はじめに
就活を始めたばかりの皆さんの中には、思ったよりたくさんの書類を作成しなければならないことに驚いた方もいらっしゃるかもしれません。
応募した企業ごとに書類を提出しなければならないので、同じような書類を何通も作成することに早くも辟易している方もいらっしゃるでしょう。
ところで、就活で必要な書類にエントリーシートと履歴書がありますが、この違いはどこにあるかご存じですか。
そこで今回は、エントリーシートと履歴書の違いについてご説明します。
【エントリーシートと履歴書の違い】就活に使われるのはエントリーシート
エントリーシートと履歴書は記載内容が共通している部分がありますが、就活に使われるのはエントリーシートです。
そして、この2つの書類を1通にまとめるということはほとんどありません。
実は、それぞれ使用目的が異なるため、企業側は別々に取り扱わなければならないのです。
もちろん重複する内容であればどちらも同じ記載で構いません。
新卒の就活生の皆さんの選考に利用されるのはエントリーシートなので、しっかり書き方を学んでおきましょう。
履歴書とは?
履歴書は、学歴・職歴・賞罰などあなたの基本的な情報を記載したもので、人事が保管するための公的な書類です。
残念ながら採用されなかった場合、特に法律による規定はありませんが、本人に返却されるか6ヶ月間くらい保管されることが多いです。
無事に採用された場合だと、企業側はそこで働いている間はもちろんその人が退職した後3年間は履歴書を保存する義務があると、労働基準法に定められています。
ですから、企業側はその人が在職している間は必ず履歴書を廃棄することなく保管しておかないとなりません。
履歴書を保存する目的は、企業と応募者とのトラブルに備えるためです。
もし応募者の経歴詐称が発覚した場合、履歴書がその動かぬ証拠となるでしょう。
エントリーシートとは?
エントリーシートは採用過程において使用され、その内容で書類選考が行われることやその後の面接もそれをもとに質問されることがあります。
エントリーシートの出来は採否に大きく影響するため、例年多くの就活生が記述内容に頭を悩ませてきました。
企業によって少しずつ形式が異なりますが、特に志望動機と自己PRは頻出の質問で、どこの企業でも聞かれるといっても過言ではありません。
また、学生時代に力を入れたこと(通称ガクチカ)もエントリーシートでよく見られる質問です。
なお、エントリーシートと履歴書は内容が重複していても問題はありません。
両者に同じ項目があれば、履歴書にはエントリーシート内容を短くまとめたものを書いておきましょう。
【エントリーシートと履歴書の違い】手書きと印刷はどちらがいい?
ここで、毎年就活生を悩ませている問題があります。
それは、企業に提出するエントリーシートや履歴書は、手書きにするのが良いか、それとも印刷にするのが良いかということです。
就活生としては印刷したほうが楽ですが、それを企業がどう受け取るかが不透明なため、果たして印刷で良いのか迷ってしまうのでしょう。
誰かにアドバイスを求めても答えは人によってまちまちで、残念ながらはっきりとした解答はありませんが、注意点を以下にまとめました。
企業の指定に従う
企業から手書きもしくは印刷の指定があった場合はそれに従わなければなりません。
もしそれを無視してしまうと、企業の指示に従えない人だと思われてしまい、その後のステップに進めない可能性が高いです。
企業からの連絡や指示をよく確認し、不明点があれば必ず確認を取るようにしましょう。
企業が手書きのエントリーシートを指定する目的は、志望度の高い学生だけを集めることにあります。
現代の若者だと手書きに慣れていない人も多いですし、1文字でも間違えたら全部書き直しになってしまうなど、手書きのエントリーシートには面倒な印象があるでしょう。
それでも応募したいという熱意のある学生だけ集めておけば、企業としても採用選考を進めやすくなるのです。
指定がない場合には手書きが無難
エントリーシートに手書きや印刷の指定が特にない場合、どちらにしようか迷ったのであれば手書きをおすすめします。
インターネットやパソコン、そして印刷機が普及していない時代は、すべての書類を手書きしなければなりませんでした。
面倒だと思うかもしれませんが、当時はそれが普通だったのです。
そこから時代は変わりつつありますが、いまだに手書きを良しとする風潮は消えていません。
便利な時代にあえて手書きで提出することに志望者の本気度を見出そうとする採用担当者もいるかもしれません。
ただ、IT系のベンチャー企業であればそのような古い感覚とは無縁なことが多く、印刷のほうが好まれることもあります。
時代の最先端をいくベンチャー特有の企業風土と言えるでしょう。
印刷する場合の注意点
手書きや印刷の指定がなく、印刷したいという場合には手書きのものをコピーするという方法もありますが、一つ注意点があります。
それは、手書きしたものをコピーすると文字がかすんで読みづらくなるおそれがあるということです。
読みづらいものを提出するわけにはいかないので、コピーしたら見づらいところがないかよく確認してから提出してください。
また、すべてパソコンで作成するというやり方もあります。
パソコンでエントリーシートを作ることで、そういったパソコンスキルも同時にアピールできるため一石二鳥のやり方といっても良いでしょう。
どちらかというと老舗と呼ばれるような厳格な雰囲気のある企業よりは、若手社員が多く新しい社風の企業に向いていると言えます。
【エントリーシートと履歴書の違い】エントリーシートで聞かれる内容
企業によって少しの違いはありますが、どの企業のエントリーシートでもたいてい聞かれる鉄板の質問があります。
それは、志望動機・自己PR・学生時代に力を入れた経験・あなたの人柄にかんすることの4つです。
以上で挙げた項目はたいていの企業で質問されますので、回答の内容をきちんと練っておきましょう。
ここで答えた内容をもとに面接が行われることもあるので、提出前に自分用のコピーを一部取っておき、何を書いたか思い出せるようにしておきましょう。
志望動機について
就活生に志望動機を聞かない企業はまずありません。
質問の仕方は少しずつ異なりますが、どの企業でもどうして自社を志望したのかという質問を必ず用意しています。
この質問にどのように答えるかで企業は就活生の本気度を確かめようとしているのです。
同業他社でも通じるような表面的な志望動機では、採用選考を突破することはできません。
念入りに企業研究したうえで、その企業でしか成し得ない目標を掲げるなどしないと、本気で入社したいのだと思ってもらえないでしょう。
企業側は「この会社じゃないとだめなんだ」と思うくらい強く自社を志望している学生に出会いたいと考えているのです。
そういう採用担当者をうならせるような志望動機を作成しましょう。
自己PRについて
自己PRはあなたにはどんな強みがあるのかを紹介する項目です。
自分の長所とそれを裏付けるエピソードを通じて、あなたがどのようにその企業に貢献できるのかをアピールします。
自己PRで企業側が知りたいのは、あなたの能力やスキルだけではありません。
それを活かして自社にどのような利益をもたらしてくれるのかということが、企業が一番重視していることです。
ということは、どんなに立派な強みがあっても、それを職務で活かせないのであれば就活では意味がないということになります。
採用担当者に好印象を持ってもらうには、採用する企業側の視点に立ったアピールをしなければなりません。
内定につながる自己PRにするためには、自分自身を客観的に見つめ直すことも必要です。
学生時代に力を入れた経験
学生時代に力を入れた経験は、就活生の間ではガクチカとも呼ばれ、毎年これに頭を悩ませる学生が続出します。
自分の学生時代を振り返って、自信を持って「○○に力を入れた」と言える人は実はほんの一握りです。
ほとんどの人はいざ学生時代を振り返ってみると、大したことをして来なかったような気がして愕然とします。
しかし、学生時代に力を入れた経験はたとえば学生起業のような大掛かりなものでなくても構いません。
サークル活動やアルバイトなど誰もが経験してきたことでも、そこから学んだことを説明しましょう。
大切なのは、それが就職後にどのように活きてくるのかという将来の展望です。
自分がこれまでやってきたことに自信を持って答えてください。
あなたの人柄に関すること
エントリーシート全体を通して企業が知りたがっているのはあなたの人柄です。
応募者の人柄と採用するうえでのメリットを把握するために、全員にエントリーシートの提出を求めています。
人柄というのは書かれた内容だけでなく、手書きした場合であればその文字からも伝わるものです。
読む人のことを考えて文字の大きさなどにも配慮して読みやすく仕上げたエントリーシートからは、その人の几帳面さが伝わります。
几帳面な人は、クオリティの高い成果物が期待でき、丁寧な仕事ぶりから顧客や同僚からも信頼されるようになるでしょう。
顧客から信頼されれば、自社のサービスや製品を購入してもらえる可能性が高まるため、企業側に利益をもたらすことになります。
【エントリーシートと履歴書の違い】大学指定の履歴書やエントリーシートを利用する
エントリーシートは企業からフォーマットを指定されることが多いですが、履歴書に関しては特に指定がない場合もあります。
指定がない場合は、市販の履歴書を使うこともできますが、大学指定の履歴書がある場合はそれを使用しても良いでしょう。
大学指定の履歴書は購買などで購入できるはずです。
以下で大学指定の履歴書を利用する際のメリットとデメリットをご紹介します。
なお、アルバイト用の履歴書用紙は就活では使えませんのでご注意ください。
メリット
まず、学校指定と市販のいずれの履歴書を使用しても採否に影響はありません。
しかし、学校指定の履歴書には大学が必要な情報をすでに記入してくれているというメリットがあります。
また、扶養家族欄などほとんどの新卒の学生には必要ないと思われる項目が削られている代わりに大学で学んだことを書く欄があるなど、学生の就活に特化した構成も特徴的です。
大学指定の履歴書であれば使い回しもできるので、忙しい就活生には助かるのではないでしょうか。
また、学校名と校章が入っているものがほとんどなので、一目で出身大学がわかるという利点もあります。
ゼミや卒論の内容も書けるので大学での研究内容が就職先と深く関連してくる方には特におすすめです。
デメリット
大学指定の履歴書を使用する際のデメリットは、企業から別のフォーマットで記入を求められた時にそれに対応できない危険性があるところです。
学生に特化した大学指定の履歴書は書きやすさには定評がありますが、その分ほかのフォーマットに変更しにくいという側面を忘れてはいけません。
別のフォーマットで書かなければならない場合は、一から書き直しに近いことになるでしょう。
また、大学指定の履歴書は当然のことながらキャンパス内でしか売っていないので、万が一売り切れてしまった場合はどこでも買えません。
その点、市販の履歴書であればコンビニでも買えるので、深夜に書き損じてしまってもう新しい用紙が残っていないという時などにも大変便利です。
まとめ
エントリーシートと履歴書はどちらも企業に提出する書類ですが、就活で主に使うのはエントリーシートです。
作成には手書きと印刷の2種類の方法があり、迷ったら手書きをおすすめしますが、企業から指定がある場合はもちろんそれに従ってください。
エントリーシートの形式は企業ごとに異なりますが、志望動機・自己PRなどはどこでも聞かれる質問です。
採否に直結する質問ですので、自分を採用することでどのようなメリットが企業にあるのかという観点で答えましょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート