「面接対策をしたいけど、ケース面接がどのような面接なのか分からない」 「ケース面接で、説得力のある回答をできるか不安」 「論理的思考力が必要って聞いたことあるけど、その力を養う方法にはなにがあるのかな」 このように、就職活動や転職活動を行っている方には多くの疑問や不安があるのではないでしょうか。
本記事では、ケース面接の概要や具体的な出題パターンを紹介します。良い評価を獲得するために必要な能力とそれらの能力を養う方法も把握できます。
この記事を読むことで、ケース面接を突破するためのポイントやどのように対策したらよいのかを身に付けられるでしょう。
ケース面接について理解したい、または対策を始めたいと思っている方は、是非この記事を読んでみて下さい。
そもそもケース面接とは?
ケース面接とは、課題解決力を図る面接の1つで、コンサルティング業界の試験で頻出します。
具体的には、面接官がクライアントの立場になり課題を示し、志望者は仮説を組み立てながら論理的に解決策を提言するシミュレーション形式の面接です。多くのコンサルティングファームの選考で、最も難しい選考ステップとされています。
難易度の高い選考を突破するために、ケース面接のポイントを押さえながら早期から繰り返し練習しましょう。
ポイントとして挙げられるのは、回答後の質疑応答です。お題に対して回答した後に、面接官から質問を受けます。その際、回答の内容と矛盾なく答えることが重要です。
また、面接の場において、分からない数値を予測して進めたり、情報の分析の要否を判断したりする能力も問われます。制限時間も踏まえつつ、どれほど「答えを出すこと」を最優先に考えられるかが大切です。
ケース面接の基本的な流れ
ケース面接の流れは以下の流れで行われるのが一般的です。
1.お題を与えられる まず初めに行うのが、面接官からの課題提示です。1つの課題について考えるパターンが多いですが、複数のお題について分析していくパターンもあります。
2.回答を考える お題に対する回答を考えます。制限時間は15~30分程度です。個室で考える場合と、面接官の前で行う場合があります。
3.プレゼン・ディスカッション 次に回答を面接官にプレゼンします。制限時間は5~10分程度です。複数の課題を与えられている場合、プレゼンにおける時間配分が重要でしょう。回答した後に面接官からの質疑応答があります。
ケース面接の考え方
これまで、ケース面接の概要と流れを説明しました。
以下では、課題に対して考えていくときの流れについて解説します。1つひとつのプロセスを辿っていけば、具体的かつ説得力のある回答を導き出せるでしょう。
問題を整理する
回答を考える際には、最初に問題や前提条件、目標を整理します。利益を分析に利用する課題であれば、具体的な数字を明確にしておくことが必要です。
課題を与えられた時点での条件を整理し把握することで、後から行う戦略立てをスムーズに行えるでしょう。
課題によっては、お題の中で使われている用語の共通認識が1つではない場合や、複数の視点からの認識がある場合もあります。例えば「市場規模」という言葉です。売上高から見た市場規模なのか、ユーザー数や販売個数から見た市場規模なのかを初めに定義付ける必要があります。
一見明白な用語についても定義付けが必要な場合もあるため、注意しましょう。
具体的に戦略を立てる
次に具体的な戦略を立てます。前の過程で整理したボトルネックに対応できる施策を考えましょう。
例えばサービスの販売戦略を考える場合、ユーザー数が増えない事や利用頻度が低い点が現状の問題です。ユーザー数が増えないという問題では、競合サービスよりも多くの人に利用されるようなアイデアを出します。
また、ユーザーの利用頻度が低いという問題に対しては、高頻度で使われるようなサービスにする必要があるでしょう。
その戦略をどのように実行するかいくつかプランニングする
具体的な戦略を立てられたら、次に行うのは実行プランの立案です。上記で挙げた戦略から具体的なプランへの落とし込み方は以下のように行います。
・競合サービスよりも多くの人に利用されるようなアイデアを出す →プラン例:多くの人に知ってもらえるように広告を打つ
・高頻度で使われるようなサービスにする →プラン例:利用回数に応じてクーポンを発行し、使えば使うほど低価格で利用できるキャンペーンを行う
考えたプランの中で最良のものを導き出す
複数のプランを考えられた後は、それらのプランを評価し、最も適切で合理的なものを導き出します。各プランで必要なコストや費用対効果などを考慮しながら選定しましょう。
上記で挙げたプラン例であれば、広告費と広告を打つことにより獲得できる利益を計算します。また利用回数に応じてクーポンを発行するプランの場合は、利益率を下げてまでリピーターを増やす必要があるのか、という点が重要な検討ポイントでしょう。
ケース面接でよく見られる5つのパターン
これまで、ケース面接の流れと考え方を説明しました。
以下では、ケース面接でよく出題されるパターンを5つ紹介します。各パターンを考える上でのポイントも解説していきます。
1:売上の増加方法を考えるパターン
売上を増加させる方法を問う問題は出題頻度が高い傾向にあります。例題は以下の通りです。
・出版市場の規模を求めた上で、ある出版社の売上を5年で2倍に拡大するにはどうすればよいか考えなさい ・コンビニエンスストアの市場規模を3年で1.5倍にするにはどうすればよいか
このように事前にお題が決められている場合のほかに、自分の趣味に関するお題を出されることもあります。趣味に関する市場規模や傾向は必ず押さえておくのがおすすめです。
2:利益の拡大方法を考えるパターン
利益を答える問題は、売上を増加させる施策に加えてコストを削減する施策も考えなければいけません。コストは家賃等の「固定費」と材料等の「変動費」に分けられます。これらを分類して考えるのがポイントです。
例題は以下の通りです。
・ある自動車メーカーの利益率を向上させるためには、どのようなアクションが必要か ・月〇〇円の赤字があるカフェを、月〇〇円の黒字にするために、なにを行うべきか
利益の拡大方法を問う問題でも、趣味に関連したお題を出されることもあります。事前に趣味に関する分野を対策しておきましょう。
3:社会的な問題の解決方法を考えるパターン
上記では企業や組織単位で考える問題パターンを紹介しましたが、社会全体の課題を提示されることもあります。問題例は以下の通りです。
・埼玉県内の交通事故を減らすためにどのような施策が考えられるか ・地球温暖化を促進させないためになにができるか
公共課題を考える上で重要なのは、解決する人や期間を具体的にすることです。
4:新規事業について検討するパターン
企業の新規事業を考え、新規事業の意義や黒字化する期間などを検討するケースです。このパターンにおける出題例は以下の通りです。
・ドトールが行うべき新規事業はなにか ・1日に50万人が使う、生活が便利になるスマホアプリを立案しなさい
新規事業を考える上で、持っている知識量が重要になります。普段からニュースを見て知識を養えておけると良いでしょう。
5:二者択一の問題に回答するパターン
「賛成か反対か」を理由と共に選択する問題です。選択した回答に正誤はなく、選択肢を選んだ理由が重要になります。問題例は以下の通りです。
・小学生がプログラミングを必修で学ぶべきか ・〇〇(製品名)への投資に賛成か、反対か
二者択一の問題を考える場合、自分の判断軸を設定することが大切です。設定した軸からメリット、デメリットを導き出しましょう。
ケース面接で良い評価を得るために必要な能力
これまでケース面接の流れや頻出するパターンを説明しました。
以下では、ケース面接の際に高評価を得られるために必要な能力を紹介します。以下で挙げる能力を養えていれば、より良い評価を獲得できるでしょう。
プレッシャーに耐える能力
ケース面接に必要な能力としてプレッシャー耐性は忘れられがちですが、重要な能力です。なぜなら限られた時間で説得力のある回答をしなければならず、さらに自分が持っている力でお題に対する解決策を考えなければいけないからです。
時間的プレッシャーと精神的プレッシャーの両面から押しつぶされそうになっても、しっかりと回答できるかが問われます。
コミュニケーション能力
ケース面接において自分の考えをどれだけ分かりやすく言語化して伝えられるかが重要です。また、大量の情報を伝えようとして早口になったり、長い時間話してしまったりする就活生もいます。端的に結論と根拠を話すということを意識しましょう。
さらにプレゼン後の質疑応答の時間では、クライアントの設定である面接官とディスカッションしながら解決策をゴールに近づけます。より有意義なディスカッションをできるように、コミュニケーション能力は不可欠でしょう。
論理的思考力
論理的思考力を備えていると、本質的かつ効率的に問題解決できます。論理的思考力の中でもケース面接では、特に現状分析力や戦略立案力などは重要でしょう。
さらに相手を説得するためにも論理的思考は不可欠です。例えば、複数のプランから1つのプランを導き出した理由を明確に答えられなければ、相手(クライアント)からの信頼は薄れてしまいます。
問題解決を正しく行うため、また考えに説得力を持たせるために論理的思考力は大切です。
ケース面接の対策方法
これまでケース面接を突破するための当日の流れや必要な能力を解説してきました。
では、ケース面接や、高評価のための能力をどのように身に付ければよいのでしょうか。以下で具体的な対策方法を紹介します。
コンサルティングファームで働く人に練習を手伝ってもらう
ケース面接は、面接官がクラウントとして課題を提示し、それに対する解決策を提案する面接です。これはコンサルティングファームでの実務に近い内容と言えます。
そのため、コンサルティングファームで実際にクライアントに提案をしている人と一緒に模擬面接を行うのがおすすめです。
本を読んで知識を得る
知識をインプットするために書籍を読みましょう。
各ケースに特化した本も発売されているため、自分が受ける企業の出題タイプを把握したうえでインプットを行います。
ただし面接まであまり時間がない方はインプットは少なめにして、アウトプットとして問題を解いたり模擬面接をしたりする割合を多くするのが望ましいです。
問題集を解く
インプットした後は問題集を解いてアウトプットを行います。
問題集を解く際はひたすらたくさんの問題に触れるのではなく、「問題集1冊」というように範囲を決めて繰り返し練習しましょう。また、回答の正誤だけでなく、回答までの道筋やパターンを身に付けるのも目的です。
回答や考え方が詰まらず思い浮かべられるまで反復することが重要です。
ケース面接について知り対策を練ろう
本記事では、ケース面接の基礎知識や具体的な出題例、対策方法を紹介しました。
ケース面接は、一般的な面接に比べてどのようなお題が出されるのか予想しにくく、対策が難しいです。しかし、ケース面接に必要な能力を把握し、問題を反復すれば、対応力が身に付きます。
練習の際には模擬面接を通して、コンサルティングファームで働く人にフィードバックをもらい、より良い回答をできるように練習しましょう。回答内容だけでなく、場慣れすることも重要です。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート