はじめに
「兼サー」という言葉を大学に入ってから知ったという人もいるでしょう。
「兼サー(兼部)」とは、大学の課外活動であるサークルにいくつか所属し活動することです。
兼サーをすると忙しいという話もありますが、果たしてこれは本当なのでしょうか。
今回は、兼サーのメリット・デメリットについて解説していきますので、希望するサークルが複数ある人はぜひ参考にしてください。
【大学で兼サーはできる?】兼サーすると忙しいのか
サークル活動は、所属するサークルによって活動頻度や内容がそれぞれ異なります。
そのため、曜日や活動時間が重複しなければ、複数のサークルに加入しても特に問題はありません。
自分のスケジュールに合わせて活動できるので、それほど「忙しい」と感じることもないでしょう。
ただし、サークルに所属しない人や、ひとつのサークルにしか所属していない人に比べると忙しいと言えます。
また、人によっては受ける講義の数が多く、サークルに割ける時間が少なくなるため注意が必要です。
サークルによって異なる
兼サーについて、学校で禁止されているということはほとんどありません。
ただしサークルによっては、規約を設けている場合があり、その中に兼サー・兼部を認めないと定めていることがあります。
特に運動関連のサークルなど、個人だけでなく団体で競技を行うようなサークルは、規約に記載していないとしてもNGとなる場合もあるでしょう。
また反対に、規約には定められていたとしても、兼サーをしている事実を隠して別のサークルに参加する方も珍しくありません。
入部前にサークルの代表や先輩メンバーに兼サーが可能か確認する、また活動内容について質問をしておくと、加入後のトラブルを避けることができます。
サークルによっては兼サーは難しくない
サークルによって、活動の頻度や必要な経費は異なります。
高校までの部活動のように、きちんとしたカリキュラムが組まれているサークルもあれば、週1~2回活動するサークル、特に活動する日を決めておらず時間があるメンバーだけが集合するサークルなどさまざまです。
また、サークル活動を行ううえで、活動費が徴収される場合もあります。
運動関連のサークルや、活動発表を行う演劇部やブラスバンド部などは、活動費が高くなることもあります。
活動費をねん出するために、授業に出席せずアルバイト漬けの生活にならないよう、注意が必要です。
サークル見学の際に活動頻度や活動費を確認し、もし合わないようならあればほかのサークルに加入しても良いでしょう。
【大学で兼サーはできる?】兼サーしにくいサークルは?
先述したように、基本的に学校・サークルの双方に兼サーを規制する権限はありません。
ただし、なかにはサークルの規約で兼サーを禁止しているサークルや、サークルの活動内容などによって兼サーが難しいサークルもあります。
兼サーが難しいのは、団体競技を行う体育会系のサークルや、集団演技を行うダンス部や演劇部などがその一例です。
また、人手が足りないサークルなどは、メンバー全員が役職についているため、新入生の兼サーを敬遠している場合もあるでしょう。
ここからは、兼サーしにくいサークルの代表的なものを紹介していきます。
ただし、あくまで一般的に兼サーしにくいサークルということで紹介しているため、自分の学校のサークルが必ずしも兼サーできないというわけではありません。
兼サーが可能か、他の部員で兼サーしているメンバーがいるかどうかについては希望届を出す際に確認してみてください。
体育会系サークル
兼サーしにくいサークルの筆頭に挙げられるのが、体育会系サークルでしょう。
個人競技・団体競技を問わず、競技大会前などでなくても基本的なトレーニングのため、週5~6日活動している場合があります。
大会での上位入賞などの実績を持つ実力校のサークルでは、朝練や夜遅くまでの練習が長時間行われているケースも考えられるでしょう。
また自身のトレーニングや練習ができなくても、先輩部員のために準備や片づけなどを行うために、サークルに出る場合も考えられます。
ダンスサークル
学祭や発表会など、定期的に発表の機会があるダンスサークルや演劇部なども兼サーが難しいサークルと言えるでしょう。
週に複数回の練習が行われ、イベントまでの限られた時間の中で、自分たちの演技を完成させる必要があります。
また自主公演の際は、会場や機材の手配なども行うため、時間が足りなくなることも珍しくありません。
体育会系のサークルにも言えることですが、大会や発表会前には心身ともにコンディションを整えておくことが必要となります。
アルバイトなどで怪我などを負うことがないよう、厳しい自己管理が求められることもあるでしょう。
部員数が少ないサークル
部員数が少ないサークルの場合は、人手不足から役職に就いていることや、何らかの業務のリーダーを任されることがあります。
1・2年生だからといっても、メンバーが少ない場合は責任のある立場になる可能性が高いため、兼サーしにくくなる場合があるでしょう。
もし欠席してしまうとメンバーに迷惑をかけるおそれがあるため、欠かさず出席することが望ましいです。
また、立ち上げたばかりのサークルなどの場合、先輩や経験者に相談することも、難しく手探りで任務を果たすことになるでしょう。
なお、在籍部員として名前だけ貸してほしいと頼まれることもあるかもしれませんが、これもトラブルのもとになるため安易に引き受けないようにしてください。
【大学で兼サーはできる?】兼サーのメリット
大学にはさまざまなサークルが存在し、興味を惹かれるサークルが多いのも事実です。
また兼サーすることで、毎日が充実し楽しいキャンパスライフを送れるだけでなく、得られるメリットも多くあります。
その多くが、人脈作りや将来のキャリアステップに役に立つものとされています。
ここからは、兼サーをすることで得られるメリットについて解説していきますので参考にしてみてください。
友達が作りやすい
兼サーをすることで、出会う人や関わる人が増え、その中には気の合う人もいるでしょう。
気の合う人との付き合いを深めていくうちに、腹を割って話し合える人と出会える可能性があります。
社会に出てからも、人と関わるチャンスは多くありますが、学生時代ほど腹を割って話せる相手には出会いにくくなります。
学生時代の出会いを大切にして、多くの友達を作りましょう。
また、系統の違うサークルに所属することで、そのジャンルごとに話の合う友達が増えるのも、兼サーのメリットのひとつです。
ガクチカ作りに役立つ
「ガクチカ」とは、学生時代に力を入れたことを指す就活用語です。
就活時のエントリーシートや面接で尋ねられることが多い質問になるので、あらかじめ対策しておくと良いでしょう。
学生時代に力を入れるのは、学業やアルバイトのほか、サークル活動などが挙げられます。
採用担当者がガクチカを尋ねる真意は、ガクチカによって就活生が何を学び、どのように考え行動したかを知ることにあります。
ガクチカの内容によって就活生の性質をチェックし、内定を出すかどうかの判断材料とするためサークル活動に力を入れる方は多いです。
兼サーをしていれば、さまざまな体験ができるでしょう。
たくさんの人と触れ合える
大学のサークル活動は、自校だけに留まらず、他校のサークルと交流したり飲み会などのイベントを行ったりすることが多くあります。
友達と言えるほど深い人間関係を築かずとも、多くの人と触れ合い意見を交換することで、それまで知らなかった社会を知ることができます。
大学を卒業し社会に出ればさらに多くの人と出会えるかもしれませんが、仕事上の付き合いになることが多く、仲を深められないことも少なくありません。
さまざまなタイプ、さまざまな境遇の人と触れ合うことで将来のビジョンが見えることもあるので、複数のサークルに所属することで得られるものは大きいと言えます。
【大学で兼サーはできる?】兼サーのデメリット
人脈が広がり、人間的にも成長できる兼サーですが、メリットだけではなく注意すべきデメリットもあります。
兼サーのメリットとデメリットを知り、自分は兼サーをするのか、それともやめておくべきか判断しましょう。
お金がかかる
サークルは大学の課外活動に当たるため、補助金が出たとしても活動費の全額が負担されることがありません。
そのため、サークルに所属するメンバーが活動費を支払うケースがほとんどです。
活動費の金額は、サークルによって大きく異なります。
体育会系のサークルであれば、備品購入以外にも遠征費やユニフォーム代などが発生するでしょう。
またブラスバンド部などは、楽器のメンテナンスにお金がかかる場合があります。
文芸部であれば、サークルの同人誌の出版に費用がかかる場合があり、演劇部は衣装などに大きな出費をすることになるでしょう。
学生の負担が大きいサークルにいくつか所属すると、あまり活動していなくても毎月の出費は大きくなることが考えられます。
さらに、飲み会やレクリエーション活動を行うサークルもあるでしょう。
入部前に、それぞれの部費やそれ以外の活動費について確認しておく必要があります。
忙しい場合も
大学のサークルには、とてもフランクで自由なイメージがある人も多いでしょう。
好きなときに参加をすれば良いと考えている人もいるかもしれません。
しかし、サークルによっては競技大会や発表会などがあり、シーズンによっては多忙を極めるものもあります。
学祭
体育会系のサークルや、全国規模の大きな発表会がないサークルにとって、年に一度大学で開催される学祭はサークルの存在を示す大きなイベントになります。
学祭には、準備や当日の受付などの運営、後片付けと、さまざまな仕事があります。
部員の少ないサークルでは任される仕事も多く、学祭を楽しんでいる余裕がない場合もあるでしょう。
さらに兼サーをしていると、担当任務のスケジュール調整が必要となります。
AのサークルとBのサークルでダブルブッキングしてしまうなどというようなミスがないように注意が必要です。
役職を兼任
部員が少ないサークルでは、役職が早く回ってくることもあります。
役職に就くことで、さまざまな事務手続きを行うなど雑多な業務が発生してしまい、時間を取られるかもしれません。
複数のサークルで役職を兼任することになると、それぞれの仕事をこなす必要が出てくるため、肝心のサークル活動を楽しむ時間が削られるという皮肉な結果になることもあります。
まとめ
今回は、大学のサークルで「兼サー」が可能かということや、兼サーのメリットやデメリットについて解説しました。
結論としては、兼サーは校則などで禁止されていないため、気になるサークルがあればいくつでも入部は可能です。
兼サーにより人脈が広がったり、将来のビジョンが見つかったりとメリットも多いでしょう。
しかし、サークルによって活動内容や必要とする経費が異なるため、兼サーをする場合には慎重にリサーチしておく必要があります。
サークル見学や新人歓迎コンパなどを上手に利用し、サークルの活動頻度やかかる費用、また自分に不都合な点はないかをしっかりと確認してから兼サーをするかどうか判断してください。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート