はじめに
就活では自分のことを知らなければ、自分に合う企業に出会えません。
自分についてわかっていないのに、志望動機や自己アピールもできないでしょう。
つまり就活において絶対必要となるのは、自己分析なのです。
就活で成功するためには、自己分析は必要不可欠です。
とは言え、完璧な自己分析はどのようにすれば良いのかわからない人も多いのではないでしょうか。
企業選びで失敗しないためにも、面接での好印象作りのためにも、しっかりした自己分析を行う方法について解説します。
自己分析の必要性
自己分析とは、自分の過去を振り返ることで、自分の考え方や価値観を考えることです。
自己分析をすることによって自分が将来どうなりたいのか、自分のビジョンについて考えることができるようになります。
それによって、自分のビジョンややりたいことに合っている企業や業界に応募することができるようになります。
さらに、自分について詳しくわかることによって、面接やESで企業や業界に合わせて自分をアピールすることができます。
自己分析をやる時期
自己分析は自分の強みを知るだけではなく、業界への適性も自ずと浮き彫りになるため、就活をするうえでは欠かせない、非常に重要なステップです。
しかし、自分の過去を振り返り掘り下げるという、地道な作業に気乗りしない学生も多いでしょう。
また「いつまでにやる」という目安がわからないため、イマイチ踏み込めないという声もあります。
自己分析を始めるべき時期は一体いつ頃なのでしょうか。 一般的な視点で解説していきましょう。
就活の始めたて
まず、就活のスタート時期が良いとされています。 就活のエントリーの開始時期は、経団連に参加している大企業であれば3月以降、それ以外の外資系企業や一部マスコミなどは前年の9月頃となっています。
しかし、エントリーと同時に自己分析を始めては、エントリーシートの作成には間に合いません。
また、自己分析をしないで自らのやりがいや適性もわからないまま、企業の知名度や待遇でエントリーをすると、入社後のミスマッチによる早期離職につながるおそれもあります。
エントリー時期より前倒しして自己分析に取り組むことで、今後の就活の方向性を決め、なおかつ自己PRにつながるエピソードを練る時間もできるため、万全の状態でエントリーシートに取り掛かれるでしょう。
就活中
次に、就活中も継続して自己分析をするという方法です。
「エントリー前に自己分析をしたからこれ以上やる必要はない」と思うかもしれません。
しかし、自己分析に明確なゴールは存在しないのです。
就活を続けていき、多くの企業の面接や説明会を聞く中で、エントリー前と希望する職種や業種が変わる可能性は充分にあります。
また、自己分析を続けることは、今あるエピソードをブラッシュアップすることにもつながります。
自分の中で違和感や不足している点に気がついたら、その都度自己分析をやり直して、自分の深層心理と見つめ合わなければなりません。
最初の自己分析の結果に固執せず、常に自問自答し自己分析を継続的に行っていくことで、後悔のない就活ができるようになるでしょう。
簡単な自己分析のやり方
いざ自己分析をしようと思ってもなかなか自分一人ではできないという方もいます。
そんな時には無理に一人で自己分析をしようとするのではなく、友達やエージェントなどを利用してみてもいいかもしれません。
ここでは自己分析のやり方を紹介していきます。
ジョハリの窓
他己分析のやり方としてぜひとも取り入れたいのが、ジョハリの窓と呼ばれる方法です。
「開放の窓」「秘密の窓」「盲点の窓」「未知の窓」の4つの窓に自分の性格をあてはめて自己分析していきます。
自分も他人も知ってる性格が「開放の窓」です。
自分は知っているが他人は知らない性格が「秘密の窓」、他人は知っており自分が知らないのが「盲点の窓」です。
そして自分も他人も知らない部分が「未知の窓」になります。
ジョハリの窓にあてはめることで、より深く自分を見つめられるでしょう。
自分史
自分史とは、自分の過去から現在の経験を年表のようにまとめたものを指します。
難しく感じるかもしれませんが、自分史は非常に単純なステップで完成するのです。
まずノートを1冊用意し、小学校・中学校・高校・大学に分けて趣味や勉強・友人関係・楽しかったこと・失敗したことなどを書き出していきます。
そして、それらのエピソードを喜怒哀楽で分類していきます。
そうすることで、自分が何に喜びを感じ、逆に不快感を抱くのか、思い込みのフィルターを外した客観的な視線で理解できるのです。
過去の経験からエピソードまで考えられるため、そのままエントリーシートの自己PRや志望動機にも応用が可能なので、おすすめの方法です。
自分史について、よりくわしく説明しているサイトを用意したのでぜひ参考にしてください。
モチベーショングラフ
モチベーショングラフとは、過去の経験や体験を振り返り、出来事の時系列順にモチベーションの揺れ動きをグラフ上に記録するものです。
一般的に横軸を時間、縦軸をモチベーションの高さとして記録していきます。
記録すると、自分が何にモチベーションを感じるのかが可視化され、自分がどのような特性や価値観をもっているか、長所や短所などが自ずとわかるようになります。
ただ幼少期からの具体的な出来事とモチベーションの推移を記録するだけではなく、それぞれの出来事について、思考や行動をフィードバックし、モチベーションを感じる出来事の共通点を洗い出しましょう。
モチベーションの源泉がわかることで、どんな企業に行きたいのか、どんなところに行けば頑張れるのかが理解できるようになります。
モチベーショングラフについてさらに知りたい方はこちらをご覧ください
自己分析ツールを利用する
今は非常にさまざまな就職支援会社や就活サイトが存在します。
就活には自己分析が不可欠であることから、就活サポートサイトなどで自己診断できるツールを提供しているところも増えています。
自己分析の手段として、そうした自己分析ツールを利用するのも良い方法です。
無料で診断できるツールも多いので、自分に合うものを探して活用してみましょう。
ここでは人気のある自己分析ツールについて紹介します。
エージェントを利用する
一人で自己分析をすることにどうしても限界を感じた時や、自分で自己分析をしてみたものの、客観的な視点からさらにアドバイスが欲しいといった場合に役に立つのが就活エージェントです。
就活エージェントは、自分のこれまでの人生や考え方を面談の中で話していくことによって自分でも気づいていなかった自分の性格や価値観について教えてくれます。
ジョハリの窓でいうところの「盲点の窓」にあたります。
また、まずは気軽にLINEで相談できるという点でもおすすめです。
自己分析をするときのポイント
このように自己分析にはさまざまな方法があります。
地道な作業のものも多いですが、1つの方法だけではなく、いくつかの手段で自己分析に取り組めば、自分では気づかなかった強みやキャリアへの希望に気づくこともあります。
なるべく早めに取り組み、余裕をもったスケジュールで多角的に自己分析へ臨んでください。
そして、自己分析を充実させるために意識してほしいポイントを3つピックアップしました。
自己分析をなんとなく終わらせないためにも、ぜひご確認ください。
何がしたいか
まず、自分が何をしたいのか、キャリアに何を求めているのかを常に意識して自己分析を行ってください。
「やりたいことを探そうと大学へ進学したのに、やりたいことがわからないまま就活の時期になってしまった」と焦る人もいるかもしれません。
具体的な業種や職種が決まっていなくても、自分が興味のあることは何か、やりがいを感じるのはどのようなことか、強みは何かなどを客観的な視線で振り返ることで、自ずと進むべき道がわかることもあります。
自己分析で進路の方向性を決めても、就活を進めていくうえでうまくいかないと感じたら、再び本当にやりたいことかを自問自答してください。
自分自身の希望がわかれば、入社してからも企業とのミスマッチを避けられるでしょう。
どうなりたいか
将来どうなりたいかも常に意識して自己分析をしてください。
就活の面接は、あなたはどんな人か、企業に何を望むのか、将来臨むことは何かといった問いの繰り返しです。
面接官は学生の将来のキャリアプランや価値観を見て、企業に本当にマッチするか、熱意があるかを見極めようと採用面接を数回に分けて行い、慎重に判断しようとしています。
自分が将来どうなりたいかがわからず面接を受けている学生は、志望理由も明確になっていないため、企業側にとっても採用するリスクがある人材と言えます。
将来どうなりたいかというイメージが明確になっていれば、逆算することで具体的なキャリアプランを練ることもできるのです。
たとえば、マーケティングに興味があるのなら、マーケティング職へ就くためにどのようなステップが必要かを考えていきます。
このように、理想とするキャリアは常に思い描けるようにしておきましょう。
譲れないポイント
就活を進めるうえで譲れないポイントもリストアップしておきましょう。
「そんなことは書かなくても忘れない」と思うかもしれません。
しかし、就活の数ヶ月は思った以上に、心身共に疲弊するものです。
面接不合格の「お祈りメール」が続いてしまったときに、練習のつもりで受けた企業に内定が出たら「もうここでいいや」と心が折れてしまう可能性もあります。
中途半端な、逃げの姿勢で入社した企業にいては、理想とするキャリアは描けないでしょう。
そのような事態を防ぐためにも、自己分析をする際は自分の中で譲れないことは何かを常に意識してください。
業務内容だけでなく、給与や福利厚生などの待遇面でも、嘘偽りない気持ちを記録しておくことで、気持ちが揺れ動いたときにも振り返り踏みとどまるきっかけとなるでしょう。
自己分析をする際の注意点
自己分析をする際は、ただ漠然と過去を振り返るのではなく、目的を見失わないようにしましょう。
自分を理解し、就活を納得いくものにするために「何がしたいか」「どうなりたいのか」「譲れないものは何か」を模索するように意識して、過去を振り返ることで、自己分析がより意義のあるものになるでしょう。
そして、自己分析をする際に注意していほしい点もいくつかあります。
多くの人にとって、はじめてする自己分析は、誤ったアプローチになるパターンもあるのです。
就活生が陥りやすいミスをふまえて、3つピックアップします。
一度で終わらせない
先ほども述べたように、自己分析を一度で終わらせてはいけません。
多くの自己分析は過去を振り返る、地道なコツコツした作業が多くなります。 そ
のため、一度やり終わったら「面倒でもうやりたくない」と感じる方も多いでしょう。
また、就活本番の3月以降になると多くの企業のエントリーが重なり、1日数件面接が入ることも珍しくないため「自己分析にかける時間も気力も持ち合わせていない」と思うかもしれません。
しかし、価値観や考えは経験を経て変わるものです。
また、自己分析を複数回繰り返すことで、結果もより正確で研ぎ澄まされたものになります。
忙しくて自分を見失いそうになる時期こそ、自己分析をやり直して、自分の価値観や本音と向き合ってください。
他己分析もする
他己分析という言葉をご存じでしょうか。
他己分析とは、他人に自分がどういう人間かを客観的な視点で教えてもらうことを指します。
「恥ずかしくてできない」と思われるかもしれませんが、他人から見たあなたを理解しておくことはとても大切です。
自己分析だけでは、どうしても主観的な視点が入るため、偏った角度で自分を見つめてしまいがちです。
他者による視点で自分を解析してもらうことで、より客観的に自らを振り返り、理解できるようになります。
1人だけではなく、親しい人や親交が浅い人、また目上の人や同い年の友人、後輩など立場が異なる複数人にやってもらうとより正確な他己分析になります。
友人と互いに他己分析をするのもおすすめの方法です。
質問項目は漠然としたものでなく、できるだけ具体的なものにしましょう。
企業に合わせない
志望する企業を意識して自己分析をするのも、陥りがちなミスです。
たとえば「営業職では元気で主体性のある人間が求められているから、そのようなエピソードを探そう」と、希望する企業の求める人物像に寄せて自己分析をしてしまうのです。
企業に合わせた自己分析は自己分析とは言えません。
また、そのようにでっち上げたエピソードは大抵の場合ボロが出るでしょうし、企業を欺いて入社できたとしても、入社後社風や業務内容が合わないと感じ苦しむことになるでしょう。
志望企業に寄せることは、学生と企業双方にとって利益はありません。
そのため、志望動機やアピールポイントが思いつかなくても企業に合わせず、ひたすらフラットな気持ちで自分の過去を見つめ直しましょう。
自己分析におすすめの本
このように、自己分析は意識して冷静に自分を振り返らなければ、誤った結果を導き出すリスクもあります。
そして、自己分析が終わってもきちんとできたかわからないと、自信をもてない方も多いでしょう。
現在は自己分析専用のサイトやアプリも多く開発されており、必要事項を入力すればAIが結果を出してくれるようになりました。
それらを一通り試したら、一度書籍に目を通すのがおすすめです。
書き込み式のワークシートに沿って記入すれば、効率的に短時間で終わるもの、他己分析までプログラムされているものまでさまざまな本が発売されています。
自分に合った書籍を活用することで、より効率的に過去を深掘りすることが可能になり、自分の強みや資質の活用法などをくわしく理解できるようになるだけでなく、就活の新しい正確な情報が手に入ります。
おすすめの書籍についてまとめた記事を紹介しますので、購入を検討する際はぜひ参考にしてください。
業界研究・企業研究のやり方
先ほども説明しましたが自己分析をするだけでなく、同時に業界研究や企業研究もしていかなければなりません。
自己分析と業界研究を同時にやることで、自分の目標を持って行きたい企業を見つけることができます。
業界研究のやり方がわからない場合は、以下のリンクを参考にしてください。
まとめ
自己分析は時間がかかるし面倒だと避けていた人も、こうして見てみると自分でもできそうな気がしてきたのではないでしょうか。
そして自己分析することの大切さもわかったはずです。
自分を深く知ることは、就活はもちろんのことながら入社後の仕事にも必ず役立ちます。
自分にマッチした会社を見つけてそこでイキイキと活躍するためにも、今から自己分析をしてみましょう。
新たな自分を発見できたとき、新しい人生の扉が開くかもしれません。