はじめに
「インターンシップと言えば長期インターンシップである」と、夏季と冬季の短期インターンシップの3種類と認識している方は多いでしょう。
夏季、冬季それぞれのインターンシップへの注目は年々高まっており、大企業では数百倍の倍率になるほどの人気を集めています。
しかし近年、秋のインターンシップを開催する企業も増えていることをご存じでしょうか。
夏休みは帰省や部活動で都合をつけるのが難しいという方にもおすすめできる、秋のインターンシップについて説明していきましょう。
秋インターンとは
秋インターンとは、夏休み明けの9〜11月頃に開催されているインターンのことを指します。
大手企業の開催が目立つ夏季インターンに比べると、ベンチャー企業やスタートアップ企業を中心に開催される傾向があります。
夏季インターンで大企業を受けた学生が、秋もチャレンジする傾向にあるため、優秀な学生が多く集まるともいわれているのです。
エントリーシートの締め切りは8〜10月頃が多いため、サマーインターンの時期と重複する場合もあります。
そのため、サマーインターンに参加しながらエントリーシートの準備をする可能性もあるため、夏休みは多忙になることを覚悟しましょう。
秋インターンとサマーインターンの違い
秋のインターンは、夏休み明けの平日に開催されるケースが多く見受けられます。
授業や部活動やアルバイトとの両立を考えると、エントリーすることに尻込みする方も多いでしょう。
しかし、秋のインターンはサマーインターンとは異なる点がいくつかある、非常に珍しいインターンなのです。
夏のインターンに参加した学生も、秋のインターンに参加することで新しい経験を経てスキルを身につけられるかもしれません。
一体、サマーインターンと異なる点とは一体どのようなことなのでしょうか。
2つに分けて解説しましょう。
1dayインターンが多い
秋のインターンは、1day~数日間の短期プログラムが多い傾向にあります。
先程も述べたように、大学の夏休みを利用して実施していたサマーインターンに対し、秋以降は大学の授業が再開しています。
そのため、学生は授業や部活の合間を縫ってインターンのプログラムに参加しなければなりません。
数週間のプログラムでは参加できない学生が多くなり、優秀な人材を逃してしまうおそれがあります。
そのため、サマーインターンよりも1dayなどの開催期間が短く、参加しやすい日程のプログラムが多くなるのです。
内容は実務に携わるというよりも、主に企業の説明や簡単なグループワークなどの、企業理解に重きを置いたものが中心のプログラムになります。
また、先輩との座談会が設けられる場合もあり、インターネットで検索するだけでは知り得ない企業の内部の情報が得られる貴重な機会となるでしょう。
倍率が低い傾向にある
秋のインターンはサマーインターンに比べると、倍率が低いといわれています。
大手企業ではオンラインでインターンが開催されるようになり、全国の学生が参加できる権利を得たため、サマーインターンの倍率は例年以上に跳ね上がりました。
しかし、秋のインターンは後期授業が始まり、スケジュール上参加を見送る学生が多いため、サマーインターンよりも参加率はぐっと低くなるのです。
さらに、企業も本選考の準備が重なる多忙な時期であるため、選考プロセスを簡易化する傾向もあります。
まさにねらい目のインターンシップと言えるでしょう。
夏季インターンに落ちてしまった学生が、秋のインターンで再チャレンジをして合格したというケースも見受けられます。
これらの理由からスケジュールを調整してでも応募する価値は、十分にあるプログラムと言えます。
秋インターンに参加するメリット
秋のインターンは、就活のスタートとして、たしなみのごとく多くの学生がエントリーするサマーインターンに比べると、比較的倍率が低いです。
まだあまり認知されていないため、選考に通りやすい穴場のインターンと言えます。
選考の情報が春頃に公開されるケースも多いため、気になる企業があれば早くから情報収集をしておきましょう。
そして秋のインターンで得られる利点は合格ハードルの低さだけではありません。
秋のインターンに参加することで得られるメリットを、大きく3つに分けて紹介しましょう。
内定直結や本選考で有利に働く可能性が高い
秋のインターンで優秀な成績を残せば、本選考で有利になる可能性が高いのは、参加する大きなメリットと言えます。
企業にとって、夏以降インターンを開催する趣旨が変わってくることをご存じでしょうか。
サマーインターンでは、企業の説明やグループワークを通して、自社のPRや学生同士の交流をはかるためのイベント的な意味合いが強い傾向にあります。
しかし、秋インターンになると優秀な学生を早めに確保する、というプレ選考として開催する企業が増えるのです。
秋インターンで企業とマッチングすれば、エントリーシートや一次面接の免除など、本選考で優遇ルートが取られるケースもあります。
さらに、早期内定などの優遇措置が取られることも考えられるのです。
ES・面接対策をした状態で選考に臨める
サマーインターンと比べて、エントリーシートや面接への対策の時間が十分にあることも、秋インターンに参加するメリットと言えます。
サマーインターンはエントリー時期が早いために、準備不足のまま選考に臨み、満足のいく結果を残せなかった学生も珍しくありません。
大学3年はゼミがスタートするという学生も多く、学校のプログラムも忙しい時期となります。
そんな中サマーインターンを目前に周りが就職活動モードになったため、焦って体裁を整え、目の前のESや面接を場当たりでこなしたという学生が多いように見受けられます。
それと比較すると、秋インターンは選考の時期が夏休み以降、という余裕をもったスケジュールです。
サマーインターンの反省をふまえたうえで、しっかりと準備をして選考に臨めるのは秋インターンの大きな魅力です。
秋インターンのみ開催している企業も
秋インターンだけを開催している企業もあるため、参加できれば非常に希少な経験をしたことになります。
インターンと言えば夏に大々的に開催されるのというのが一般的な認識です。
現に、人気企業ではサマーインターン専用のHPやTwitterやInstagramのアカウントができるほど、認知度も需要も高まっています。
しかし、秋のみ開催されるインターンもあることを知っている学生は、まだ少数です。
そのため、自分の望む業界や業種が定まったのであれば事前にリサーチして、行きたい企業がどの時期にインターンを開催するのか確認しておくと良いかもしれません。
サマーインターンに参加して満足している学生も多いため、秋のインターンで優良企業のインターンに参加できれば、就活のスタートに向けて一歩リードできるでしょう。
こんな学生におすすめ
このように、秋のインターンはサマーインターンと開催の趣旨が異なります。
それだけではなく、本選考まで余裕がありながらも面接などの対策がある程度完成した時期に臨めるため、学生にとってはベストなタイミングのインターンと言えるかもしれません。
まだあまり認知度がないうちにチャレンジしてほしい秋のインターンですが、その中でも特におすすめしたい学生の条件をピックアップしました。
該当する方はぜひ秋のインターン情報を探してみてください。
サマーインターンに参加できなかった
サマーインターンに縁がなかった学生は、ぜひ秋のインターンに挑戦してみてください。
「部活動やサークルの活動でスケジュールの融通が利かなかった」「選考に通過できず参加できなかった」「選考は通過したけど健康上の理由で辞退せざるを得なかった」など、サマーインターンに参加できなかった理由はさまざまでしょう。
しかし、夏の機会を逃したと悔いている方こそ、秋インターンに参加することをおすすめします。
先程も述べたように秋インターンは夏よりも倍率が低い傾向にあるため、夏のインターン時における選考の反省点を活かして、ESや面接に臨めばチャンスはあるかもしれません。
また、夏のインターンに参加したけれど、プログラムの中で思うように結果を残せなかった人も、リベンジの意味を込めてチャレンジする価値は十分にあります。
大学の単位に余裕がある
大学の単位の取得が順調な方にも、秋のインターンはおすすめです。
先述したように秋のインターンは、主に大学3年生の夏休み明け、授業が再開したタイミングで平日に実施されるケースが多く見受けられます。
つまり、その間は授業に出席できないため、事前に準備をしておく必要があるのです。
しかし大学3年の前期、少なくとも後期までにスムーズに単位を取得できていれば、授業のスケジュールにも余裕ができるため、インターンと両立することも可能になります。
秋のインターンは長期的なプログラムが組まれることはあまりないため、講義やゼミの融通もある程度利かせられるでしょう。
学生にとって最優先すべきは大学の勉強や活動ですが、単位の取得がある程度できている学生は、積極的に秋インターンへ応募してみてください。
ほかの業界や業種に興味を持ち始めた
興味の幅が広がった学生にも、秋のインターンはおすすめです。
大学3年生の夏休みは就活に意識を向け動き出し、大きく価値観が変わる時期でもあります。
夏休み中に業界研究やOBOG訪問・企業研究・インターン参加などの経験をし、志望する業界や業種が変わってくることもあるでしょう。
秋のインターンはそのような心境の変化を感じている学生が、新たに興味をもった業界について学ぶ機会でもあるのです。
秋のインターンシップでは、事業や社風に関する説明、グループワークを通じた仕事の疑似体験など、四季報や会社HPだけではわからない業界・会社の生の情報が手に入れられます。
サマーインターンで参加できなかった業界があれば、視野を広げるためにも違う業界の秋インターンへの参加を検討してみましょう。
まとめ
秋のインターンは、志望する学生がまだ少なく、短期のプログラムが多いため、比較的ハードルが低いインターンシップと言えます。
しかし、何も準備せず「秋のインターンから就活を始めよう」という気持ちで臨むべきではありません。
周りの学生は、夏休みの時点で志望する業界や業種についてある程度考えてから、本選考を見据えて秋のインターンに参加しています。
せっかくの機会を最大限自分のものにするため、自己分析や業界研究で就活の軸をしっかりと立ててから、秋のインターンにチャレンジしてください。