鉄道業界の職種を解説|私鉄・JR8社の特徴・採用動向や自己PRの書き方も

鉄道業界の職種を解説|私鉄・JR8社の特徴・採用動向や自己PRの書き方も

「鉄道業界で働きたい!」 「鉄道業界の動向を知りたい!」 鉄道業界はインフラで安定した業界として人気を誇っています。しかし、コロナや少子高齢化などの影響で、鉄道業界も変革の時を迎えていることをご存じでしょうか。

この記事では鉄道業界の職種や鉄道業界の動向、鉄道各社の特徴や取り組みについて紹介しています。

この記事を読むことで、鉄道業界の職種や各社の特徴を理解でき、現在鉄道業界が置かれている状況や今後の課題についてまで理解できるでしょう。また、志望動機や自己PRを書く上でのヒントも見つかるでしょう。

鉄道業界で働きたい方、鉄道業界に興味はあるが志望動機が書けず悩んでいるという方は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。

鉄道業界は大きく3つに分けられる

鉄道業界の中心である鉄道事業は、人を運ぶ「在来線」「新幹線」分野、モノを運ぶ「貨物輸送」分野の3つに分けられます。これらは鉄道業界が担う大切な事業です。

鉄道業界を知るためには、まずはこの3つの分野の特徴を見ていきましょう。

貨物輸送

鉄道業界には、人だけではなくモノを運ぶという重要な役割があります。しかし最近の貨物輸送はトラックが中心となっているため、貨物輸送を行っている鉄道会社は極めて少ないです。

現在、鉄道会社の貨物輸送は「JR貨物 日本貨物鉄道株式会社」が大半を担っています。これは全国に広がるJRの線路を利用することで、他の鉄道会社よりも効率的に輸送できるからです。

新幹線

鉄道事業において大きな収入源となるのが「新幹線」です。旅行や出張などの移動を支える重要な交通手段となっています。

新幹線は一度に多くの人の長距離移動を短時間で済ませられるため、在来線よりも収益を出しやすい分野です。現在、新幹線を持っている鉄道会社はJR北海道、JR東日本、JR東海、JR西日本、JR九州の5社です。

在来線

在来線は、新幹線を除く鉄道の路線のことを指します。通勤や通学、休日のお出かけなど、日常生活で私たちが移動するために利用する鉄道の多くがこの「在来線」です。

在来線の場合は1人あたりの乗車距離が長いほど、または鉄道1本あたりの乗車人数が多いほど利益が出る仕組みになっています。

在来線分野は東京の都心部でない限りは収益を出すのが難しいと言われていますが、不動産開発などで駅周辺を活性化させれば人が集まり、在来線の利益を上げられると期待されています。

鉄道業界の主な4つの職種

鉄道業界には様々な職種がありますが、その中でも人気が高い4つの職種について紹介します。

なお、鉄道会社では数年ごとに様々な職種を経験して鉄道事業全体のマネジメント能力を高めていく総合職と、より鉄道事業の専門性を高めていく専門職に分かれていることが多いです。

それぞれの職種の特徴を理解し、自分にあった職種を見つけてください。

1:運輸系統

運輸系統は鉄道事業の最前線で働く職種で、駅係員、車掌、運転手などとして乗客の安全を守る業務です。

また、ダイヤ修正などの運行管理や、輸送・運用計画など、運輸がスムーズに行われるようにマネジメントも任されます。将来的には車掌や運転手の教育、人事、広報、営業といった様々なフィールドでも活躍できるでしょう。

2:事務系統

事務系統は総務や人事、財務、営業、広報、経営企画といった業務につき、鉄道事業の運営がスムーズに行われるようにする役割を担っています。

一般的には数年ごとにジョブローテーションを行うため、様々な業務を経験してマネジメント能力を身につけることで、管理職を目指すこともできます。

3:システム・電気系統

システム・電気系統は鉄道が走るのに必要な電力の設備や、鉄道が安全に運行できるよう制御する信号通信、チケットサービスなどの情報サービス業務に従事します。

鉄道が安全に運行するために、電力やシステムの開発、メンテナンスを行う重要な業務です。鉄道事業や情報システム、技術開発、設備工事といった専門的な業務を経験したのち、営業や人事、安全対策などの様々な分野でも活躍できるでしょう。

募集要員は、電子工学や情報システムを専攻している学生であることが多いです。

4:機械・車両系統

機械・車両系統は、車両部門と機械部門に分かれています。

車両部門では鉄道車両の開発や設計、整備を担当し、機械部門では駅や車両メンテナンスのための機械管理などを行います。鉄道が安全に運行される上での基礎を担う重要な職種です。

機械・車両系統の専門性を磨いた後は、営業や人事、安全対策などの様々な分野でも活躍できる可能性があります。専門性の高い職種なため、機械工学や航空工学、宇宙工学、情報工学などを専攻している学生を募集することが多いです。

鉄道業界の過去の動向

インフラとして人々の生活を支えてきた鉄道業界ですが、業界の動向はコロナが流行する前後で大きく異なります。

コロナ流行前の鉄道業界は訪日外国人の影響で旅客数は増加傾向にありましたが、流行後には大きく減少してしまいました。

ここでは、コロナ流行前にあたる2012年~2019年頃までの鉄道業界の動向について紹介していきます。

鉄道業界の業績は?

2008年頃に起きたリーマンショックの影響で、鉄道業界も一時的に業績を落としました。

しかしその後、求人倍率が徐々に回復していくと輸送人数も増え、鉄道業界の旅客人数は緩やかに増加し、コロナが流行するまでは業績も回復傾向にありました。

インバウンド需要の拡大

インバウンド需要が拡大したことも、業績回復の追い風の一つとなりました。

2012年~2019年まで訪日外国人数は年々増加していたため、訪日外国人の移動手段として使われる鉄道業界はインバウンド需要の高まりとともに業績を伸ばしていきました。

さらには、訪日外国人に向けた独自のサービスを行う鉄道会社も多くありました。例えば、観光地が多くある路線を持っている鉄道会社は、自分たちの鉄道を利用した観光地への行き方や、観光地の説明などをWEBサイトで発信するサービスを行っています。

出典:訪日外国人旅行者数・出国日本人数|観光庁 参照:https://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/in_out.html

鉄道業界の現在の動向

2012年以降業績が緩やかに上昇していた鉄道業界ですが、2020年のコロナによって状況が一変しました。

さらに現在の鉄道業界は社会のニーズに合わせ事業を多角化しており、まさに変革の時を迎えています。ここでは、鉄道業界を取り巻く現在の動向について紹介していきます。

コロナの影響を大きく受けている

鉄道業界はコロナにより様々な影響を受けました。特に大きな影響を与えたのは、政府の「緊急事態宣言」などによる外出自粛要請です。

緊急事態宣言中のゴールデンウィークは、多くの旅行客で賑わうはずの各新幹線乗り場も閑散としていました。

緊急事態宣言以降もテレワーク推奨による通勤利用客の減少、旅行自粛や訪日外国人の大幅減少で、鉄道業界は大きな苦境に立たされました。

また、業績だけではなく鉄道の運行にも影響を及ぼし、都営地下鉄大江戸線では乗務員の間でクラスターが発生しました。運転士の数が足りず通常ダイヤで運行することが困難になったため、年末年始にかけての数日間は運行本数を減らして運営することになりました。

2021年頃になると経済活動も徐々に復活し、鉄道業界の業績も少しは回復しましたが、コロナを機にリモートワークや働き方の意識変化なども起こったため、旅客数はコロナ前の水準に戻らないのではないかと懸念されています。

非鉄道事業の拡大

そもそも鉄道事業は固定費が高いため、収益を生むのが難しい事業です。そこで鉄道各社は不動産や流通、レジャー、ホテルなどの非鉄道事業を展開し、収益を上げています。

例えば起点の駅にはビルや百貨店などの商業施設、駅周辺にはマンション、さらに終点駅にはレジャー施設やホテルなどを建設することで、その沿線全体の価値を上げられるでしょう。

このように鉄道会社は沿線周辺を活性化させることで、鉄道事業以外の利益を出しつつ沿線の価値を高めていくことで、結果として鉄道事業の売上増加に繋げています。

また、東急電鉄は電車の定期券にバスや駅周辺の飲食店、映画などを自由に利用できるサービスを加えた「サブスクパス」を開発しました。このサービスも、通勤客減少による定期券の購入率低下を阻止するとともに、沿線の地域活性化も狙った取り組みです。

私鉄各社が有料サービスを導入

現在の旅客数の減少はコロナだけでなく、少子高齢化の影響もあります。そこで鉄道各社は客単価を上げ、さらには顧客の満足度を高めて定着化をはかるために「有料着席サービス」を行っています。

有料着席サービスは、追加料金を払うと通勤時に確実に座れるサービスです。座席指定制の通勤電車で設備も整っているため、通勤ラッシュの中でも通勤時間を有意義に過ごしたいという顧客から人気を得ています。

この有料着席サービスはこれまでに東武鉄道、小田急電鉄、京王電鉄、京成電鉄など多くの鉄道会社が導入してきました。

鉄道業界の将来の動向

コロナによる新しい生活様式や少子高齢化の加速化を踏まえ、今後の鉄道業界では新たな取り組みが必要とされています。

鉄道業界は従来の運賃収入をメインとした鉄道事業だけに頼らず、他の収入源を増やしていかなくてはなりません。ここからは、鉄道業界の今後の動向について紹介していきます。

新しい生活様式の広がり

コロナの影響で多くの人が自身の働き方や生活を見直すようになった中で、鉄道事業の売上がコロナ前の水準まで戻ることは難しいでしょう。そこで鉄道業界は、アフターコロナの人々の動きに合った取り組みを始めています。

例えば通勤ラッシュの混雑を避けたいという人に向けて、時間帯によって料金を変動させている鉄道会社や、本数を減らしたり終電時間を繰り上げたりすることで、コスト削減をはかっている鉄道会社もあります。

テレワークが定着し郊外に移住する人やオフィスが増えてくれば、郊外の沿線地域を活性化させていくことが重要視されるでしょう。

バリアフリーや安全面の強化

高齢化が進む日本において、あらゆる立場の人々が不自由なく電車を利用できる社会にするために、バリアフリーや安全対策は大きな課題です。

バリアフリーに関しては駅のエレベーター、資格障害者誘導用ブロック、多機能用トイレの設置が求められています。

令和元年度までの東京都の鉄道駅を見ると、エレベーターの設置率は95.9%、資格障害者誘導用ブロックは99.9%、多機能用トイレは96.8%とバリアフリーが進んでいることがうかがえます。

一方でホームへの転落事故は後を絶ちません。安全対策としてホームドアの設置が必要とされていますが、設置費用が高いことや電車を走らせながら工事を行うというスケジュール上の難しさから進捗状況は芳しくありません。

令和元年度までの東京都の鉄道駅のホームドア設置率は45.7%で、バリアフリーに対し進捗の遅れが見られます。誰もが安心して鉄道を利用できる社会のために、ホームドア設置をより早く進めていくことが鉄道業界の課題になっています。

出典:都におけるバリアフリー化の進捗状況について(令和元年度末)|東京都 参照:https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kiban/machizukuri/suisinkyo/dai12ki/dai5kai.files/03shiryo.pdf

海外展開の推進

日本の鉄道は世界から見ても安全性や信頼性に優れているため、鉄道各社は海外展開も進めています。

例えばJR東海はリニア新幹線でアメリカに、JR東日本はインドで鉄道事業を進めています。東南アジアでは鉄道をはじめとする交通網が十分に整備されていない地域も多いため、日本の鉄道技術の需要は高まっていくでしょう。

利用人口の維持・拡大のための施策

先述したとおり、少子高齢化が進むと鉄道利用客も減少していくことが考えられるため、鉄道各社は自社の沿線の利用人口を維持・拡大させることが求められています。

沿線の活性化を目的としたサービスで注目されているのが「MaaS(モビリティーサービス)」です。これは鉄道各社が他の交通事業と連携して利用者が移動手段を自由に組み合わせ、検索・予約・決済までの全てを行えるサービスです。

鉄道以外との交通網の連携が進めば、今後増加する高齢者などの移動が容易になります。移動が容易になれば利用者も増加し沿線の活性化につながるため、関係各社の「MaaS」への参入が増加してきています。

このように、沿線の価値を上げて利用人口を維持・拡大していくために、今後鉄道会社と他業種が連携した事業が増えていくでしょう。

私鉄主要5社の特徴とは?

私鉄の鉄道会社の特徴は、鉄道事業も含めた様々な事業を通して沿線地域の活性化に重きをおいていることです。そのため、鉄道事業の他にも不動産や小売事業、レジャー事業など他方面にわたる事業を展開しています。

私鉄の中には、鉄道事業よりも他の事業売上のほうが高い鉄道会社もあります。また、私鉄は事業エリアが狭いため、JRと比べ転勤がない企業が多いです。

私鉄とは?

私鉄とは、民間の資本で運営されている鉄道会社の路線です。JRとは異なり、国からの支援は受けていません。

私鉄はJRよりも地域に密着して展開してきた鉄道会社であるため、JRと比べて全国各地に存在します。その中でも主要な私鉄は小田急、東急、東武、東京メトロ、近鉄などがあげられます。

小田急電鉄の特徴

小田急電鉄は鉄道部門と生活サービス部門があり、鉄道事業以外にも不動産事業や開発事業、広告業など様々な事業を展開しています。

小田急電鉄の路線は新宿を起点に小田原までを繋ぐ「小田原線」を中心に、相模大野から片瀬江ノ島までを結ぶ「江ノ島線」、新百合ヶ丘から唐木田までを結ぶ「多摩線」の3つの路線(合計120.5km)があります。

小田急の沿線には箱根や江の島、さらには鎌倉といった多くの観光スポットがあることから、通勤・通学以外に、観光客の利用も多いところが特徴です。特急ロマンスカーの運行はもちろん、沿線の観光スポットを紹介するなど観光事業にも力を入れています。

出典:当社路線の概要|小田急電鉄 参照:https://www.odakyu.jp/company/railroad/about/

東急の特徴

東急は交通事業、不動産事業、生活サービス事業、ホテル・リゾート事業、国際事業といった多方面に事業を展開しています。

東急電鉄は私鉄の鉄道会社の中でも売上高は高いほうですが、不動産事業や生活サービス事業が売上の大半を占めているのが特徴です。

東急電鉄の路線は、東横線や田園都市線など全8本です。私鉄の中でも利用者は多く、沿線には自由が丘や二子玉川といった人気エリアも多くあります。

交通事業よりも不動産事業や生活サービス事業の売上高が大きいことからも分かるように、東急は沿線の価値を高めるため、「街づくり」に力を入れています。

特に注力しているのが東横線、田園都市線の起点となる渋谷駅の大型開発事業です。「渋谷ヒカリエ」や「渋谷マークシティ」を展開し、沿線地域の活性化を目指しています。

東武鉄道の特徴

東武鉄道は、鉄道事業と開発事業を展開しています。路線は東武伊勢崎線や東武東上線といった全13本で、浅草と池袋を起点とし東京、千葉、埼玉、栃木、群馬といった、関東の私鉄の中でも広範囲に及ぶ路線を持っていることが特徴です。

沿線には日光や鬼怒川、浅草、東京スカイツリーといった観光名所が数多くあります。特に東京スカイツリータウンの事業を通して、地域の活性化を目指しています。

近鉄グループホールディングスの特徴

近鉄グループは運輸事業、不動産事業、国際物流事業、流通事業、ホテル・レジャー事業を展開しているのが特徴で、鉄道事業は5つの会社が運行しています。路線は大阪と奈良を中心に京都、三重、愛知まで繋いでおり、私鉄の中でも最長クラスの距離です。

あべの・天王寺エリアに「あべのハルカス」を建設し、鉄道のみならず百貨店やホテルなどの事業が連携することで地域との共生を進めています。

東京地下鉄(東京メトロ)の特徴

東京メトロは鉄道事業と都市・生活創造事業を展開しており、他の私鉄と比べ売上高において運輸の比率が非常に高く、鉄道事業が東京メトロの基盤となっています。

東京メトロの路線は、丸ノ内線や東西線など全9本の地下鉄です。都心部を中心とした大きな交通網により、都心と郊外を結ぶ移動手段として多くの人々に利用されています。

売上高の比率からも分かるように、不動産事業などの鉄道以外の事業展開を進める他社に対し、東京メトロは乗客のニーズに沿った快適な輸送サービスを提供することで、利用人口の維持・拡大を目指しています。

JR主要3社の特徴とは?

JRは新幹線を持っているだけでなく路線も多いことから、全体の売上の中で運賃収入の割合が高いです。そのため、地域活性化を重視する私鉄よりも、よりインフラの要素が強いです。

また、JRは私鉄に比べて各社の事業範囲が広いため、転勤の可能性もあります。

JRとは?

JRは、かつて政府が出資していた「日本国有鉄道」という鉄道会社のことです。民営化の際に分割され、現在はJR北海道、東日本、東海、西日本、四国、九州、そして貨物の全7社に分けられています。

JR各社のメインは輸送業務のためインフラの要素が強いですが、最近は私鉄と同様に不動産事業、駅ナカなどの商業施設の運営なども行っています。また、新幹線やリニアの開発などにも力を入れています。

JR東日本の特徴

JR東日本は東北、関東、信越エリアに路線を持っている鉄道会社です。

6つの新幹線と首都圏に多くの路線を持っているため運賃収入が安定している一方で、他のJR各社よりも鉄道事業以外の事業展開も進めています。

JR東日本は首都圏を中心とした交通網を展開していることから、日本のインフラを支える企業として輸送サービスや生活サービス、IT・Suicaのサービスに力を入れているのが特徴です。

Suicaと様々なデジタルネットワークを連携させることで新たな価値を提供し、利用人口の維持・拡大を狙っています。

JR西日本の特徴

JR西日本は、北陸、近畿、中国、九州北部エリアに路線を持っている大手の鉄道会社です。2つの新幹線を運行しているため、JR東日本同様、鉄道事業による売上が大半を占めています。

JR西日本が特に力を入れているのが、「安全への取り組み」です。甚大な被害を生んだ福知山線脱線事故を起こして以来、毎年「JR西日本グループ鉄道安全考動計画」を作成し、安全対策を徹底しています。

また、鉄道事業の他にも物販飲食やホテルといった創造事業、地域共生の取り組みとして沿線地域の活性化も目指しています。

JR東海の特徴

JR東海は、東海道新幹線と東海エリアから近畿エリアにかけての路線を持っています。主要都市を結ぶ東海道新幹線がJR東海の売上に大きく貢献しているのが特徴です。

また、リニアの開発にも力を入れており、その技術力を武器に海外にも展開しています。観光事業にも取り組んでおり、観光地として大人気の京都も、東海道新幹線停車駅であるJR東海が担当しています。

鉄道業界主要3社の採用動向

ここまで各鉄道会社の特徴について紹介してきましたが、実際に各鉄道会社はどのような人物を採用したいと考えているのでしょうか。

ここでは、私鉄の中から東急、そしてJRグループの中からJR東日本、西日本の3社が採用で重視していることを紹介していきます。

東急電鉄の採用動向

東急電鉄は鉄道というインフラを担う会社としてより一層安心安全を徹底し、沿線地域の活性化を目指しているため、東急電鉄の採用では「交通インフラを支えているという自覚を持つ人」を重視しています。

事業範囲が広がる東急グループですが、鉄道という人々の生活を支える重要な仕事であるということを忘れず、仲間と協力して鉄道業務に携われる人物であることをアピールすることが大切です。

JR東日本の採用動向

JR東日本は、これまで輸送サービスをメインに行ってきました。しかし、JR東日本は社会の変化と共に、今後は輸送サービスに加え生活サービス、IT・Suicaサービスも重視し、新たな価値を提供していきたいと考えています。

そのため、JR東日本では「変化を恐れず物事を柔軟に考え実行できる人」を求めています。これまでの価値観にとらわれず、JR東日本沿線の地域を発展させるビジョンを考えておくといいでしょう。

JR西日本の採用動向

JR西日本は輸送サービスのみならず、創造事業の分野も利用客から評価を得ています。また、コロナによる生活の変化について、コロナ前の状態に復旧させるのではなく変革の時であると考えています。

そのため、JR西日本は「変化に適応し、仲間に敬意と共感を持って働ける人」を重視しています。

鉄道業界の志望動機を書くポイント

まずは航空や海運、自動車など様々な輸送サービスがある中で、なぜ「鉄道」を志望するのかを明確にしましょう。

次に、鉄道業界の中でもなぜその企業を志望するのかが伝わるようにしましょう。鉄道会社はJR、私鉄に分かれており、さらにその中でも様々な企業があります。同じ鉄道を運行する会社の中で、その企業を選んだ理由を説明しましょう。

そして、その企業にどう貢献していくのかを書きましょう。特に鉄道業界はあらゆる人が協力して毎日分刻みのダイヤを動かしているため、時間管理能力やコミュニケーション能力などのアピールは、鉄道業界の仕事内容とも繋げやすいです。

なお、志望動機が「鉄道が好きだから」だけでは通りにくいです。先述したとおり、鉄道会社は鉄道事業以外にもあらゆる事業を展開しています。

「鉄道が好き」だけでは他の事業に対しての関心が伝わらないため、「鉄道が好きだからこそ、こんな事をしたい」とより踏み込んだ内容を書くようにしましょう。

鉄道業界向けの自己PRの書き方

自己PRでは、企業が求める能力を持っているとアピールすることが大切です。鉄道業界において求められる能力は、「時間管理能力」「協調性」「責任感」などがあげられます。

鉄道は毎日分単位で組まれたダイヤを守って運行しなければなりません。1本の鉄道を運行するのには多くの人々が関わっており、何より一度に多くの乗客の命を預かって運行しています。

これら鉄道業界の特徴を踏まえ、自分の強みとできる能力を自己PRでアピールしましょう。

1:まずは結論から書く

鉄道業界に限らずどの業界の自己PRでも、まずは「結論」から書くことを意識しましょう。

採用担当者は、多くの学生から届いたエントリーシートに目を通しているため、最初に結論が書かれているほうが分かりやすく、かつ印象に残りやすくなります。

2:エピソードは具体的に書く

結論を書いたら、その結論に対する根拠が必要ですが、その際に1つエピソードを入れて説明すると説得力が増します。より自己PRの信頼性を高めるために、エピソードはなるべく具体的に説明しましょう。

エピソードの中で「○○という目標を立て、その目標を達成させるために○○の取り組みをした」と具体的に書くと、人柄や価値観もアピールできます。

3:結果や行動から学んだことを書く

エピソードの最後には結果や行動、そして何を学んだのかを書きましょう。結果には「サークルの人数を○○人増やせた」「アルバイトで売上を○○%増やせた」といったように具体的な数字を入れると、より説得力が出ます。

そして結果の後には、そこから何を学んだのかまで書くようにしましょう。企業はその学生が入社後、どれぐらい成長してくれるのかを見極めています。1つの経験から何を学んだのかを説明することで、人柄や価値観を伝えられます。

4:入社後に活躍できることを書く

自己PRとは、アピールした自分の能力をその企業でどう活かせるのかを伝えるものです。そのため、エピソードで説明した自分の能力を入社後にどう活かそうと考えているのかを書くようにしましょう。

入社後の仕事に活かせることを書く際は、志望する企業の仕事内容をきちんと調べて詳細に書くことで、採用担当者も学生が入社後に活躍している姿がイメージしやすくなるでしょう。

鉄道業界の今後の動向に注目しよう

いかがでしたか。今回は鉄道業界の職種や各社の特徴について紹介してきました。

鉄道業界はコロナや少子高齢化によって、鉄道事業だけではなく他の事業への展開が求められている重要な時期です。

鉄道業界を志望する方は、目まぐるしく変化する社会の中で鉄道業界に求められていることを理解しておきましょう。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

RECOMMEND この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます