はじめに
学生がチャレンジできるアルバイトの種類は非常に豊富です。
特に、店舗数も多く幅広いジャンルからバイト先が選べるのは飲食店です。
そこで今回は、飲食店でアルバイトをしてみたいと考える学生に向けて、具体的に以下のような内容で飲食バイトの実態について解説します。
・飲食店バイトの業務内容
・飲食店で働くメリットとデメリット
・飲食店で働いた人の体験談
「アルバイトがはじめて」「飲食店で働いてみたい」「どんな飲食店でのバイトが自分に合うか知りたい」という方はぜひ参考にしてください。
飲食店バイトの業務内容
バイトが飲食店で関われる業務は、業態によっても異なります。
しかし、大抵の場合は大きく分けて以下の2つに分類できるでしょう。
・ホール
・キッチン
基本的に、飲食店で学生が働けるのはホールかキッチンのいずれかです。
勤務先によっては、仕事内容に食材の仕入れ・管理、納品物の搬入作業が入る場合もあります。
同じアルバイトでも、働いている期間が長く、仕事が評価されればシフト管理のような特別業務を任される場合もあるでしょう。
ホール
アルバイトのホールが担当する仕事は、主に以下の5つです。
・接客(誘導・オーダーを取る)
・食事の配膳(テーブルメイク)
・食器の片付け
・会計
・店内清掃
まず、ホールの仕事内容は、お客様の相手をすることです。
お客様が入店した際の誘導から、オーダーを取ったり食事の配膳をしたりします。
また、お客様の退店時には食器を片付け、次のお客様を受け入れられるようテーブルメイクまで行います。
レジ打ちを必要とする会計も、大抵はホールのアルバイトが担当する業務です。
こうした仕事はお客様を円滑におもてなしするために欠かせません。
そして、開店時や閉店時にシフトに入る際は店内清掃も担当します。
座席の配置を直す、簡単な掃き掃除を行ってお店が営業できるように店内を整えます。
キッチン
アルバイトのキッチンは、お客様に提供する食事にまつわる仕事を担います。
担当する業務は主に以下の2つです。
・調理
・キッチン周りの掃除
キッチンは、基本的に厨房での仕事を任されるため、お客様と直接コミュニケーションを取ることはありません。
調理も、店舗ごとのマニュアルにそって進めていきます。
大手チェーン店であれば、バイトでも大方の調理を任されるでしょう。
個人店でシェフがいるような店であれば、仕込みや調理の補助を担当します。
飲食店では料理の提供スピードも重視されるため、キッチンには以下のような働きぶりが求められます。
・調理をテンポ良く進める
・食材の過不足がないように仕上げる
・味を損なわないように手抜きをしない
また、食材の管理にも目を光らせており、キッチン周りの掃除は衛生管理に配慮した清掃を行います。
飲食店の種類
飲食店にはさまざまな種類があります。
学生がアルバイトとして働くのには、以下の5店舗が代表的かつ働きやすい勤務先と言えます。
・カフェ
・居酒屋
・ファミリーレストラン
・焼肉店
・ファストフード
大抵の飲食店は、1つのジャンル(和・洋・中など)に特化したメニューを提供しています。
バイトの働き方も、こうしたジャンルに少なからず影響を受ける場合があります。
それぞれの飲食店における、働き方や職場環境、メリットについて見ていきましょう。
カフェ
カフェでのバイトには、以下のような特徴があります。
・おしゃれな空間で働ける
・幅広い業務を担当できる
・常連客と会話を交わす場面もある
・朝早くから働ける
まず、カフェの場合、ホールとキッチンの垣根があまりない店舗も多いようです。
キッチンといっても専門的な調理を担当することはないため、働きながらホールとキッチン両方の経験が積めます。
また、空間にこだわった店舗も多いため、インテリアや内装にこだわったカフェもたくさんあります。
自分の働いている空間がとてもおしゃれだと、気分が上がってモチベーションアップにもつながるでしょう。
規模の小さい喫茶店のようなカフェであれば、常連客とトークを楽しむ場合もあります。
仕事を通じてさまざまな人と関わりがもてるとも言えるでしょう。
居酒屋
居酒屋は、アルバイト先として大学生に人気がある飲食店の1つで、以下のような特徴があります。
・夜遅くまで働ける(時給アップがねらえる)
・お酒に関する知識が身につく
・接客の勉強ができる
居酒屋の場合、営業時間が17時頃~日付をまたぐ程度です。
バイトであっても22時以降は深夜手当がつき、時給がアップします。
また、お酒を飲んでいるお客様の接客をするのは大変だという観点から、ベースの時給が高い居酒屋も少なくありません。
さらに、居酒屋ではさまざまな種類のお酒を提供しているため、おのずとお酒にまつわる知識が身につきます。
酔っ払ったお客様をスムーズに誘導する、トラブルを回避させるといった場面に出くわすこともあるので、対応能力も磨かれます。
つまり、居酒屋でのバイトは社会に出ても役立つ知識が身につくと言えるでしょう。
ファミリーレストラン
ファミリーレストランでは、配膳の基本マナーを学びながら子ども連れの接客を通じて、対応力が身につきます。
ファミリーレストランでの仕事には、以下のような特徴があります。
・仕事を網羅したマニュアルが用意されている
・仕事を段階的に覚えやすい仕組みが整っている
・家族連れに対する対応能力が身につく
ファミリーレストランに訪れる客層の大半は、そのほとんどが家族連れです。
乳幼児を連れている家族も多いため、必然的に子ども連れ客に対する対応力(ホスピタリティ)が身につきます。
また、ファミリーレストランの経営母体は大手チェーンである場合が少なくありません。
業務内容は体系化されている場合が多いので、正しいマナーをベースに作られた接客マニュアルが用意されています。
焼肉店
焼肉店には、「肉好き」にはたまらない職場環境が整っています。
アルバイトとして働けば、以下のようなメリットがあるでしょう。
・まかないでおいしい焼肉が食べられる
・肉の部位における知識が身につく
焼肉店は、サービス(業態)もさまざまで、食べ放題を取り入れている店舗もあれば「高級焼肉店」と呼ばれるお店もあります。
同じ焼肉店とはいえ、お店の客単価に応じてアルバイトとしての働き方は大きく左右されるという点は理解しておきましょう。
安さを売りにする店であれば、正確なオーダーテイクや迅速な料理提供・配膳が求められます。
高級路線の焼肉店であれば、お客様とのコミュニケーションを大事にしながら優雅なひとときを過ごしてもらえるよう、接客に努めなければなりません。
ファストフード
ファストフードも、ファミリーレストランと同様、ホールにしてもキッチンにしても徹底したマニュアルが用意されているバイト先の1つです。
飲食店ではじめて働くという人も、安心して仕事に取り組める環境が整っています。
・ホールキッチンともにマニュアルが完備されている
・素早く正確な仕事が求められる
ファストフードは、ほかの飲食店よりもかなりの高確率でピーク時の仕事が忙しくなります。
また、日本全国どこにでもあるようなチェーン店であれば、客側もサービスについてある程度熟知しています。
ほかの飲食店よりも正確な仕事を求められるのは言うまでもないでしょう。
ただ、マニュアルは徹底されているうえ、仕事を段階的に覚えやすいよう工夫されています。
どのような人でも仕事になじめるよう考えられているため、アルバイト未経験者でも安心して取り組める仕事です。
飲食店で働くメリット・デメリット
アルバイト先に飲食店を選ぶと、業態に限らずいくつかの共通したメリットとデメリットがあります。
具体的なメリット3つと、デメリット2つは以下の通りです。
・メリット2:シフトの柔軟性
・メリット3:交友が広がる
・デメリット2:規制がきびしい
こうしたメリットやデメリットは、働き方やシフトなど勤務スタイルに少なからず影響をおよぼします。
それぞれの内容について詳細を見ていきましょう。
メリット
飲食業でバイトするメリットは、食べ物に携わる業種ならではのものと、働きやすさにあります。
具体的には以下の3つがメリットとしてあげられるでしょう。
・おいしいまかないを食べられる
・シフトの柔軟性
・交友が広がる
飲食店でバイトをしようと決める人の中には「おいしいまかないを目当てに働く」という人もいます。
大学生で下宿しているのであれば、できたてでおいしいものが食べられることはかなりポイントが高いでしょう。
また、他業種に比べると飲食業はシフトの融通が利きやすいとされています。
朝の時間を使って夜を空ける、夜中働いて効率良く稼ぐといった働き方もできるでしょう。
バイト仲間はもちろん、常連客とコミュニケーションを取る場面も多いため、自然と交友関係は広がっていきます。
おいしいまかないを食べることができる
まかないは、飲食店で働く最大のメリットとも言えるでしょう。
多くの飲食店では、バイトに提供するメリットの1つとして、まかないを導入しています。
まかないとは、お店のメニューが無料もしくは格安で食べられる制度です。
定価1,000円近くするような定食セットが、まかないとして200円~300円で食べられるという飲食店もあります。
なかには、シェフや厨房のスタッフが余った食材を活用してまかないを作ってくれる場合もあります。
自炊が苦手、一人暮らしをしている大学生にとっては、このうえない福利厚生と言えるでしょう。
シフトの柔軟性
飲食バイトには、シフトが柔軟に組めるというメリットがあります。
アルバイトの中には、学生であってもシフトに一切の融通が利かないという勤務先もあります。
塾の講師であれば固定の曜日に働かなければなりませんし、イベントスタッフや設営であれば土日は必ず出勤しなければなりません。
これに対し、飲食バイトでは1ヶ月(もしくは半月)単位でシフトが組まれます。
基本的には土日の夜に働いている学生であっても、用事があればいつものシフトと時間帯を変えて申請すれば良いのです。
交友が広がる
飲食バイトでは働くことを通じて、交友関係がどんどん広がる傾向にあります。
一般的に、飲食店ではアルバイト同士が協力し合って仕事を遂行します。
社員が必ずしも現場にいるわけではありません。
バイト同士で話す機会が増えれば、おのずとコミュニケーションが深まるため仲良くなれます。
特に、忙しいピークの時間帯を共に乗り越えると、結束力も強まり友人として絆も深まるでしょう。
こうした飲食店特有の働き方から、飲食バイトをすると交友関係が広がるといわれています。
デメリット
学生が、飲食バイトを始めた場合のデメリットは以下の2つです。
・ピーク時に忙しい
・規制がきびしい
朝・昼・夜と、人が食事をする時間はおおよそながら決まっています。
つまり、飲食バイトには忙しい時間帯(ピーク時)がつきものです。
大量のお客様が店に押し寄せるため、ホールとキッチンが一丸となって店を回さなければなりません。
また、食べ物を扱う仕事でもあることから、身だしなみに対する規則がきびしいという店舗もたくさんあります。
髪の色・髪型や服装など、マニュアルを意識したアルバイト先で推奨される身だしなみでなければなりません。
こうしたデメリットは、どの飲食店にもあると考えてください。
飲食バイトをするなら、アルバイトがストレスにならないよう、デメリットをきちんと把握しておきましょう。
ピーク時に忙しい
飲食店は食事どきにお客様が押し寄せるため、どうしてもピークの時間帯が発生します。
具体的には以下のようなシーンが想定されます。
・朝は仕事やお出かけ前に立ち寄るお客様が多い
・昼は限られた休憩時間になるため混雑しやすい
・夜も夕食どきの18時~20時がピークになりやすい
ビジネス街や学生街など、飲食店のある立地も、こうした混雑に大きく影響をおよぼします。
スローペースで働きたいと考えるなら、バイト先を決める前に来店してみて、混雑する時間帯がないかチェックしましょう。
規制がきびしい
飲食バイトは、身だしなみに関する規則がきびしく設定されるお店も少なくありません。
たとえば、ホールでは配膳する料理に爪やアクセサリーが入らないようにしなければなりません。
キッチンも同様に、衛生上アクセサリー類は禁じられており、髪の毛もまとめて帽子をかぶるなどの対策をしています。
さらに、内装や雰囲気にもこだわった飲食店であれば、スタッフの見た目をある程度統一したがる店舗もあります。
したがって、派手な髪色やメイクが禁止されている店もあるのです。
飲食店で働いた人の体験談
ここからは、実際に飲食店で働いた経験がある先輩方の体験談をご紹介いたします。
体験談は、以下の3つです。
・カフェで働く人の体験談
・居酒屋で働く人の体験談
・ファストフード店で働く人の体験談
どのバイト先でも、基本的な業務内容から働くことで得られた成功体験やスキル、大変な場面を紹介しています。
実際に働いた人の話なので、より具体的に飲食バイトでの働き方が想像できるでしょう。
応募先に悩んでいるという人はぜひ参考にしてください。
カフェで働く人の体験談
私が働いていたカフェでは、キッチンとホールの業務内容に大きな区別はありませんでした。
そのため、レジ打ちや店内清掃で簡単な接客が経験できたうえに、エスプレッソマシンを使ったラテアートの技術を身につけられました。
毎日来店される常連さんとも仲良くなれて、大学では交流できない年齢層の人とたくさんコミュニケーションが取れた経験も大きいです。
レジ打ちでは、どれだけ忙しくとも金額ミスをしないように切り替えているため、集中力も高められたように思います。
コーヒーや紅茶にまつわる知識も身につきました。
マニュアルが用意されているため、アルバイト初心者さんにもおすすめです。
居酒屋で働く人の体験談
私が働いていた居酒屋は、社員さんが1人厨房に入っているだけで、あとはすべてバイトのホールとキッチンで仕事を回していました。
駅前でおいしいと評判の店だったこともあり、基本的にお客さんが詰めかけていたため、とにかく忙しい職場です。
同じ学生のアルバイトと協力しながら仕事を進めていきました。
バイト仲間とは、お互いの仕事をカバーし合いながら働くため、自然と仲も深まっていきました。
今では、バイト先では良きパートナーであり、プライベートでも遊ぶような友人関係になっています。
また、お酒を飲まれたお客様の接客をするため、場の空気を読んだり、スムーズにお客様を誘導したりするようなトークスキルも身につきました。
ファストフード店で働く人の体験談
私が働いていたファストフード店は、日本のみならず世界中に店舗を構えている大手チェーン店です。
調理や接客のすべてが網羅されたマニュアルが用意されており、研修も手厚くサポートしてもらえたため、すぐに仕事を覚えられました。
平日のランチや土日祝日はどうしても忙しくなりますが、働いていくうちに、その忙しさも楽しさに変わっていったのが印象的です。
「今日の売り上げ目標を絶対クリアする!」といった連帯感も生まれて、忙しくともはつらつと仕事がこなせます。
また、幅広い年齢層のお客様を接客し、そのなかで感謝の言葉をもらう場面も多々ありました。
簡単な声かけであっても、働くモチベーションが刺激されて前向きに仕事に打ち込めます。
どのような人が向いているか
それでは最後に、飲食バイトに向いている人の特徴についてまとめます。
どの項目も、ほかのアルバイトにも通ずる項目ですが、飲食店ならではの観点でおすすめポイントをまとめました。
・気づかいができる人
・お金を稼ぎたい人
・友達を作りたい人
どのような仕事にも、向き・不向きがあります。
勤務先を決めるなら、飲食バイトの魅力をしっかりと整理しておいてください。
ご自身のアルバイトに求めるポイントと照らし合わせることで、理想の飲食バイトと出会える可能性が高まるでしょう。
気づかいができる人
飲食バイトに向いている人には「気づかいができる」という特徴が当てはまります。
飲食業では、基本的にお客様に対して気を配ることとなります。
「気分良く過ごしてもらいたい。」
「ストレスを感じてほしくない。」
「おいしいと感動してほしい。」
ホールにしてもキッチンにしても、お客様のことを思いながら仕事をするでしょう。
店内を綺麗に保つ、料理の出来栄えにも注力するといった行動も、回りまわってお客様の満足値へとつながるのが大きなポイントです。
こうした気づかいを意識的にではなく、無意識にできる人にこそ、飲食バイトは向いています。
接客の受け手であるお客様も、何気ない心配りにこそ心底感動し、心地良いサービスだと感じてくれるでしょう。
お金を稼ぎたい人
飲食バイトは、基本的にお金を稼ぎやすいといわれています。
昨今のコロナ禍で、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発令されたことで、休業を余儀なくされる飲食店がたくさんありました。
雇われていたバイトも、突然仕事をなくしてしまうといった状態が続いています。
しかし、そうした変化があっても、飲食業界は基本的に人手不足なのが現状です。
シフトにたくさん入れる可能性も高く、1日で5,000円~8,000円ほど稼げる可能性があるのです。
また、22時以降の深夜帯に働けば、役職に関係なく時給はアップします。
少し夜の時間を割くだけで、より稼ぎやすい構造になっているのです。
稼ぐなら、営業中にバイトをたくさん配置している、客入りがよく常に忙しい飲食店はねらい目でしょう。
友達を作りたい人
飲食バイトに従事していると、交友関係が広がりやすくなるため、たくさんの友達ができやすいといわれています。
アルバイトを通じて友人が欲しい、たくさんの人と関わっていきたいと考える人にぴったりの職場です。
基本的に、飲食店では多くの学生アルバイトが働いています。
学生ということで年齢層も近く、働き方としてもキッチンとホールの協力(協働)が欠かせません。
ピーク時間や繁忙期といった大変な時期を共に乗り越えるため、関わり合いも多くなる傾向にあり、自然と仲が深まります。
アルバイトでお金を稼ぎに来ていても、仲の良い友達に会いに来ているような感覚で、とにかく楽しく働けるでしょう。
また、仲良くなってプライベートでも交流するようになれば、アルバイトスタッフ同士で遊びに行くことも増えます。
まとめ
学生におすすめのアルバイトとして、飲食バイトについて解説しました。
飲食バイトには、ほかのバイト先にはない以下のような魅力があります。
・業態によって違うさまざまな経験が積める
・おいしいまかないが食べられる
・サークルノリで楽しく働きやすい
・バイト仲間が一生の友達になることも
アパレル業界やコールセンターのように、服装が比較的自由な業界とは言えませんが、働くメリットが充分に感じられます。
マニュアルを完備しているところも多いため、バイト初心者でも気軽に始められるでしょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート