はじめに、業界研究は何のためにするのでしょうか。答えは簡単です。
あなた自身が、興味も持っている仕事、やりたいと思う仕事を見つけるために行うものです。
後述する、やりたい仕事や業務に着目するならば「企業研究」をすれば良いのではないかと思うかもしれません。
しかしながら、「業界研究」をすることで自分の可能性を最大限にすることや社会における業界の種類と特徴を知ることができます。
その上で、あなた自身が進みたいと思えるような業種、職種、企業といったかたちに掘り下げていけます。
まずは、業界の全体像を知った上で、あなた自身が向かう道を探していきましょう。
そもそも業界研究って?
業界研究の目的を考えて取り組んでいきましょう。
「そもそも業界研究ってどんなことをすればいいの?」
それは、あなた自身が進みたい業界の知識を得ることにあります。
最初は曖昧なところにいます。
それは、単純に興味がある、こんな業界や企業で働いてみたいというイメージでしょう。
それをさらに具体的にしていきます。
あなたの描いているイメージを、業界研究を通して明確にしていくのです。それは、よりその業界を志望することにもなりますが、それ以外にある業界で、あなた自身が活躍したいと思う業界を知ることにもなり得ます。
そうした知識を積み重ねていき、業界に持っているイメージの再認識やイメージと異なるところが分かっていきます。
そして、業界研究が進んでいくとより志望する業界が見えてきます。
あらゆる業界から、あなた自身にマッチしている業界などを見つけ出すのに、非常に役に立ちます。
このイメージが働きたいというあなた自身の考えに変わり、実際に働くイメージを思い描くことができます。
就活生によっては、非常にスムーズにいく人もいれば、自分自身に落とし込むまでに時間がかかる人もいますので、じっくりと進めていきましょう。
じっくり進めるというのは、一言でいえば、広く浅く把握していくことです。
業界地図のような本やインターネットの情報を見ると、市場規模というものが分かり、これまでの過程や大手企業などを主とした企業が見えてきます。
さらに現在における市場の動向なども理解することができます。
間違ってはいけないのが、大手企業にだけ目がいってしまい、業界をはじめから狭めてしまうことです。
狭くそして深く調べていくことは、次の段階になります。そのため、それぞれの業界を広く見て、現状と課題、あなた自身が働いてく先にある可能性を考えていきましょう。
業界を見るステップ
このように理解してください。「なぜこの業界に」「なぜ弊社に」という質問は必ずあります。
あなた自身が理解して、話すことや履歴書・エントリーシートに書くことができなければ、あなたに内定を出して、一緒に働きたいと企業側は思いません。
ありがちなのが、志望する企業だけを調べて応募してしまうことです。
これでは、あなたが本当に働きたいと思える業界や企業なのか明確にできずに、就活を進めてしまうことになります。
そうすると、後から「あの業界も面白そう」「あんな企業で働きたい」というイメージが芽生えてきます。業界研究は、いくつかのチェックポイントがあります。ここを抑えることで、後悔しない就活につながります。
先に言葉だけ出しておいた企業研究との違いをお伝えします。
志望する業界における特定の企業。つまり受けたい・受けようと思っている企業を調べること。
企業研究ももちろん、とても大切なことですが、あなた自身がどのような軸をもって、またどのような働き方をしたいかを考えるにあたります。
業界の全体像や、多くの同業界や企業をリサーチすること。
どちらが欠けてもマイナスポイントになりますが、数ある業界からどうしてその業界を選んだかが、あなた自身が納得して就活するのに必要なことです。
業界研究と企業研究というものが、まずは前提とするものが違うという認識を持ちましょう。
そして、業界研究の先に企業研究が続いていくという流れになるので、焦らずに着実に調べていきましょう。
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業界全体を「広く浅く」把握する
志望業界が決まっている人も、そうでない人にとっても、業界研究は必要です。
この業界研究は、全体を俯瞰して見ることも目的の一つだからです。
あなた自身が働きたいというイメージを、志望する業界への理解を高めていくことは、就活だけに留まらず、その先にその企業に内定出しをしてもらい、実際に働くことときにも必要な情報と知識になります。
業界研究によってあなたの現在もっているイメージと違った、またはイメージ通りだったとう確認にもなります。
また、あなた自身が働きたいと思っていた業界があったとしても、その業界内の動向をさらに深掘りしていくと、類するまたは関連していく業界を調べることにもなり、その中に別に興味深く思えるような業界が出てくることもあります。
あなたが車好きであった場合を考えてみましょう。自動車に関連する業界は多くあります。
特に自動車メーカーは、車好きでなくても思い浮かぶ企業は沢山あります。そうした業界を調べていくと、部品に関するメーカーなどが出てきます。
エンジン一つとっても、飛行機や船なども必要とされます。さらに、電気自動車やソーラーエネルギーを活用した自動車もあります。
そうすると、ソーラーパネルのような発電といった分野も見えてくるのです。
業界研究は、自分が興味のある分野を調べることは非常に重要です。
しかしながら、その業界を調べるうちに異なる業界にも目が行くこともあり、その中から志望する業界を考えていき、最終的には志望する企業につながっていきます。
業界研究を進めていくと、最終的には志望した理由を述べることができるようにもなっていきます。
業界内の事情を「狭く深く」調べる
業界は多岐にわたりますので、まずは広く視野で見ていくことは、伝えられたと思います。
その上で、さらに志望度を高めるうえで、志望する業界を狭く深く見ていきましょう。
業界分析を行っていくと、業界の実情が分かってきます。志望する業界が、どのような活動や活躍をしているのかが見えてきます。
受けたい業界がまだ見つからない就活生にとって、自分らしく就活を進めるために、広く浅く業界を調べた後には、より深く見ていくことが役に立ちます。
狭く深く調べていくと、その中でのカテゴリー分けができてきます。
例えば、業界分けしてみた時に、メーカーとサービスという区分けもできます。
先に述べた自動車もそうですが、食品関連、電気関連分野も同様に複数に区分することができます。
これは、志望する業界について狭く深く調べていく重要なポイントです。
履歴書・エントリーシートや面接などにおいて、「なぜ志望したのか」という質問に対して、明確な理由付けができるのです。
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業界研究をする際の注意点とは?
ここで、注意点にもふれていきます。
業界研究を進めていくとき、具体的にどのような点に意識して取り組んだら良いでしょう。まずは、ただの知識にしないことです。
調べることが目的になってしまうと、就活が入試試験のように思えてきて、業界研究で得た知識を就活の場で披露することと勘違いしてしまいます。
あくまで、業界研究は以上の2つが大きな目的です。
もちろん、志望動機にもつながるので、一概には言えないのですが、志望動機の一つの要素にすぎません。
この志望動機の要素について考えると、志望度の高さを示すものになります。
一方で、それだけでは、志望動機にはなり得ません。
自己分析や志望動機と混同してしまい、情報のみで就活をしてしまうと方向性を見誤ります。
情報は情報として、比較のための手段ほどのものであり、内定に直結しておりませんので、業界研究だけに過剰に時間を費やすよりも、説明会や選考に取り組むことの方が重要です。
手段と目的と利用方法は、あなた自身が就活を成功させるためにしっかりと理解しておきましょう。
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業界研究を実践しよう
概要については説明してきましたが、さっそく、実際に業界研究をしていきましょう。
就活における業界研究ですが、その分類として挙げられるのが、企業を産業や商業で分類することで区分けする方法です。
一つの業界でも、商品・サービスも多様であると同時に、製造から商社の仕入れ、その後の販売というように、すべての業界は関わりがあります。
業界研究は、その役割から業界を大分類としていくと8つのカテゴリーに分けることができます。
まずは、そうした相関性があることと、大分類での説明になることを理解しておきましょう。
企業選びの軸を決める
業界研究から進める企業選びの軸について、説明いたします。
一言でいえば、判断基準となります。
何かといえば、あなた自身がどのように企業を志望して選んでいくのかということです。
難しく考えることは一切ありません。単純に、どのような企業であなた自身が働きたいかを考えていきましょう。
あなた自身が企業研究を進める中で、どのような企業で働きたいかを考えましょう。
具体的には、環境面や給与面といったものもその一つです。
業界研究においては、さらに深掘りしてみるイメージです。それが、企業選びの軸になります。
働き方の多様化も進んでいる現在、大きな選択肢になっていきます。
これは多くの業界がある中において、その業界を何故選んだのか、どういった基準で判断をして企業選びをしていくのか、明確にするべき点となります。
企業選びの軸を簡潔に分類すると、以下の3つになります。
・強み
・大切にしていること
これを当てはめながら考えていくと、あなた自身の中でしっかりとまとめることができ、基準に沿って企業選びを進められます。
あなた自身が、具体的で詳細な企業選びの軸を作る必要はなく、他の就活生の意見や業界研究に関する本、OB・OG訪問などで企業選びの軸はどのようなものがあり、あなた自身に合ったものかを選んでいくことで解決いたしますので、ここで考え過ぎる必要はありません。
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業界例
業界・企業選びの軸について説明いたしましたが、まずは、業界分類の例を挙げていきます。
インターネットの情報や企業研究の参考本と若干の違いや言い換えがありますが、ここでは8つのカテゴリーで説明をしていきます。
▽情報収集・分析の方法はコチラ▽
1.メーカーとは
製品を開発したり、生産から提供する業界を指します。
自動車や家電などの製品を開発・製造する分野、食品・医薬品などの生活用品、電子部品や繊維などの原料・部品メーカーなどがあります。
カテゴリーとしては、非常に多様な業界です。
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2.商社とは
仕入れ・販売などで、あらゆるサービスを取り扱う総合商社やある一定の分野に特化した専門商社があります。
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3.小売とは
商品を消費者に販売する業界で、百貨店やコンビニエンスストアや特定の商品に特化した専門店などが挙げられます。
現在では、こちらも多様化が進み店舗以外にもECサイトといった形態も、一般的なものとなっています。
▽小売業界の詳しくはコチラ▽
4.金融とは
経済を多様な業界と連携して支える仕事を指します。
銀行や証券会社、保険関係が主となります。
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5.サービスとは
サービスを提供して収益を得る業界です。飲食・旅行・教育から運輸まで、幅広くあります。
その形式や新しい仕組みなども増え、また複合的に提供する分野で、その動向を見極めていくことも必要となります。
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6.ソフトウエア・通信とは
いわゆるITサービスと言われる分野で、IoT分野やAIなどの目覚ましい発展があり、現代の主要なインフラとなっています。
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7.マスコミとは
あらゆる情報を伝える業界で、文字や音声、映像が幅広くこの分野になります。
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8.官公庁・公社・団体
公共団体や学校、病院などで、公的な事業を行う団体を指します。官公庁は、各省庁や国会などを指します。
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OB・OG訪問をしよう
昨今では、その重要性の有無が大きく二極化しているOB・OG訪問について、説明いたします。
就活生が自分の興味を持った業界や企業の諸先輩方に会い、仕事内容や個々の企業の働く環境などを聞き、就活に役立てる仕組み
情報収集はあらゆる方法で可能ですが、実際に働いている社会人から本音を聞ける、重要な情報源の一つになります。
実施される企業も、戦略的にOB・OG訪問を積極的に活用している場合もあります。
企業と就活生の双方にとって有効な手段となっています。
ただし、目的がはっきりとしていないOB・OG訪問は、かえってマイナスイメージを植え付けてしまうこともあるので注意が必要です。
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本を活用しよう
業界研究をするには様々な方法が存在します。
どの本が正解であるなどはありません。どこに重点を置いているか、または、あなた自身に合っているかを確認して、活用してみましょう。
代表的なものを挙げると以下のようなものとなります。
就職四季報は、就活生に限らず、多くの社会人に見られています。 情報も十分ありますが、場合によっては、求める情報が難し過ぎるといった意見も就活生からはあります。
その他、図解入門業界研究や業界大研究といった図解を含んでいるものも多く、区分けしにくい分野などの解説も十分に記載されています。
業界研究において、志望する業界が決まっているかどうかでも、読む本が変わってきます。
まずは、あなた自身が分かりやすいと思える、必要な情報が記載されているといった視点で選び、業界研究に活用しましょう。
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業界だけでなく職種も一緒に考える!
業界という区分分けを中心としてお話を進めてきましたが、職種という視点も重要な要素となります。
営業職や事務職と言えば分かりやすいところです。
しかしながら、理系でも多く言われるのが、SE(システムエンジニア)という職種もあります。
実際のところ、内容を見ないと何十もの職種を指していることがあり、しっかりと調べていかないと、
こんなはずではなかった...
このようになってしまいます。
また、業界・業種によっては存在しない職種もあります。
業界や業種によって、職種は同じであっても、その内容が全く異なるといった場合もあります。
それらを比較して、あなた自身がやりたいことにつなげていきましょう。
もちろんながら、仕事内容だけで決まるものではありません。
そのやりがいや求められるスキルまで考えることで、職種を理解することができます。
こうなりたいと思うことが、就活生のスキルよりも重要に基準になることがあります。
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まとめ
業界研究を主体として、派生した面についても説明をしてきました。
どのような業界があり、具体的な内容を知ることと、そこであなた自身が出来ることや、貢献したいことがみえてくると志望動機にも直接つながっていきます。
就活スタート時期には、有名企業や大企業を目指しがちになります。
それは決して悪いことではなく、その企業であなた自身がどのような活躍をするのかなどを考えて進めていきましょう。
どんな業界で、どんな企業で、どんな仕事をしていくのでしょう。
そして、3年後、5年後、10年後にあなたはどのようになりたいのかというイメージを持つことも大切です。
誰もが苦労すると言われるエントリーシートや履歴書の志望理由や自己PRは、しっかりとした方向性が定まっていれば、深掘りしていくだけです。
後悔しない就活を意識して、これから社会人として働き続けていくためのステップをのぼってください。
あなた自身が納得した就活とあなた自身が選んだ企業で、やりたいと思うことを、仕事としてやっていきましょう。
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