はじめに
インターンは社会人の働く姿を見て多くのことを学べる貴重な場です。
しかし応募のルールやマナーがわからず一歩を踏み出せない方もいるかもしれません。
そこで今回は長期インターンに焦点を当て、履歴書の作成方法や注意点について解説します。
長期インターンへの応募を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
長期インターンに履歴書は必要?
そもそも長期インターンに履歴書は必要なのでしょうか。
実は応募時に履歴書が不要な長期インターンも存在しています。
インターンの応募条件や必要書類は企業によってさまざまであり、すべての応募で履歴書の提出を求められるわけではありません。
しかし全体を見てみると、やはり履歴書が必要な企業のほうが多数派です。
あとから急いで準備すると思わぬミスをすることもあるので、早い段階から必要だと仮定して準備を進めておくといいでしょう。
また、履歴書の内容を考えることは自己分析を深めることにつながり、履歴書の形式を整えることは社会人としてマナーを身につける第一歩になります。
インターンでの要不要に関わらず、インターン用の履歴書を作る試みは、就職活動への備えとして役に立つかもしれません。
履歴書は手書き?パソコン?
次に着目するのは履歴書の記述方式についてです。
長期インターンの履歴書は手書きとパソコン作成、どちらが良いのでしょうか。
この点も企業によってさまざまであり、どちらかに決まっているわけではありません。
近年はパソコンやIT関連技術も普及しているため、以前に比べると手書きを要求しない企業も増えてきています。
募集要項等で記述方式が指定されている場合もあるので、事前にしっかりと内容を確認しておきましょう。
特に指定がない場合は手書き、パソコン作成のどちらでもかまいません。
基本的にはパソコンのほうが修正しやすく手軽なので、こちらを選ぶのがおすすめです。
一方、字の綺麗さなど手書きでアピールできるものがある場合は、あえて手書きで履歴書を作成するのも良いでしょう。
インターン先に提出する履歴書の書き方
それでは履歴書の具体的な書き方について解説をしていきましょう。
インターン履歴書の内容は企業によって決められている場合と、特に指定がなく自由にフォーマットを選択できる場合があります。
自身でフォーマットを選ぶ場合は、記述内容もある程度調節することが可能です。
しかしいずれの場合も、履歴書で記述が求められる内容はおおむね決まっています。
そのため代表的な記入事項の書き方を学んでおけば、大部分の履歴書に対応できるでしょう。
今回は特に記入内容を迷いやすい4つのポイントについて書き方を解説します。
職務経歴欄には何を書くの?
職務経歴欄はこれまでに経験してきた仕事について記述する欄です。
しかし長期インターンを希望する学生は、これまでに就職し、働いた経験はない場合がほとんどでしょう。
そのため多くの学生にとって職務経歴欄は空欄で問題ありません。
アルバイトの経験がある学生は多いかもしれませんが、フルタイムでないアルバイトは職務経歴には含まないとすることが一般的です。
もしアルバイトの経験についてアピールしたい場合は、後述の自己PR欄などを活用すると良いでしょう。
インターンのために専用の履歴書フォーマットが用意されている場合は、職務経歴欄が存在しない場合もあります。
もちろんこれまでに職務経歴がある場合はきちんと記入しなければなりません。
職務に関わった期間や所属していた部署、具体的な実績などをわかりやすく記入しましょう。
資格欄には何を書けばいい?
次は資格欄の記入内容についてです。
ここには簿記やTOEICなど自身が所有している資格を記入します。
この際に注意が必要なのは、自身が持っている資格について正しく具体的に記述することです。
自動車免許を持っている旨について記述する場合も「普通自動車第一種運転免許」と種別を明記しましょう。
またTOEICなどスコアが重要な資格についても「TOEIC公開テスト850点」のように記述するのがおすすめです。
資格の内容はインターン先の事業や業務内容に関わるものであればなお良いですが、関係のないものでも問題はありません。
しかし資格自体は所有していてもスコアがあまりに低い場合などは、逆にマイナスの印象を与えてしまう可能性があります。
資格欄も自身の個性や能力をアピールする場所として考え、書く内容を決めてください。
自己PRはどんなことを書けばいいのか
職務経歴欄や資格欄は書くべき内容さえわかっていれば、さほど記述は難しくありません。
問題はそれぞれのスキルや個性について考え、言語化しなければいけない自己PRでしょう。
おそらく履歴書を書く際に多くの方が頭を悩ませる部分なのではないかと思います。
自己PRでは自身の長所や強みなどを書くのが一般的です。
そこに説得力をもたせる、具体的なエピソードを添えることで、より明確に自身の個性を伝えられるでしょう。
ここで扱うエピソードは部活や勉強、アルバイトの経験などでかまいません。
たしかに大会の優勝や大きな実績といった経験は大きなアピールになりますが、そういったものにこだわる必要はないのです。
自己PRは今後も求められる機会が多いので、自己分析を通して自身のアピールポイントを考えておきましょう。
志望動機はどんなことを書けばいいのか
インターンに応募する学生を悩ませるもう1つの関門が志望動機です。
「就職活動に有利らしいから何かインターンに参加してみたい」といった漠然とした考えだと、何を書けば良いのか思いつかない場合もあるでしょう。
志望動機で書くべき内容の1つはインターン先企業に興味をもった理由です。
またインターンを通してどのようなスキルを身につけ、何を学びたいかも書いておくと良いでしょう。
これらの内容を考えるためには企業の業務内容や、インターンの仕事内容についてしっかり把握しておかなくてはいけません。
つまり志望動機が書けないのは、まだ企業研究やインターンに関する情報収集が不十分な可能性も高いのです。
場合によってはインターンに参加したあとのことを想像し、どのような学びを得られるか考えることも大切になるでしょう。
上記の内容に熱意や意気込みを添えることで、印象の良い志望動機が完成します。
企業研究はインターン先を選ぶ際にも役立つので、情報を集めながら並行して志望動機を組み立てていくのがおすすめです。
履歴書のサイズは?
次は履歴書のサイズやフォーマットについても触れておきましょう。
まずインターンの応募要項でフォーマットの指定がある場合は、それに従います。
履歴書のフォーマット自体が別に用意されているケース、サイズや記入事項のみが指定されている場合もあるので、それに合わせた履歴書を用意してください。
企業からの指定がない場合は自由にサイズや記入要素を選択できますが、基本的にはA4サイズを選んでおけば問題ありません。
手書きで履歴書を作成する場合は、大学生協や文房具店などで売られている市販のものを購入しましょう。
履歴書はインターン以外にも使用する機会があるほか、書き損じることもあるので、少し多めに数を用意しておくのがおすすめです。
パソコンで履歴書を作成する場合は、無料で配布されている履歴書のテンプレートを活用すると良いでしょう。
パソコンで作成した履歴書を印刷する場合はサイズ指定に気を配り、きちんとA4サイズで出力されているかどうかも確認することが大切です。
履歴書を作成する際の注意点
ここまでは履歴書の作成方法について解説してきました。
次は実際に履歴書を書く際に発生しやすいミスや内容以外の注意点について確認していきましょう。
どんなに注意してもわずかなミスは発生してしまうものです。
そのためミスを予防することと同じく、ミスを発見するための確認作業が重要な意味をもちます。
たとえ内容がうまく書けていたとしても、それ以外の部分で失敗してしまうと、相手に良い印象を与えられません。
履歴書を作成する際は細部まで気を抜かないことが大切です。
誤字脱字に気をつける
文章が主体となる履歴書において、誤字脱字は特に注意しなければいけないポイントです。
誤字脱字を見つけるためには、一度文章を声に出して読んでみることをおすすめします。
うろ覚えの漢字や単語を使う際は、辞書でしっかり調べることも大切です。
パソコンで履歴書を作成する場合は書き損じの可能性こそなくなりますが、誤変換や脱字・衍字などに注意しなくてはいけません。
手書きの履歴書で誤字を発見した場合には、修正テープを使うのではなく、新しい用紙に書き直しましょう。
また誤字脱字とは少し違いますが、自己PRや志望動機における文章のねじれ、論理の飛躍にも注意が必要です。
書き上げたあとで時間を空けて読み返し、文章におかしな点がないか確認しておきましょう。
記入漏れなどに気をつける
記入漏れも履歴書を作成する際にしばしば起こりがちなミスです。
職務経歴欄や自己PRなどメインとなる項目は記入漏れを見逃すことは少ないため、それ以外の記入欄について特に注意が必要となるでしょう。
名前や住所のふりがな・性別・履歴書作成の日付などは記入欄自体が小さく、文字も小さいケースが多いため、念入りに確認することが大切です。
連絡先の欄に関しては、固定電話やFAXなど所有していないものについては記入する必要がありません。
しかしメールアドレスについては電話より連絡を受け取る際に便利であり、今後も使用する機会が多いため、1つは所有しておいたほうが良いでしょう。
メールアドレスは無料で取得できるほか、大学で発行されるメールアドレスを使用しても問題ありません。
汚れやシワなどにも気をつける
完成させてから提出するまでの履歴書の扱いにも注意が必要です。
汚れたりシワがついたりした履歴書は、それだけで印象が悪くなってしまいます。
履歴書を完成させたあとは丁寧に扱い、汚れやシワがついた場合は、面倒くさがらずに作り直しましょう。
履歴書の完成が遅れると、扱いが雑になってしまいがちなので、余裕をもって作成することも大切です。
特に写真を貼り付けた際のノリや、ペンのインクなどは汚れの原因となりやすいので、しっかりと乾いたのを確認してから作業を進めましょう。
履歴書の提出方法には企業に持参する場合と郵送の場合があり、どちらの場合もシワや汚れを防ぐ対策が必要です。
必ずクリアファイルに挟み、封筒も適切な大きさのものを使いましょう。
写真は3ヶ月以内に撮影したもの
次は履歴書に貼り付ける写真について解説します。
文章と違って、写真は自分だけでは用意することが難しいため、早めの準備が大切です。
しかし、準備が早すぎても写真が古くなり、現在の自身と違いが出てしまいます。
履歴書の写真は古すぎないもの、具体的には3ヶ月以内に撮影したものを使いましょう。
履歴書用の写真は写真館などで撮影することも可能ですが、スピード写真機を使っても問題はありません。
写真自体のクオリティはあまり重視されないことが多いので、手軽に済ませても良いでしょう。
重要なのは写真撮影時の身だしなみです。
最適な髪型や服装は企業によって異なりますが、清潔感を意識して衣服や髪型を整えることが大切です。
スーツであれば不適当と判断されることはないので、迷った際はスーツを着用するのが良いでしょう。
インターンへ応募する前に確認しておきたいこと
最後は履歴書から少し離れ、インターン応募前に確認しておくべきことを解説しましょう。
これらの確認をおろそかにしてしまうと、履歴書作成がうまく進まない場合もあります。
もしインターンに参加できたとしても、事前の調査や準備が不足していると、そのメリットを充分に受けられません。
インターンに参加すると決めた段階から、以下の点について確認しておくと良いでしょう。
また、履歴書作成に詰まってしまった場合にも、あらためてこれらのポイントに立ち返ることが大切です。
インターンに参加する目的をしっかりと明確に
1つ目のポイントはインターンに参加する目的を明確化することです。
インターンは報酬を得ながら社会経験を積める貴重な場ですが、ただ漫然と参加するだけでは充分な学びを得られません。
インターンに参加する前に自身は何を学びたいのか、このインターンに参加することで何が学べるのかを言語化しておきましょう。
もし目的の明確化が難しいのであれば、インターンに参加しても得るものがなく、無駄な時間になってしまうかもしれません。
また、インターンに参加する目的が整理できていない場合は、志望動機を作成することも困難になるでしょう。
目的の明確化のためには、のちほど解説する自己分析や企業研究が重要です。
間違っても「インターンに参加する」こと自体が目的とならないようにしてください。
自己分析をしておく
2つ目のポイントは自己分析です。
自己分析はインターンに限らず、就職活動やキャリア形成においても重要です。
まずは自分について知らなければ、自己アピールを考えることもできないでしょう。
さらに自分を深く分析することで、インターンは本当に必要なのか、どの企業のインターンを選ぶべきなのかといった点を判断するための軸が見えてくるのです。
自己分析の手段としてはオンラインの診断を利用する・自分史を作成する・モチベーションマップを作るといったさまざまなものが存在します。
1つの手法だけで満足せず、多様な手法を使って、自身を多面的に分析すると良いでしょう。
また、ほかの人に自分の印象をたずねる他己分析も、自身への理解を深めるために役立ちます。
インターンのためだけでなく、将来的にも役立つと考えて妥協なく自身を分析してください。
インターン先の企業について調べておく
3つ目のポイントはインターン先の企業について調べることです。
この企業研究が充分にできていないと、まず志望動機の作成やインターンに参加する目的の明確化が難しくなります。
また事前調査が足りていないと、インターン開始後に自身のやりたいことと業務内容のミスマッチが発生してしまうかもしれません。
そのため企業の社風や事業展開といった包括的な部分だけでなく、インターンで実際に担当する業務内容など現場レベルの情報も調べることが大切です。
そもそも企業について知らなければ、適切なインターン先を選ぶこともできません。
つまりインターンに参加しようと決めた際、真っ先に確認しておくべきポイントがこの企業研究なのです。
自己分析と企業研究は、就職活動でも重要な意味をもっている2つの柱だと考えておきましょう。
学業との両立について考える
最後のポイントは学業との両立です。
これは長い時間を費やすことになる長期インターン特有の問題と言えるでしょう。
たとえインターンで充分な学びを得たとしても、学業との両立ができず留年してしまうような事態では、本末転倒です。
長期インターンでは、週の出勤日数や最低勤務時間などがしっかり決められている場合も多いので、それに合わせてほかのスケジュールを調整しなくてはいけません。
学業以外でもサークルやアルバイトの時間など予定をしっかり立て、時間を管理しましょう。
インターンは報酬を得られるため、学生の中にはアルバイトを辞めてインターンに一本化するケースも見られます。
予定が固定され、長期的な離脱や突発的な休暇取得が難しくなることを考慮したうえで、長期インターンに参加するかどうかを決めると良いでしょう。
まとめ
長期インターンの履歴書作りは、形式面や内容について考えなければいけないポイントが多数存在します。
しかしここを乗り越えて長期インターンに参加すれば、多くのメリットを得られるでしょう。
またインターンの履歴書作りそれ自体を、就職活動のための成長機会と考えることもできます。
きちんと書類のフォーマットを遵守し、内容に誤字やミスがないかを確認する行程は、就職活動だけでなく社会人になってからも大切なことです。
まずはインターンの履歴書を妥協せず用意することで、就職活動の第一歩を踏み出してみてください。
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