「業界にはどういう種類があるの?」 「なぜ業界についての知識が必要なのだろう」 「どうやって志望する業界を絞ったらいいの?」 業界について、このような疑問を持っている就活生は多いのではないでしょうか。
本記事では、業界の種類や「業界」「職種」「業態」の違い、業界の知識を深める必要性や、志望する業界を絞るポイントについて解説しています。
この記事を読むことで、業界についての基本的な知識が身につきます。また、業界研究がなぜ大切なのかわかるようになるので、はっきりと目的を持って業界研究ができるでしょう。
業界研究につまづいている人や就活を始めたばかりの人は、記事の内容を参考にして、就職したい業界を探してみてください。
そもそも業界とは?
業界は簡単にいうと、世の中にある仕事をざっくりと種類分けしたものです。
社会には多種多様な仕事がありますが、区分すると必ずいずれかの業界に属しています。つまり、どの業界にも属さない仕事や企業はないということです。もちろん、特殊な仕事もありますが、基本的には何かしらの業界に属すると考えておきましょう。
業界は8つの種類に分けられる
業界は、その役割によって「メーカー」「サービス」「商社」「小売」「金融」「マスコミ」「ソフトウェア・通信」「官公庁・公社・団体」の8種類に大別できます。
それぞれがどんな役割をはたしているか、みてみましょう。
メーカー
メーカーは商品を製造する業界です。メーカーと聞くと食品メーカーや日用品メーカーなど、身近なものを思い浮かべる人が多いでしょう。
ひとことでメーカーといっても、作っている商品によってその種類は多岐にわたります。住宅をつくる住宅メーカー、繊維製品をつくるアパレルメーカー、その他にも医薬品メーカー、化粧品メーカー、自動車メーカーなど商品を作っている会社はどれもメーカーです。
メーカーへの就職を希望するなら、どんな商品をつくって社会に貢献したいかを考えてみるとよいでしょう。
サービス
サービス業は、企業や個人が求めているサービスを提供する業界です。
身近な例でいうと、飲食店やホテルなどがそれにあたります。他に、鉄道や航空などの交通系サービスや、医療、福祉、コンサルティング、教育などもサービス業としてあげられます。
サービス業に就職したい場合は、自分がどういうサービスを提供したいのかを考えてみるとよいでしょう。
商社
商社業は「ものを売りたい人」と「ものを買いたい人」をつないで、取引をさせる仕事です。
商社は大きく、総合商社と専門商社に分けられます。
総合商社は、「ラーメンから航空機まで」といわれるように、幅広い商品を扱うのが特徴です。食料品や日用品はもちろん、石油や天然ガスなどの資源、航空機や金融商品など、あらゆるものの売買を仲介します。
一方、専門商社は扱う商品の分野を限定し、それに特化して商売をするのです。
商社業界では、人や企業と信頼関係をつくり取引へと導くために、高いコミュニケーション能力と調整力が求められます。
小売
小売業は、様々なモノを消費者に流通させる役割をはたします。代表的なところでいうと、百貨店、スーパー、コンビニエンスストアなどです。
この業界は、消費者にとても身近な存在ですが、その分競争が激しい分野でもあります。最近では、インターネットを利用したネットスーパーや、宅配サービスなど、ニーズに応じて新たなサービスを導入していることも特徴です。
業界研究を入念におこないながら、時事的な問題も把握しておく必要があるでしょう。
金融
金融業界は、お金を通して人や企業の活動をサポートする業界です。銀行や証券会社、保険会社などがこれに当てはまります。
お金を介してサポートすることは共通していますが、どのようなシチュエーションでサポートするかによって、各企業の違いがでてきます。
例えば、企業が事業のための資金調達をするときにサポートをするのは主に銀行です。一方、万が一の病気やけがに備えるときには保険会社がサポートします。
しかし近年、各企業間の境目はなくなってきており、銀行が保険商品を売るといったように、別の企業の商品を売ることも一般的になってきました。そのため、金融業界の中でも、なぜその分野なのかという説明が難しくなっているといえます。
これらをふまえ、金融業界を志望する際には、それぞれの企業の違いをしっかりと押さえた上で、志望動機を作成する必要があるでしょう。
マスコミ
マスコミは、あらゆる情報を人々に届けることで社会に貢献する業界です。代表的な企業として放送局、出版社、新聞社などがあげられます。
マスコミの仕事をする場合、人々が望む情報を伝えるために、日々アンテナを高く張り情報を収集することが求められます。また、時と場所を選ばずに活動することも多いため、ある程度の肉体的な負荷は避けられないでしょう。
また、大衆に情報を伝えるという役割である以上、偏った考えを報道すると人々の考えを扇動してしまう恐れもあります。
こういった観点から、マスコミ業界で働く場合はその影響力の大きさを理解したうえで、自立して仕事に取り組むことが求められます。
ソフトウェア・通信
ソフトウェア・通信業界は、仕事の効率化などに役立つシステムや、ネットワークを開発・販売することで社会に貢献する業界です。ソフトウェア、インターネット、通信の会社がこれにあたります。
近年どの業界においても、パソコンやスマートフォンなどのコンピュータは不可欠になっています。これは企業だけではなく、個人の生活においても同様です。
そんな現代社会において、コンピュータを動かすためのシステムを扱うソフトウェア業界の役割は、私たちの豊かな生活を維持するうえで、とても重要といえます。
官公庁・公社・団体
この業界は、民間ではできない公的な事業を担っている業界です。国や地方公共団体の役所、中央省庁や裁判所、国会などがこれに当てはまります。
民間と同じく営業をおこなうところもありますが、大部分は利益の追求を第一に掲げていません。あくまで、民間でできないことを補うことを第一として活動しており、その点では民間企業とは大きく異なります。
この業界に就職するには、公務員試験を必要とすることも多く、民間企業への就職活動とは異なるため、民間との併願をすると負担が大きくなる可能性があることに注意しましょう。
「業種」「職種」「業態」はどういう意味?
就職活動をするうえで、業界研究や業種研究が大切だといわれます。しかし、いざ調べてみると業界、業種、職種、業態など似たような言葉が並び、困惑してしまうこともしばしばです。
これらの言葉に混乱せず、効率的に業界研究をすすめられるようにしっかり意味を学んでおきましょう。
業種
業種とは、事業の種類のことで、その企業がかかわっている分野を指します。さらに詳しくいうと、総務省が定める日本標準産業分類の産業に準拠して証券コード協議会が分類したものです。
業種別分類項目は、10の大分類の下に33の中分類があり、一般的に業種というと、建設業、食料品、銀行業など、この中分類を指すことが一般的です。
業種についてしっかり把握しておくことで、自分の関わりたい分野を見つけやすくなるでしょう。
出典:日本標準産業分類|総務省統計局 参照:https://www.soumu.go.jp/toukei_toukatsu/index/seido/sangyo/02toukatsu01_03000044.html
職種
職種とは、シンプルに仕事の種類のことです。業界や業種が事業の分類を指すのに対して、職種は企業内での役割を指します。
具体的には、営業職、経理職、人事職、開発職など、取り組む仕事の内容によって区分されます。営業部、経理部、人事部など、部署が分かれている会社であれば、その部署の業務が職種だと捉えるとよいでしょう。
ただ、ひとくちに営業といっても、企業によって業務内容は様々です。新規開拓をおこなう営業もあれば、既存の顧客をまわるルート営業もあります。
自分が応募しようとしている職種がどんな業務内容なのかは、企業の採用ページを見たり説明会に参加したりして、よく調べてみましょう。
業態
業態とは、営業形態による分類のことで、商品をどのように売るかによって分けられます。
百貨店、スーパーマーケット、コンビニエンスストアなどは、業態を指すものです。これらはどれも、ものを仕入れて売るという点では共通しており、小売業として同じく分類されますが、業態として分類すると異なります。
業種を売る商品による分類とすると、業態は売り方による分類と捉えておくとよいでしょう。
なぜ業界の種類を知る必要がある?
業界の種類について知っておくと、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、業界についての知識が、就職活動をするうえでどのように役立つのかをご紹介していきます。
知識を深めて選択肢を増やすため
様々な業界を知ることで、企業を選択する幅も広がります。
世の中には多種多様な企業があり、それぞれ特徴やビジネスモデルも異なっており、全体像を把握するのが難しいです。しかし、それらを大きく分類した「業界」を知ることで、社会の全体像を把握することができ、広い視野で企業をみることができます。
業界同士の関係性について知れる
業界の立ち位置や役割を理解でき、自分が企業に求めるものと合っているかどうかを判断しやすくなります。
業界研究をする大きな理由は自分に合う業界かを見極めることです。しっかりと業界研究をして、企業を選ぶことで、入社してからのミスマッチも少なくなります。
面接に役立つ
業界について知っておくと、自分が将来何をしたいのか、そしてそれを叶えられる業界かどうかを判断して仕事を選択できます。
面接で「なぜこの業界を志望したのか」と聞かれたときに、他業界ではなくどうしてもその業界に行きたい理由を明確に伝えることができれば、志望動機に深みが出て、面接でも好印象を与えやすくなるでしょう。
志望業界はどのように決める?
最終的には志望する企業を絞らなければなりません。しかし、様々な業界があるので、どれを選べばよいのか迷ってしまう人もいるでしょう。
ここでは、志望業界を絞るコツについて紹介します。
大学等で学んでいたことを活かせるかどうか
志望業界を決めるうえでの要素の一つに、大学で学んだことを活かせるかがあります。
専門性を活かしたいなら、これまで学んできた専門分野の知識や研究の内容を活かせる業界かどうか、調べてみるとよいでしょう。
自分の興味関心に合っているかどうか
興味がなければ、仕事に情熱を傾けることも難しいです。ですから、興味関心に合う業界を選ぶのはよい方法といえるでしょう。
業界について理解しておけば、自分の興味と合うかどうかも判断しやすくなります。
志望業界を決めるときに意識したいこと
限られた期間の中で内定を目指すためには、ポイントを押さえて就活を効率的に進める必要があります。志望業界を決めるとき意識すべきポイントはどんなものか、みてみましょう。
1つの業界にこだわりすぎない
業界を絞らずにやみくもに就職活動をするのもよくありませんが、逆に1つの業界にこだわりすぎるのもよくありません。業界を絞ることで、選択肢を狭めてしまうことにもなるからです。
また、最近では業界の境界が薄くなりつつあります。金融とITが融合してキャッシュレス決済などのフィンテックが生まれていることなどが、例にあげられます。つまり、自分がやりたいことが別の業界で叶う可能性があるということです。
そういう意味では、広い視野を持って業界を見てみるのもよいでしょう。
できるだけ早い段階で候補を絞る
この時期までに業界を絞らなければならないと、明確に決まっているわけではありませんが、書類提出の時期までに絞っておくのがおすすめです。
業界を研究し、書類を作成するには多くの時間を要します。しかし、業界を絞っておくことで効率的に対策できるのです。
職種の調査も忘れない
業界研究とあわせて、職種についての調査も忘れずにおこないましょう。
実際の仕事内容は、職種によるところが大きいです。せっかく希望する業界に入れたのに、仕事内容が自分に合わない、自分の強みを活かせないということが無いようにしましょう。
業界の知識を深めて就活をスムーズにしよう!
業界の知識を深めることは、就職活動において非常に役に立ちます。自分に合う企業を見つけ、就活の期間内に内定を得られるように、しっかりと業界研究をして就活をすすめましょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート