「ガクチカで学業をアピールしたいけど、どう書けば良いのか分からない」
「ガクチカで、学業をアピールしても大丈夫なのか不安」
このように思っている就活生も少なくはないのではないでしょうか。
学生時代に、何を頑張ったのかは一人ひとり違います。語学や実習、卒業論文などさまざまあります。
ここでは、学業をガクチカにしたい方に向けて、学業をアピールするときのポイントや注意点を紹介していきます。
では、見ていきましょう。
- ガクチカで学業をアピールする方法
- 勉強熱心さを上手に伝えるコツ
- 学業とGPAの違い
- 学業のエピソードでガクチカを作成するポイント
- ガクチカで学業をアピールする方法を知りたい人
- 勉強熱心さを上手に伝えるコツを知りたい人
- 学業とGPAの違いを知りたい人
- 学業のエピソードでガクチカを作成するポイントを知りたい人
【学業でガクチカ】ガクチカで学業はアピールしていいの?
「ガクチカって、学業でも大丈夫かな?」と思って、不安な就活生もいると思います。
まずは、ガクチカで勉強のことをアピールしてもいいのかについて見ていきましょう。「勉強以外にアピールできることがない」という人は、ぜひ目を通してみてください。
目次[目次を全て表示する]
1.学業をガクチカでアピールしても問題はない
結論から話すと、学業をアピールしても問題はありません。
そもそも、ガクチカというのは「学生時代に頑張ったこと」を略した若者言葉であり、就活用語のことです。ガクチカには、「学生時代の活動をもとにどのような経験を積んでいるか」「そして何を学んだか」を書いていきます。
それを踏まえて、ガクチカです学業をアピールしても問題ない理由は、2つあります。
- アピールする項目よりも、「どのような経験をしたのか」「どんな風に考えたのか」のほうが重要だから
- 学生の本分は学業だが、あまり注力する人が多くないため
2.学業とGPAは違うのか?
あなたは「GPA」という言葉を知っていますか?
「GPA」とは、Grade Point Averageの略で、大学での成績を簡単に数値化したもので、良い成績を取れば取るほどGPAは高くなっていきます。
つまり、「GPA」は学業の評価をするための指標のことなのです。
そのため、考え方としては、学業という大きなくくりの中にGPAが含まれる印象と言えるでしょう。
ただ、GPAを上げることがゴールになってしまうと、何もアピールすることができません。そのため、しっかりと、「なぜGPAを上げることにしたのか」が分かるきっかけや理由を考えないといけません。
【学業でガクチカ】GPAが低い場合はどうする?
結論としてGPAが低い場合でも学業をガクチカにすることは十分に可能です。
数値で伝えるのではなく、自分が何をしたのか、どのような取り組みをしたのかなど、過程に焦点を当てましょう。
ただし、面接などにおいて「GPAが低いけれども?」と突っ込まれてしまった場合にどのように回答するのかだけは検討しておく必要があります。
【学業でガクチカ】企業がガクチカを質問する理由
学業をガクチカでアピールした際に、企業がどのよう印象を抱くのか、を紹介しました。
では、企業がガクチカを質問する理由を見ていきましょう。
理由は、3つあります。
- 人柄を知るため
- 能力を知るため
- どんな働き方をするかをイメージするため
「企業がガクチカを聞く理由」は、他の記事でも紹介しています。
詳しく知りたい方は、この記事の「3.面接の際にガクチカを聞く理由」を参考にしてみてください。
1.学生の人柄を知るため
企業はガクチカで学生の人柄を知ろうとしています。
ガクチカに限らず、面接における企業の意図は学生一人一人の個性を効率よく知る事です。
ガクチカを聞くことで、学生の努力や工夫を知り、学生がどんなことに興味があってどんな風に努力できるのか知れます。
企業に自分の人柄がよく伝わるガクチカを作成しましょう。
2.学生の能力を知るため
企業はガクチカの内容から、学生のスキルや能力を確認しています。
ガクチカの内容によってアピールできる学生の能力は異なります。
自分がアピールしたいスキルや能力に合わせてエピソードの伝え方を変えましょう。
3.企業とのマッチ度を図るため
「企業とのマッチ度を図るため」というのも企業が学生時代に力を入れたことを聞く理由の1つです。
企業には存在意義であるミッション、理想像であるビジョン、そして行動指針であるバリューが設定されており、それぞれと合致しているかを確認したいと思っています。
企業側からすると、入社後に活躍できる人材が欲しいというのが先行でのニーズです。
そのため、企業の事業内容や社風と全く結びつかない内容のガクチカは避けた方がいいでしょう。
可能な限り自身が将来描いているビジョンとすり合わせて伝え、好印象を与えるとよいでしょう。
企業の「ミッション」「ビジョン」「バリュー」については公式サイトなどに記載されていることが多いので、ぜひ確認し、すり合わせを行いましょう。
企業にとって入社後に活躍できる人材かどうかはとても重要です。
企業との相性を鑑みてガクチカを作成しましょう。
【学業でガクチカ】企業に与える印象は?
学生時代に力を入れたこととして学業をアピールすると、企業にはどのような印象を持たれるのでしょうか。
多くの学生は学生時代に力を入れたこととしてアルバイトやボランティア経験を記述します。
特に就業経験があると強いとされていますが、その中で学業について語るのは果たして効果的なのか、一緒に確認していきましょう。
- 真面目さ
- コツコツ積み重ねられる
- 無難な印象
1.真面目さ
学業を頑張っている方は真面目な印象を与えられます。
あなたも思い出してみてください。ノートをしっかりととって勉強をしている友人やクラスメイトを見て「真面目だなぁ」と思ったり、あなた自身が勉強を一生懸命にしていると「真面目だね」と言われたことなど、ありませんか?
これは、企業側も同様の印象になると言えます。
学生時代に力を入れたこととして学業を挙げることで真面目さをアピールすることができます。
仕事に対して真面目に向き合い、任務を遂行する人材は好印象ですし、忍耐力が強い、タイムマネジメントなどもしっかりできる、などの印象が与えられます。
2.コツコツ積み重ねられる
成績や頭は急に良くなることはありません。毎回の授業をしっかりと聞き、ノートに書いたり、予習復習など、毎日の積み重ねが大事と言えます。
なので、日々コツコツ頑張れる印象を与えられるでしょう。
学生時代に力を入れたこととして学業をアピールすることで、コツコツと1つ1つの業務を積み重ねることができるというアピールにもなります。
継続力があるという証明にもなり、好印象です。
また、途中で投げ出さずに職務を遂行してくれることも予想でき、信頼できます。
コツコツ積み重ねられる人材は、業務をしっかりこなしてくれるので、早期離職の可能性も低いと評価されます。
数年で転職してしまう人材も多い昨今、長く働いてくれる人材は貴重なのです。
3.無難な印象
学業は、大学生なら誰もがやらなくてはいけないものです。そのため、無難な印象を与えることができるでしょう。
また、「やらなくてはいけないことを一生懸命頑張れる人」にも見られるので、無難でも問題はありません。
【学業でガクチカ】学業のガクチカが評価されやすい業界
学業を通じて得た知識やスキルは、特に専門性が高く論理的な思考が求められる業界で高く評価される傾向があります。
学業での努力や成果を「ガクチカ」としてアピールすることで、専門知識や課題解決力を備えていると評価されやすい業界を紹介します。
コンサルティング業界
コンサルティング業界では、問題解決力や論理的な思考が重視されます。
そのため、大学で学んだ学問に基づき、分析力やデータ処理能力を培った経験は大いに評価されるポイントです。
たとえば、経済学やデータサイエンスに関する知識を活かして、特定の市場調査やビジネスモデルの検討を行った経験があると、自分の知識とスキルが即戦力として役立つことを示すことができます。
また、学業の中で行った論文作成や研究発表は、複雑な情報を整理し、わかりやすく伝える能力の証明にもなります。
学業を通じて積み上げた知識や思考の深さをアピールすることで、クライアントの課題解決を目指すコンサルティング業界での貢献を印象付けられます。
金融業界
金融業界では、リスク管理や数値の取り扱いに対する高い理解力が求められます。
経済学、会計学、統計学といった分野での学業の成果は、金融業界で即戦力として評価されやすいです。
たとえば、統計やファイナンスの知識を基に、データ分析やリスク計算に関する研究を行った経験があれば、データから確かな根拠をもとに意思決定をサポートできることをアピールできます。
また、学業での数値やデータの管理スキルは、財務分析やリスクマネジメントといった分野において役立ちます。
金融業界では、堅実な学業での実績を持つことが、信頼性と専門性の高さを示すポイントとなるため、アピールの幅が広がります。
製薬・医療業界
製薬・医療業界では、正確性や科学的な知見が不可欠なため、学業での研究経験や実験スキルが大いに評価されます。
特に、生命科学や薬学、バイオテクノロジーといった専門分野で学んできたことをアピールすることは、この業界での適性を伝える上で効果的です。
たとえば、実験のデータ解析や臨床データの扱い方、そして研究の中での問題解決の経験を示すと、自分がどれだけ正確に仕事を進められるかを伝えられます。
さらに、学業で論文執筆や学会発表の経験があれば、製薬・医療業界での業務に必要なプレゼンテーション力や情報伝達能力を強調することができます。
【学業でガクチカ】面接官から評価されやすいガクチカの構成
続いて、面接官から評価されやすいガクチカの構成について考えていきましょう。
下記の構成を意識して作成することで、企業の採用担当者が読みやすく、あなたがどのような点をアピールしたいのかすぐに理解できる文章を作成できるはずです。
面接官から評価されやすいガクチカの構成
- 結論
- 目標や課題
- 行動
- 結果
- 学び
- 入社後にどう活かすか
結論
どのようなビジネスの場面においても、最も重要なことは先に結論を述べることです。
まずはじめに、あなたが学生時代に取り組んだことについて簡潔に伝えましょう。
結論から話すことで、読み手も話の概要が分かり、内容が頭に入ってきやすくなります。
企業によっては、ダラダラと書かれている、論理性が低いという理由だけで不合格にするところもあるので、必ず結論から書くようにすることが重要です。
目標や課題
目標や課題についても詳しく説明していく必要があります。
なぜならば、企業の採用担当者はその場に居合わせていない、あなたに初めて会う人なので、そもそも内容を全く理解できていないからです。
あなたがなぜそれに取り組もうと思ったのかについて詳しく説明していきましょう。
取り組むにあたって立てた目標やぶつかった課題を伝えるのはもちろんのこと、その理由を伝えることで話に具体性を持たせることもできます。
例えば、高いGPAを維持したことがガクチカの場合、なぜ高いGPAを維持しようと思ったのかについてわかりやすく説明する必要があると言えます。
行動
続いて、行動についても詳しく説明していくようにしましょう。
あなたが建てた目標やぶつかった課題に対してどのような行動をとったのかについて説明していく必要があります。
この部分は最も重要なものであり、どのように問題解決を目指せるのか、どのように工夫ができるのかについて説明ができる部分です。
その問題に対してどのようにアプローチしたのか、なぜそのようなアプローチをしたのかについてわかりやすく説明していきましょう。
ガクチカにおいては、特にこの部分が重要視されており、問題に対するあなたの姿勢や対処の仕方について、誰が読んでも理解できるような書き方をしていきましょう。
結果
続いて、結果について述べていきましょう。
行動によってどのような結果に至ったのかについて説明していくのです。
ガクチカにおいては、成果の大きさよりも1つ前の行動の部分が見られているので、誇張する必要はありません。
また、文字数が限られている場合は簡潔に述べるだけでも良いでしょう。
ただし、全く触れないと後ろめたいことがあるのかと思われてしまうので、全く触れないのはNGです。
学び
どのような学びを得られたのかについても詳しく説明していきましょう。
あなたがガクチカを通じてどのような能力を身につけたのか、どのようなことを学べたのかについて説明していくフェーズです。
単なる感想や反省だけでなく、ビジネスで活用できる学びであるということを説明するようにしましょう。
企業によっては、その後の質問で得た学びを具体的にどのように活かしていくかについても聞かれることがあります。
よって、再現性がある学びであると良いでしょう。
入社後にどう活かすか
入社後にどう活かすかは、企業にとって非常に重要な部分なので詳しく説明していく必要があります。
エピソードで得た学びを入社後実際の業務にどのように活用するのかについて説明していきましょう。
ここにおいて重要とされているのは、入社後の業務に対する解像度の高さです。
つまり、どのくらい企業研究をしっかり行っているかということと言えます。
具体的に伝えると、企業の採用担当者もあなたの入社後の活躍について想像しやすくなり、採用したいと考えることでしょう。
実際の業務についての情報はOB・OG訪問で入手することができるので、積極的に行うことが重要です。
【学業でガクチカ】学業のエピソードでガクチカを作成するポイント
学生時代に力を入れたこととして学業をエピソードで話す際のポイントについても確認しておきましょう。
伝わりやすい形を持っていれば安心して志望動機が作成できますし、分かりやすい文章にもなります。
見ていきましょう。
- 学業を頑張った理由を盛り込む
- 問題と解決策を具体的に伝える
- 数字や実績を使えるとアピールしやすい
- この経験が仕事にどう活かせるかを考える
1.学業を頑張った理由を盛り込む
学業を頑張った理由は必ず盛り込んでおきましょう。
採用担当者からすると、その就活生がどこでモチベーションを上げているのかを見極めたいと考えています。
今後一緒に仕事をするとなった時に、モチベーションがどこにあるかを知っていれば、入社後のイメージも湧きやすいです。
また、自走できる人材、つまり自ら目標を立ててそれに向かって邁進することができる人材かどうかを見極めるというポイントでもあります。
学業を頑張った理由は必ず盛り込んでおきましょう。
2.問題と解決策を具体的に伝える
問題と解決策を具体的に伝えましょう。
頑張ったことを伝えるだけでなく、「その時に起こった問題」や「解決した方法」も伝えることで、より面接官がイメージを湧きやすくなることでしょう。
3.数字や実績を使えるとアピールしやすい
志望動機によって過去の経験の伝え方を変えると非常に効果的です。
数字や実績を使えるとアピールしやすいです。
実績を伝える際は数字を交えることで説得力が増します。
例えば営業職志望の人は数字を伝えて、どれくらいの件数案件を獲得することができたか、などを伝えるようにしましょう。
技術職の場合は何の資格を取得しているか、またどのような工夫をして資格取得の勉強をしたのかについても述べましょう。
販売職の場合は幅広いコミュニティで活躍した経験などを伝えることで、より良い印象を与えることができます。
ただ示せる具体的な数字がなかったとしても、「実績や結果がどうなったのか」などの変化をアピールできれば問題はありません。
4.この経験が仕事にどう活かせるかを考える
この経験が仕事にどう活かせるのかを考えましょう。
企業が、ガクチカを聞くのは仕事で何ができそうなのか、イメージを沸かせるためです。
しっかり学業を頑張った経験が仕事でどのように活かせるか、活かしていけるのかを考えましょう。
【学業でガクチカ】エピソードの選び方
学業といっても、さまざまあります。「ゼミ」「卒業研究」「授業」「資格」「語学」「学外活動」など、人によって何を頑張ったのかはそれぞれです。
ここでは、エピソードの選び方を紹介します。
エピソードを選ぶ際には、「学業の中で、どこを一番頑張ったのか」「学業の中で、何に一番時間を使ったのか」などで、エピソードを選択するのが良いでしょう。
また、大学受験をガクチカにすることも可能ではあります。
しかし、面接官からは「大学中は何も頑張っていないのか」と思われる可能性があります。
そのため、大学受験をガクチカにする際には、注意が必要となります。
1.努力や工夫した経験を洗い出す
ガクチカで企業から好印象を獲得するには、努力や工夫した経験を洗い出しましょう。
些細なことでも構いません。
自分が自分の言葉で伝えられる、印象深い経験を探しましょう。
例えばフル単をとったことをガクチカの内容にするなら、フル単をとるためのモチベーション維持方法や工夫したことをできるだけ詳細に示します。
入社後には、過去の経験よりもその過程での努力や気持ちの切り替えの方が活きます。
再現性のあるポイントをアピールすることが大切なのです。
2.些細なエピソードでもOK
ガクチカにおいて学業での経験をアピールする際には、些細なことでも構いません。
一つの授業にフォーカスして、授業の課題で高評価を獲得した経験などをアピールすることも可能です。
グループワークや発表などで意識したことや工夫した点について説明できると小さなエピソードでも、自分の人柄が伝わる魅力的なガクチカが作成できます。
3.過程を説明できるエピソードでOK
ガクチカにおいて大事なのは過程です。
どれだけ特別な経歴でも、過程で努力した経験が説明できなければあなたの魅力が十分に伝わりません。
企業は自分で考えて工夫できる人材に魅力を感じます。
過程に焦点を当てて伝えることのできるエピソードを選んでガクチカを作成しましょう。
4.入社後に活用できる学びがあると良い
ガクチカではただ学生生活を伝えるだけではいけません。
その経験から学んだことを自分なりに整理して伝えましょう。
例えば、継続して努力することが成功につながる、人と協力することでより完成度の高い結果が出せる、などを自分の経験から伝えると、企業側はその教訓を活かして働いてくれることを期待できます。
入社後に企業への貢献につながるような学びを示してアピールすることで企業からの評価につながるのです。
【学業でガクチカ】ガクチカに活用できるエピソードの探し方
ガクチカで活用できるエピソードが見つからない、という方は以下の方法でガクチカのエピソードを探してみてください。
ガクチカに活用できるエピソードの条件は先述の通りですので、エピソード探しと合わせて参考にしてみてください。
1.自己分析
自己分析は自分で経歴の洗い出しを行う方法です。
自己分析は様々な方法がありますが、ここではモチベーショングラフについて説明します。
モチベーショングラフとは、自分の気持ちを可視化したグラフのことです。
縦軸はモチベーション、横軸は年月でグラフを書きます。
大学在学中の自分の気持ちの上下を漠然と書いてみましょう。
その後に分析を行います。
自分が直感で書いた線の特に上昇している部分と特に書こうしている部分に何があってどんな気持ちだったのかを思い出しましょう。
どうやって気持ちを切り替えたのかなど、グラフの山や谷を分析していきます。
これにより、今まで気づかなかったエピソードにも気が付くようになります。
他にも自己分析方法は多岐にわたりますから、自分に合った方法を探してみてください。
2.他己分析
他己分析は他社から見た自分を知る方法です。
自分では気がつけないことについて新たな視野を手に入れることができますので自己分析が苦手な方は他己分析もおすすめです。
他己分析のやり方はいたって簡単です。
自分の人柄について友人や家族に聞いてみましょう。
長所や短所など、またその理由についても聞いておきます。
自分だけで人柄を考えるよりも客観的な意見が手に入ります。
ガクチカで学業のことに言及する場合には、他己分析は学校での様子を知る友人に頼むと良いでしょう。
【学業でガクチカ】学業のエピソードでガクチカを考えるときの注意点
ここまでで、4つのポイントを紹介しました。
次は、その際の注意点を知っていきましょう。注意点は、3つあります。
- 結果だけを紹介しない
- エピソードだけを紹介しない
- 嘘をつかない
1.結果だけを紹介しない
結果だけを紹介してはいけません。
結果だけを紹介してしまうと、その結果までのプロセスがわからないため、どう頑張ったのかをアピールすることができなくなってしまいます。
そのため、きちんとどのように解決していったのか、どのように働きかけたのかなど、その結果までのプロセスを説明しましょう。
2.エピソードだけを紹介しない
「エピソードだけを紹介しない」ことも学生時代に力を入れたこととして学業を使う際の注意点として非常に重要です。
ガクチカはあくまで選考の材料ですし、エピソードだけを紹介してしまうと、それがどのような長所となっているのかなどが分かりにくく、人となりや経験をアピールすることができません。
エピソードを紹介した上で、それを活かしてどのように企業に貢献するのかについて述べることが非常に大切です。
3.嘘をつかない
嘘は、絶対につくのはやめましょう!
面接官は、あなただけを相手にしているわけではありません。
多くの就活生を相手にしてきた経験から、「嘘っぽいな」「嘘をついてる」と分かると考えてください。
また、嘘をついて入社できたとしても、入社後に嘘がばれて、周りに迷惑をかける可能性があります。
社会人になるということは、自分だけの責任では終わりません。
上司や会社の責任にもつながりかねないので、絶対に嘘をつくのはやめましょう。
理由など、詳しく知りたい方はこの記事を参考にしてみてください。
4.専門的すぎることは噛み砕いて伝える
専門的すぎることは噛み砕いて伝えるのも、ガクチカの説明をする際に非常に重要なことであると言えるでしょう。
特に今回の題材である学業においては、ゼミや研究について話す際、先行している人にしかわからないような専門用語をついつい使ってしまう人も多いでしょう。
当然ながら相手は理解できませんし、客観的に物事を考えられない人物であるとも考えられてしまう可能性もあります。
そこで、相手は何も知らないという前提で話す必要があります。
【学業でガクチカ】ガクチカの構成
続いて、ガクチカのおすすめの構成方法についても紹介します。
PREP法とSTAR法があるため、それぞれどのようなものであるのか、どちらの方が書きやすいのか考えながら参考にしてみてください。
PREP法
一般的には、どのようなESもPREP法で書かれることが多いです。
この方法を覚えておけば、自己PRや志望動機など企業に提出するESすべてに応用できるため、時間がない人はすべてPREP法で書いてしまっても良いでしょう。
PREP法
P:結論
まず、話の冒頭で自分のアピールポイントや主張を簡潔に示すことが重要です。
採用担当者がすぐに理解できるよう、自分が何をアピールしたいのか、他の候補者とどのように差別化できるのかを明確に述べることで、印象を強く残すことができます。
例えば「私の強みは、高い問題解決能力です」といったようにシンプルに結論を示すことで、その後の根拠や具体例がより伝わりやすくなるでしょう。
結論が明確であれば、話の流れがスムーズに進み、相手が内容を理解しやすくなります。
R:根拠
冒頭で示した結論に対しての具体的な理由や根拠を提示しましょう。
なぜ自分がその強みを持っているのか、またその強みが確信を持てるものであるかを簡潔かつ明確に伝えることで、自己評価で終わらず、信頼性を持ったアピールに変わります。
例えば「問題解決能力がある」と述べた場合、その根拠として「過去に複雑なプロジェクトでリーダーを務め、多様な課題に対して解決策を提案してきた」などといった具体的な経験を根拠に挙げると良いです。
このように理由を添えることで、採用担当者も納得しやすくなり、あなたの強みが実際の経験に裏打ちされたものであることが伝わります。
この部分をしっかりと整理し、相手が納得しやすい形で伝えることで、PREP法全体の説得力が増し、採用担当者に「本当に信頼できる人材だ」と思ってもらえる可能性が高まります。
E:具体例
提示した根拠を裏付けるための具体的なエピソードや経験を示す重要な部分です。
自分が実際に経験した出来事を通じて、強みがどのように発揮されたかを具体的に説明しましょう。
例えば「問題解決能力」をアピールする場合、どのような課題に直面し、その時どのように対応したのか、そしてその結果がどうであったのかを明確に伝えることがポイントです。「チームでの業務が遅延した際、原因を分析し、進捗を管理する新しいシステムを導入した結果、納期に間に合わせることができた」といった具体的なエピソードを通じて、自分の行動や判断力を強調できます。
さらに、このエピソードが具体的であればあるほど、面接官があなたの強みをより鮮明にイメージできるようになります。
可能な限り客観的に作成しましょう。
P:結論
再度結論を述べ、これまでに示した根拠や具体例をもとに、自分の強みを明確にアピールします。
例えば「このように、私は問題解決能力が高く、どのような課題に対しても冷静に対応することができます」と話しましょう。
再度結論を述べることで、話全体が締まり、論理的な流れが強調され、説得力のある印象を与えられます。
また、最後に「入社後はこの問題解決能力を活かし、貴社の成長に貢献したいと考えています」といった今後の展望を加えることで、自分が会社でどのような役割を果たせるかを明確に示すこともできます。
STAR法
続いて、STAR法について紹介します。
こちらは特にガクチカをアピールする際におすすめしたい構成であり、何に力を入れたのかがPREP法よりもさらに分かりやすく書けるのが魅力です。
ぜひ、それぞれのポイントを踏まえた上で、活用できそうであれば使ってみてください。
STAR法
S:状況
まずは自分の経験談における具体的な状況を説明しましょう。
状況をしっかりと説明することで、面接官が当時の状況や背景をイメージしやすくなり、エピソード全体の理解が深まります。
この段階で重要なのは、話の舞台となるプロジェクトや業務内容、周囲の環境、関係者の役割などを具体的に描写することです。
例えば「私は大学時代、学生団体のリーダーとしてイベントの企画運営に携わりました。地元の商店街と連携し、地域活性化を目的としたイベントを毎年開催しており、メンバー数は約20名でした。」といった形で、当時の環境や自分の役割を簡潔に説明することで、面接官も話の流れに引き込まれやすくなります。
また、可能であれば状況の詳細について具体的な数値や規模を盛り込むと、説得力が増します。
T:課題
当時直面した具体的な課題や問題について詳しく説明しましょう。
この「課題」が明確であるほど、後に続く「取り組み」のステップで行ったアプローチが際立ち、自分の対応力や問題解決能力がより伝わるでしょう。
課題を説明する際には「難しかった」などと平易に述べるのではなく、何がどのように難しかったのかを具体的に示すことが重要です。
例えば「地域活性化イベントの参加者数が前年より減少していたため、イベントを成功させるために新たな集客方法を模索する必要がありました。しかし、学生団体の予算が限られている中で、効果的なプロモーション方法を見つけることが難題でした」といった形で、課題の詳細やその課題がどのような状況に影響を及ぼしていたのかを明確にすることが大切です。
A:取り組み
直面した課題に対して自分がどのようなアプローチで対応したのかを具体的に説明する段階です。
ここで重要なのは、自分の役割と行動を明確にし、どのように課題に対して取り組んだのかを示すことです。
単に「解決を試みた」という表現ではなく、具体的な行動や工夫を詳細に述べることで、面接官にあなたの問題解決能力やリーダーシップがしっかりと伝わります。
例えば「私はまず、イベントの告知方法を見直し、SNSを活用した情報発信を強化しました。さらに、地元のインフルエンサーに協力を依頼し、より多くの人にイベントの魅力が伝わるように工夫しました」といったように、具体的な行動内容とその意図を述べることで、話に説得力が増します。
また、自分だけでなくチーム全体の取り組み方やメンバーとの協力関係についても触れると、協調性やチームマネジメント能力もアピールできます。
R:結果
最後の部分では取り組んだ行動がどのような結果につながったか、そしてその経験から何を学んだかを説明します。
結果は必ずしも成功体験である必要はなく、むしろ課題を通じて学んだ教訓や改善点を述べることで、面接官に自己成長への意識や学びの姿勢を印象づけられます。
例えば「イベントの参加者数は前年の倍に増加し、地元のメディアにも取り上げられるなど、地域活性化への貢献が評価されました。この経験を通して、適切な情報発信と協力体制の重要性を学びました」といった形で、定量的な成果とその意義を明確に伝えましょう。
また、成功しなかった場合でも「この経験から、状況分析を事前に徹底する重要性を学びました」と述べることで、失敗から得た成長ポイントをアピール可能です。
【学業でガクチカ】評価されやすい例文
続いて、高く評価されやすい学業に焦点を当てたガクチカの例文を紹介します。
あなたが取り組んだ活動と近いものを中心に、どのような点を強調しているか、どのようなアピールをしているか確認してみてください。
例文1: ゼミを頑張った経験
私が大学時代に力を入れたことは、◯◯に関する研究を行うゼミでの活動です。
私は、そこでゼミ長の役職についていました。
ゼミに入ってすぐに取り組んだグループ研究では、苦労したことも多くありました。始まってすぐの頃は、役割分担がうまくできず、なかなか研究は進みませんでした。
この状況を解決するために、私はゼミ長として、一人ひとりに何が得意で何が苦手なのか話しを聞きました。
そして、得意分野ごとに作業を分担し、作業を進めるように提案しました。
その結果、ゼミのメンバー全体の作業効率が上がり、順調に研究を進めることができ、大人数で作業に取り組む意義を見出すことができました。
この経験から、人数が多いことが、必ずしも作業効率や作業スピードが高まるわけではないことを学びました。
今後社会に出たら、この経験を活かして活躍していきたいと思います。(363文字)
例文2: GPAを上げて志望するゼミに入った経験
私が学生時代に力を入れたことは、学業です。私は学業に励み、高いGPAを獲得することができました。
私が勉強を頑張ろうと思ったのは、高校時代に苦労して一生懸命に勉強して、自分が望んで入った大学だからこそ、大学での環境を活かし、すべて学びつくそうと思ったからです。
また、大学では成績がGAPで目に見える形になり、自分が頑張った分だけ数値も上がるので、それも勉強に力を入れようと思った理由の一つです。
そのため、予習復習は必ず行いました。
授業の中には、分からずついていけない内容もありましたが、そのような授業では先生に直接質問を行い、自分が分かるように落とし込みました。
その結果、私は志望していた「◯◯」について研究を行っているゼミに入ることができました。
この経験から、分からないことは一人で抱え込むのではなく、素直に質問に行くことが、自身の利益向上または、望む結果につながるのだということを学びました。
また、質問に行った際に、先生から「それは自分で調べることができる」「調べたら分かる内容だ」と指摘されたことが何度かありました。
そのため、下調べの大切さや方法も合わせて学ぶことができました。
今後社会に出たら、この経験を活かして活躍していきたいと思います。(523文字)
例文3: コロナ禍で英語学習をリモートで頑張った経験
私が学生時代に頑張ったことは、リモートでの英語学習です。
大学1回生では通っていましたが、コロナ禍で外出自粛になったため、現在の大学4回生まではリモートで行うことになりました。
始めた理由は、将来はグローバル企業で働きたいと思っており、何か一つでも外国語が話せるようになりたいと思ったからです。
また、小中高と英語に触れてきたため、英語を選択しました。
英語学習を始めたすぐの頃は、ジェスチャーなどと交えながらコミュニケーションを取っており、対面で行うからの熱量や場の雰囲気などもあり、とても楽しく学んでいました。
しかし、コロナ禍に入り、リモートになると対面で体感していたものが感じられなくなったため、学習意欲が低下してきてしまいました。
そこで私は、海外の映画またはドラマを一本、毎日見るようにしました。
最初は英語音声と日本語字幕で視聴し、次に言語も字幕も英語で視聴するようにしました。
すると、徐々に理解できる単語や、英語の発音も綺麗にできるようになり、学習意欲も上がっていきました。
その結果、リモートでも英語学習でも、理解できる単語が増え、発音も先生も褒められるようになり、高い評価を得ることができました。
この経験から、どんな環境でも行動次第で楽しむことができる、ということを学びました。
今後社会に出たら、この経験を活かして活躍していきたいと思います。(573文字)
例文4: 資格の獲得
学生時代、私が最も力を入れたことは大学の授業と並行して簿記三級の資格を取得したことです。
経済学部に所属していた私は、ビジネスや会計に深い興味を持っており、この分野の専門知識をより深めるために簿記資格の取得を目指しました。
しかし、授業の課題とサークル活動に追われる日々の中で、学習の時間を取ることが困難でした。
そこで私は空きコマや通学時間など、日常生活の中のスキマ時間を有効活用することを心がけ、移動中には簿記の教科書や問題集を持ち歩き、常に勉強できるよう、環境作りを徹底しました。
この地道な努力の結果、簿記三級の試験に合格することができました。
この経験から、目標達成のためには現状に甘んじることなく、自己管理能力を発揮して時間を確保し、継続的に努力をすることの重要性を学びました。
今後はこの経験を活かし、どのような状況下でも高い自己管理能力を発揮し、目標に向かって効率的に取り組むことで、貴社に貢献していきたいと考えています。
ガクチカの例文をさらに知りたい人はこちらを参考にしてください。
様々な例文を見てイメージを膨らませることでより良いガクチカを書くことができます。
例文5:レポート・課題
私が学生時代に力を入れたことは授業内での課題やレポートに積極的に取り組むことです。大学での学びを深めるためには、課題をこなすだけでなく、自分なりの視点で考察することが必要だと考えたからです。
私は大学の図書館を活用し、関連する資料や文献を調べながら取り組みました。さらに、課題が出された意図を考え、自分自身で問いを立てて掘り下げ、独自の考察を交えるようにしました。
この経験を通じて、情報収集能力や論理的な思考力だけでなく、自主的に学びを深める姿勢が身につきました。
入社後は、この課題への積極的な姿勢を活かし、貴社の業務においても与えられたタスクに対し改善点を見つけ、さらに発展させるための提案を行うことで、貴社のさらなる発展に貢献したいと考えています。
例文6:部活動やサークルとの両立
私が学生時代に力を入れたことは部活動と学業の両立です。
私は1部リーグ昇格を目指すバスケットボール部に所属しており、週4日の練習がありましたが、忙しいスケジュールの中でも学業をおろそかにすることなく取り組みました。
日々の予定を細かく調整し、どちらの活動にも支障が出ないように自己管理を徹底することで、部活動と学業の両方で結果を出すことができました。
この経験を通じて、効率的な時間管理や計画性の大切さを学び、いかにして自分の限られた時間を有効に使うかを身につけることができました。
貴社に入社後も、この計画性を活かし、限られた時間の中で効率的に業務を遂行し、成果を上げることができるよう努めたいと考えています。
効率的な働き方と計画的なアプローチを重視し、貴社に貢献していく所存です。
例文7:授業内プレゼン
私が学生時代に力を入れたことは授業内でのプレゼンテーションです。
プレゼンを行う機会が多くあったため、就職活動や、将来の業務のためにも力を入れました。
まずスライドの構成を工夫し、情報を整理して視覚的に理解しやすくすることに注力しました。
また、話す速さやトーンにも気を配り、聞き手が飽きないようなリズムや強弱を意識して練習を重ね、ジェスチャーやアイコンタクトを取り入れ、聴衆との一体感を生み出すよう心掛けました。
この結果、成績も向上し、プレゼンテーションに自信を持てるようになりました。
この経験を通じて、ただ情報を伝えるだけではなく、聴衆の視点に立って分かりやすく伝える力を身につけることができました。
入社後もこの積極的な姿勢を活かし、課題に対して自ら学び改善を重ねながらチームや顧客に対して分かりやすく情報を伝えることに貢献したいと考えています。
例文8:留学
私が学生時代に力を入れたことは留学です。
留学を通じて言語スキルの向上だけでなく、世界で起こっている様々な出来事について理解を深めることを目指しました。
例えば、授業ではディスカッション形式が多く、他国の学生と意見を交換する中で、自分の意見を持つことと、それを的確に伝える力の大切さを実感しました。
また、異なる文化的背景を持つ人々と接することで、自分の考え方を見直し、柔軟性を持って対応することの重要性も学びました。
この経験から、異なる価値観を尊重し、柔軟に対応できる姿勢が身につきました。
入社後は、この留学経験を活かし、グローバルな視点を持つ人材として、異文化の人々とも円滑にコミュニケーションを取り、貴社の国際的な事業に貢献したいと考えています。
例文9:授業内グループワーク
私が学生時代に力を入れたことは授業内でのグループワークです。
初めにチームメンバー全員の意見を出しやすい雰囲気づくりに努め、各自の得意分野やスキルを把握した上で役割分担を決めました。
また、グループの意見がまとまらない場面では自分から積極的に提案を行い、最も効率の良いアプローチが何か話し合うようにしました。
これにより全員が意見を言える雰囲気を作ることができ、講義での発表でも評価され、メンバー全員がS評価となりました。
このグループワークを通じて、主体的に課題に取り組む姿勢と他者との協力を通じて成果を生み出す重要性を学びました。
入社後も主体性を持って課題に取り組み、チームの一員として積極的に提案や意見をまとめ、貴社の目標達成に貢献したいと考えています。
例文10:フィールドワーク
私が学生時代に力を入れたことはゼミでのフィールドワークです。
私のゼミでは、近隣の森の生態系を研究テーマとしており、実際に現地へ足を運び、現場から直接情報を収集することを重要視していました。
実際に現地調査を行うことで、文献だけでは気づけない新たな発見や、生態系の課題をリアルに感じることができました。
例えば、土壌の状態や植生の変化といった環境の具体的な変化を観察することで、研究テーマに対する理解が深まり、改善に向けた具体的なアプローチを考えることができました。
この経験を通じて、文献やデータだけに頼らず、多方面からアプローチする重要性を学びました。
入社後はこの多角的な視点を活かし、1つの課題に対しても積極的にフィールドからの情報を取り入れ、具体的な解決策を提案することで貴社に貢献したいと考えています。
例文を読んでガクチカを作ろう
いくら作成方法について本記事で色々と学んだとしても、なかなかどのように書いていいのか想像がつかない人も多いでしょう。
そこでおすすめなのは、例文を複数読むことです。
例文を読んで引き出しを増やすことで、自分の経験の中で良いガクチカを文章にすることができるようになります。
こちらの記事では101個ものガクチカの例を紹介しているため、あなたの経験に近いガクチカの例文もあるはずです。
ぜひ参考にして、自分の引き出しを増やしましょう。
【学業でガクチカ】評価されにくい例
続いて、悪い例文を紹介します。
「悪い例文を読んで何の参考になるのだ?」と思う人も多いかもしれませんが「反面教師」という言葉があるように、悪い例文からも学ぶことは多くあります。
何が問題であるのかについても詳しく紹介するため、ガクチカを作成する際の参考としつつ、完成した後にもう一度読んでみて、共通点がないか、チェックリストのように使ってみるのもおすすめです。
例文1:内容が高校時代
私が学生時代に力を入れたことは大学受験のための勉強です。
志望校は難関校であったため、日々の勉強だけでなく、体調管理や集中力を高める工夫も重要だと認識し、早寝早起きを徹底することから始めました。
毎朝早く起きての勉強に加え、通学時間や昼休みの短い時間も無駄にせず、スケジュールを緻密に管理することで効率的な学習を心掛け、無事合格することができました。
この経験を通じて、計画性と実行力の重要性、そして小さな積み重ねが大きな成果に繋がることを学びました。
貴社に就職後はこの粘り強く計画を遂行する力や、限られた時間を最大限に活かす工夫を活かし、複数の業務やプロジェクトにおいて、効率よく成果を出すことに貢献したいと考えています。
例文2:内容を誇張している
私が学生時代に力を入れたことは水泳での全国大会出場です。
通っていた高校は、十分な設備も整っておらず、地区予選止まりの弱小校でしたが、そのような環境でも自らを高めるために毎日の努力を続けました。
全国大会に出場するためには技術の向上はもちろん、体力とメンタルの強化も欠かせないと感じ、毎朝の走り込みや食事の栄養管理を徹底し、自己管理能力を磨き、全国大会で4位に輝くことができました。
これらの取り組みを通じて、目標達成に向けて継続的に努力し続けることの重要性を実感し、逆境に負けない強い意志を育むことができました。
貴社に就職後はこの粘り強く努力を重ねる姿勢を活かし、チームやプロジェクトにおいて、どのような環境でも成果を出せる人材として成長し、貢献したいと考えています。
小玉 彩華
これが本当のことならば良いのですが、まるで漫画の主人公のような出来すぎた展開です。
もちろん、あなたがこのような卓越した成績を残しているならば問題ないのですが、内容を誇張しすぎることはよくありません。
特に部活の実績など「名前+競技名+高校」などで検索すればすぐに嘘であるとバレてしまうため、話は盛りすぎないようにしましょう。
例文3:内容が当たり前すぎる
私が学生時代に力を入れたことは、3年間一度も単位を落とさずストレートで卒業することです。
学業において単位を落とすことなく、ストレートで卒業することを目標に掲げ、1限の授業でも欠席や遅刻をせず、課題も期日通りに提出するよう心がけました。
この経験から、自己管理能力やタイムマネジメント力を磨き、優先順位をつけて物事を進めるスキルを身につけることができました。
また、計画的に物事を遂行する重要性と、どのような状況でも責任を持って取り組む姿勢が成果を生むことを実感しました。
貴社に就職後はこの時間管理と責任感を活かし、タイムスケジュールをしっかり守りつつ、任された業務に誠実に取り組み、確実に成果を上げられるよう努めていきたいと考えています。
小玉 彩華
確かに、いざ大学に通ってみるとフル単など全員ができるものではありませんし、すべての授業に遅刻無欠席で卒業を迎える人の方が少ないことは間違いありません。
それは面接官もわかっていることですが、いざ社会人になってみると遅刻無欠席など当たり前であることがわかります。
そのような当たり前のことを自信満々にアピールするということは「高校までは不真面目であり、社会人になってから、またその不真面目な気質が現れてしまうのでは?」と思われてしまうこともあります。
したがって、当たり前すぎることではなく、もう少しアピールの内容として魅力的なものがないか考えてみましょう。
例文4:自分のことをアピールできていない
私が学生時代に力を入れたことは、ゼミの研究を通じて環境問題の解決に取り組んだことです。
ゼミで取り組んだ課題は大学が管理するエリアに生息する動植物の個体数減少の原因を特定し、改善策を見出すことでした。
現地調査を何度も繰り返し、環境要因と生態系の変化を科学的に解明することで、個体数減少の主な原因が判明し、対策を提案しました。
この経験を通じて、問題解決に向けた分析力やチームで協力して成果を出す力を養うことができました。
貴社に就職後は、環境への高い意識と課題解決のアプローチを活かし、積極的に取り組む姿勢をもって、持続可能な社会の実現に貢献したいと考えています。
小玉 彩華
ゼミの皆で協力して良い成績を残したということは悪いことではありません。
むしろ構成も良いですし、どのような取り組みをしたのか、どれだけの結果が出たのかについてもわかりやすく説明できています。
しかし、あなたが何をしたのかよくわからない文章であるため、もう少しあなたがどの役割を担っていたのかについて説明しましょう。
もちろん、当たり前の仕事をこなしてくれることは最低条件ではありますが「ただのメンバーの1人」のような活躍しかできないと思われてしまうと、採用の可能性は遠ざかってしまいます。
例文5:専門用語の多用
私が学生時代に力を入れたことは社会心理学的アプローチを用いた認知バイアスに関する研究です。
ゼミの研究テーマとして、人々が意思決定を行う際に無意識に影響を受けるバイアスについて興味を持ち、そのメカニズムの解明に挑戦しました。
特に、ダブルバインドや自己実現的予言が人間関係や社会構造に及ぼす影響をデータ解析と仮説検証を繰り返しながら検討し、統計学的アプローチを用いた検証を行いました。
また、グループ内での役割分担を効果的に行い、適切なコミュニケーションのために積極的にプロセスフィードバックを導入し、実証的データに基づいた結論に到達しました。
この経験から、論理的思考力とデータドリブンな問題解決力を培い、情報を多角的に分析するスキルを得ることができました。
貴社では、この分析能力とコミュニケーションの技術を活かし、データに基づく意思決定やプロジェクトの効率化に貢献していきたいと考えています。
小玉 彩華
これは悪い例文の中で最も分かりやすいものかもしれません。
いかにも「私、仕事できますよ」と自分だけが思い込んでいる、客観性のない人の例文です。
面接官が心理学に精通しているならば話は通じるかもしれませんが、基本的にその可能性は低いですし、何より心理学をわかっていたとしても「やたらカタカナ語を使う人だな」と思われてしまいます。
「この文章は一般的な社会人が読んで理解できるものであろうか?」という観点から考えて作成しなければ、何が言いたいのかよくわからない、カタカナ語もしくは専門用語だらけの文章になってしまいます。
【学業でガクチカ】よくある就活生からの質問
ここまでで、企業の印象、なぜ聞くのか、エピソードの選び方、評価されるガクチカなど、さまざまなことがわかったと思います。
ここでは、ガクチカについてのよくある、3つの質問に答えていきます。
結論から言うと、問題はありません。
なぜかというと企業は、学んでいる内容よりも「学びの中の経験」をガクチカで知りたいからです。
ですので、問題はありません。
あなたが一番頑張ったエピソードのガクチカを話しましょう!
一人ひとりに、それぞれでたくさんのエピソードがあると思います。
たくさん頑張ったことがあれば、たくさんのエピソードがあり、話したいことがたくさんあるでしょう。
しかし、面接官はあなた一人のために、時間は割けません。
あなただけではなく、他の就活生の面接をしなければならないからです。
そのため、エピソードは1つに絞ったほうが良いです。
あなたが一番頑張った経験や実績があるエピソードで、他の就活生と差別化をしましょう!
短い時間の中でアピールする必要があるため、話すエピソードは1つに絞り、その中であった問題や経験などに時間を使うほうがとても効率的と言えるでしょう。
GPAが高いことは、学業での努力や継続力の証として評価されますが、就活においてGPAだけで周りの就活生に勝つことは難しいのが現実です。
企業はGPAの高さを「努力できる資質」として評価する一方で、その学びを通じてどのように成長し、具体的な経験や行動に結びつけたのかにも注目します。
GPAを維持するためにどのような工夫を行い、どのような知識やスキルを身につけ、それを実際にどう活かしているのかをアピールしましょう。
【学業でガクチカ】まとめ
いかがでしたか?
ガクチカで学業をアピールする際のポイントや注意点は、分かりましたでしょうか。
改めて、この記事では、以下の9つに内容を紹介しました。
- 「ガクチカで学業をアピールしても良いのか」
- 「学業をアピールすると企業が抱く印象」
- 「企業がガクチカを質問する理由」
- 「どんなガクチカが評価されやすいのか」
- 「面接官に評価されやすいガクチカの流れ」
- 「エピソードの選び方」
- 「ガクチカを考える際のポイントと注意点」
- 「学業をガクチカにした例文」
- 「ガクチカのよくある質問」
ここで紹介した中には、別の記事により詳しい内容が載っているものもあります。ぜひ、そちらも見てみてください。
ここまで、読んでいただきありがとうございます。
この記事が少しでも、あなたがガクチカを考える参考になればと思います。
就職活動を頑張ってください!
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート
小玉 彩華
内容自体は素晴らしいですし、大学受験に合格するために毎日早起きして勉強したことは称賛に値することです。
しかし、メインの内容が高校時代であり、それが大学生活にどのように活かされたのか全く言及されていないため、一言でも大学の話をするようにしましょう。
もちろん理想は大学生活の話をすることですが、もし大学生活において本当にガクチカが見つからない場合は、メインの題材を高校時代の話にして、それが今どのように活かされているか話すのも選択の1つです。