわれています。

100年近く経った現代においても娯楽産業において大きなシェアを占めており、「遊技業界データブック2022 ver.02」によるとパチンコ・パチスロ合わせて約14兆円もの市場規模であると記されています。

このことから、パチンコ業界は日本の余暇市場において非常に大きなシェアを占めている巨大市場だということが分かるでしょう。

出典:遊技業界データブック2022 ver.02|一般社団法人 日本遊技関連事業協会 参照:https://www.nichiyukyo.or.jp/_sys/wp-content/uploads/2022/09/ac6492d976e41a26e3df121c80c7359f.pdf

パチンコ業界の市場動向

パチンコの市場規模が非常に大きい規模であることは上述の通りです。

ここからは、パチンコ市場が現在どのように推移しているのかについて解説します。パチンコ業界を志望されている人や選択肢に入れている人、さらに娯楽産業に興味がある人にとっても重要な情報です。ぜひ参考にしてください。

近年は店舗数が減少している

警察庁によると、パチンコの店舗数は年々減少傾向にあります。

理由としては、若年層のパチンコ離れの影響が指摘されています。また、近年では新型コロナウィルスの影響も一因です。決して急激ではなく緩やかな減少ではあるものの、この傾向は今後も続くと考えられています。

規制の強化や若者のパチンコ離れが進んでいる

パチンコ離れの原因といわれていることの1つに、「規制の強化」が挙げられます。

パチンコは依存症などの問題点が指摘されていることから、近年ではギャンブル性を低下させるような規制が行われてきました。出玉の払い出し数を制限したり、大当たりのラウンド数を制限したりするなどです。

規制により当たりにくくなった、遊びにくくなったと感じられることから、客数の減少が起こったといわれています。

また、若年層のパチンコ離れも指摘されています。ネットコンテンツの充実などもあり娯楽の選択肢が増えたことから、若年層を取り込むことに苦戦していると考えられるでしょう。

最近では規制緩和の動きもあるため、今後の状況に注目する必要があります。

パチンコ業界の仕事内容・職種

ここからは、パチンコ業界の仕事内容について解説します。

パチンコ業界ではどんな仕事があるのか、イメージが湧かない人も多いでしょう。パチンコ業界とひと口にいってもさまざまな仕事があり、それぞれ向き・不向きがあります。

仕事内容を具体的に知ることで、自分がどの仕事に向いているか考えてみましょう。

企画職・開発職

企画職・開発職は簡単にいうと「パチンコ台を企画・開発する仕事」です。

例えば、パチンコ台のテーマ、システム(演出など)、出玉の設定などを決めます。当然のことながらパチンコ台の人気が店舗の売上に直結するため、とても責任のある仕事です。

さらに、パチンコ台の製造工程にも最初から最後まで関わるため、パチンコ業界の全てを知る仕事といっても過言ではありません。

つまり、企画職・開発職はパチンコ業界の中でも中心的役割を担うといっていいでしょう。

営業職

営業職は、主にパチンコ機をパチンコホールに売り込む仕事です。

営業職のため、当然仕事の成果は数字によってはっきりと示されます。大変である一方、とてもやりがいのある仕事といえるでしょう。成果さえ上げれば若手であっても高い収入を得ることができます。

コミュニケーション能力に自信がある人には挑戦しがいのある仕事でしょう。

ライター・編集

意外に思う人もいるでしょうが、ライター・編集も立派なパチンコ業界の仕事です。

パチンコ関連の雑誌にレビューを書くことはもちろん、パチンコ関連の動画作成などもライターの仕事に含まれます。番組に出演するライターも多くいます。

パチンコをやるのが好きな人、そして文章を書くことが得意な人にはうってつけの仕事でしょう。パチンコの魅力を外部に発信することに、とてもやりがいを感じられます。

パチンコホールスタッフ

パチンコホールのスタッフは店舗の運営に関わる一切の業務を行います。直接お客さんと接する仕事のため、接客に携わりたい人に向いている仕事です。

一方で、清掃や機械のメンテナンス、お客さんへの対応や売上管理など、業務内容は多岐に渡るため、パチンコが好き、パチンコに詳しいというだけでは成立しない難しさがある仕事でしょう。

逆に言えば、この仕事での経験は単にパチンコ業界だけではなく接客業、店舗運営における経験として広く活用することができます。

パチンコの製造・販売における有名企業を紹介!

ここからは、パチンコの製造・販売を手掛ける有名企業を紹介します。

パチンコ関連企業に就職を検討されている人は、企業選択の際に参考にしてみてください。また、娯楽産業に興味のある人にとっても情報収集に活用できるでしょう。

市場規模が大きいこともあり、当然有名企業以外にもさまざまな企業が存在します。しかし、就職に際しては、まず有名企業から情報収集を行うことが定石です。どんな企業が存在するのか、しっかり把握しておきましょう。

円谷フィールズホールディングス株式会社

フィールズ株式会社は22年10月に「円谷フィールズホールディングス株式会社」と社名を変更しており、コンテンツ事業の円谷プロダクションと連結して事業展開を行っていく方針です。

国内のコロナウィルス感染症の落ち着きとともに売上を回復させ、大幅な増益を達成しています。パチンコ事業とコンテンツ事業の2枚看板で展開していることもあり、会社の安定性は盤石といえるでしょう。

出典:会社沿革|円谷フィールズホールディングス株式会社 参照:https://www.tsuburaya-fields.co.jp/ir/j/about/history/

サミー株式会社

サミー株式会社は「セガサミーホールディングス株式会社」の子会社です。

セガサミーホールディングス株式会社はコンテンツ事業における売上も大きく、グループ会社を含めての売上高は約3,000億円を突破しています。

パチンコの製造や販売を行う会社にとって、コンテンツ事業を手掛ける部門を抱えていることは大きな長所です。就職する企業を選ぶ際には、こうした点をしっかり把握しておきましょう。

出典:統合レポート2022|セガサミーホールディングス株式会社 参照:https://www.segasammy.co.jp/japanese/ir/library/pdf/printing_annual/2022/ir_2022_web_all__jpn_.pdf

株式会社SANKYO

パチンコ関連企業の中でもかなり大きな規模を誇るメーカーです。

「フィーバー」という、球が入るとリールが回転して絵柄が揃うのを狙うシステムを開発した企業でもあり、このシステムは現在多くのパチンコ機で採用されています。

パチンコ機のテーマにアニメを採用したりアニメ作品のスポンサーになったりするなど、若年層のファンの獲得にも努めています。

株式会社平和

数あるパチンコ関連の企業の中でも老舗であり、パチンコ産業拡大の立役者として長年業界を支えています。

有名人やアニメとのタイアップ機に人気のシリーズがいくつもあり、安定した人気を持つ企業です。大当たりの確率が高い「甘デジ」など、業界初のシステムがいくつも存在します。

株式会社三洋物産

大ヒットシリーズである「海物語」を開発した企業で、パチンコホールでのシェアはトップクラスです。

パチンコ機のメインテーマが海である通り、会社の取り組みとしてもライフセーバー支援やサンゴの保全活動などに取り組んでいます。

京楽産業.株式会社

特撮やアニメ、映画などをテーマにしたタイアップ機を多く展開している企業です。ハンドルが振動するなど、独自のギミックを開発することに定評があります。

また、吉本興業と業務提携していることもあり、テレビ番組やYoutubeなどのメディア展開に力を入れています。CMの多用やメディアミックスなど、販促の巧者ともいえる企業です。

パチンコホールの有名企業を紹介!

パチンコメーカーに続いて、次はパチンコホールの有名企業を紹介します。

街中にはたくさんのパチンコホールが存在するため、普段パチンコをしない人でも目にしたことのある企業ばかりでしょう。

パチンコメーカーとパチンコホールは切っても切れない関係です。どちらに就職するとしても、両方の情報をしっかりおさえておきましょう。

株式会社マルハン

全国で約300店以上の店舗数を誇る大規模企業です。

パチンコだけでなく映画館やボウリング場も運営しており、エンターテインメント企業として安定した基盤を築いています。パチンコ以外も含めた総合売上では、他企業を大きく突き放しています。

株式会社ガイア

全国で約100店舗以上を運営し、マルハン同様トップクラスの規模を誇る企業です。

ただ近年ではコロナウィルス感染症の影響もあり、店舗の閉鎖が相次いでいました。パチンコホール企業の上位陣の中では少し規模が劣るものの、トップクラスに居続けていることには変わりません。

会社名の「ガイア」の他、「アラジン」や「サイバーパチンコ」など複数の名称で店舗を展開しています。

株式会社ダイナム

全国に約400店以上を構える企業です。

2012年に香港証券取引所に日本企業として初めて上場しました。これは、パチンコホール企業としても初となる上場です。

パチンコ業界を牽引する企業として依存問題や地域活動への取り組みなど、企業イメージの向上に力を入れています。

出典:会社沿革|株式会社ダイナム 参照:https://www.dynam.jp/corp/company/history.html

アンダーツリー株式会社

「キコーナ」という名称の店舗を筆頭に、関西や関東で170店舗以上を運営する企業です。

全国展開はしていないものの、店舗数ではダイナムやマルハンに次ぐほどの規模で、売上も着実に伸びています。コロナ禍においてパチンコ関連企業のほとんどが業績を落とす中、売上高や店舗数の減少があまり見られなかったことも特筆すべき点です。

出典:新着トピックス|アンダーツリー株式会社 参照:https://www.undertree.co.jp/2022/03/post-205.html

パチンコ業界は長く働くのが難しい?

パチンコ業界は長く働くのが難しい、という話を聞いたことがある人は少なくないでしょう。就職を検討している人にとっては非常に不安な話です。

残念ながら、このことは全くのデタラメではありません。パチンコ業界において離職率が比較的高いのは、ある程度事実なのです。

ただ、パチンコ業界全てと考えるのは誤りでしょう。一般的にはパチンコ業界いうよりは、パチンコホールにおける早期退職が多いといわれています。

パチンコホールでの勤務はそれなりに体力を使う仕事です。そのため、体を壊したりしてしまうと続けるのは難しくなってしまいます。決してパチンコホールの労働環境が悪いというわけではなく、長く続けるためには体調管理が極めて重要であることを理解しておきましょう。

パチンコ業界で求められる人物像

パチンコ業界に就職するために、どんな人材が求められているのか理解しておきましょう。

パチンコ業界は就職志望先としては人気の業界とはいえませんが、だからといって簡単に就職できるということはなく、また向き不向きもあります。

どんな人が向いているのか、またどんな人材が求められているかを理解した上で就職活動に臨みましょう。

コミュニケーション能力がある人

パチンコ業界ではコミュニケーション能力は必須です。

メーカーであれば企画開発における同僚とのやり取りはもちろん、取引先との交渉などコミュニケーション能力を必要とする仕事が多いでしょう。

また、パチンコホールであれば、日々さまざまな客とのやり取りが必要なのはいうまでもないでしょう。パチンコ業界を目指すのであれば、他業種以上にコミュニケーション能力が求められることを理解しておくことが重要です。

創造性がある人

創造性も極めて大事な能力です。

企画や開発においては、パチンコ機のテーマやギミックなどを考えることが必要となります。また、パチンコホールでも画一的なサービスを行っているわけではなく、店舗ごとに独自の策を打ち出していることがほとんどです。

創造性がないからと諦める必要はありませんが、新しいことを考えたり作ったりすることが好きな人であれば、活躍できる可能性は高いでしょう。

情報収集能力が高い人

パチンコ業界は人気商売のため、市場動向をリサーチする能力は必須です。

パチンコ離れの傾向があることは先述しましたが、そうした状況にあって既存の客を逃さず、かつ新規の客を獲得していくためには、トレンドを見極める能力は欠かせません。

パチンコ業界に限りませんが、情報収集能力の高さをアピールできるように、普段から研鑽を重ねておくことが必要です。

パチンコに関心がある人

当然ながら、パチンコに関心がある人は業界に向いているといえます。

元々パチンコのことを知り尽くしていることが必要、ということではありません。たとえ自身がパチンコをあまり知らなかったとしても、就職に際してパチンコの世界に興味を持ち学んでいくことができればよいのです。

パチンコ業界に就職するためにはパチンコファンでなければならない、という誤解をしないように気をつけましょう。パチンコファンの方が有利であることは間違いないですが、必須の条件ではありません。

パチンコ業界を理解して自分に合った職種を選ぼう

パチンコ業界でどんな仕事があるのか、また求められる人物像について解説してきました。

普段パチンコをしない人にとっては、就職の選択肢には入らないように思われがちでしょう。しかし、毎年パチンコ業界を目指す学生は多く、その中にはパチンコをしたことがないという人も一定数います。

誤解されがちな業界ではありますが、クリエイティブな仕事ができ、またホスピタリティを学ぶこともできます。本記事を参考に、パチンコ業界への理解を深めていきましょう。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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