就職活動の履歴書や面接で必ず盛り込まれている項目は「自己PR」です。
自分をしっかりとアピールできる絶好の機会ですが、内容が薄いと充分なアピールができずに受かることが難しいため、何を書けはいいかと悩む人も多いでしょう。
今回は自己PRの一つとして「洞察力」に注目しました。そもそも洞察力とはどのような長所なのか、洞察力を自己PRに取り込み上手くアピールするにはどうしたらいいのかなどの活用法をはじめ、実際に面接などで使える例文も紹介します。
この記事を読めば、洞察力を就職活動の強い味方として活用することができるでしょう。自己PRについて悩んでいる人はぜひ最後まで読み、就職活動の参考にしてください。
目次[目次を全て表示する]
洞察力と観察力との違いについて
「洞察力」とは「目に見えない部分」を見抜く力、「観察力」とは「目に見える部分」を見る力のことを指します。
観察力は「〇〇さんの髪型が変わったな」「ネイルが変わったな」など、目に見える部分からの情報をしっかり得ている様を表す一方で、洞察力は「体調が悪そうだ」「何か困っているのかな」など目には見えない相手の気持ちなどを察する様を表します。
洞察力にはまず相手をしっかり見ている観察力が重要であるため、観察ありきの洞察といえるでしょう。
洞察力を長所にした時の企業が抱く印象とは
では、実際に洞察力を長所として自己PRに入れた場合、企業に与える印象とはどのようなものになるのでしょうか。
企業側が洞察力と聞いて期待する能力について紹介していきます。洞察力を取り入れる際は、期待される能力に結び付けてアピールしましょう。
状況に応じた対応ができる
洞察力は、人や物事の本質を瞬時に見抜く力でもあります。こうした力は、いつ何が起こるかわからないビジネスの現場では重宝されるでしょう。
物事の本質を理解しているため、もし取引先から予想外・予定外のことを要求されても、相手の意図をしっかり理解し、即座に対応できる戦力として期待されます。
過去の経験を活かした成長を期待できる
洞察力がある人は、他人だけでなく自分のことも客観的に分析できます。そのため、過去に起きた失敗や成功をしっかり吸収して成長できる人材だと捉えられるでしょう。
とくに洞察力がある場合は、失敗しても保身に回る人はあまりいません。何が原因だったのか・今後の対策はどうすればいいのかと、今後に活かしていける戦力として期待されるでしょう。
コミュニケーション力が高い
洞察力がある人は相手の気持ちを汲み取ることにも優れているため、コミュニケーション能力が高い人間という印象を与えます。
ただ話が上手いなどというだけではなく、相手の雰囲気・状況・空気感を観察して、今相手が思っている・望んでいることをいち早く察知できます。
こうした人材は、チームで仕事する企業にとってはとても有望だと評価されるでしょう。
直観力・分析力に長けている
洞察力の優れている人は、固定観念に捕らわれずにいろいろな角度から分析を行えます。さまざまな意見を取り入れていくため自由な人と思われがちですが、多様な考えが求められるビジネスにおいては注目される素質です。
また、分析から得たデータについてすぐに対応が思いつく直観力も持ち合わせているため、能力の高さを期待されるでしょう。
洞察力を長所としてアピールする際のポイント
洞察力を持っていたとしても、上手くアピールできなければ長所として伝わりません。洞察力をしっかりアピールするためには、以下のポイントがあります。
ここでは、それぞれどのように活かしていくべきか詳しく紹介します。
- 洞察力を使った成功体験を選ぶ
- 仕事でどう活かせるかを明確にして伝える
- 他者からの評価を交えて伝える
洞察力を使った成功体験を選ぶ
今までの体験の中で、洞察力が役に立ったと思うエピソードを用意しましょう。
生じた課題・それに対して自分が考えて導き出した新しい提案・それによって改善された結果、といった一連の流れを説明できるのがベストです。
仕事でどう活かせるかを明確にして伝える
受ける企業の業態に合わせ、洞察力の活かし方を明確に伝えるのも大切です。
データなどを扱う企業であれば、新しい視点からのデータ分析に活かしていきたいということ、また販売系の企業であれば、より売り上げに繋がる新しい方法を考えていきたいといったように、具体的な内容を入れましょう。
他者からの評価を交えて伝える
他者から洞察力について評価されたエピソードがある場合は、それらも織り交ぜましょう。
例えば、相談事をよくされて解決策を求められるといったことや、何かチームで催し物を行った際に普段の洞察力を買われてリーダーになったなど、具体的なエピソードを伝えることが大切です。
洞察力を長所でアピールする際の注意点
洞察力はビジネスにとても役立つ能力ではありますが、一方でアピールする際には注意すべき点もあります。
捉え方によっては、大きなプラスになる長所がマイナスポイントになりかねません。参考として以下の点をチェックしてください。
- 思い込みが強いと思われないようにする
- 独りよがりだと思われないようにする
- 扱いにくいと思われないようにする
思い込みが強いと思われないようにする
常識や固定観念に囚われずに本質を見極める能力は洞察力の優れた部分です。しかし、自分が思っている本質に固執すると思い込みの強い頑固な人だと思われてしまいます。
自分が考える本質はあくまで主観であることを忘れずに、それを踏まえて全体の状況を考えられるという点をアピールしましょう。
独りよがりだと思われないようにする
相手の意志やニーズを汲み取って行動に移せる点は高い評価となりますが、その汲み取りは100%正解ではありません。
相手はこう思っていると断定的な発言をしてしまうと、独りよがりな人・自分勝手な人と思われる可能性があるため注意しましょう。
扱いにくいと思われないようにする
洞察力を持つ人は的確な意義や判断を見出すことを得意としますが、逆に曖昧なことや腑に落ちないことについては反抗心を持ってしまう場合があります。
仕事には自分の中で納得していなくても、やらなければならないこともあります。あまり自分の意志を主張しすぎると扱いにくい人材だと思われるため、臨機応変な対応ができることをしっかりアピールしましょう。
洞察力を長所とした自己PRの例文
洞察力を長所として盛り込むポイントと使う際の注意点について紹介しましたが、実際にどのような文章にするのが正しいのでしょうか。
ここでは、自己PRの例文を2つ紹介します。
アルバイトで評価されたケースの例
アルバイト先では、先輩や店長に「君に任せると仕事がはかどる、洞察力があるね」というお言葉をいただきました。
飲食店のアルバイトでしたので、時間帯によってお店が大混雑になります。そうした時こそ、お店全体の状況をよく見て動くように心がけていました。
自分で動くことはもちろん、仲間のサポートや指示出しも積極的に行い、全体が上手く回るよう改善案もいくつか提案・実行してきました。また、ハプニングが起きた時にはすぐフォローに回り、落ち着いた接客を目標に働いてきました。
その結果、お客様からも「このお店は手際がいいね」とお褒めいただいたこともあります。
周りを気にしすぎてしまうのは短所だと思っていたのですが、仕事上では役にてたる長所になるのだとアルバイトを通して学びました。
貴社でも周りの状況をしっかり把握したうえで的確に動き、チームの仲間としっかりコミュニケーションを取り、課題や問題があれば解決して貢献できるよう努めていきます。
ボランティアで評価されたケースの例
私には状況を分析したり、人の気持ちを汲み取ったりするのが得意な洞察力があります。
大学生時代は在学中ボランティアを行っていました。とくに地域に関する活動が多く、海岸のゴミ拾いや高齢の方のお宅の簡単な家具修繕などを主にお手伝いしました。
その際、主催者やリーダーの方に「要領がよく、察して行動してくれるから助かるよ」と言っていただきました。
また、同じ参加者さんが疲れていそうだ、工程に困っていそうだと感じた時はすぐに声をかけてフォローを行った結果、よく相談されるようになり、ボランティアを通じて年代を問わず新しい繋がりも増えました。
入社後もこのコミュニケーション能力と洞察力で、しっかりクライアントのニーズを考えて契約に繋げられる戦力を目指します。
学業を通じて評価されたケースの例
私の強みは、観察力と洞察力です。
大学のゼミでチームごとに分かれた課題では、チームリーダーとしてメンバーそれぞれの得意分野を考え、資料集めの指示振りなどをして多角的な検証を行いました。
発表時も人前で話すことが得意なメンバーを選出し私は補佐役に回りましたが、課題を出した教授の意向などを深く考え話の流れを決めるなど、的確なサポートができたと思います。
他のメンバーにも課題のことはもちろん、普段からコミュニケーションを取ることを心がけ、皆からリーダーとして頼りになったと評価を貰いました。ゼミの結果についても、内容が素晴らしいとの言葉をいただくことができました。
貴社ではチームプロジェクトが多いため、こうした経験を活かしてチームの結束、そして先方が望む内容をしっかり汲み取り、一つでも多くのプロジェクト成功に貢献していきます。
洞察力を長所としてアピールしよう
洞察力は立派な長所になります。ビジネスにおいても有望な人材と評価されるため、的確な使い方で企業側にしっかりアピールしましょう。
洞察力を長所としてアピールするのが難しいと思った人は、今回紹介した企業側の感じ方や使い方の注意を参考に、自分の体験談をあてはめて自己PR文を作成してみてください。