エンタメ業界とは?現状や今後の動向と課題・やりがいについても解説

エンタメ業界とは?現状や今後の動向と課題・やりがいについても解説
この記事でわかること
  • 「エンタメ業界ってどんな業界?」
  • 「どのようなところにやりがいを感じられるの?」
  • 「エンタメ業界に向いているのはどんな人?」

エンタメと聞くと華やかなイメージがありますが、具体的にどのような業界なのか気になっている人も多いのではないでしょうか。

エンタメ業界に就職したい人は、業界のことを把握しておかなければなりません。

本記事では、エンタメ業界の現状や今後の動向とともに、課題についても解説しています。この記事を読むことで、就活に役に立つ情報が得られるでしょう。

また仕事を通じて感じられるやりがいや、この業界に向いている人の特徴もあわせて紹介しているため、エンタメ業界に応募するか迷っている人もひとつの判断基準として参考にしてみてください。

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エンタメ業界とは?

エンタメ業界はコンテンツやパフォーマンスを通じて人を楽しませることを目的とした業界です。多くの人はテレビをイメージするのではないでしょうか。しかし、動画配信やゲーム、舞台、イベントなども人を楽しませるコンテンツであるため、エンタメ業界に含まれます。

業種や職種も幅広いため、就活生はどのような種類があるのかを把握し、自分に合うものを選びましょう。

また、エンタメ業界はBtoCの業務であるため、お客様や消費者と関わることが非常に多く、やりがいを感じられるため就活生の方々からも非常に人気です。

したがって、倍率が高いところもありますが、この記事を通じてしっかりと理解を深め対策すれば、内定を得ることは可能です。

エンタメ業界の現状は?

エンタメ業界は新型コロナウイルスの影響を大きく受け、その流行により多くの変化を遂げました。

特にテレビや芸能界、ライブイベントの分野で顕著な変化が見られるため、就活を進めるにあたってエンタメ業界の現状を把握しておきましょう。

面接において聞かれることも多いため、エンタメ業界の現状を把握しておくことは非常に重要です。

好調な事業

ここからは、2025年度版業界地図をもとに、エンタメ業界における好調な事業を紹介していきます。

好調な事業は、以下のとおりです。

  • アニメ事業
  • 宿泊事業
  • 動画配信事業
  • スポーツ事業

それぞれの具体的な事業内容や特徴などを、以下からチェックしていきましょう。

アニメ事業<

アニメ事業は、アニメの制作や放送・配信、アニメに関連するグッズ制作と販売、イベント運営などを主な内容としています。

アニメ事業は2015年以降伸び続けている業界であり、今後も大きな成長が期待されています。

なお、拡大傾向にあるのは日本だけではなく、海外にも同様の動きが見られます。

中でも市場の伸びを牽引するのは配信権の販売であり、海外の配信事業企業が高値で権利を買い付けていることで、成長につながっていることが特徴です。

宿泊事業

エンタメ業界における宿泊事業とは、主に観光客を対象とした、ホテルや旅館などの宿泊施設運営事業にあたります。

インバウンド事業の追い風を受け、2020年~2022年頃のコロナ禍を大きく上回る水準で、成長を見せていることが特徴です。

近年日本は円安の影響により、コストパフォーマンスの良い海外旅行先として注目を集めており、外国人観光客が多くみられます。

一方で国内の旅行者は、円安・物価高騰などの影響により減少傾向です。

そのため今後円安の情勢が回復すれば、海外への旅行者が増えると予想され、国内における日本人旅行者はますます減少すると指摘されています。

動画配信事業

動画配信事業は、アニメ・ドラマ・映画などの動画作品の配信、動画共有プラットフォームの運営などを主に行います。

コロナ禍により巣ごもり需要が増加して以降、動画配信サービスの利用率は現在も拡大し続けています。

配信サービスがより普及した昨今は、国内の過半数の人がサービスを利用しているとも言われていることが特徴です。

なお、国内では海外発信の配信サービスが一強となっていますが、近年は国内発のサービスも攻勢を見せています。

しかしながら、需要が拡大しているとはいえ、コロナ禍の最中と比べると近年の成長率は鈍化傾向にあります。

現在はサービスが乱立し、シェアの奪い合い激化の様相も見られます。

スポーツ事業

エンタメ業界におけるスポーツ事業は、いわゆるゲームをプレイして競い合う、Eスポーツに関連する事業に特に勢いがあります。

Eスポーツ事業は、近年徐々に広まりを見せ、大会・イベントが大きな盛り上がりを見せています。

企業によっては、若年層をターゲットとして新たに参入してくるケースもあります。

顧客獲得の方法は、イベント・大会・上手な選手のプレイ動画のストリーム配信などです。

なお、プロスポーツも、コロナ前を上回る勢いで大幅な回復を見せています。

オリンピックの開催・日本人選手の活躍など、観客動員数を跳ねさせるきっかけがさまざまあったためと考えられます。

不調な事業

ここからは、2025年度版業界地図をもとに、エンタメ業界における不調な事業を紹介していきます。

好調な事業に対して、不調な事業は以下が挙げられます。

  • ゲーム事業
  • 出版事業
  • 旅行事業

以上の事業をメインとする企業を志望する際は、現在の状況や今後の動きに注意しましょう。

ゲーム事業

エンタメ業界におけるゲーム事業では、ゲーム制作・配信・関連イベントの運営などを行います。

近年は海外大企業のゲーム事業への投資が大規模化しており、その影響を受けたことで、国内のゲーム事業は苦境に立たされています。

以前より主流となっているスマホゲームは、競争激化により高品質化が進み、開発・マーケティングコストが増大していることも影響しているでしょう。

そのため、大手企業もゲーム事業の不振に頭を悩ませており、盛り上がっていた時期と比べて100%近く売上を落としているケースも見られます。

出版事業

エンタメ業界における出版事業は、書籍や雑誌などの編集・出版・販売などを行います。

出版事業はどの企業でも以前からマイナス成長を続けており、その波は現在も止まることはありません。

紙の出版物は2024年に1兆円割れが確実とされており、もともとあったマーケットは、すっかり電子出版に取って代わられています。

なお、書籍や雑誌の電子版市場では、電子コミックの占有率が9割以上を占めていることが特徴です。

勢いは常にある状態で毎年前年超えを記録していますが、近年はその中でも、やや緩やかな伸びに変化しつつあります。

旅行事業

旅行事業は、ツアーの企画や販売などを主に行っています。

旅行事業に大打撃を与えたコロナ禍は、以前より収束を見せていますが、コロナ前と比べるとまだまだ回復していないのが現状です。

そのため、旅行事業の不調はコロナ禍を機に依然として続いており、なかなか良い状況とはいえません。

加えて、近年は円安や物価高騰の影響も見られ、高額な負担になりやすい海外旅行は避けられる傾向にあります。

物価高騰の勢いが止まらなければ、格安といわれるツアーも値上げを余儀なくされるため、ますます不調が続く恐れがあるといえます。

エンタメ業界の今後の動向

就職するのであれば将来性のある業界に行きたいと思う人が多いのではないでしょうか。

そのため、エンタメ業界に就職したい人は、今後の動向が気になるでしょう。

エンタメ業界の動向について紹介します。

国家戦略のひとつ「クールジャパン戦略」とは?

クールジャパン戦略とは、アニメや漫画、ゲームなどのコンテンツを使って世界に日本の魅力を知ってもらい共感を得るための取り組みです。単純に発信するだけでなく、海外展開やインバウンド振興により日本の経済成長を図る目的があります。

しかし、目的である共感の獲得が共有されていないという課題もあります。経済的利益が目的になってしまい、日本の魅力の本質を深掘り、理解できていないことが多いようです。

また日本人は職人気質な傾向にあり、消費者ニーズよりも作り手が良いと思ったものが売れるという考えを持っているため、世界視点を意識できていないことも課題になっています。

出典: 新たなクールジャパン戦略の検討|内閣府知的財産戦略推進事務所 参照: https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/chitekizaisan2024/pdf/siryou4.pdf

デジタル関連コンテンツにも期待

また、ライブ・イベント事業では一般的なライブに加えて、オンラインのライブビューイングやライブ配信が急速に進化し、今後も拡大していくと予想されています。

一般的なライブに加えて、オンラインのライブビューイングやライブ配信が急速に進化し、今後も拡大していくと予想されています。

これにより、場所や時間に制約されない新しい形態のライブ体験が提供されるようになり、ファン層の拡大が期待されているのです。

特にメタバース、NFTなどのWeb3.0技術との融合が試みられており、デジタル空間でのライブやバーチャルグッズの販売など、新しいビジネスモデルが注目を集めています。

エンタメ業界の課題

続いて、ここからはエンタメ業界の課題をチェックしていきましょう。

エンタメ業界には魅力だけでなくさまざまな課題があるため、将来エンタメ事業に従事する可能性を加味し、どのような点が課題になるのか整理することが大切です。

主な課題は、以下のとおりです。

  • 外部プラットフォームへの依存体制
  • 不正による信頼回復

では、それぞれの詳細を解説していきます。

外部プラットフォームへの依存体制

エンターテインメント業界の今後の動向と課題の1つとして、外部プラットフォームへの依存体制が挙げられます。

現在、多くのコンテンツプロバイダーや制作会社はYouTube、Netflix、Amazonなどの外部プラットフォームを通じてユーザーにコンテンツを提供しています。

この構造は、コンテンツの広範な視聴者にリーチできるというメリットがある一方で、手数料や広告収益の一部をプラットフォーム側に支払う必要があり、利益率が圧迫されるという問題があるのです。

そこで、自社プラットフォームの整備や、既存ビジネスモデルの変革が求められています。

不正による信頼回復

エンタメ業界では、さまざまな不正に対する信頼回復が、現状大きな課題になると指摘されています。

特に旅行事業では、コロナ関連での不正が続いており、自治体の信頼回復が急務です。

旅行会社にとって、自治体から任される観光施設の運営・管理事業は、業績を支える大きな事業にあたることも珍しくありません。

そんな中で不正が発覚すれば、大きな不祥事になり、大幅に業績が悪化することも考えられるでしょう。

そのため、エンタメ業界では不正による信頼回復をいかにスムーズに進めていくか、というポイントがビジネス課題の一つとなっています。

大きく発展したエンタメ業界の業種

エンタメ業界の幅は広く、新型コロナウイルスの影響を受けながらも大きく発展した業種があります。特に体験型ビジネス業界やゲーム業界、動画ビジネス業界の3つは消費者のニーズやライフスタイルの変化を捉え、今後もさらに発展が期待される業種だと言えるでしょう。

体験型ビジネス業界

エンタメ業界では体験の価値を高める取り組みが行われており、体験型ビジネスは没入感が得られることが特徴です。

オフライン、オンラインどちらも様々なイベントが開催されていますが、特にオフラインイベントは注目を集めました。非接触型のため、同じ空間で大人数が集まることが難しくなった今、場所の制約を受けないオフラインイベントの需要が高まっているのです。

ゲーム業界

ゲーム業界の中でもeスポーツは世界的に普及しています。サブスクリプション方式のeスポーツも盛り上がっており、今後も発展し続けるとされています。

しかし、日本では海外よりも発展していないのが現状です。これは、法律の整備が関係しています。海外で開催されているeスポーツ大会は賞金が高額ですが、日本で同様な額を設定すると賭博罪に該当する恐れがあるため、海外に追いつけていないのです。

法律の整備が行われると、日本でもさらに普及するでしょう。

動画ビジネス業界

スマートフォンの普及により動画ビジネス業界も盛り上がりました。YouTubeやSNSでのライブ配信などは個人でも動画を制作し、簡単に発信できるため、強い影響力を持っています。

サブスクリプション方式の見逃し配信サービスは、料金を気にせずに様々な動画を楽しめるという理由から人気があります。また好きな場所、好きなタイミングで視聴できるため、現代のライフスタイルに合っており、多くの人の生活に組み込まれているようです。

動画ビジネス業界は5Gなど通信高速化により、さらに発展していく業界だと言えるでしょう。

今後さらに期待されるエンタメ業界のコンテンツ

エンタメ業界において発展を遂げている体験型ビジネスや動画ビジネスの中でも、今後さらに期待されるコンテンツがあります。それは、ライブ配信や無観客で開催するライブや試合、オンラインファンミーティングです。

これらは、パソコンやスマートフォンがあれば簡単に出演者と繋がることができ、同じ空間にいなくても身近に感じることができます。

ライブ配信

最近ではSNSを通じてライブ配信をする人が増えてきました。よく活用されているのはInstagramやYouTubeです。視聴者はリアルタイムでコメントができるなど、出演者と同じ時間を共有できるという特徴があります。

また、インターネット環境が整っており、スマホやパソコンがあればどこでも配信することができるため、会場や特別な機材を用意する必要がなく、コスト削減にも繋がるということもメリットのひとつです。

無観客ライブ

これまで、アーティストなどのライブはライブ会場に足を運ぶのが一般的でしたが、新型コロナウイルスの影響を受け、開催中止となったイベントも少なくありません。そこで需要が高まったのが無観客ライブです。

人数制限もなく、感染対策をしながら視聴することができるなどオンラインならではの特徴を活かしたイベントです。

直接、お客様の表情を見たり歓声を聞いたりすることができませんが、オンライン上であってもファンとの繋がりを持てる貴重なイベントだと言えるのではないでしょうか。

無観客試合

無観客ライブ同様にオンライン上で配信する無観客試合も数多く実施されています。当初は声援や歓声がない試合は寂しさがあるなど、ネガティブな声もありました。

しかし、リモートで応援ができるシステムを導入するなど、様々な取り組みが実施されており、今では現地に行けない人でも楽しめるイベントとなっています。

オンラインファンミーティング

オンラインファンミーティングはアーティストやタレントが開催するイベントです。握手会やサイン会などファンと直接交流することができない場合でも、ビデオ会議ツールを使用すると顔を見ながら会話ができるため、多くの人が利用しています。

また場所も選ばないため、これからも利用されるケースが増えていくのではないでしょうか。

エンタメ業界の業種10選

続いて、エンタメ業界の業種を10個紹介します。

それぞれの事業内容やどのような企業が代表的であるかについても紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。

それぞれがどのような業務を行っているかを深く知ることで、業種を絞り込めるはずです。

①ゲーム事業

ゲーム事業は、コンピューターやスマートフォン、コンソール向けにゲームコンテンツを提供する業界です。

ゲームソフトメーカーや開発スタジオがゲームタイトルを開発し、販売やサービス提供を行います。

近年、特にスマートフォン向けゲームアプリ市場が急速に成長しており、Cygamesやミクシィなどの企業がこの分野での存在感を強めています

スマートフォンの普及に伴い、これまでゲームにあまり関心を持たなかった層も取り込むことができ、カジュアルゲームやソーシャルゲームが急成長しました。

また、ゲームは一度購入されるだけでなく、アプリ内課金やサービスとして継続的に収益を生むビジネスモデルが主流となっており、ユーザーとの長期的な関係性が重視されるようになっています。

代表的な企業
  • 任天堂
  • ソニーバンダイナムコエンターテインメント
  • Cygames

②芸能・スポーツ事業

芸能・スポーツ事業は、タレントやアスリートのマネジメント、スポーツチームの運営などを中心とした幅広い業界です。

この業種では芸能人やアスリートと共に働く機会が多く、非常に人気がありますが、華やかな一面が注目される一方で、舞台裏では戦略的なブランディングやマーケティング活動が不可欠です。

芸能事務所は、タレントの育成、マネジメント、プロモーションを行い、テレビや映画、イベントに出演させる機会を提供します。

近年では、SNSやYouTubeなどのデジタルプラットフォームを活用して、従来のメディアに依存しないプロモーション活動も増加しています。

代表的な企業
  • アミューズ
  • ホリプロ
  • オスカープロモーション
  • スターダストプロモーション
  • ソニー・ミュージックアーティスツ
  • 吉本興業

③映像・音声事業

映像・音声事業は、映画や音楽などのエンタメコンテンツの制作、編集、プロモーションを行う業界です。

映画制作会社や音楽レーベルはクリエイティブな作品を世に送り出し、消費者に感動を与える一方で、大規模なプロジェクトのマネジメントが重要な要素となります。

制作では多くの専門家やアーティストが協力し合い、チームワークが不可欠であるため、チームで働きたい人に向いている業界です。

代表的な企業
  • ウォルト・ディズニー・ジャパン
  • KADOKAWA
  • 東宝
  • 東映
  • 東北新社

④レジャー・アミューズメント事業

レジャー・アミューズメント事業は、テーマパークや遊園地、水族館、動物園など、人々が外出して楽しむ場所や施設を運営する業界です。

消費者に非日常的な体験を提供することが重要であり、訪れる人々がリラックスし、楽しめる空間づくりが求められます。

特に、テーマパークではキャラクターやストーリーを活用したエンターテインメントが提供され、来場者に感動や夢を与えることが目的とされています。

さらに、施設自体が観光地としての役割を果たすことから、地域経済にも大きな影響を与える存在です。

観光業との連携も進み、地元経済の活性化に貢献するケースが増えています。

代表的な企業
  • オリエンタルランド
  • ラウンドワン
  • マルハン
  • チームラボ

⑤出版事業

出版事業は書籍や雑誌、漫画、ライトノベルなどを制作し、消費者に提供する業界です。

従来の紙媒体市場は縮小傾向にありますが、近年、電子書籍の普及によりデジタル媒体が成長しています。

電子書籍はいつでもどこでもアクセスできる利便性から、若年層やデジタルネイティブ世代だけでなく、徐々に中高年層にも支持されつつあります。

デジタル化は新たなビジネスモデルを構築する機会となっており、コンテンツの多様化や配信チャネルの拡大が求められています。

代表的な企業
  • 講談社
  • 小学館
  • 集英社
  • KADOKAWA

⑥映像・動画配信事業

映像・動画配信事業はインターネットを通じて映像コンテンツを提供する業界で、ストリーミングサービスの普及により急速に成長しています。

NetflixやYouTubeなどの大手プラットフォームが広く浸透し、コロナ禍での巣ごもり需要により、自宅での視聴が急増しました。

この業界の特徴は、オンデマンドで好きな時間にコンテンツを視聴できる利便性にあり、視聴者が自分のペースで楽しむことができる点が強みです。

また、オリジナルコンテンツの制作も競争力を持つポイントとなり、各プラットフォームが独自のシリーズや映画を制作し、視聴者を惹きつけています。

代表的な企業
  • Netflix
  • サイバーエージェント
  • DAZN

⑦おもちゃ・グッズ事業(販売)

おもちゃ・グッズ事業は子どもから大人まで幅広い年齢層を対象とした商品企画・販売する業界です。

少子化が進む日本においては、新たなターゲット層を開拓する動きが活発です。

近年では大人向けのホビーやコレクションアイテムが人気を集めており、玩具メーカーもこの市場を積極的に狙っています。

プラモデルやフィギュア、ボードゲームなどがその一例で、趣味としての玩具が成長分野となっています。

また、グッズ事業キャラクターやブランドとのコラボレーションが重要であり、人気のキャラクターやアニメと連動した商品展開が収益の鍵です。

代表的な企業
  • タカラトミー
  • バンダイナムコホールディングス
  • サンリオ
  • ハピネット
  • セガサミーホールディングス

⑧放送事業<

放送事業は、電波を用いて情報・娯楽などに関するコンテンツをさまざま提供していく業界にあたります。

普段利用するテレビ・ラジオ放送を通じて必要な情報を発信していくことが特徴です。

テレビ放送を行うテレビ局では、多くの人がテレビ番組・ニュースなどの制作に従事しています。

ラジオでは番組構成を考える作家・ディレクターなどがラジオ番組を制作し、電波を通じて各種番組を届けています。

なお、近年は聴取率獲得のためにWebサービス展開などの動きもさかんです。

放送事業を行う企業は、たとえば以下が挙げられます。

代表的な企業
  • 日本放送局(NHK)
  • フジ・メディア・HD
  • 日本テレビHD
  • WOWOW

⑨旅行事業

旅行事業は、旅行者の依頼を受けたうえで費用の見積もり・日程作成を行ったり、旅行に関するさまざまな情報を提供したりする業界です。

旅行業界でメインとなる業務内容は、ホテル・移動手段の手配、ツアー・パッケージ旅行の企画と販売などが挙げられます。

旅行にはさまざまな形があり、豊富にあるニーズと予算に合わせ、多種多様な旅行の形を提供することが旅行会社の務めといえるでしょう。

旅行事業を行う代表的な企業は、たとえば以下が挙げられます。

代表的な企業
  • JTBグループ
  • 日本旅行
  • HIS

⑩宿泊事業

宿泊事業は、利用者に対して宿泊する部屋やそれに関する施設・設備を提供したり、宿泊施設内のレストランや結婚式場を運営したりする業界です。

利用中のお客様に快適で楽しい時間を過ごしてもらうために、高品質なサービスを提供することを重要なポイントとしています。

なお、宿泊と旅行には密接なつながりがあるため、旅行業界とリンクしている部分が多いことも大きな特徴です。

事業形態には直接販売と委託販売があり、前者は自社で客室を提供することであり、委託販売は旅行会社・代理店・予約サイトを介して客室を販売することを指します。

なお、有名な宿泊事業の企業といえば、以下が挙げられます。

代表的な企業
  • 西武HD
  • リゾートトラスト
  • 東急
  • 共立メンテナンス

業界の職種7選

続いて、エンタメ業界の職種を7つ紹介します。

もちろん以下の7つ以外にも様々な職種が存在しますが、代表的なものは以下の通りです。

それぞれの業務内容や求められる能力について確認して、自分に向いているエンタメ業界の職種は何であるか考えてみてください。

①営業

エンタメ業界の営業職は自社が提供する製品やサービスを顧客に提案し、販売や契約につなげることが主な役割です。

映画、ゲーム、音楽などのコンテンツをメディアや広告主に売り込み、企業タイアップやコラボレーションを実現します。

顧客のニーズを把握し、その期待に応じて提案を行うことで契約成立へと導きます。

②制作・企画

制作・企画職は映画、書籍、イベントなどのエンタメコンテンツの立案と制作を担当する職種です。

映画であれば脚本からキャスティング、ロケーションの手配まで、書籍であれば作家との協力のもと、作品の方向性を決め、出版までのプロセスを管理します。

イベントであれば、会場の選定や演出のアイデア出し、スポンサーの確保など、非常に多岐にわたる業務が求められます。

クリエイティブな感覚とプロジェクト全体を見渡すマネジメントスキルが必要な仕事です。

③マーケティング

マーケティング職は消費者のニーズや市場の動向を把握し、それに基づいた商品やサービスを企画、提供する役割を担います。

エンタメ業界においては、新作映画やゲーム、音楽アルバムのマーケティング戦略を立てることが主な仕事です。

ターゲット市場を分析し、どのようなプロモーションを行うべきか、価格設定や流通チャネルの選定など、マーケティングの要素を総合的に検討し、宣伝を行います

④宣伝・PR

宣伝・PR職は自社の映画や音楽、ゲームなどの商品やサービスを広く消費者に知ってもらい、販売促進を図る役割を担います。

メディアやSNSを活用して商品やイベントをアピールし、話題性を高めることが主な業務です。

映画の公開や新しいゲームの発売に合わせて記者会見や試写会、広告キャンペーンなどを企画し、視聴者やユーザーの関心を引き立てる戦略を立てます。

⑤販売

販売職はエンタメ業界において映画やゲーム、音楽関連の商品を店頭で消費者に販売する役割を担います。

販売職は顧客と直接接触することが多く、接客を通じて商品の魅力を伝えることが主な仕事です。

映画のグッズやゲーム機器、音楽CDなどを扱い、顧客が求める商品を提供するとともに、在庫管理や陳列、売上データの分析など、店舗運営を行います。

消費者のニーズやトレンドを現場で直接的に感じ取ることができる職種です。

⑥施設管理・イベント運営

施設管理・イベント運営職は、テーマパークや映画館、コンサートホールなど、エンタメ施設の運営管理を担当します。

施設が安全かつ快適に運営されるよう、設備やスタッフの管理、来場者へのサービス提供を行います。

特に、大規模な施設は多くの来場者を迎えるため、スタッフの配置や動線の設計、イベントの進行スケジュールの管理など、細かな調整が必要です。

⑦一般事務

一般事務職はエンタメ業界での裏方として、様々な業務をサポートする役割を担います。

具体的には経理・財務や人事、調達、経営企画、カスタマーサービスなど、企業運営に欠かせない幅広い業務を担当します。

データ入力や書類作成、スケジュール管理など、日常的な事務作業を行い、企業の業務が円滑に進むように支えるため、いわゆる「縁の下の力持ち」と言える仕事です。

エンタメ業界のやりがいとは?

仕事をする上でやりがいを求める人は多いのではないでしょうか。

エンタメ業界で働くと感じられるやりがいは業種によって違います。しかし、共通しているポイントもあるため、実際に働いている人がどのようなやりがいを感じているのか知っておくと良いでしょう。

新しいことにチャレンジできる

エンタメ業界は環境の変化が激しく、新しいことにチャレンジできることにやりがいを感じている人が少なくありません。

また人の感情が関係する業界のため、同じことを繰り返しているだけでは飽きられてしまいます。そのため、常に新しいアイデアや企画を考えなければいけませんが、それがひとつのモチベーションの維持になるようです。

手がけた作品が認められる

ゼロから作り上げた作品が売れたり、高い評価が得られたりすることに嬉しさや仕事の楽しさが感じられるでしょう。直接、作品の制作に携わっていない場合も、徐々に認められていく過程を実感できるのはエンタメ業界の醍醐味でもあります。

感動を与えることができる

人々に感動を与え、心を動かすことができた時にやりがいを感じるという人も多いです。裏方の仕事は直接声を聞く機会があまりないでしょうが、今ではSNSを通じて感想を知ることができます。感動したなどというポジティブな投稿を見ると自分の心も満たされるでしょう。

イベントをやり終えたときの達成感がある

エンタメ業界は、作品が完成した時やお客様の喜ぶ顔が見えた時、イベントが成功した時など様々な部分で達成感が得られます。どの場面も緊張感があり、トラブルが起きることも少なくありませんが最後までやり遂げたという達成感に大きなやりがいを感じられるでしょう。

個性的で魅力ある人たちと仕事ができる

エンタメ業界に集まる人は個性的で魅力のある人たちばかりであるため、多くの刺激を受けます。またそれぞれの個性を大切にしながら一緒に仕事をしていくため、人間関係で鍛えられ、成長も感じられるでしょう。

エンタメ業界の適性は?

どの業界にも適性があります。好きなことでも向き、不向きがあるのです。自分と合わなければやりがいを感じられず、モチベーションも低下してしまうでしょう。

後から気がつくことがないように、どのような人が向いているのかや、求められる能力を知っておく必要があります。

エンタメ業界に向いている人

人を楽しませることに喜びを感じる

エンタメ業界は喜ばせたり、感動を与えたりするなど人の感情が関係する仕事です。そのため、直接的ではなくても人を楽しませることや心を動かすことに喜びを感じる人が向いていると言えます。

プロデュースしたいという意欲がある

音楽が好き、映画が好きなどという気持ちは大切ですが、単純に好きというだけではファンと同じです。その好きを自分なりに表現したい、プロデュースしたいという意欲がある人がエンタメ業界の仕事に向いていると言えます。

主体的に行動できる

ゼロから作り上げていく仕事であるため、自ら考えて行動できる人が向いています。初めはわからないことばかりですが、指示がなければ動けない人は仕事がきつく感じることがあるでしょう。

状況や周囲の人に惑わされることがなく、責任を持って行動できる人はエンタメ業界に向いていると言えるでしょう。

忍耐力がある

華やかなイメージがあるエンタメ業界ですが、実際には地味な仕事や厳しい場面に遭遇することも多く、忍耐力が欠かせません。地味な仕事でもコツコツと取り組める人や、つらい状況でも努力し続けられる人が向いています。

語学力があり異文化に対して受容性がある

日本の企業であれば日本語以外の言語は不要だと思っている人もいるのではないでしょうか。しかし、エンタメ業界は海外市場に展開していくことができるビジネスであるため、語学力が求められる場合があります。

また言語だけでなく、異文化を受け入れながら仕事ができる人が求められます。

感性が鋭い

エンタメ業界は移り変わりが激しく、新しいものが求められる業界です。流行ったものを繰り返していると飽きられてしまいます。そのため、常にアンテナを張って情報収集しトレンドを追い求め、またトレンドになりそうなものを見極める感性の鋭さが欠かせません。

体力・精神力が強い

他業界でもそれぞれにしきたりやルールがありますが、エンタメ業界の場合も人間関係、上下関係、習慣などがあり、それに従う必要があります。

精神力が強くなければストレスに打ち勝てないため、多少のことでは動じない精神力が求められるのです。また業種によっては体力も必要です。

コミュニケーション能力が高い

社交的でなければならないというわけではありませんが、人の心を動かす業界であり、多種多様な人と一緒に仕事を進めていくため、高いコミュニケーション能力が求められます。人の気持ちを汲み取り、適切に接する能力は欠かせません。

自分の意見を持っている

自分の意見や考えを持ち、それをしっかり主張できる人はエンタメ業界でも活躍していけるでしょう。しかし、自分の主張ばかりで人の話は聞かない、受け入れないという人は注意が必要です。

コミュニケーション能力の高さにも繋がることですが、他人を尊重しながら自分のこだわりを言語化し、伝える力がある人はエンタメ業界に向いています。

エンタメ業界に向いていない人

人の感情に興味がない

エンタメ業界は人を喜ばせる、もしくは人に感動を与えることにやりがいを感じて応募する人が多い業界です。

したがって、人の感情に興味がない人はあまり向いていないと言えるでしょう。

他人の意見に影響を受けやすい

他人の意見に流されやすい人はエンタメ業界で働くことはなかなか難しいかもしれません。

この業界では独自の視点やアイデアが求められるため、他人に左右されず自分の意見をしっかりと持つことが重要です。

指示を待つ方が得意

指示がないと動けない人も。

エンタメ業界で働くことにはあまり向いていません。

この業界においては自発的に動き、創意工夫して仕事を進める能力が求められるため、指示待ちでは遅れを取る可能性があるのです。

自分本位な性格

自分本位な性格の人は他人を尊重できないため、エンタメ業界で活躍することはできません。

多くの人と協力しながらプロジェクトを進めることが多く、他人の意見やアイデアを尊重し、協調して働く能力が求められるからです。

責任感が薄い

エンタメ業界においては、自分の担当するプロジェクトやタスクに対して強い責任感を持つことを求められます

エンタメ業界の仕事は個々の責任範囲が明確であり、ミスやトラブルが発生した場合には迅速に対応することが求められるからです。

行動力がない

決められた枠内での動きしかできない人は、エンタメ業界で働くことは難しいです。

この業界では特に新しいアイデアや考え方が求められるため、自分から積極的に行動を起こす能力が求められます。

エンタメ業界にキラキラしたイメージを持っている

エンタメ業界にキラキラしたイメージばかり持っている人も、なかなか活躍することは難しいかもしれません。

実際の仕事はいわゆる「泥仕事」と呼ばれるような厳しいものも多く、裏方の地道な努力や多くのサポートがあってこそ成り立っているものであるということは覚えておきましょう。

継続力がない

コツコツ地味に業務を行うことが苦手な人も、エンタメ業界には向いていません。

長期にわたるプロジェクトが多く、1つの目標を達成するためには継続が求められます。

例えば、映画1つとっても、完成までには数年かかるものであるということは覚えておきましょう。

我慢弱い

我慢強さが足りない人もエンタメ業界にはあまり向いていません。

批判やプレッシャーに耐えながらも、前向きに取り組む強さが必要だからです。

エンタメ業界は非常に競争が激しく、顧客からのフィードバックも非常に厳しいものが多いです。

対応力がない

突発的な事態に対応できない人も、エンタメ業界で働くことは難しいかもしれません。

予期しない問題が頻繁に発生し、それに迅速かつ柔軟に対応する能力が求められます。

機材トラブルやスケジュール変更など、急な事態に適切に対応できるかどうかは重要です。

トレンドについていけない

トレンドへの興味関心がない人はエンタメ業界で遅れを取る可能性が高いです。

最新のトレンドを把握して、それに対応することが非常に重要なこの業界において、消費者の興味を引くことが難しくなってしまいます。

情報収集能力が低い

先ほどの「トレンドについていけない」にも共通しますが、情報収集能力が低いと、消費者の興味を惹くことができません。

最新の情報をいち早く収集して、それを活かして仕事を進める能力が求められています。

競合他社や市場の動向を把握した上で、適切な戦略を立てることが重要なのです。

エンタメ業界の志望動機例文3選

続いて、エンタメ業界を目指す人のために志望動機の例文を3つ紹介します。

ゲーム事業、おもちゃ事業、アミューズメント事業の3つに分けて紹介するため、あなたが目指す事業をメインに参考にしてみてください。

また、もし時間に余裕があれば、どのようにエピソードを展開しているかなどを確かめるためにも、他の例文も読んでみてください。

①ゲーム事業

例文

御社を志望する理由は、世界中の人々に楽しさと感動を提供するゲームを作りたいと考えているからです。

私は幼少期からゲームが趣味であり、週末にゲームで遊ぶことを楽しみに、学業や部活などに熱心に取り組むことができました。

御社は業界をリードする企業として、斬新なアイデアと優れた技術力で多くの人を魅了しています。

御社に入社した際には、これまで大学で学んできたプロジェクト管理スキルやクリエイティブな発想を活かし、ユーザー目線で制作に取り組むことで、さらなる市場拡大と革新的なゲーム作りに寄与したいと考えています。

この志望動機は、理由が明確であり、どのような能力を持っていて、それをどのように還元するかもわかりやすい文章です。

もし文字数に余裕があるならば、プロジェクト管理スキルをどのように磨いたのかについても詳しく説明することを推奨します。

②おもちゃ事業

例文

私は幼少期に友人とおもちゃで遊ぶ中で、想像力やコミュニケーション能力を高めることができました。

特に、御社のおもちゃはその安全性と革新的な遊び方で子供たちの成長に大きな影響を与えていると感じています。

私もこのような人々に愛され続けるおもちゃを作る一員として、活躍・貢献したいと考えています。

大学では企画力とデザインを学んだため、それを活かし、さらなる商品開発や市場拡大に貢献する所存です。

御社を志望する理由は、子供から大人まで多くの人々に夢や想像力を提供するおもちゃ作りに携わりたいからです。

この文章では、自分が幼少期におもちゃで遊んだ経験に基づき、なぜその企業を目指しているかがきちんと説明されている点が良いです。

文字数が余っている場合は、自分が大学で身につけた企画力やデザインについての説明をもう少し詳しく記述することを推奨します。

③アミューズメント事業

例文

御社を志望する理由は、非日常の体験を提供するアミューズメント事業に強い興味があるからです。

私は子供の頃からテーマパークに行くたびに、そこで得られる感動やワクワク感に魅了されてきました。

御社が提供するアミューズメント施設は、訪れる人に特別な体験を提供し、長く記憶に残る感動を生み出しています。

私も人々に忘れられない瞬間を届ける仕事に携わりたいと考え、大学ではイベント運営やプロジェクトマネジメントを学びました。

この経験を活かし、御社の施設運営や新規プロジェクトの企画に貢献し、多くの人々に笑顔と感動を提供したいと考えています。

この文章も、なぜそのアミューズメント企業で働きたいかがわかりやすく説明されています。

また、少ない文字数でも、自分が学んだことと、それをどのように活かせるかが明確に書かれており、採用担当者に良い印象を与える文章です。

エンタメ業界に就職するためには

エンタメ業界に就職するためには企業分析を徹底的に行い、世の中のトレンドを把握した上で自己分析をさらに詳しく行うことをおすすめします。

エンタメ業界はテレビや映画、音楽、ライブイベント、デジタルコンテンツなど、それぞれの分野で主要な企業、業界の動向、競争環境などが存在するため、しっかりと理解した上で就活をしなければなりません。

また、トレンドに敏感な業界であるため、新しい技術がエンタメ業界にどのように影響を与えるか、またどのようなものが流行しているのかなどについて常にWebニュースやSNSを活用して把握しておくようにしましょう。

そして、最も重要なのは自己分析を行うことです。自分の強みや弱み、価値観、興味関心を明確にすることで、自分に最も適した職種や企業を見つけることができます。

エンタメ業界は多様な職種が存在するため、自己分析を詳しく行い、自分に向いている職種に応募することが重要です。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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