インターンシップ保険とは?保険の種類や加入する方法について解説

インターンシップ保険とは?保険の種類や加入する方法について解説

いよいよインターンシップへの参加が決まり、期待に胸を膨らませている方も多いのではないでしょうか。

新しい環境に飛び込み、社会人としての第一歩を踏み出すのは、とても素晴らしい経験になります。

しかしその一方で、「慣れない環境で、もし会社の備品を壊してしまったら…」「通勤中に怪我をしたらどうしよう…」といった、万が一のトラブルへの不安を感じていませんか?そんなあなたの不安を解消し、安心してインターンシップに打ち込むための”お守り”となるのが「インターンシップ保険」です。

この記事では、インターンシップ保険の基本的な知識から、具体的な種類や加入方法、注意点までを徹底的に解説します。

自分に合った保険を知り、万全の準備を整えて、最高のインターンシップ経験をスタートさせましょう!

インターンシップ保険とは?

「インターンシップ保険」とは、その名の通り、インターンシップ期間中に起こりうる様々なリスクに備えるための保険です。

具体的には、インターン先で自分が怪我をしてしまった場合の治療費を補償してくれたり、誤って会社の備品を壊してしまった、あるいは第三者に怪我をさせてしまった場合の損害賠償をカバーしてくれたりします。

学生の皆さんは、インターンシップ中は社員でもアルバイトでもない、少し特殊な立場に置かれます。

そのため、企業の労働保険が適用されないケースがほとんどです。

万が一、高価な機材を破損させてしまい、数百万単位の損害賠償を請求されたとしたら、個人で支払うのは非常に困難ですよね。

そうした万が一のリスクからあなた自身を守り、同時に受け入れ先の企業に迷惑をかけないために、インターンシップ保険は非常に重要な役割を果たします。

安心して業務に集中し、与えられたチャンスを最大限に活かすためにも、必要不可見な備えと言えるでしょう。

インターンシップ保険の種類

インターンシップ保険と一言でいっても、実はいくつかの種類があり、それぞれ補償内容や加入方法が異なります。

どれを選べば良いのか分からず、難しく感じてしまうかもしれませんね。

しかし、ポイントさえ押さえれば、自分に最適な保険を見つけるのは決して難しくありません。

大きく分けると、大学で加入できる「学研災(がっけんさい)」と、それに付帯する「付帯賠責(ふたいばいせき)」、そして保険会社が個別に提供している「民間の保険」の3つが主流です。

多くの学生が既に入っているものから、追加で加入を検討すべきものまで様々です。

ここでは、それぞれの保険がどのような特徴を持っているのかを一つずつ詳しく解説していきます。

それぞれの違いを正しく理解し、あなたのインターンシップの活動内容に合った、最適な保険選びの第一歩としましょう。

大学活動全般が補償される「学生教育研究災害傷害保険(学研災)」

「学生教育研究災害傷害保険」、通称「学研災(がっけんさい)」は、多くの学生にとって最も身近な保険かもしれません。

というのも、ほとんどの大学で入学手続きの際に全員が加入していることが多いからです。

この保険は、大学の正課中、学校行事中、課外活動中、そしてキャンパス内や通学途中など、教育研究活動中における急な事故によって被った自分自身の怪我(傷害)を補償してくれます。

もちろん、大学が認めたインターンシップやボランティア活動もこの「教育研究活動」に含まれるため、インターン中の事故による怪我も補償の対象となります。

ただし、非常に重要な注意点として、学研災はあくまで「自分の怪我」に対する保険です。

つまり、他人に怪我をさせたり、企業の物を壊したりした場合の「賠償責任」は一切カバーされません。

まずは自分が学研災に加入しているかを確認し、その上で補償内容の限界を理解しておくことが大切です。

学研災加入者のみ申し込める「学研災付帯賠償責任保険(付帯賠責)」

学研災の弱点である「賠償責任」をカバーしてくれるのが、この「学研災付帯賠償責任保険」、通称「付帯賠責(ふたいばいせき)」です。

これはその名の通り、学研災に加入している学生のみが追加で申し込めるオプションのような保険です。

インターンシップ中に、誤って企業の高価なパソコンを落として壊してしまったり、お客様にコーヒーをこぼして火傷をさせてしまったりといった、対人・対物事故による損害賠償を補償してくれます。

インターンシップで起こりうるトラブルの中で、最も金銭的なリスクが大きいのが、この賠償責任です。

そのため、学研災にしか加入していない状態でインターンに参加するのは、非常に心もとないと言えるでしょう。

インターンシップに参加するなら、学研災とこの付帯賠責はセットで加入しておくことを強く推奨します。

保険料も年間で数百円から数千円程度と手頃な場合が多いので、安心を買うという意味でも必ず検討してください。

いろいろな種類がある「民間の保険」

大学で案内される保険以外にも、民間の保険会社が提供する商品でインターンシップのリスクに備える方法もあります。

例えば、個人向けの「傷害保険」や「個人賠償責任保険」などがこれにあたります。

民間保険のメリットは、補償内容の自由度が高いことです。

大学の保険ではカバーしきれないようなリスク(例えば、私物のPCやスマホの破損など)に対応したプランを選んだり、より手厚い補償額を設定したりと、自分のニーズに合わせて柔軟にカスタマイズできます。

また、大学を通さずに個人で応募したインターンシップの場合、大学の保険が適用されないケースがありますが、民間保険であれば問題なく対応可能です。

一方で、大学の保険に比べて保険料が割高になる傾向があったり、数多くの商品の中から自分で比較検討する手間がかかったりする点はデメリットと言えるかもしれません。

インターンシップ保険で備えられるリスク

インターンシップ保険の必要性は分かったけれど、具体的にどんな場面で役立つのか、いまいちピンとこない方もいるかもしれません。

慣れない環境での業務、初めて会う社員の方々とのコミュニケーションなど、インターンシップには緊張がつきものです。

そんな時、「もしも」の事態が起こらないとは限りません。

ここでは、インターンシップ中に起こりうる具体的なリスクを「企業」「自分」「第三者」という3つの視点から整理し、保険がどのようにあなたを守ってくれるのかを解説します。

これらの事例を知ることで、保険が単なるお守りではなく、実践的な備えであることがより深く理解できるはずです。

自分は大丈夫と思わずに、あらゆる可能性を想定して万全の準備を整えましょう。

備品破損や情報漏洩など企業に不利益を与えるリスク

インターンシップ中に最も起こりやすく、かつ金銭的なダメージが大きくなりかねないのが、企業に対する損害賠償リスクです。

例えば、借りていたノートパソコンをデスクから落として壊してしまったり、会社の重要なデータが入ったUSBメモリを紛失してしまったりするケースが考えられます。

特に精密機器や専門的な機材は非常に高価なものが多く、修理費や買い替え費用として数十万から数百万円の損害賠償を請求される可能性もゼロではありません。

このような事態に陥った際に、学生個人で責任を負うのは極めて困難です。

賠償責任をカバーする保険に加入していれば、こうした金銭的な負担を保険で賄うことができます。

保険があるという安心感は、精神的なプレッシャーを軽減し、あなたが目の前の業務に思い切りチャレンジするための土台となってくれるでしょう。

移動中や社員の不注意など自分が不利益を被るリスク

リスクは、あなたが誰かに損害を与えてしまうケースだけではありません。

あなた自身が被害者になる可能性も十分に考えられます。

例えば、インターンシップ先へ向かう途中で駅の階段から落ちて骨折してしまったり、社内で他の社員が運んでいた荷物がぶつかって怪我をしたりするケースです。

前述の通り、インターン生は企業の労働保険(労災)の対象外となることが多いため、治療費や入院費はすべて自己負担になってしまう可能性があります。

こうした「自分自身の怪我」に備えるのが、学研災などの傷害保険です。

保険に加入していれば、通院や入院に対して保険金が支払われるため、予期せぬ出費による経済的な負担を大きく減らすことができます。

アルバイトもできず治療に専念しなければならない状況を考えると、こうした備えがいかに重要かお分かりいただけるでしょう。

人に怪我をさせてしまうなど第三者に不利益を与えるリスク

企業への損害だけでなく、全く関係のない第三者に対して損害を与えてしまうリスクも忘れてはなりません。

例えば、営業同行中にお客様の会社で高価な壺を倒して割ってしまったり、資料を運んでいる最中に通行人とぶつかって相手に怪我をさせてしまったりするケースです。

このような対人・対物事故も、賠償責任保険の補償対象となります。

相手の治療費や壊してしまった物品の弁償費用、場合によっては慰謝料など、こちらも個人で支払うにはあまりに高額な賠償を求められる可能性があります。

インターン生とはいえ、企業の看板を背負って活動している以上、その行動には社会的な責任が伴います。

保険への加入は、万が一の際に誠実な対応をするための準備であり、社会人としての自覚を示す一つの方法でもあるのです。

インターンシップ保険に加入する方法

さて、インターンシップ保険の重要性や種類について理解が深まったところで、次に気になるのは「どうやって加入するのか?」という点でしょう。

いざ加入しようと思っても、どこに相談すれば良いのか分からなければ行動に移せませんよね。

幸い、学生の皆さんにとって保険の加入手続きは、それほど難しいものではありません。

主な窓口は「大学の担当部署」「大学生協」「民間の保険代理店やウェブサイト」の3つです。

ここでは、それぞれの窓口でどのように手続きを進めれば良いのか、具体的なステップを解説していきます。

手続きは早めに行うのが安心ですので、この記事を読んだらすぐに行動に移せるよう、自分に合った方法を確認しておきましょう。

学校のキャリアセンターで手続きを行う

インターンシップ保険について、まず最初に相談すべき場所は、あなたの大学の「キャリアセンター」や「就職課」です。

これらの部署は、インターンシップに関するあらゆる手続きの窓口となっています。

自分が「学研災」や「付帯賠責」に加入しているかどうかの確認はもちろん、未加入の場合の新規申し込み手続きもここで行えることがほとんどです。

多くの場合、インターンシップに参加する際には、大学に「参加届」などの書類を提出する必要がありますが、その際に保険の加入状況を確認されたり、加入を案内されたりします。

担当の職員の方は、学生の保険に関する知識も豊富ですので、どの保険に入れば良いか迷った場合も気軽に相談してみると良いでしょう。

最も確実で安心できる方法の一つです。

生協で申し込む

もしあなたの大学に「大学生協」があれば、そこも保険加入の有力な窓口になります。

大学生協は、学食や書籍販売だけでなく、学生生活をサポートする一環として保険の代理店業務を行っていることが多くあります。

大学が案内する学研災や付帯賠責だけでなく、生協独自の学生向け共済や保険を取り扱っている場合もあります。

これらの保険は、学生生活のリスクに合わせて設計されており、個人賠償責任補償がセットになっていたり、自転車事故に手厚い補償があったりと、ユニークな特徴を持っていることがあります。

生協の窓口であれば、パンフレットを見ながら担当者と直接相談できるので、補償内容をじっくり比較検討したい方には特におすすめです。

自分の大学の生協が保険を扱っているか、一度チェックしてみてください。

民間保険の場合は代理店やネットで申し込む

大学経由ではないインターンに参加する場合や、より手厚い補償を求めたい場合は、民間の保険会社を検討することになります。

その際の申し込み方法は、大きく分けて2つあります。

一つは、駅前などにある「保険ショップ」のような代理店に相談する方法。

専門のプランナーがあなたの希望を聞き、複数の保険会社の商品から最適なものを提案してくれます。

もう一つは、インターネットを使って自分で申し込む方法です。

各保険会社のウェブサイトや、複数の商品を比較できる「保険比較サイト」などを活用すれば、自宅にいながら簡単に見積もりや申し込みができます。

ネット申し込みは手軽で便利ですが、その分、補償内容や条件を自分で正しく理解する必要があります。

契約内容をよく読まずに申し込んで、いざという時に補償が受けられない、といったことがないように注意しましょう。

インターンシップ保険に加入するときの注意点

自分に合った保険を見つけ、いざ加入手続きへ!と進む前に、いくつか知っておくべき注意点があります。

せっかく保険に加入したのに、「自分の参加するインターンは対象外だった…」「必要な書類が間に合わなかった…」なんてことになったら元も子もありません。

こうした「うっかりミス」を防ぐために、契約前やインターン参加前に必ずチェックしておきたいポイントが2つあります。

これからお伝えする注意点をしっかりと頭に入れておけば、より安心して保険を活用することができます。

最後まで気を抜かずに、万全の状態でインターンシップに臨みましょう。

「大学経由で申し込みをしたインターンにのみ適用される保険」に気をつける

大学で加入する「学研災」や「付帯賠責」に関して、最も注意すべきなのが、その保険の適用範囲です。

これらの保険は、あくまで大学の「教育研究活動中」の事故を補償するものであるため、その活動が大学に認知されている必要があります。

つまり、大学のキャリアセンターなどを通さず、自分で就活サイトなどから応募したインターンシップの場合、大学に届け出をしていなければ保険の対象外と判断されてしまう可能性があるのです。

インターンシップに参加する前には、必ず保険の契約内容や大学のルールを確認し、個人で応募した場合でも届け出が必要かどうかをキャリアセンターに問い合わせましょう。

この確認を怠ると、いざという時に全く役に立たない、ということになりかねないので、適用条件の事前確認は絶対に忘れないでください。

「保険加入証明証」の提出を求められるインターンもある

近年、学生を受け入れる企業側のリスク管理意識も高まっており、インターンシップ参加の条件として、学生に保険への加入を義務付けているケースが増えています。

その際、単に「加入してください」で終わるのではなく、「保険加入証明書」の提出を求められることがあります。

この証明書は、あなたがきちんと保険に入っていることを企業に対して証明するための大切な書類です。

証明書の発行は、保険を申し込んだ窓口(大学の担当部署や保険会社など)に依頼しますが、発行までに数日から1週間程度の時間がかかることも珍しくありません。

インターン開始直前に慌てて手続きをすると間に合わない可能性があります。

参加が決まったら、企業から求められていなくても、念のため早めに加入手続きと証明書の発行依頼を進めておくと安心です。

インターンシップ保険に加入するか迷ったときのポイント

ここまで読み進めても、「自分は本当に保険に入るべきなのだろうか?」と迷っている方もいるかもしれませんね。

特に、短期のインターンシップや、危険が少なそうなデスクワーク中心の業務の場合、保険料を払うのがもったいないと感じる気持ちも分かります。

そんなあなたが最終的な判断を下すための、思考の整理ポイントをお伝えします。

まず、インターン先の企業から保険加入を求められているなら、それは選択の余地なく「必須」です。

次に、自分の加入状況を確認しましょう。

学研災には入っていても、最も重要な賠償責任をカバーする付帯賠責には未加入、というケースは非常に多いです。

そして、インターン先での活動を想像してみてください。

高価な機材に触れる機会はありますか?社外に出ることは多いですか?リスクが高いと感じるなら、加入する価値は十分にあります。

月々数百円の保険料で、万が一の数百万円の賠償リスクを回避できると考えれば、それはあなたの未来を守るための賢い「投資」と言えるのではないでしょうか。

インターンシップ保険について知って自分に合ったものを選ぼう

今回は、インターンシップに参加する上で欠かせない「インターンシップ保険」について、その種類から選び方、注意点までを網羅的に解説しました。

インターンシップ保険は、あなたを不測の事態から守るだけでなく、受け入れ先の企業への誠意を示す意味でも非常に重要です。

そして何より、保険という安心の土台があることで、あなたは余計な心配をすることなく、目の前の業務に全力で打ち込むことができます。

これこそが、保険に加入する最大のメリットと言えるでしょう。

インターンシップは、あなたのキャリアにとって大きな一歩となる貴重な機会です。

そのチャンスを最大限に活かすためにも、リスクへの備えは万全にしておきましょう。

まずは大学のキャリアセンターや生協の窓口に足を運び、自分がどの保険に加入しているかを確認するところから始めてみてください。

その小さな一歩が、あなたの素晴らしいインターンシップ経験を支える大きな力になります。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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