ケース問題は出題パターンと解き方を把握しておこう!ポイントもあわせて解説!

ケース問題は出題パターンと解き方を把握しておこう!ポイントもあわせて解説!

はじめに

採用面接にはさまざまな形式があり、なかでもケース面接は苦手意識を抱く就活生が多い形式です。

その分、ケース面接対策を練って高評価を得られれば、ほかの就活生に差をつけることができます。

ここでは「ケース面接って何?」「志望している企業がケース面接を行うらしいけれど、どうやって準備すれば良い?」という就活生に向けてケース面接とは何か、そして出題パターンや解き方を解説します。

面接に向けての準備として、ぜひ参考にしてください。

そもそもケース面接とは

ケース面接とは、面接官から出題された課題に対して、解決策を提示する形式の面接を指します。

コンサルティングファームや外資系金融機関の採用面接で用いられることの多い面接形式です。

多くの企業がケース面接の出来を重視するため、合否のカギを握っているといっても過言ではありません。

まったく対策を練っていない状態でケース面接を突破するのは難しいので、事前に準備をしておきましょう。

ケース面接は、課題が与えられる→解答作成→面接官とのディスカッション、という流れで進行します。

与えられた課題に解答するという面はグループディスカッションと共通していますが、課題の分析から解答のまとめ、面接官への発表や質疑応答まですべて1人で行わなければなりません。

また、解答作成のために与えられる時間も、グループディスカッションより短い傾向があります。

ケース面接が行われる理由

ケース面接では、回答の内容そのものよりも「論理的思考力」「コミュニケーション能力」「立ち回り」が重視されます。

企業がケース面接でこれらをはかるのは、コンサル業として働くために不可欠な能力だからです。

論理的思考力は、与えられた課題や情報を分析し、筋道を立てて考える能力です。

コンサル業でもっとも求められる能力であり、企業はケース面接での解答そのもの、あるいは解答を導き出すための過程を見て、就活生の論理的思考力をはかっています。

コミュニケーション能力は、コンサル業において顧客のニーズを引き出したり、顧客に理解・納得してもらえるプレゼンを行ったりするために必要です。

立ち回りは、顧客に合わせて柔軟な対応をするために必要な能力です。

立ち回りを見定めるため、面接官とのディスカッションで「課題の前提を変えるとどうなるか?」など、その場で考えて対応しなければならない質問をされる場合もあります。

ケース面接の流れ

ケース面接は、課題が与えられる→解答作成→面接官とのディスカッション、という流れで進行します。

課題を示されたら、まずは面接官に前提条件などを確認します。

ここで面接官が想定している方向性と自分の考える方向性が違ってしまうと、的外れな回答になってしまう可能性があるので、確認作業は大変重要です。

続いて、解答を作成します。

解答作成の制限時間は15~30分程度で、面接官の前で行う場合と、別室を与えられ1人で行う場合があります。

最後に、面接官に解答を提示し、ディスカッションを行って終了です。

解答は口頭で伝えるほか、紙やホワイトボードを使って良いケースもあります。

解答だけではなく、ディスカッションでの受け答えもコミュニケーション能力や立ち回りを評価するうえで重視されています。

ケース面接の出題パターンは?

ケース面接で出題される課題は「売り上げや利益向上の策を考えるパターン」「○○に賛成か反対かを答えるパターン」「社会問題の解決方法を考えるパターン」「○○の数を求めるパターン」に大別できます。

ケース面接で課題が与えられたら、まずはどのパターンに当てはまるかを分析することが解答作成の近道です。

なぜならば、パターンごとに解答を導き出すためのポイントは共通しているため、事前にポイントを押さえて戦略を立てておけば、課題のテーマが変わっても対応できるからです。

それぞれのパターンについて、くわしくご紹介します。

売り上げや利益向上の策を考えるパターン

企業を問わず出題頻度が高いのは、特定の店舗や業種の売り上げ・利益を向上させるための策を求めるパターンです。

「レストランの利益を1年間で1.5倍にする方法を考えてください」「ビール系飲料の売り上げを伸ばす方法について提案してください」といった課題が当てはまります。

課題とともに「営業時間は〇~〇時」「定休日は〇曜日」などの前提条件も提示され、その条件をもとに論理を組み立て、解答を導き出します。

解答を導き出すためには、「現状の売り上げや利益を推定する」「売り上げや利益を伸ばす方法について考える」の2段階に手順を分けることが必要です。

現状の売り上げなどを推定するためにはフェルミ推定(のちに詳述)を行います。

売り上などを伸ばす方法は、売り上げや利益を構成要素(客数・客単価・原価など)に分解して計算し、理論を組み立てて考えます。

○○に賛成か反対かを答えるパターン

「義務教育中の給食費無料化に賛成か、反対か」など、テーマに対して賛成か反対かを問われるパターンです。

賛成と反対のどちらを選択するかではなく、前提条件をきちんと理解できているか、論理的に考えることができるかを評価されます。

このパターンでは賛成・反対それぞれのメリット・デメリットを洗い出し、特に重要と考えられるメリット・デメリットをもとに

解答します。

このテーマで重要な論点はどこなのか、賛成(あるいは反対)を選んだ理由は何か、きちんと説明することが重要です。

ディスカッションではテーマについて質問される可能性があるため、賛成であればどうすれば実現できるか、反対であればどのような対案を取れば良いかまで考えておきましょう。

社会問題の解決方法を考えるパターン

「日本の食料自給率を上げるためにはどうすれば良いか」など、社会問題の現状を分析し、その解決方法を解答するパターンです。

多くの場合、テーマに関する具体的な数値は提示されず、自分で推定することが求められます。

また、誰の視点から解答を導き出すか、解決までのスパンはどれくらいかなどを自分で設定し、その設定にもとづいて解答します。

このパターンでは、「前提条件となる数値を推定する」「解決に至る方法を考える」の2段階に手順を分けることが必要です。

ここでも、数値を推定するためにはフェルミ推定を行います。

解決に至る方法を考えるためには、まず目標となる数値(「50年後に自給率80%」など)を設定します。

さらに、その数値を構成要素(農業従事者数、生産品目など)に分解して計算し、理論を組み立てましょう。

○○の数を求めるパターン

「日本でのエナジードリンクの市場規模はいくらか」など、解決方法などではなく数値のみを推定するパターンです。

このパターンはフェルミ推定の正確性が求められます。

解答を導き出すためには「前提条件となる数値を推定する」「分解して考える」「解答となる数値を計算する」という3段階に手順を分ける必要があります。

特に重要なのは前提条件となる数値を正確に推定することです。

物価など生活に密着した情報や、日本の年齢別人口など社会状況を普段から意識していないと、前提条件から誤ってしまい、的外れの解答を導き出してしまう可能性があります。

前提条件を推定したら、対象(ここでは日本在住者)を年齢や性別などの属性に分解して、それぞれがエナジードリンクを消費する頻度について考えます。

最後に、分解して推定した数値を合計し、解答を導き出しましょう。

ケース面接の解き方は?

ケース面接の解き方は、5段階に大別できます。

課題が与えられたら、前提を整理する→課題解決のための戦略を立てる→戦略に合わせて実行プランを考える→プランが可能かどうかを検討しつつ実施した場合の結果を予測する、という段階を経て解答を作成しましょう。

そのあと面接官に解答を示し、なぜその答えに至ったかの流れを言語化して説明します。

解答作成の段階では論理的思考力を、説明の段階では論理的思考力に加えてコミュニケーション能力や立ち回りが試されます。

前提を整理する

まずは前提となる情報を整理し、課題を考えるための土台を作ります。

面接官と前提条件を確認し、解決の方向性を決めましょう。

特にあいまいな言葉がある場合は定義を明確にすること、誰のため解決方法なのかを確認すること、目標を具体的な数値にすることが重要です。

たとえば「通勤電車の混雑を解消するにはどうすれば良いか」という課題であれば、「通勤客の負担軽減のため、東京都内で午前7~9時に発着する電車の乗車率を、150%以下にするにはどうすれば良いか」と明確化、具体化します。

そのうえで、現状の乗車率は何%なのか、利用客数は何人か、などの条件を推定します。

ここで解決の方向性や前提条件が面接官の想定から外れてしまうと、解答も的外れになってしまうため、注意が必要です。

課題解決のための戦略を立てる

前提条件にもとづいて、課題解決をするための戦略を立てます。

ここでは、課題を生み出している原因の特定をし、さらに要素に分解して、どの要素を変化させれば課題が解決できるのかを考えましょう。

たとえば「通勤電車の混雑」という課題は、電車の供給に対して通勤客の需要が上回っているため起こるのです。

この供給は、路線数・本数・車両数・定員数などに分解できます。

一方の需要は、仕事のために都内のオフィスに移動する必要があること、ほかの交通機関ではなく電車を選択すること、通勤の時間帯が集中することなどに分解できます。

このなかから変化させる(供給を増やす、需要を減らす)要素を選ぶことが、課題解決をするための戦略になるのです。

多くの場合、一つの課題解決のためには複数の要素を変化させる必要がありますから、どの組み合わせで要素を選ぶか、ということも重要です。

戦略に合わせて実行プランを考える

どの要素を変化させるか戦略を立てたら、その要素を変化させる方法・実行プランを考えましょう。

電車の供給要素のうち、定員数を増加させようと考えた場合、どうすればそれが実行できるかを掘り下げていきます。

車両を2階建てにする・車体の厚みを減らして内部スペースを広げる・座席を折りたたみ式にするなど、まずは実現可能性にこだわらず、できるだけ多くのプランを洗い出すと良いでしょう。

需要の要素も同様に、仕事のために都内のオフィスに移動する必要を減らそうと考えた場合、在宅ワークを増やす・出勤を輪番制にするなど、実行プランを洗い出します。

「斬新な発想が浮かばない」と悩むかもしれませんが、斬新であることよりも、論理的に考えて起案することが重要です。

プランが可能かどうかを検討しつつ実施した場合の結果を予測する

実行プランを洗い出したら、それぞれについて実現可能かどうか、実施した場合どれほどの結果が得られるかを予測します。

車両を2階建てにするプランは、乗車数を倍増させることができるため乗車率を下げる効果は高いものの、駅のホームも2階建てにしたり車両の高さに合わせて架線も高くしたりする必要があるなど、実現可能性は低いでしょう。

一方座席を折りたたみ式にするプランは、座席を折りたたんで生じたスペースに乗車できる人数はもとの座席数の1.2倍程度であると考えられ、乗車率を下げる効果は限定的ですが、実現可能性は高いと考えられます。

在宅ワークを増やす、出勤を輪番制にするなどのプランについても同様に検討し、どの程度乗車率を下げる効果があるか予測します。

実行プランについて検討し、どのプランを実施するかを選択したら、結論をまとめて解答を作成しましょう。

なぜその答えに至ったかの流れを言語化して説明する

解答を面接官に発表し、解答に至るまでの流れも言語化して説明します。

推定した数値の正確さや結論も大切ですが、もっとも重要なのは論理的思考ができることです。

解答を導き出すためにどのように推定や論理を積み重ねたのかを説明し、論理的思考ができることをアピールする場であると考えましょう。

「○○の数を求めるパターン」であっても、推定した数字の桁が合っている、あるいは誤差が±20%以内であれば、問題ありません。

また、面接官にわかりやすいよう説明すること、質疑応答での受け答えなども重要です。

解答を導き出したら終わりではなく、解答の発表やディスカッションを通して、コミュニケーション能力や立ち回りが評価されていることを意識しなければなりません。

ケース面接に挑もう!ポイントを紹介

ケース面接の流れや解き方がわかっていても、いきなり面接に挑むのはおすすめしません。

特にケース面接は一般的な面接と違う部分が多いため、ケース面接に特化した準備が必要です。

ケース面接で十分力を発揮するために事前に準備すべきポイントは、「フェルミ推定を行えるようにすること」「事前に練習しておくこと」の2点です。

このポイントを押さえて準備しておけば、本番でも戸惑うことなく面接に挑めるでしょう。

なぜこの2点が必要なのか、くわしく解説します。

フェルミ推定を行えるようにする

フェルミ推定とは、実際に測定することが難しい、あるいは手元にデータがない数値について、論理的に考え概算値を導き出すことです。

たとえば「現在世界中にあるスマートフォンの台数は?」「日本にある交差点の数はいくつ?」といった問題に対し使用します。

どんな課題であっても、前提条件などを推定するためにフェルミ推定は欠かせないので、事前に身につけておきましょう。

フェルミ推定は、まず課題を小さなスケールに分解して仮定の数値を設定し、それに全体の数を掛け合わせて行います。

世界中にあるスマートフォンの台数を例にとって考えてみましょう。

スマートフォン所持しているのは10人中6人と仮定し、世界の人口75億人を掛け合わせると、世界中にあるスマートフォンの台数は45億台と推定されます。

また、世界や日本の人口・日本の国土面積・市町村数など、課題のカギとなることが多い数値を覚えておくのがおすすめです。

事前に練習しておく

インターネット上ではケース面接やフェルミ推定の例題・解説が多く掲載されているほか、問題集も出版されています。

これらを利用して、事前にケース面接の練習をしておきましょう。

制限時間を設定し、スマートフォンなどから情報を得ないなど、できるだけ本番に近い形で解答を作成します。

事前に練習しておくことで、論理的に解答を組み立てる流れが体感できるだけでなく、時間内に解答を作成するための時間配分なども把握できます。

できれば、解答を第三者に採点してもらい、ディスカッションまでできると理想的です。

大学の先輩など身近な人に依頼しても良いですが、大学のキャリアセンターで面接の練習をしてもらえる場合もあるため、相談してみると良いでしょう。

おわりに

ケース面接の出題パターンや解き方、準備しておくべきポイントを解説しました。

「ケース面接は難しそう」と苦手意識を抱く就活生も多いですが、出題パターンに合った解き方を身につけていれば、テーマが変わっても応用できます。

まずは解き方を身につけるため、フェルミ推定や解答作成の練習をしましょう。

ケース面接の解き方を身につけておけば、ケース面接を突破した先、コンサル業などで働くうえでも役に立つ可能性があります。

この記事も参考にして、ケース面接に挑んでください。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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