はじめに
コロナ禍で大勢の人が一度に集まるのを避けなければならなくなった結果、就活における面接もWebで実施されるようになりました。
対面式の面接であれば、挨拶のタイミングや言葉の選択に困ることがあまりありません。
しかし、Web面接時に最初の挨拶はどうすれば良いのか迷っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、Web面接における入退室時の挨拶例文や、Web面接を受ける際に守るべきマナーや心がけておきたいポイントについても解説します。
Web面接での入退室時に使える挨拶例文
対面式の面接であれば、ドアをノックして部屋に入る許可が出たらドアを開けて入室するという一連の流れがあります。
しかし、Web面接は実際に面接官が待つ部屋に入るわけではありません。
したがって、入室とはいっても「失礼します」の一言も必要ないうえに、着席するまでの流れもなく、一般的な面接の流れとは、出だしからして大きく異なります。
ここでは、Web面接の入退室時に使える挨拶の例文を紹介するので、採用面接を控えている方はぜひ参考にしてください。
入室時
Web面接の最初の挨拶は、以下のように「こんにちは」「おはようございます」などの常識的な言葉から始めましょう。
「こんにちは。〇〇大学〇〇学部〇〇学科に在籍しております、〇〇と申します。本日はよろしくお願いいたします。」
Web面接の入室時の挨拶は、これくらいシンプルでかまいません。
なぜなら、面接の冒頭からペラペラしゃべり始めても、面接官に良い印象を与えられるわけではないからです。
常識的に考えても、初対面の相手にいきなりペラペラしゃべりかける人はなかなかいないでしょう。
Web面接だからといって特別な挨拶が必要というわけではないので、挨拶の言葉の選び方自体に頭を悩ませる必要はありません。
乱暴な言葉づかいは論外ですが、冒頭の挨拶が原因で落とされることはないはずです。
退室時
それでは、Web面接が終了して退室するときの挨拶はどうしたら良いのでしょうか。
実は、退室時の挨拶もシンプルなものでまったく問題ありません。
「本日はお時間を頂戴しましてありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。」
以上のような短い挨拶で退室したほうが、面接官に良い印象を与えられるでしょう。
ここで長々と自己アピールも兼ねたような挨拶をしてしまうと、かえって印象を悪くしてしまうかもしれません。
忙しいであろう面接官の貴重な時間を使って、自分の面接を行ってくれたことへの感謝の気持ちが伝われば、それで良いのです。
挨拶が終わったらすぐに退出しますが、最後までカメラに自分が映っていることを忘れずに、急に気を抜かないようにしましょう。
Web面接時の挨拶ポイント
Web面接での挨拶の言葉自体は、いたって普通でシンプルなもので良いのですが、ほかにも気をつかわなければならないポイントがいくつかあります。
それは、Web面接はカメラやマイク越しで行われるため、相手の細かい表情や顔色を把握しにくいということです。
したがって、Web面接で挨拶をするときは、対面形式の面接よりも、さらに表情や話し方そして態度にも注意しなければなりません。
以下で、Web面接に挨拶で押さえておくべきポイントを紹介します。
明るい笑顔を意識
Web面接はカメラ越しに行われるため、ネット環境やデバイスによっては暗く見えがちです。
ビデオ通話などで似たような経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
カメラのせいで暗い印象をもたれて、選考が不利にならないよう、面接官には明るくさわやかな印象を与えられるようにしましょう。
そのためには、挨拶している間も笑顔を意識することが大切です。
もちろん、対面形式の面接でも笑顔は大切ですが、Web面接はさらに笑顔で明るく振る舞わなければなりません。
特にWeb面接では、なかなかその人の人柄が相手へ伝わりにくく、面接官が怖く見えてしまうこともあるでしょう。
そういうときは、自分も同じように見えているものと思って、明るく元気に挨拶してください。
ゆっくりお辞儀をする
Web面接とはいえ、挨拶の際は対面形式の面接と同様に、ゆっくりとお辞儀をしましょう。
一般的に、対面形式の面接の挨拶では、体を約30度傾けてお辞儀をしますが、Webではその角度がうまく伝わりません。
したがって、Web面接ではゆっくりと丁寧にお辞儀をすることで、誠実さをアピールしなければなりません。
表情が見えにくい分、対面形式の面接よりもさらにマナーに注意して、相手に不快感を与えないことが大切です。
Web面接では、座ったままお辞儀をすることになるため、手を両足の膝頭のところにおいて、自分の足が見えるまで頭を下げましょう。
カメラに映らないからといって足を組んだりしないことも、きれいなお辞儀をするには大切なポイントです。
イヤホンをつける際は断りを入れる
Web面接ではイヤホンを使わないと、面接官の声を聞き取りにくくなったり、周囲の音を必要以上に拾ってしまったりするなど、スムーズに面接が受けられないこともあります。
したがって、イヤホンをつけること自体は失礼でなく、つけることにはまったく問題ありません。
面接官側がイヤホンをつけている可能性もあります。
しかし、面接が始まってからいきなりつけると、面接に集中していないように見えてしまい、あまり良く思われないでしょう。
また、イヤホンを装着する際に雑音が入ってしまうおそれもあります。
イヤホンは、なるべく面接が始まる前につけておきましょう。
もし、忘れてしまった場合は、面接官に一言断ってからつけるのがマナーです。
Web面接で知っておくべきマナー
面接には事前に確認しておくべきマナーはいくつかありますが、Web面接ならではのマナーもあります。
面接を受ける際には、必ず聞かれると想定される質問に関しても答えを用意していくのが一般的であり、マナーに関しても同様です。
Web面接で知っておくべきマナーに関しては、面接を受ける前に必ず確認し、その通りに振る舞えるよう準備しておきましょう。
なぜならWeb面接では、カメラ越しでしか相手を見られず、だからこそ基本的なマナーが重視されるからです。
面接10分前には接続する
Web面接では、面接の開始時間になってから接続するのではなく、少なくとも10分前には接続して待機している必要があります。
なぜなら、その日のネット環境によっては、まったくネットにつながらない、または急遽アップデートをしなければならないこともあるからです。
面接開始時間になってもうまく接続できず、面接官を待たせることになってしまっては、面接官に対して失礼であり、自分の印象を悪くしてしまうでしょう。
また、接続に関するトラブルがあれば、なるべく早く採用担当者に連絡しておく必要があります。
早めに伝えることで、どうしてもWeb面接を受けられない場合は、別日程で面接の予定を組み直してもらえるかもしれません。
自宅でWeb面接を受けるときも早めの行動を心がけてください。
時間差を意識
Web面接の特性として、時折タイムラグが発生することもあります。
特に弱いWi-Fiを使用していると、タイムラグが生じやすくなり、最悪の場合は画面が止まってしまうかもしれません。
そのため、対面形式の面接よりも、時間差を意識して、ゆっくりはっきり話すようにする必要があります。
緊張から早口になりがちな方は特に注意しましょう。
また、反対に面接官の質問が聞き取れないこともあるかもしれません。
そういうときは、勇気をもって「もう一度お願いいたします」と聞き返しましょう。
自分の不注意が原因で、聞き取れなかったのでなければ、こういったお願いも失礼にはあたりません。
面接官の言葉を良く聞き取れないままでいるほうが、話がかみ合わなくなってしまい、かえって失礼です。
背景はシンプルに
ご自宅でWeb面接を受ける方も多いでしょう。
ご自宅であれば、静かで落ち着いて面接を受けられるというメリットはありますが、注意しなければならないこともあります。
それは、面接を受ける際の背景です。
生活感が出てしまわないように、背景が何もない壁になるよう、机と椅子を配置しておきましょう。
面接前にカメラの映り方をチェックしておくと安心です。
壁にかかっているポスターなどはあらかじめ外しておき、洗濯物など生活感が出るようなものは映らないように注意してください。
どうしても何もない壁を背景にできない場合は、白い壁などのシンプルなバーチャル背景を準備しておくと良いでしょう。
本物の壁であってもバーチャル背景であっても、背景は清潔感があって明るい必要があります。
表情や仕草は大きめを意識
Web面接を受ける際は、対面形式の面接よりも表情や仕草を大きめにする必要があります。
普通であれば多少大げさに思えるくらいの大きさが、ちょうど良いでしょう。
なぜなら、使用しているデバイスによっては、表情が伝わりにくいこともあるからです。
普段の会話と同じような表情や仕草では、何を考えているのか感情が伝わりにくくなり、どうしても無表情で感情のない人のように映ってしまいます。
それでは「絶対に入社したい」という熱意も面接官に届きません。
また、対面と違って面接官にはご自分の上半身しか見えないため、いかに上半身のみで自分らしさを伝えるかが、面接突破のカギとなります。
説明する際に手振りを付け加えるなど、面接官の印象に残るような工夫をしてみましょう。
Web面接官が見ているポイント
Web面接において、面接官は就活生のどのようなところを見ているのでしょうか。
ビジネスマナーや応答の内容など、基本的には対面形式の面接とさほど変わりませんが、Web面接ならではの視点もあります。
Web面接は対面で会話をするよりも、その人の人柄や魅力が伝わりにくいことに関しては、面接官も当然把握しているはずです。
だからこそ、面接官が見ているポイントを意識することで、ほかの人との差別化が可能になり、あなたの印象がずっと良くなるでしょう。
はっきりと話せているか
Web面接では、マイク越しで会話をするため、どうしても相手の声を聞き取りにくくなることがあります。
そのため、普段よりもはっきりと話すように心がけなければなりません。
聞き取りやすいように一語一語をはっきりと話すことは、相手への配慮でもあります。
特に、営業職など接客がある職種を希望している際は、はっきりと明瞭に話せているかが重視されます。
はっきりしないモゴモゴとした話し方では、お客様に対してとても失礼であり、相手に与える印象も悪くなってしまうからです。
Web面接でご自分の評価を上げるためには、いかに接客に向いているかをアピールしなければなりません。
心配であれば、自分の声が相手にどう聞こえるのか、面接を受ける前にテストしてみると良いでしょう。
質問に対して的確に答えられているか
Webか対面かの形式を問わず、面接では質問に対して的確に答えられているかが評価されます。
相手の質問の意図を捉え、聞かれている内容に対して、端的かつ的確に答えることが求められるのです。
それができなければ、面接官のあなたに対する印象が悪くなり、内定までたどり着かないかもしれません。
質問に答えるときは、相手がなぜそのような質問をしているのか、どのようなところが評価の対象となるのか、考えながら答えましょう。
また、ダラダラ話していると評価が下がるおそれもあります。
長くても1分半くらいで話し終わるように心がけてください。
ご家族やご友人に「話が長い」と指摘されたことのある方は、特に話が長くならないように注意すべき良いでしょう。
人柄が伝わるか
対面形式の面接であれば、その人が醸し出す雰囲気、そして仕草や座り方から人間性をある程度判断できます。
しかし、Web面接はカメラ越しに話すため、雰囲気が伝わりにくく、どのように座っているかも判断できません。
Web面接は、その人の人柄に対する判断材料が圧倒的に少ないのです。
したがって、どの就活生も同じように見えてしまい、よっぽどのことがない限り、面接官の印象に残れません。
ご自分の人柄を余すことなく伝えるには、オリジナリティのあるエピソードを披露したり、表情・仕草・声のトーンなどの非言語領域でも自分らしさを出したりする必要があります。
自分らしさを前面に押し出すことで、ほかの就活生と差別化を可能にし、面接官の印象に残れるよう工夫しましょう。
おわりに
Web面接はカメラとマイク越しに行われるため、従来の対面形式の面接と異なる点がいくつかあります。
入退時の挨拶は、実際に部屋に入るわけではないので「こんにちは」から始めてかまいません。
退室時も、面接してもらったことに対する感謝を端的に伝えて終わりにしてください。
そして、これは挨拶に限ったことではありませんが、普段よりハキハキわかりやすく話す必要があります。
表情や仕草もいつもより大げさにするように心がけ、ご自分の人柄が面接官にきちんと伝わるようにしましょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート