観光業界に向いてる人の特徴を紹介!職種や英語レベルなども詳しく解説!

観光業界に向いてる人の特徴を紹介!職種や英語レベルなども詳しく解説!

「旅行が好きだから観光業界に携わりたいけど、私にできる仕事ってある?」 「ツアーガイドを目指しているが、どんなスキルが必要なんだろう」 「コロナ禍で観光業界が落ち込んだって聞いたけど、就職しても大丈夫?」 観光業界に興味はあっても、どのような職種があって就職に何が必要なのか、把握しきれていない方もいるのではないでしょうか。

本記事では、観光業界の説明から具体的な職種、業界に入るにあたって役立つスキルを紹介していきます。さらに観光業界での有名企業業界の将来性も併せて紹介しますので、観光業界への就職を本格的に検討している方にも有益な内容となるでしょう。

観光業界の仕事を検討している方は、ぜひこの記事を読んで観光業界就職への足掛かりにしてください。

観光業界とは?

観光業界はみなさんご存知の通り、旅行者のサポートや宿泊施設の手配を行うことをメインの業務としている業界です。

旅行業界とも非常に関わりが深く、新型コロナウイルスの流行が収まって以降は非常に需要が高い業界の1つです。

関連業界の旅行業界についても、以下の見出しで詳しく紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。

旅行業

旅行業とは、観光旅行の立案・企画を行い、そうした旅行プランを商品として販売する業種です。

旅行業者は、第1種~第3種と地域限定者の4つの区分に分かれており、区分によって取り扱いできる旅行範囲が変わります。国内旅行は基本的に全ての区分で取り扱いができますが、海外旅行は第1種のみとなっています。

出典:旅行業法 | 観光産業 | 政策について|観光庁 参照:https://www.mlit.go.jp/kankocho/shisaku/sangyou/ryokogyoho.html

旅行業者代理業

旅行業者代理業とは、旅行業者が販売する旅行プランなどの商品を委託し、代理人として販売する業種です。

旅行プランの企画などは行わず、販売の際の仲介手数料を収益にしています。旅行業と違い、資産条件や営業保証金の供託がない点が特徴です。

出典:旅行業法|e-Gov法令検索 参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=327AC0100000239

旅行業界について詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。

観光業界に向いている人4選

続いて、観光業界に向いている人の特徴についても紹介します。

様々な特徴が当てはまりますが、特に代表的なものは以下の4つであると言えるでしょう。

それぞれ確認してみてください。

1. サービス精神がある人

観光業界に向いている人の特徴として挙げられるのは、サービス精神があることです。

観光業はお客様の満足を第一に考える業界であり、心からのおもてなしの気持ちを持って接する姿勢が求められます。

旅行は非日常の特別な体験であり、観光業に携わる人々はその特別な時間を最高のものにする役割を担っています。

サービス精神がある人は細かな気配りや配慮を惜しまないため、お客様に安心感と満足感を提供できます。

また、観光業ではトラブルや予期せぬ出来事が起こることも多く、そうした状況でも冷静に対応し、最後までお客様に満足してもらえるよう尽力する姿勢が重要です。

サービス精神旺盛な人はトラブルが発生した際も柔軟に対応でき、お客様の信頼を得ることができるため、観光業界で長く活躍できることでしょう。

2. 語学力を活かしたい人

語学力を活かしたいと考えている人も観光業界に向いています。

観光業界では外国人観光客と接する機会が多く、日本の観光地や文化を楽しみに来る人に対して、日本の魅力を伝える重要な役割を担っています。

語学力を活かすことで、相手のニーズを的確に把握し、丁寧な接客ができるでしょう。

語学力が高ければ高いほど流暢に会話でき、お客様が訪問中に困ることなく、安心して観光を楽しめるため、顧客満足度の向上にもつながります。

また、異文化を理解し、外国人のお客様の期待に応えられる柔軟性や共感力が求められるため、語学力に自信があり、国際交流を楽しみたい人にとって最適な職場であると言えます。

求められる外国語レベル

観光業界は職種によって求められる外国語レベルが異なります。

以下は職種ごとに必要とされるTOEICの目安です。

TOEICの目安
職種 求められる点数(目安になる英語力)
旅行会社、ホテルスタッフ 500点以上(一般的なビジネス英語が理解できる)
キャビンアテンダント 600点以上(複雑なビジネス英語が理解できる)
通訳 900点以上(会談・商談がスムーズにできる)

自分が志望する職種に求められる点数を獲得できるように準備しておきましょう。

英語は世界共通言語とされているため多くの場面で利用されています。

しかし、英語以外の言語も重要です。

中国語や韓国語など複数の言語を習得していると、就活ではよいアピールになります。

3. 旅行が好きな人

旅行が好きな人は、もちろん観光業界に向いています。

旅行への関心が高いということは、様々な観光地や観光施設、文化に対する知識も持っているため、その経験を業務に反映させやすいのです。

旅行に対する情熱や知識がある人は顧客対応も非常に良く、お客様に説得力のあるアドバイスや情報提供が可能です。

例えば、自分が実際に訪れた観光地や宿泊施設、レストランなどの体験談を提供することで、お客様目線でのアドバイスができ、より説得力があり、お客様に魅力を伝えやすくなるでしょう。

また、旅行が好きな人は日々の業務も楽しんで行うことができるため、ストレスを感じにくく、長く働ける可能性が高いです。

4.デジタルツールへの対応力がある人

近年の観光業界ではデジタルツールへの対応も必要です。

サイトやアプリからのオンライン予約や問い合わせに対応するためです。

人件費の削減や業務の効率化を目的として、デジタルツールの導入が進んでいます。

職場環境の変化に対応するにはデジタルツールへの理解が必要です。

「自分は苦手だから利用しない」と諦めずに、使いこなせるように努力しましょう。

観光業界を志望する就活生はデジタル化にうまく対応することが重要です。

観光業界に向いていない人2選

続いて、観光業界に向いていない可能性が高い特徴についても紹介します。

以下の特徴が当てはまる場合は、就活本番までに改善するか、他の業界も選択肢に入れることを推奨します。

1. スケジュール管理ができない人

スケジュール管理が苦手な人は観光業界では働きにくいと言えるでしょう。

旅行や観光プランには移動や観光地の訪問時間、食事や宿泊のタイミングなど詳細なスケジュールが組み込まれており、計画通りに進めることが求められます。

スケジュール管理が苦手な人は、手配の遅延やミスによってお客様の旅行をスムーズに進行させられない可能性があり、お客様の信頼を損ねる原因にもなりえます。

交通機関の手配ミスやチェックイン時間の間違いなどが発生すると、全体のスケジュールが遅れ、計画通りに観光を楽しめなくなってしまうこともあるでしょう。

2. 自己主張が強い人

当然ながら、観光業界において、主役はお客様です。

自分の意見を一方的に主張するタイプの人は向いていないと言えるでしょう。

観光業はお客様の希望に応えることが基本であり、観光地や宿泊施設の選定、サービスの内容など、お客様の要望を優先する必要があります。

「自分はこの土地に詳しい」「絶対にこの旅行プランの方が楽しい」と思っていたとしても、それは自分の主観であり、お客様に押し付けるものではありません。

提案をすること自体は良いことですが、自己主張が強すぎると「絶対にこのプランの方が楽しいのに...」などと毎回ストレスを感じてしまい、楽しみながら働くことが難しくなります。

また、観光業界はチームで働くことも多いため、自己主張が強すぎるとグループでも孤立してしまう可能性があります。

観光業界の動向

コロナウイルス蔓延による緊急事態宣言や、東京オリンピックの無観客開催によって国内外の観光客が落ち込み、観光業界は大きな打撃を受けました。では、アフターコロナと言われるこれからにおいて、観光業界はどのような展望が抱けるのでしょうか。

ここでは、観光業界の現状から今後の展開について見ていきます。観光業界への就職に不安や興味がある方は、頭に入れておくと良いでしょう。

インバウンド需要の回復

特に最近はインバウンド需要が回復し、欧米からの観光客が非常に多くなっています。

つまり、需要が高まるということはホテルの価格が高騰しているということでもあるため、観光業界においては大きなチャンスと言えるでしょう。

国内旅行は回復・海外旅行は低迷

新型コロナウイルスが5類に移行した2023年以降、国内の旅行需要が大きく回復しており、新型コロナウイルスが流行する前の約8割程度の水準にまで回復しています。

一方、円安や航空券の高騰、物価高から海外旅行は大きく需要が減少しており、新型コロナウイルスが流行する以前と比較すると、出国者は約4割以上減少しています。

したがって、国内旅行の業績を伸ばすことはもちろん、海外旅行を促進するためのプロモーションなどが求められていると言えるでしょう。

予約などのIT化

観光業界では、オンライン活用を取り入れる動きが増えており、宿泊施設の予約や旅行プランの販売がIT化してきています。そのため、旅行会社などに直接出向かなくても、旅行プランが購入できる方法が確立されるようになってきました。

各社、旅行代理店への仲介手数料削減のため、自社HPやアプリからの予約に注力しています。

一方で、複雑な旅行プランの調整が可能な対面販売の需要も注目されています。観光業界では、店舗での対人スキルをもち合わせた上で、これからのオンライン需要に応えられる人材が必要だと考えられるでしょう。

旅行プランの多様化

観光業界のオンライン化の動きに伴い、より自由度の高い旅行プランが提案できるようになったため、旅行プランの多様化が進んでいます。

例えば、漁業現場体験ツアーといった異業種との連携や、VRによる火山体験コンテンツなどです。このような、オリジナリティのある旅行プランにしたい顧客が増えつつあるため、様々な視点でプランを企画できる提案力が求められるでしょう。

観光業界の職種や仕事内容

観光業界では、ホテルや旅行会社での業務など、活躍する場所や職種にも様々な種類があります。

観光業界でどのように働きたいのかを見定めるためにも、職種や仕事内容について知っておきましょう。

旅行会社系

旅行会社は会社で企画したツアー旅行に参加し、ツアー中の旅行の管理や調整、観光地の案内などを行うのが仕事です。

代表的な職種にはツアーコンダクターなどが挙げられます。

実際に旅行客と関わることが多い職種であるため、接客などが得意な方はぜひ確認してみてください。

ツアーコンダクター

ツアーコンダクターは、旅行プランのスケジュール管理などを行い、安全な観光旅行ができるようサポートする仕事です。

現地スタッフとの打ち合わせや食事手配の調整、急病者へのトラブル対応など、業務内容は多岐に渡ります。簡単なツアーガイドをする場合もあります。

観光客へのあらゆるサポートをするため、観光客から感謝を伝えてもらうことも少なくありません。観光客の喜びの声をやりがいにできる職種と言えるでしょう。

ツアーガイド

ツアーガイドは、旅行プランの参加者に向けて観光地の案内をする仕事です。バスツアー時の駐車誘導など、旅行プランによっては交通機関の整理も行います。

観光スポットへの知識はもちろん、海外ツアーの場合は国の文化や習慣から案内するため、地理・歴史の知識力が必要になります。

ツアープランナー

ツアープランナーは、旅行業者が販売する旅行プランやツアーの企画・立案をする仕事です。ただし、中小規模の旅行会社では、ツアーコンダクターの仕事も兼ねる場合があります。

他者との差別化を図るプラン立案が求められるため、企画力はもちろん、トレンドへの関心や情報収集といったマーケティング力が重要な職種です。

カウンターセールス

カウンターセールスは、旅行会社の窓口で接客業務を行い、旅行プランの紹介や交通機関のチケット発券などの手続きをする仕事です。

お客様自身がプランを決める自由旅行の需要が増加していることから、自由旅行プランの相談に応えるツアープランナーとしての役割も兼ねるようになっています。

接客業務がメインのため、好感の高い接客態度はもちろん、お客様のニーズを聞き出す傾聴力が求められる仕事です。また、予約手続きなどの事務作業が多い職種でもあります。

空港・航空系

空港や航空系の仕事は、文字通り空港もしくは飛行機の中で働くことが多い仕事です。

多くの人が利用するため、国内外の人との関わりが多い職業であると言えるでしょう。

様々な人と関わりたいと考えている方は、ぜひ確認してみてください。

キャビンアテンダント

キャビンアテンダントは航空機内で乗客の安全を守る重要な役割を担う客室乗務員のことです。

主な業務は機内の安全指導、緊急時の対応、そして飲み物や機内食の提供など、乗客が快適に過ごせる環境を提供することです。

国内外の多くの顧客と関わるため、文化的な理解力、高いコミュニケーションスキル、外国語の能力が求められます。

グランドスタッフ

グランドスタッフは空港カウンターでの接客や案内業務を主な業務とし、世界中から訪れる旅行客に対応する職種です。

搭乗手続きや荷物のチェックイン、空港内での案内など、空港の利用をスムーズに進めるために必要不可欠な役割を果たしています。

旅行者の要望に迅速かつ正確に応え、ときにはトラブルの解決も行うため、柔軟な対応力やホスピタリティ精神が重要です。

交通機関系

交通機関系の職種には観光タクシードライバーなどが含まれ、乗客を目的地まで案内し、観光地や名所の情報を提供する仕事です。

観光に関連する企画職なども含まれ、観光ルートのプランニングやプロモーション活動なども行います。

航空・鉄道会社の企画職

航空会社や鉄道会社では、接客以外に観光商品の企画を担当する職種も存在します。

旅行代理店と協力して旅行商品の開発やプロモーション活動を行い、消費者の興味を惹く魅力的な商品を提供します。

例えば、観光プランの立案や旅行の楽しさを伝えるためのキャンペーン企画などが主な仕事です。

したがって、マーケティングスキルや市場分析能力が求められます。

観光タクシードライバー

観光タクシードライバーは、ただ乗客を目的地まで運ぶだけでなく、観光地に関する知識を活かして観光ルートを案内したり、名所について案内したりする仕事です。

旅行客はドライバーを地域の観光ガイドとして頼りにしていることも多いため、訪問先の魅力を最大限に伝えることが求められます。

したがって、地域の歴史や文化についても精通していることが望まれ、観光業の一端を担う重要な職種の1つです。

ホテル系

ホテル系の職種は、宿泊施設において宿泊客が快適に過ごせるように様々なサービスを提供する仕事です。

フロント業務、レストラン、結婚式場でのサービス提供など、利用者に心地よい滞在を提供することが求められます。

フロントスタッフ

フロントスタッフは旅行客のチェックインやチェックアウトの手続きや予約管理などを行います。

基本的に接客を行うことが多いと言えるです。

訪問客の要望に応え、宿泊中に問題が生じた場合のサポートも行うため、高い対応力とコミュニケーション能力が求められます。

また、外国人客が多い場合は語学力も重要となり、観光地や地域情報の提供など旅行者のサポート役としての役割も担わなければなりません。

コンシェルジュ

コンシェルジュは旅行客の様々な要望に応じて、レストランの予約や観光案内、チケットの手配などを行うのが仕事です。

顧客のニーズを的確に把握し、最適なサービスを提案する力が求められ、顧客満足度を高める重要な役割を担っています。

また、地域の観光スポットや施設の情報を熟知していることが必要であり、旅行者にとって信頼できる相談役として活躍する仕事です。

コンシェルジュがうまく機能することで、観光客の旅行体験がより素晴らしいものになることでしょう。

公的機関系

観光業界では公的機関で働く職種も重要な役割を果たします。

国内外の観光促進や国際交流を担い、日本の魅力を世界に発信する仕事です。

日本国政府観光局の職員や地方自治体の観光課職員などは、観光地のPRや市場分析、イベント誘致などを通じて観光立国の推進に貢献しています。

「日本を代表して働く」という使命感とやりがいがあり、観光産業の成長に不可欠な職種です。

日本国政府観光局職員

日本国政府観光局の職員は日本の観光地を海外にPRし、観光客の誘致を図る役割を担います。

情報発信や市場分析、国際会議やイベントの誘致を通じて日本の魅力を世界に伝え、観光立国を支える重要な職種です。

国際的な旅行博覧会や展示会への出展、メディアを通じての観光キャンペーンの展開、海外でのマーケティング活動など、多様な方法で日本の魅力を伝える活動を行います。

日本の観光資源についての深い知識やマーケティング能力、外国語能力、異文化理解力が必須です。

官公庁職員

官公庁職員は、国や地方自治体の観光政策に携わり、観光復興を目指した地域活性化や経済発展を推進します。

地方自治体や民間企業と協力し、観光地の開発や観光資源の保護、地域イベントの企画運営など、多岐にわたる業務を担当します。

観光政策の立案から実行までの過程を担い、地域に根ざした観光資源を活用しながら、国内外からの観光客を呼び込むためのプロモーションを行うのも仕事です。

また、観光地のインフラ整備や観光案内の充実、地域の観光関連施設のサポートも行い、観光客が安心して訪れることができる環境を整える役割も担っています。

地方自治体の観光課職員

地方自治体の観光課職員は地域の観光資源を活用し、観光復興やPR活動を通じて地元の経済発展に貢献する役割を担っています。

観光課の職員は地域の特色や魅力を最大限に引き出すために観光プロモーション活動やイベント企画、観光客誘致のための施策立案などを行います。

例えば、地域の特産品や歴史的観光地を活かした体験型ツアーの企画や、地域文化を紹介するイベントの運営、SNSや広告を通した観光PR活動なども仕事の1つです。

観光業界のトレンドやマーケティングに関する知識、地域住民と協力するための調整力などが求められる仕事であると言えます。

その他

ここまで紹介した以外にも、観光業界には様々な職種が存在します。

以下のような仕事でも観光に関わることはできるため、興味がある方はぜひ確認してみてください。

旅行作家

旅行作家は雑誌やメディアで旅行に関連する記事を書く仕事で、現地の人々に取材を行い、その地域の魅力を伝える役割を果たしています。

観光地や文化、観光客におすすめの体験を紹介することで、読者に旅行の魅力を発信します。

観光業界における情報発信の重要な担い手の1つであり、独自の視点で地域の魅力を伝えることで観光地のイメージ向上にも貢献できるため、文章力などに自信がある方は目指してみるのも良いでしょう。

旅行作家

通訳ガイドは、訪日外国人向けに外国語で日本旅行の案内をする仕事です。

少数の訪日客の専属として観光案内をするため、訪日客の方と深いコミュニケーションを取ることができるのが特徴です。

旅行・観光業界の有名企業5つを紹介!

幅広い仕事内容がある観光業界は、携わる企業も様々です。進路や就職を検討するのであれば、自分がやりたい職種に関連した企業を研究する必要があるでしょう。

こちらでは、観光業界内での有名企業5社を紹介します。ぜひ企業研究の参考にしてください。

1.株式会社 JTB

JTBは、観光業界の中でも長い歴史をもつ企業です。

人や地域・企業との繋がりや交流を重視した業務展開経営方針が特徴で、地域活性化に特化したキャンペーンや観光情報誌の発行など、幅広い業務展開をしています。自治体や行政機関といった、公的機関との連携も積極的に実施している企業でもあります。

JTBでは、求める人物像を「自律創造型人財」と定めているため、実行力と好奇心が強く、自己成長のために挑戦し続ける人材が求められるでしょう。

2.株式会社エイチ・アイ・エス

エイチ・アイ・エスは、海外旅行に重点を置いた企業であり、手頃な価格帯からワンランク上の高級価格帯までの多様な旅行プランが特徴です。

海外拠点を多くもっているため、世界規模で活躍の幅が広げられるキャリアプランを目指せます。また、一般的な観光旅行以外にも、ウェディングやスポーツ観戦などの専門的な旅行プランも展開している特徴から、個性や多様性のある人材が求められる傾向にあります。

3.KNT-CTホールディングス株式会社

KNT-CTホールディングスは、近畿日本ツーリストやクラブツーリズムといった、国内旅行に強い観光企業数社が統合してできた企業であり、国内の団体旅行プランに力を入れているのが特徴です。

企業・法人向けの団体旅行に多くの実績をもつ近畿日本ツーリストと、クルーズ旅行や宇宙旅行などオリジナリティのあふれる旅行プランをもつ、クラブツーリズムの強みをそれぞれで活かし、多様性のある観光事業の提供を目指しています。

KNT-CTホールディングスは、観光業界の中でも社員の平均勤続年数が長い傾向があるため、長く安定して働きたい方に向いている企業と言えるでしょう。

4.株式会社 阪急交通社

阪急交通社は、トラピックスを始めとした5つの旅行ブランドでメディア販売しており、ブランドごとに特化した旅行プランを提供して幅広いニーズに応えているのが特徴です。

また、訪日外国人への観光事業に力を入れており、個人旅行はもちろん、日本への視察旅行や国際会議での来日といった企業向けの団体旅行にも対応している点が、強みとなっています。

社風は、創業からの古き良き伝統と若手社員の活気・チャレンジ精神を軸にしており、失敗を恐れず自分の考えやアイデアを実践していく人材が活躍しています。

5.株式会社 日本旅行

日本旅行は、観光企業の中でも歴史が古く、JR西日本の連結子会社という点からJR路線での旅行プランを強みにしている企業です。

ホテル事業も幅広く手掛け、JRや新幹線と連携した独自の宿泊プランが人気となっています。一方で海外事業にも力を入れており、高級志向の海外旅行プランなども展開しています。

型に囚われない自由な発想力を重視しているため、柔軟な思考で臨機応変に対応できる人材が求められるでしょう。

観光業界の働き方

観光業界の働き方について年収と残業時間から解説します。

観光業界を志す就活生にとって非常に興味のある分野です。

年収と残業時間は仕事のモチベーションに大きく影響します。

結婚やマイホームなどの人生設計にも必要です。

また、他業界と観光業界を比較検討する際の材料になります。

観光業界の働き方をあらかじめ理解、納得したうえで就職するためにも本章の解説を参考にしてください。

年収

観光業界の年収は職種によって大きく異なります。

自分が志望する職種の年収がいくらなのか以下の表を参考にしてください。

本章は厚生労働省が運営しているjob tagを参考にしています。

年収
職種名 平均年収
客室乗務員 534万円
旅行会社カウンター係 496.3万円
ツアーコンダクター 394.3万円
通訳ガイド 394.3万円
ホテルフロント 329.6万円

観光業界は生活必需品ではないため景気に左右されやすい特徴があります。

その結果、年収も影響を受けやすいです。

観光業界を志望する就活生は年収の不安定さについて理解しておきましょう。

客室乗務員のように専門スキルや英語などを駆使して働くことで年収を上げられます。

職種が決まっていない就活生は自分の将来設計に合わせて選択しましょう。

出典:job tag(厚生労働省職業情報提供サイト(日本版O-NET))

残業時間

dodaが調査したデータによると2023年旅行関連の営業職の残業時間は平均26.3時間でした。

販売・サービス職で平均23.6時間です。

1日あたり1時間〜2時間程度の残業があることを理解しておきましょう。

GWやお盆、年末年始になると観光や旅行の需要が増えるため残業時間も増える傾向にあります。

ワークライフバランスを重要視する就活生にとっては大切な情報になるため、プライベート時間がどれくらい必要なのか明らかにしておきましょう。

また、残業時間は健康な生活を送るには欠かせない数値です。

残業時間が増えることで心身に悪影響があることを理解し、きちんと検討したうえでエントリーしましょう。

出典:平均残業時間ランキング【91職種別】今の仕事の残業は少ない?多い? |パーソナルキャリア株式会社

観光業界のやりがい3選

続いて、観光業界で働いている多くの人が話すやりがいについても紹介します。

以下の3つは観光業界のどのような職種においても当てはまる可能性が高いやりがいであるため、ぜひ確認してみてください。

1. お客様に喜んでもらえる

観光業界の最大のやりがいの1つは、お客様に直接喜んでもらえる機会が多いことです。

観光業界の仕事は接客業が中心であり、お客様と密に接する場面が多いため、サービスを提供する中で感謝の言葉を直接いただける瞬間が頻繁にあります。

このように、目の前のお客様が自分のサービスに対して喜びや満足を感じてくれる様子を見ると、仕事の意欲や活力が湧いてくるのが観光業界ならではの魅力です。

観光地の魅力を伝えたり、快適な滞在をサポートしたりすることで、お客様が満足してくれると、自分のサービスが役に立ったと達成感を感じられるでしょう。

2. 外国人と関われる

観光業界で働くことで、外国人の方々と関わりを持てる点も魅力の1つと言えます。

最近では新型コロナウイルスの収束と円安の影響で、多くの外国人観光客が日本を訪れるようになり、特に観光業界では国内外からのお客様との接点が増えています。

観光業務を通じて日本の文化や地域の魅力を直接伝える機会が多いです。

外国人の方に日本の良さを感じてもらえることは、国際交流の一環として誇りや達成感を感じる瞬間の1つです。

また、外国人の方とのやり取りを通じて語学力が向上し、異文化理解が深まることで自分の成長にもつながることでしょう。

3. 思い出づくりに携われる

日常から離れて観光地を訪れるお客様にとって、旅行や観光は思い出作りのための大切な時間です。

ホテルでの滞在を通じて心地よい時間を提供したり、地元の文化や美しい景観を案内したりすることで、一生の記憶に残る素晴らしい思い出をお客様に提供できます。

心温まる体験や感動的な体験を通じて、特別な時間を作り出す手伝いができるのは、観光業界ならではのやりがいです。

観光業界に向いている人3選

続いて、観光業界に向いている人の特徴についても紹介します。

様々な特徴が当てはまりますが、特に代表的なものは以下の3つであると言えるでしょう。

それぞれ確認してみてください。

1. サービス精神がある人

観光業界に向いている人の特徴として挙げられるのは、サービス精神があることです。

観光業はお客様の満足を第一に考える業界であり、心からのおもてなしの気持ちを持って接する姿勢が求められます。

旅行は非日常の特別な体験であり、観光業に携わる人々はその特別な時間を最高のものにする役割を担っています。

サービス精神がある人は細かな気配りや配慮を惜しまないため、お客様に安心感と満足感を提供できます。

また、観光業ではトラブルや予期せぬ出来事が起こることも多く、そうした状況でも冷静に対応し、最後までお客様に満足してもらえるよう尽力する姿勢が重要です。

サービス精神旺盛な人はトラブルが発生した際も柔軟に対応でき、お客様の信頼を得ることができるため、観光業界で長く活躍できることでしょう。

2. 語学力を活かしたい人

語学力を活かしたいと考えている人も観光業界に向いています。

観光業界では外国人観光客と接する機会が多く、日本の観光地や文化を楽しみに来る人に対して、日本の魅力を伝える重要な役割を担っています。

語学力を活かすことで、相手のニーズを的確に把握し、丁寧な接客ができるでしょう。

語学力が高ければ高いほど流暢に会話でき、お客様が訪問中に困ることなく、安心して観光を楽しめるため、顧客満足度の向上にもつながります。

また、異文化を理解し、外国人のお客様の期待に応えられる柔軟性や共感力が求められるため、語学力に自信があり、国際交流を楽しみたい人にとって最適な職場であると言えます。

3. 旅行が好きな人

旅行が好きな人は、もちろん観光業界に向いています。

旅行への関心が高いということは、様々な観光地や観光施設、文化に対する知識も持っているため、その経験を業務に反映させやすいのです。

旅行に対する情熱や知識がある人は顧客対応も非常に良く、お客様に説得力のあるアドバイスや情報提供が可能です。

例えば、自分が実際に訪れた観光地や宿泊施設、レストランなどの体験談を提供することで、お客様目線でのアドバイスができ、より説得力があり、お客様に魅力を伝えやすくなるでしょう。

また、旅行が好きな人は日々の業務も楽しんで行うことができるため、ストレスを感じにくく、長く働ける可能性が高いです。

観光業界に向いていない人2選

続いて、観光業界に向いていない可能性が高い特徴についても紹介します。

以下の特徴が当てはまる場合は、就活本番までに改善するか、他の業界も選択肢に入れることを推奨します。

1. スケジュール管理ができない人

スケジュール管理が苦手な人は観光業界では働きにくいと言えるでしょう。

旅行や観光プランには移動や観光地の訪問時間、食事や宿泊のタイミングなど詳細なスケジュールが組み込まれており、計画通りに進めることが求められます。

スケジュール管理が苦手な人は、手配の遅延やミスによってお客様の旅行をスムーズに進行させられない可能性があり、お客様の信頼を損ねる原因にもなりえます。

交通機関の手配ミスやチェックイン時間の間違いなどが発生すると、全体のスケジュールが遅れ、計画通りに観光を楽しめなくなってしまうこともあるでしょう。

2. 自己主張が強い人

当然ながら、観光業界において、主役はお客様です。

自分の意見を一方的に主張するタイプの人は向いていないと言えるでしょう。

観光業はお客様の希望に応えることが基本であり、観光地や宿泊施設の選定、サービスの内容など、お客様の要望を優先する必要があります。

「自分はこの土地に詳しい」「絶対にこの旅行プランの方が楽しい」と思っていたとしても、それは自分の主観であり、お客様に押し付けるものではありません。

提案をすること自体は良いことですが、自己主張が強すぎると「絶対にこのプランの方が楽しいのに...」などと毎回ストレスを感じてしまい、楽しみながら働くことが難しくなります。

また、観光業界はチームで働くことも多いため、自己主張が強すぎるとグループでも孤立してしまう可能性があります。

観光業界で役立つ知識やスキル3つ

観光業界への就職を目指す際に、企業にアピールできる知識やスキルを把握しておくと、就職活動がスムーズに進められます。

ここでは、観光業界に役立つ知識・スキルを3つ紹介します。自分が観光業界に向いている人材かどうかを知る手がかりとしても、以下で説明する内容をぜひ活用してください。

1. 主体性や協調性などの人間力

観光業界は、人とのコミュニケーションを重視した業務が多いため、主体性や協調性といった人間力が求められます。

接客で人間力が必要なだけではなく、主体性をもって情報収集をしたり、観光案内時のトラブルを先回りして解決したりなど、人間力を活かせる場面は多くあります。スキルとして磨いておいて損はないでしょう。

2. 地理や歴史に関する知識

観光業に携わるのであれば、観光に関した地理や歴史の知識が必要になります。また、案内地の地理以外に歴史の知識も身につけておくと、神社仏閣や歴史遺産に関係した観光業で有利に働くでしょう。

さらに、国内の観光業であっても海外の地理・歴史の知識を得ておけば、それぞれを比較した観光資源の魅力を伝えることができるため、地理や歴史などの知識はつけておくと良いでしょう。

3. 語学力

訪日外国人の観光需要が高まっている観光業界では、語学力はどの職種にも求められるスキルです。

英語や中国語以外にも、タイ語やスペイン語の需要も増えています。実際に、語学に関連した資格取得者を優遇採用する企業もあるため、磨いておけば就活する際に大いに役立つでしょう。

観光業界の選考対策

観光業界を志望する就活生は以下の選考対策に取り組みましょう。

自己分析

業界・企業研究

面接対策

観光業界は就活生から人気の高い業界です。

対策なしでは周囲の就活生との差別化ができません。

採用担当者に自分の魅力を効果的に伝えるためにも対策しましょう。

必要な対策がわからない就活生は本章を参考にしてください。

自己分析

自己分析は選考対策に必須です。

自己PRや志望動機を答えるためには自分について深く理解しておく必要があります。

「なぜ観光業界を志望するのか」「自分の強みがどのように活かせるのか」を具体的に回答できるようにしましょう。

自己分析の方法がわからない就活生は自己分析ツールを利用してください。

質問に回答するだけでAIが性格や強みを分析してくれます。

以下の記事では自己分析のやり方について詳しく解説しているので参考にしてください。

業界・企業研究

自己分析の次は業界・企業研究に取り組みましょう。

志望する業界と企業が自分の価値観に合っているか判断できるからです。

たとえば、成長産業で働きたいと考えている就活生はIT業界が選択肢になります。

一方でテレビ業界を志望すると自分の考えに合わない可能性があります。

ITが良くてテレビが悪いわけではありません。

自分の価値観に合わないことが問題です。

効率よく業界・企業研究するにはノートを作成しましょう。

自分で調べた情報がわかりやすくまとめられます。

作成方法がわからない就活生は以下の記事を参考にしてください。

使い方について詳しく解説しています。

無料のテンプレートを配布しているため、ぜひダウンロードして利用してください。

面接対策

最後は面接対策です。

自分の魅力や強みを採用担当者にアピールしましょう。

面接は経験が増えるごとに上達していきます。

大学のキャリアセンターや就活エージェントを利用して、何度も練習しておきましょう。

就活エージェントにはジョブコミットがおすすめです。

専任のエージェントが理想の企業探しをサポートしてくれます。

就職のプロが自分に足りない箇所をアドバイスしてくれるため効率よく面接対策が可能です。

また、大手企業から中小企業まで幅広い採用実績があります。

どの企業を志望したとしても丁寧にサポートしてくれるでしょう。

面接対策を徹底して自分を採用するメリットを採用担当者に伝えてください。

まとめ

コロナウイルスの影響から大きな打撃を受けた観光業界ですが、企業や政府の取り組みなどから需要は回復傾向にあります。しかし、安定した成長が見込める業界である一方、業務形態や展開にも変化が求められることは少なくありません。

こうした変化のある観光業界に適応するためにも、観光業界への研究を怠らず、今後の業界展開を把握しておくことが重要です。

観光業界は、旅行や接客といった自分の好きな分野をやりがいにしている人が多い業界です。やりがいを仕事として活かせるように、観光業界の展開を踏まえた上で自分に合った仕事をぜひ見つけてください。

就活市場では観光業界以外にも幅広い業界について解説しています。
ぜひ記事をのぞいてみてくださいね。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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