はじめに
「人材業界ってどういう特徴があるの?」 「人材業界に就職するにはどんなことを知っておけばいいの?」 このように、人材業界への就職を考えている方には沢山の疑問や不安があるでしょう。
本記事では、人材業界の種類から人材業界に見られる7つの特徴、人材業界が持つ魅力、人材業界へ向けた自己PRの書き方、人材業界の大手企業5社などを紹介しています。
この記事を読むことで、人材業界の特徴や魅力を把握できるだけでなく、人材業界に就職する際の自己PR対策についても把握できます。その知識をもとに人材業界の中から自分にあった職種を選んだり、スムーズな就職に繋げられたりできるでしょう。
人材業界に興味を持っている方は、ぜひこの記事をチェックしてください。
人材業界には4つの種類がある
人材業界は大きく分けて4つの種類があります。
同じ人材業界でもそれぞれの事業内容は異なります。ここでは、それぞれの事業内容を詳しく解説していきます。
1:求人広告
求人広告は、企業が持つ自社メディアに求人情報を掲載します。Webメディア、街中にある雑誌やフリーペーパーなどを指します。
企業に募集人数、求める人物像などをヒアリングし、求人に必要な情報を明確にした上で求職者の目に留まるような広告を作成するのが主な事業内容です。
求人広告にはクリエイティビティ、マーケティングスキルなどが求められます。求人広告を出す企業をいかに魅力的に魅せるかが重要です。
2:人材紹介
人材紹介は、仕事を探している求職者と人材を必要としている企業の間に入り、マッチングさせるのが主な事業内容です。
求職者に対してはその人の希望に沿った仕事を提供し、企業に対しては求める人物像に沿った人材を提供します。
求職者側を担当するキャリアアドバイザーは、求職者から希望や職歴などをヒアリングして求人を紹介します。企業側を担当するリクルーティングアドバイザーは、企業に求める人物像や具体的な求人情報をヒアリングして求人票を作成するのが主な業務です。
3:人材コンサルティング
人材コンサルティングは企業が行っている人事戦略、人事評価制度などに関するコンサルティングが主な事業内容です。
新入社員向けの教育、研修事業、組織を改善して社員のモチベーションを上げる組織コンサルタント、働きやすい会社作りのために福利厚生や人事評価を整える福利厚生事業が含まれます。
4:人材派遣
人材派遣は、派遣会社を通して企業に人材を派遣します。人材紹介と似ていますが、派遣という雇用形態が異なる点です。
派遣は、専門的な知識や技術を持っている人材を短期間だけ雇用したい企業と、限られた期間だけ働きたいという求職者をマッチさせるためにできました。
求職者は派遣会社に雇われており、人材を欲している企業にいつでも紹介できる状態になっています。
人材業界とHR業界との違いとは
HRとはHuman Resourcesの略で、人事部を意味します。HR業界は人事を支援するサービスを行います。
一方で、人材業界は1人の人材に対して関連するサービスを提供しています。人材業界とHR業界の違いは、どこに軸を置いているかです。
人材業界では1人の人を軸にしています。HR業界は企業の人事部を軸としてサービスを提供しています。
人材業界に見られる7つの特徴
ここからは、人材業界に見られる7つの特徴を紹介します。それぞれ詳しく把握することで、人材業界に対する理解を深められるでしょう。
人材業界への就職を考えている方で、具体的な仕事内容や業界の雰囲気があまり分からないという方は、ぜひこの項目をチェックして人材業界への研究を深めてください。
1:海外進出が見られる
少子化が社会問題になっている現代では、その影響で働き手が減ってしまい人材サービスを利用する方が減ることが予想されています。それによって、企業に紹介できる人材も不足してしまうでしょう。
人材業界ではこれらを解決すべく、人材事業の拠点を海外に設ける動きも見られています。
2:景気に影響されやすい
人材業界は雇用が増えれば増えるほど活性化する業界です。雇用は経済を映す鏡といわれるほど、人材業界は景気の変動に影響を受けやすい業界でもあります。
景気が上向いている時には求人数が増えて活性化し、景気が下向いている時には雇用が縮小されて停滞します。
3:採用対象が広がっている
少子高齢化のあおりを受け、労働力不足が深刻化しています。その対策として、外国人や女性、シニアの採用が活発です。
多くの企業では積極的に外国人を採用しています。また、女性やシニアの働き方にも柔軟に対応した採用も活発です。
定年退職した方を再雇用する動きや、女性や外国人の採用を応援するサービスも増えています。少子高齢化が進むといわれている現代では、今後もこういった動きが続くと予想されています。
4:専門性のあるサービスが展開される
以前から、金融やITに特化した専門性の高いサービスを提供する人材サービスは存在していました。
近頃では、他業種においても専門性の高いサービスが展開されており、農業に特化した人材を提供、育成するサービスも注目されています。
シニア人材に特化したサービスも存在しており、今後の拡大が見込まれています。柔軟な雇用形態に対応できる人材サービスを求める企業が増加しているため、人材業界にはそれに即した柔軟かつ多様なサービスが求められているといえるでしょう。
5:HRtechの導入に注目している
HRtechとは、Human ResourceとTechnologyを組み合わせた造語です。採用、評価、研修、管理などの人事業務をAIやビッグデータ、ICTなどのテクノロジーを用いて効率化させることを意味しています。
具体的には、AIやビッグデータによって従業員の動きを予測したり、社員に対する研修内容を最適化したり、人材に関するデータの一元化など様々です。
業務を効率化させるだけでなく、人材1人1人の希望に沿った採用、その人材が持つ多様な側面の可視化など求人を行う企業のニーズにも対応できるという面でも、HRtechが注目されています。
6:同一労働同一賃金制度への取り組みが行われている
同一労働同一賃金制度とは、同じ企業や団体において正規雇用の労働者と非正規雇用の労働者の間にある、不合理な待遇の差や賃金の差を解消しようという制度です。
同一労働同一賃金制度への取り組みは日本の企業で広く行われており、人材業界も例外ではありません。
7:新型コロナウイルス感染症拡大によるDX化が進んでいる
DXとは、スウェーデンの学者であるエリック・ストルターマン教授が提唱した概念です。企業がデータやデジタルの技術を活用し、企業全体の活動に変革を起こして競争上での優位性を高めることを意味します。
昨今、新型コロナウイルス感染拡大が問題視される中で、人材業界では大きな変革が起きました。その中でDX化は人材のみで課題を解決するのでなく、システムやツールを含めた課題解決を提案することに繋がっています。
人材業界が持つ魅力
人材業界が持つ魅力は以下の3つです。
・他の業界より求職者や担当した企業から感謝されることが多い ・就職や転職、人材育成など人の転機に携われる ・自分自身の成長を実感する機会が多い
人材業界の業務は求職者や企業どちらとも関わることが多く、就職や転職という人生の転機をサポートできるため、業務を完遂した際に感謝されることも少なくありません。
人材業界に向いている人に見られる特徴
人材業界に向いている人に見られる特徴が3つあります。それぞれ解説するため、人材業界に就職したいと考えている方は、この項目をチェックして自身と照らし合わせてみてください。
企業・ビジネス・仕事に関する知識を得たい
人材業界の業務では、様々な業界や職種の案件を取り扱います。総合型と呼ばれるエージェントは、あらゆる職種の求人を取り扱います。馴染みのない業界の案件を扱うこともあるため、ゼロからその業界を学ぶことが必要です。
多種多様な業界や職種の知識を学び続けようという意欲がある方が向いています。
人に向き合える
人材業界の業務では、新規顧客となる企業や求職者を獲得するための営業活動を行う機会もあります。その際、相手から断られる場合も少なくありません。それでも諦めず粘り強く対応する必要があります。
また、顧客獲得のために顧客目線で考えて提案することも求められるでしょう。企業や求職者が求めているものは何かを考え、提案やアドバイスをしてフォローするスキルが必要です。
これらの業務は全て人と向き合う業務です。そのため、人と向き合うスキルが重要視されます。
コミュニケーションが得意である
人材業界において、営業やキャリアコンサルタントの業務に携わる上でコミュニケーション能力は必須です。
人材業界が取り扱うものは人の労働力、知識、スキルなど形のないものです。それら全て人に関するものであるため、当人から信頼を得ることが必要不可欠になります。
また、求職者にとって就職や転職は人生において大きな転機でもあります。そこで信頼がないと、求職者はキャリアコンサルタントに自身のキャリアを託そうとは思えないでしょう。
企業側に対する営業においても、商材の魅力を伝えるためのコミュニケーション能力は求められるスキルです。
そのため、求人者と接する場合も企業と接する場合も、コミュニケーション能力は欠かせないといえるでしょう。
人材業界へ向けた志望動機の書き方
人材業界へ向けた志望動機を書く際には、以下の5つのポイントを押さえましょう。
・なぜ人材業界を選んだのか ・その中でなぜその企業を選んだのか ・志望する職種 ・入社後の展望
業界研究を行い業界に関する知識を身につけた上で、上記のポイントを押さえた志望動機を書くことで選考をスムーズに進められるでしょう。
人材業界への就職を考えている方は、これらを具体的に書けるようにすることが重要です。
人材業界へ向けた自己PRの書き方
人材業界へ向けた自己PRを書く際には、押さえておきたいポイントが2つあります。それぞれ解説するため、人材業界への就職を考えている方は、この項目を参考に自己PRを書いてみてください。
人材業界が必要とする人物像を把握しておく
人材業界が必要とする人物像を把握することで、人材業界の面接において受かりやすい自己PRを書きやすくなります。
人材業界と一言でいっても、分野によって仕事内容や求める人材も異なります。これらをしっかり把握することは自己PRを書く上で重要です。
自身が人材業界のどの分野に就職したいのかを絞り、その分野ではどういった人材が求められているのか理解して自己PRを書きましょう。
「結論・エピソード・学んだこと・入社後のビジョン」の構成で考える
「結論・エピソード・学んだこと・入社後のビジョン」の構成で考えることは、人材業界へ向けた自己PRのみならず、他業界への自己PRにも通ずるものですが、自己PRを書く際に重要な構成です。
まず結論を簡潔かつ端的に伝えます。その際、相手はそこに興味を抱き先の展開が気になるでしょう。また、冒頭で要点をつかめるため、集中して話に聞き入ることができ印象に残りやすくなるというメリットがあります。
そして最後に入社後のビジョンを伝える際、自身が相手企業が求めている人材であることを強くアピールしましょう。自身の経験で得た強みを入社後に活かせるんだというアピールをすることで、周りと差をつけられます。
人材業界の大手企業5社
人材業界への就職を考えている方は、人材業界にはどういった大手企業があるのか気になっているでしょう。
ここでは、人材業界の大手企業5社を紹介します。
それぞれの特徴を把握して、自身が希望する企業はどういった企業なのかイメージを固めて就職に繋げましょう。
株式会社リクルートホールディングス
株式会社リクルートホールディングスは、リクルートキャリア、リクルートジョブズ、Indeedなど求人情報サービスやエージェントサービスを幅広く展開しています。
また、人材関連の事業だけでなくライフスタイル、住宅、マーケティング等の分野でも活発に事業展開しています。国内外問わず幅広く活躍している企業であり、日本を代表する大手企業です。
株式会社パーソナルナビ HD
株式会社パーソナルナビ HDは、人材業界を牽引するリーディングカンパニーでもあります。
元々、テンプルHDの名で設立されましたが、商号変更によって現在の社名であるパーソナルHDになりました。
事業内容は幅広く、派遣、BPO、リクルーティング、ITO、エンジニアリングから海外事業、コンサルティングなどを展開しています。グローバルに活躍する企業であり、海外事業においてはアジアを中心に活動しています。
株式会社パソナグループ
株式会社パソナグループは幅広い事業展開が特徴的で、人材派遣のみならず、委託、請負、HRコンサルティング、教育、研修などの事業も行っています。
国内の人材紹介、キャリア支援が強みですが、それだけでなくグローバルソーシング事業として海外人材に関するサービスも手掛けています。
求人情報サイトやエージェントの運営のみならず、企業に向けたサービス展開も活発です。国内外で活躍する企業で、事業内容や活動領域を広げ続けることで利益が拡大し続けています。
テクノプロ・ホールディングス株式会社
テクノプロ・ホールディングス株式会社は、技術者や研究者を有している技術系に特化した人材サービスを提供しています。
機械、電気、電子、情報システム、ITインフラ、科学、バイオ、医療、建築、土木、エネルギーなど幅広い領域をカバーしているのが特徴の企業です。
技術系に特化した人材サービスに強みがあります。特化型の人材サービスのため、総合型の人材サービスと比較すると事業規模は小さいですが、特化型にしかない強みを活かして活躍しています。
株式会社マイナビ
株式会社マイナビは、圧倒的な知名度とユーザー数を誇る人材サービスを提供している企業です。新卒求人に関して強みがあります。
しかし、新卒求人に特化した求人サイトが乱立していることにより、大型ナビサイトの市場においては優位性が薄れているのが弱みでもあります。
人材業界の詳細を知り就職を目指そう
人材業界は今後も成長が期待できる業界です。また、人と向き合うことの多い人材業界の業務は、大きなやりがいのある仕事といえるでしょう。本記事で紹介した内容をしっかりチェックし、自身に適性があるのか考えてみてください。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート