はじめに
「就活の自己PRに高校時代のエピソードを使いたいけれど、それってあり?」 「高校時代の話を入れたいけれど、どうやって自己PRを作ればいいのかわからない。」 就活において大切な自己PRを考える中で、このような疑問を抱いている人もいるのではないでしょうか。
この記事では、自己PRに高校時代の話を入れることのリスクや注意点について紹介しています。さらに、高校時代の話を上手く使うポイントや流れ、例文についても解説していきます。
この記事を読むことで、高校時代の話を自己PRに盛り込むことのメリット・デメリットを理解することができ、自己PR欄を充実させられるでしょう。
自己PRの内容に悩んでいる方は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。
企業が自己PRから読み取ることとは
まずは大前提として、企業が何を求めているかを整理しておきましょう。企業が自己PRから読み取ることは、「これまでに何をしてきたのか」「現在何ができるのか」「今後応募先で何をしていきたいのか」という3点です。
企業としては、応募者がその企業・業界・職種に適性があるかどうかを判断しなくてはいけません。そのための判断材料の1つが、自己PRと言えるでしょう。
企業の求めるニーズと自分の強みが重なるような内容があれば、適性ありと判断されることになります。この点を考慮すると、企業の社風や求める人物像に合わせて複数の自己PRを用意する必要性も出てくるので、注意が必要です。
自己PRで高校時代の話を入れるのはあり?
高校時代に光るエピソードを持っているので、自己PRに使いたいと考える方もいるでしょう。しかし、基本的には、自己PRに高校時代の話は入れない方が無難と言えます。
大学生の就活で一番問われるのは、やはり大学時代に何をしたのかということです。まさにここが、高卒や高専卒の学生との違いを生み出せるポイントと呼べるでしょう。
後述しますが、高校時代の話を自己PRに盛り込む場合は、一定のリスクを伴うことを理解しておく必要があります。まずは、大学時代のエピソードから優先的に検討していくことが賢明でしょう。
自己PRで高校時代の話を入れた場合に考えられるリスク
自己PRに高校時代のエピソードを取り入れる際には、一定のリスクがあることを押さえておきましょう。ここからは、高校時代の話を入れた場合に想定されるリスクについて、4点紹介していきます。ぜひチェックしてみてください。
成長意欲が感じられないと思われる
企業が欲しいのは、常に向上心を持って前向きに仕事ができる人材です。言わば右肩上がりに成長する、もしくは成長する可能性のある人材を求めています。
それに対して、高校時代の話を折り込むと、大学生になってから成長しようとしなかったのではと疑われてしまう可能性があります。企業は、常に成長し続けようという姿勢を注視していることを、十分に理解しておきましょう。
情報が古いと思われる
高校時代の話を語るとなると、大学生で就活をしているのであれば約4~6年前の話をすることになります。5年前のエピソードをアピールすると情報が古い、あるいは5年前から情報がアップデートされていないという印象を与えかねません。
企業が知りたいのは、現在の応募者についてです。あまり過去の話を持ち出すことは、賢明ではないでしょう。
高校時代がピークだと思われる
高校時代に華々しい活躍・成績を残したことで、これをアピールしたいという気持ちもあるでしょう。しかし、高校時代がピークで燃え尽きてしまったと思われてしまう可能性があります。
仕事を進める上で大切なのは、小さなことを地道にコツコツと積み上げていく努力ができることです。長期目線で業務を継続できる人材を求めている企業からすると、短期で燃え尽きてしまうような人材を雇う可能性は低いと言えます。
大学時代にアピールできることがないと思われる
エピソードが高校時代のことだけに偏ってしまうと、大学時代に何もしなかったのではと思われてしまう可能性もあります。大学では何も学ばずにだらだらと学生生活を過ごしたと思われてしまっては、採用担当や面接官に良い印象を与えることはできません。
高校時代の話を自己PRで上手く使うポイント
上記で解説したように、高校時代の話を自己PRに取り入れるには一定のリスクが伴います。この点を理解した上で、それでも高校時代のエピソードを使いたいという方のために、押さえておくべきポイントについて紹介していきます。
使い方次第では大きく印象を変えることがあるので、ぜひ参考にしてみてください。
- メインエピソードではなく補助的役割で使う
- 大学生活の話に繋げる
- 他の学生も経験しているエピソードは避ける
- 継続力を上手に伝える
メインエピソードではなく補助的役割で使う
繰り返しになりますが、自己PRのメインとなるのは大学時代の経験です。したがって、高校時代のエピソードはあくまでも脇役、補助的役割として使うことが望ましいです。高校時代のエピソードが中心とならないように、注意しましょう。
大学生活の話に繋げる
高校時代の話をすることで、大学では何もしていなかったという印象を与えかねません。高校時代のエピソードは、メインである大学生活の話に繋げることが重要です。
例えば、高校時代に始めたことを大学でも続けているのであれば、継続性をアピールできます。また、途中でやめてしまった場合であっても、そこから得られたこと・経験を大学時代に活かせたという話で、メインのエピソードにスムーズに繋げることも大切です。
他の学生も経験しているエピソードは避ける
大学受験のような、周りの学生も同じように経験しているエピソードは避けた方が無難です。敢えて高校時代の話を取り上げるのであれば、相手に強く印象付けることができる、独自性のある内容を選ぶようにしましょう。
継続力を上手に伝える
高校時代の話を大学生活に繋げることで、継続力をアピールすることができます。その際に、例えば5年間継続したというように、具体的な数字を明示することでより好印象を与えることができます。
長期に渡って1つのことを継続できるという点は、企業の担当者にとって大きな魅力となるでしょう。
自己PRで高校時代の話をするときの流れ
ここからは、自己PRで高校時代の話をするときの流れについて解説していきます。同じエピソードを話すにしても、順番を意識することで相手に伝わる印象は大きく変わってきます。しっかりと下記のポイントを確認してみてください。
まずは結論から
自己PRに限らず、エントリーシートや面接においても、冒頭は結論から始めることが鉄則です。「私の強みは〇〇です」とはっきり明示しましょう。
相手の投げかけた質問に対して最初に結論を示すということは、ビジネスの上でもとても大切になるため、この機会に覚えておきましょう。
根拠となるエピソード
結論を示した後で、その根拠となるエピソードを話します。
エピソードを語る際には、どのような問題点や困難が発生したのか、そしてそれらをどうやって克服・成功に導いたのかを具体的に述べることが大切です。ここをしっかりと伝えることで、困難を乗り越える問題解決能力をアピールできるでしょう。
今に繋がっていることをアピール
高校時代のエピソードはあくまでも過去の話です。そのため、過去の経験が現在に繋がっていることを伝えることで、説得力のあるアピールになるでしょう。
もし、高校時代に始めたことを現在でも続けていれば、継続性をアピールできます。また、高校時代に経験したことを活かして大学時代にはこんなことに挑戦した、あるいは困難なときに問題を解決するヒントになったというように、話の内容に厚みを持たせることも可能です。
企業に貢献できることをアピール
自己PRは、自分の強みが企業とマッチしていることをアピールするためのものです。エピソードから得た自分の強みを活用することで、企業でどう活躍できるかという展望を示しましょう。
企業が欲しがっているのは、自社に貢献してくれる人材です。この人ならば自社のこの部署で、あるいはこんな場面で活躍してくれるかもしれないと、採用担当者にイメージさせるようなアピールを心掛けましょう。
自己PRで高校時代の話を入れた場合の例文
最後に、自己PRで高校時代の話を入れた場合の例文を3つ紹介します。上記の流れを踏まえた上で、企業の求める人物像にマッチした自分をアピールすることが大切です。ぜひ参考にしてください。
【ボランティア活動】
以下は、ボランティア活動を通して、コミュニケーション力をアピールする内容です。
私の強みは、コミュニケーションの力が高いことです。
高校1年生のときに、地域のボランティア活動に参加しました。老若男女問わず様々な人が集まるため、皆さんの考えや思いはバラバラです。そこで、私は多くの人と積極的に対話を重ねることを心掛けました。
まずは相手の話をじっくりと聞くこと、そして次に自分の考えを丁寧に伝えることで、ボランティア活動の方針や内容を決めていくことができました。
大学でもクラスやサークルでこの経験を活かし、参加者が納得する形で物事を決められるように努めてきました。
仕事をする上でも多くの難題があると予想されますが、周りの意見を大切にする強みを活かして、問題解決にあたっていきたいと考えています。
【留学経験】
続いては、留学経験を通じて積極性をアピールする内容です。
私は、興味があることに対して、何でも積極的に行動する向上心を持っています。
高校2年生のときに、海外での生活の様子や外国の方がどんなことを考えているのかを知りたくなり、留学プログラムに申し込んでオーストラリア留学を経験しました。
語学の壁があり初めはとても苦労しましたが、わからない言葉はジェスチャーやスマートフォンの動画を使って、なんとか相手に自分の考えを伝えようと努力しました。
大学では、日本に来ている留学生と交流する機会がほとんどないことに気付き、留学生と様々なレクリエーションを一緒に楽しむためのサークルを新たに立ち上げました。
貴社でも、私の強みである積極性を活かして、様々なことに取り組んでいきます。特に、新規開発事業部において、これまでになかった新商品・サービスを開発したいと考えています。
【部活】
続いては、部活動で培ったリーダーシップをPRする内容です。
私の長所は、周りの人を引っ張るリーダーシップです。
高校時代に所属していたテニス部は、実績の低迷が続いていました。部長になった私は部員全員と話し合って、県大会上位入賞という目標を設定し、そのために練習メニューをゼロから見直しました。
3年生最後の夏の大会で、私は目標に届かなかったものの、同級生が見事上位入賞を達成し、部長のおかげでここまでこれたと話してくれました。
大学で所属したテニスサークルにおいても、メンバーのモチベーション低下が深刻になっていました。そのため、私は幹事長として他大学との交流戦を企画し、それがメンバーの脱会率の低下と新規入会者の増加に繋がりました。
貴社においても、周りの人を巻き込むリーダーシップを発揮し、難しい課題であっても果敢に挑戦してきたいと思います。
高校時代の話を入れる場合のポイントを押さえておこう
自己PRにおける高校時代の話の取り扱いについて、紹介しました。高校時代のエピソードを入れることにはリスクがあることを理解した上で、自分の強みを伝えましょう。
どのようなエピソードであれ、最終的には希望する会社・業界・職種とマッチするかが重要です。改めて自分の経験を振り返った上で、魅力的な自己PRを作成してみてください。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート