『エントリーシートにアルバイト欄があるが,何を書けばいいのかわからない...。』
『どんな形式で書けばいいのかが不安...。』
『アルバイト経験をアピールしたいけど、どんなことを書けばいいの?』
そういった方は多いのではないでしょうか?
実はエントリーシートのアルバイト欄の書き方は、間違って覚えてしまっている方が少なくありません。
この記事では、エントリーシートにアルバイトを記載する際の正しい書き方と、その記入例を解説します。
また、アルバイトを書くことで合否にどんな影響があるのかも解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
- エントリーシートのアルバイト欄にどのように記入すれば良いか知りたい人
- アルバイト経験を企業に魅力的に伝える方法を学びたい人
- アルバイト経験を具体的に伝える際の注意点を知りたい人
目次[目次を全て表示する]
【アルバイト経験の書き方】人事は何を見ている?
採用担当者側が、エントリーシートでアルバイト経験について聞く理由を紹介します。
多くの学生は、アルバイト先の仕事と入社後の仕事がそのままリンクしないでしょう。
アルバイト先にそのまま就職させてもらったという場合以外、就職後はまた一から仕事を覚え直すことになります。
それでも企業は、学生にアルバイトでどんな経験をしたかを質問する傾向が強いです。
多くの学生が自社の業務内容と違うアルバイトについて答えるはずですが、アルバイトの質問がなされるのはなぜでしょうか。
採用担当者がアルバイト経験の質問を通して知りたいことを、以下の見出しで3点紹介します。
この理由について理解できれば、アルバイト経験でどんなアピールをすれば良いかを知る手掛かりにもなるでしょう。
1. 仕事への向き合い方を知りたい
最初の理由は、その学生が仕事にどのようなスタンスで向き合ってきたかを知りたいというものです。
企業が雇用する社員に対し、勤務態度がまじめであってほしいと願うのは当然でしょう。
それに加えて採用担当者は、どんな点に仕事のやりがいを感じていたか、どんな努力をしてきたかを知ることで学生が自社の社風に合っているかを知りたいと考えています。
ほとんどの企業にとって、自社の社風に合う、合わないはかなり大切な採用基準となるのでこの点は非常に重要です。
2. アルバイトからどんなことを学んだか知りたい
続いて、アルバイトを通してどんなことを学んだかを知りたいというのも企業が学生にアルバイト経験を問う理由と言えます。
就職は内定を得たらそこで終わりというものではなく、その後もスキルアップはリタイアするまで続いていくものです。
仕事での学びを通して成長できる人材でなければ、長い社会人生活で役に立つことは難しいでしょう。
アルバイトでの成長体験は、その可能性を知る試金石となります。
たとえアルバイトの業種・仕事内容が違っても、成長余地が高く、キャパシティが大きいと感じられる学生は企業にとって魅力的です。
3. 忍耐力があるか知りたい
アルバイトでも、長期間働くとなれば我慢しなければならないこと、覚えなければならないことがたくさんあります。
しかしアルバイトは世の中にあふれているので、学生は辞めようと思えば簡単に辞めて次を探せるのも事実です。
しかし、正社員として就職となればそうはいきません。
アルバイトで辛いことがあっても耐えられる人材なのか、粘り強く仕事に向かっていけるかを採用担当者は知りたがっています。
1つのアルバイトをずっと続けてきた方は、そのこと自体もアピール材料となるでしょう。
【アルバイト経験の書き方】アルバイト経験から企業が知りたいこと
続いて、アルバイト経験から企業が知りたいと考えていることが何かについても理解を深めていきましょう。
企業はあなたの経験について尋ねることを通じて、様々なことを知りたいと考えていますが、主に知りたいと考えている項目は以下の3つです。
社風に合っているか
企業がアルバイト経験から最も知りたいことの1つは「応募者が自社の社風に合っているかどうか」です。
企業は自社の風土や働き方に適応できる人材を求めているため、応募者のアルバイト経験がどのような環境で行われていたか、そこでどのように行動していたかを詳しく知りたがります。
例えば、チームワークを大切にする企業であれば、アルバイトで他のスタッフと協力して問題を解決した経験や、積極的にコミュニケーションを取って業務を円滑に進めたエピソードなどが評価されます。
また、企業が重視する価値観に共感できるかどうかも重要です。
例えば「顧客第一主義」を掲げる企業であれば、アルバイトで顧客対応に力を入れ、顧客満足度を向上させるためにどのような工夫をしたのかを具体的に伝えることを推奨します。
アルバイト経験で培った経験やスキル
企業は応募者がアルバイト経験を通じて培ったスキルが自社の業務にどのように活かせるかを知りたがっています。
例えば、接客業で培ったコミュニケーションスキルや問題解決のために自ら考えて行動した経験は多くの職種で評価されるポイントです。
特に、業務改善の提案やお客様からのフィードバックを受けてサービスを向上させた経験などは「自ら考え、行動する力がある」ことを示す良いエピソードです。
また、アルバイトで得たスキルをどのように新しい職場で活かすつもりなのかを具体的に伝えることが重要です。
例えば「アルバイトでのリーダー経験を通じて培った調整力を、貴社のプロジェクトマネジメントに活かしたい」といった形で、具体的な活用方法を示すことで、面接官に対して「即戦力として活躍できる」という印象を与えられます。
アルバイト経験で得た自己成長
アルバイト経験を通じて得た自己成長のエピソードは、企業が最も知りたい重要な要素の1つです。
企業は成長意欲のある人材を高く評価します。
したがって、アルバイト経験を通じてどのような成長を遂げたのか、具体的な行動や思考の変化を示すことが求められます。
単にアルバイトで得た成果を述べるだけでなく、その過程で何を学び、どのように自分が変わったのかを伝え、面接官に対して成長意欲が強いことをアピールしましょう。
さらに、失敗から学んだ教訓や、そこからどのように改善を図ったかを具体的に示すことで、面接官に対して「この人は成長を続ける人材だ」という印象を与えることもできます。
自分の強みやポテンシャルをアピールし、面接官に「この人ならさらに成長してくれる」と思われるようなアピールをしましょう。
【アルバイト経験の書き方】アルバイト経験からアピールできるスキル
もちろん、それぞれアルバイトにおいて身につけた能力は異なることでしょうが、どのようなアルバイトをしていた人でもアピールできる可能性が高いスキルは以下の3つです。
以下の3つはいわゆる「ポータブルスキル」と呼ばれる、どのような職場でも求められる活用しやすい能力であるため、積極的にアピールすることを推奨します。
リーダーシップ
アルバイト経験からアピールできるスキルの1つにリーダーシップがあります。
特にバイトリーダーや責任のあるポジションを任されると、チームをまとめ、目標達成に向けてメンバーを導く力が求められます。
リーダーには「ただの指示出し」ではなく、メンバー一人ひとりの状況を理解し、適切なサポートやモチベーションアップを図ることが必要です。
例えば、スタッフ間のコミュニケーションが不足していると感じた際に、自らミーティングを提案し、意見交換の場を設けることで業務の効率化を図るなど、リーダーシップを発揮したエピソードは大きなアピールポイントとなります。
ぜひ、あなたがリーダーとして何か率先して行動した経験があるなら、アピールしましょう。
柔軟な対応力
接客業やサービス業などのアルバイト経験を通じて身につく柔軟な対応力も、企業にとって非常に評価されるスキルの1つです。
接客業では予期せぬ出来事や多様な顧客対応が頻繁に発生するため、その場の状況に応じた迅速かつ的確な判断が求められます。
例えば、突然のクレームに対応する際には冷静に顧客の声に耳を傾け、適切な対処方法を考えなければなりません。
こうした経験を積むことで、困難な状況でも焦らずに対応できるメンタルの強さや、柔軟な思考力が培われます。
また、柔軟な対応力は社内外のコミュニケーションでも役立ちます。
柔軟な対応力があれば、プロジェクトの進行中に予期せぬ問題が発生した場合でも冷静に対応し、チームメンバーと協力して解決策を見つけられます。
そして、顧客と接する中で相手のニーズや状況を理解し、それに応じた対応ができることも、多くの業界で重要なスキルです。
継続力
継続力は長期間にわたってアルバイトを続けていることで得られる大きな強みです。
企業は一度取り組んだことを諦めずに続ける姿勢や、困難な状況においても粘り強く取り組む力を重視しています。
長期間のアルバイト経験は仕事に対する誠実さや忍耐力を示すものであり、企業に対しても安心感を与えられる要素です。
また、継続的に働きながらスキルアップを図る姿勢は自らの成長を意識し、主体的に行動できる人物像を印象付けるため、面接官にも良い印象を与えられます。
アルバイト経験で得た継続力を具体的に示し、入社後も粘り強く取り組む姿勢をアピールして、自分の信頼性と成長意欲をしっかりと伝えましょう。
【アルバイト経験の書き方】アピールする時はこれを考えよう!
続いて、エントリーシートのアルバイト欄でアピールする際の考え方について紹介します。
同じアルバイトをしていた学生であっても、そのアルバイトにどのように取り組んできたかは千差万別です。
どんな壁にぶつかり悩んできたか・何を学んでその後に活かすことができたかも違いが出るでしょう。
何をアピールすれば良いか迷った時は、まず以下の3項目を頭に入れて記入することをおすすめします。
これらの項目に沿った書き方をすれば、多くの学生が経験しているアルバイトでも十分なアピールが可能です。
逆にアルバイトの内容・業績だけで個性を際立たせられる学生はほとんどいないので、自分のアルバイト経験が「平凡」だからといってがっかりする必要はありません。
結果ではなく過程
まずはアピールにおいて、結果ではなくその過程に重点を置いて書くことが大切です。
売上がいくら上がったという数字を示すことは、確かにその学生の努力の証として意味があります。
アルバイトでも責任感を持って目標を設定し、その達成に向けて粘り強く努力してきたという勤務態度も評価対象となるでしょう。
しかし、企業が知りたいのは学生が何を考え、どのように実行してきたかです。
その結果に至るまでどのような努力をしてきたかの過程を、より詳細に、よりわかりやすく伝えられる文章を目指しましょう。
どんな壁にぶつかったのか
続いて、アルバイト先でどんな壁にぶつかったのか、どんな苦労を経験したかもアピール材料となります。
この点は、学生が困難に直面した時にどのように壁を乗り越えられる人間かを見るために非常に重要です。
社会人になると、アルバイトの時以上に壁に当たる経験を多くすることになるでしょう。
そんな時でも諦めずに仕事に向き合えること、壁を乗り越える強さを持っていることをアピールできれば、内定を得られる可能性が大きく上がります。
何が得られたのか
最後に、アルバイト経験から何を学んだのかも上手にアピールしていきましょう。
ここで大切なのは、その学んだことが入社後にどのように活かせるかもあわせて記載することです。
仕事内容・業界が違っても、「問題解決力」「チームワーク」「コミュニケーション能力」などアルバイト・社会人に共通して求められるスキルはたくさんあります。
アルバイト経験でこれらのスキルが磨かれたと感じたのなら、ぜひこのスキルを社会人経験でも活用したいと抱負を述べてアピールしていきましょう。
【アルバイト経験の書き方】アルバイト経験を使用するメリット
アルバイト経験を自己PRに活用する際のメリットについても紹介します。
以下の3つのメリットを抑えた上で、自己PRを作成することで、よりあなたの経験を魅力的なものとしてアピールできます。
ぜひ、それぞれ参考にしてみてください。
実務経験があるため即戦力として期待させる
アルバイト経験を自己PRに活用する大きなメリットの1つは、実務経験を通じて即戦力としてのアピールができる点です。
アルバイトを通じて業務に携わることで、仕事に必要なスキルやノウハウを自然と身につけられます。
例えば、接客業であれば顧客対応のスキルやクレーム処理の方法を、事務系の仕事であればデータ入力や書類整理といった基礎的な事務作業をこなす力を身につけられます。
このような経験があると新卒採用においても即戦力として評価されやすく、特に同じ業界でのアルバイト経験がある場合、業務の理解度や適応力が高いと判断されるでしょう。
また、アルバイトを通じて身につけた社会人としての基本的なマナーやビジネスマナーも即戦力の一環として評価されます。
例えば、電話応対やメールの作成方法、ビジネスの基本的な礼儀などはアルバイトでの経験がそのまま社会人としての業務に活かされるため、大きなアドバンテージとなります。
業界理解度の高さを強調できる
その業界に対する知識や理解度が高いことを強調できるのも大きなメリットです。
同じ業界でのアルバイト経験がある場合、業界特有の動向や課題、現場での問題点を身をもって知ることができ、それに対する解決策や改善の提案を行うことも可能です。
例えば、アパレル業界でのアルバイト経験がある場合、商品の陳列方法や売上向上のための施策、顧客の購買傾向など、実際に現場で得た知識をもとに具体的な意見を述べられます。
これは非常に説得力のあるアピールとなり、他の応募者との差別化を図る要素となります。
また、業界理解が深いことは面接の場でも企業への興味や意欲を強く示せる要素です。
自分がどのようにその業界で役立てるのか、将来的にどのような貢献ができるのかを具体的に伝えることで、面接官に対して強い印象を与えることが可能です。
そして、可能であれば業界のトレンドや競合他社の動向についても触れることで、自分が「ただのアルバイト経験者」ではなく「その業界の深い理解を持った人材」であることを示せます。
失敗や挫折を通して成長をアピールできる
失敗や挫折を乗り越えたエピソードを自己PRに活用することも、自分の成長をアピールする方法の1つです。
特に仕事の中で経験した困難や失敗から得た教訓を語ることで、問題解決能力や忍耐力を示せます。
例えば「クレーム対応に苦労し、初めはお客様に満足してもらえなかったが、その経験を活かして迅速な対応方法を学び、次からはより冷静に対処できるようになった」といったエピソードは「単なる経験」ではなく「成長の証」として伝えられます。
企業は「最初から完璧な人材」よりも「失敗から学び、それを次に活かせる成長意欲の高い人材」を求めていることが多いです。
失敗や挫折を経験することで自己分析が深まり、自分の弱点や改善点を認識できるため、それを乗り越えるための行動を取ることができる姿勢も評価されるでしょう。
【アルバイト経験の書き方】アルバイト経験を使用するデメリット
続いて、アルバイト経験を自己PRに活用する際のデメリットについても理解を深めておきましょう。
以下の3つのポイントを意識せずに作成してしまうと、気づかずにマイナスな印象を与えてしまう可能性があります。
ぜひ、以下の3点を念頭に置いて自己PRを作成することを心がけてください。
アルバイトと正社員の認識のズレがある可能性がある
アルバイト経験を自己PRに使用する際のデメリットの1つは、アルバイトと正社員の認識のズレです。
同じ業界でのアルバイト経験がある場合は「今までやってきたことをそのまま活かせば良い」と考えがちですが、正社員とアルバイトの業務には大きな違いがあります。
アルバイトは決められた範囲の業務に集中することが多いのに対し、正社員はより広範なタスクを担当し、責任も格段に重くなります。
そのため、面接官に「この人は正社員としての業務を理解しているのか?」という懸念を抱かれることがあります。
そのため、アルバイトでの経験を強調しすぎると「この人はアルバイトの延長線上でしか仕事を捉えていないのではないか」という印象を与えかねません。
正社員として求められる視点の違いや、業務への深い理解を示すことができなければ、アルバイト経験をアピールすることが逆効果になる場合があります。
したがって、アルバイト経験を語る際には「ただの業務経験」にとどまらず「正社員としても通用する視野の広さ」や「責任感」を意識してアピールすることが重要です。
志望度が低く見える
アルバイト経験を自己PRに使用する場合、場合によっては志望度が低く見えるリスクがあります。
特に、志望する業界とは異なる分野でのアルバイト経験をアピールすると面接官は「本当にこの業界に興味があるのだろうか?」と疑問を持たれるでしょう。
例えば、飲食店でのアルバイト経験をIT業界でアピールする際に具体的な業務内容ばかりを強調すると「飲食業への興味の方が強いのではないか」と受け取られかねません。
その結果、志望度が低く、他の業界に興味があるのではないかという印象を与えてしまい、選考を不利に進めてしまう可能性があります。
したがって、違う業界でのアルバイト経験を話す際は、業務内容そのものではなく、その経験を通じて身につけたスキルや能力がどのように志望する業界で役立つのかを具体的に示すことが必要です。
専門的すぎると印象が薄くなる
アルバイト経験が専門的な内容である場合、逆に面接官にとってその経験が具体的にどのように役立つのかがわかりづらく、印象が薄くなる可能性があります。
例えば、特定の技術や専門的な業務に特化したアルバイト経験を強調すると、面接官がその内容を十分に理解できず、実際に入社した時の活躍イメージが湧きません。
特に、企業が求めているスキルや業務内容と直接関係がない場合、そのアルバイト経験は「業務にあまり役立たないのではないか」と判断されることがあります。
また、専門的な業務を細かく説明しすぎると、面接官との間に温度差が生じ、かえって自己PRが伝わりにくくなってしまいます。
このような懸念がある経験の場合は、コミュニケーション能力や問題解決能力、論理的思考力などの、どのような仕事でも活用できる「ポータブルスキル」をアピールしましょう。
【アルバイト経験の書き方】アルバイト歴を記入する際の注意点
続いて、アルバイト歴を記載する際の注意点をいくつか紹介します。
1つのアルバイトを集中して続けてきた方は、あまりこの欄で書くことに困らないのではないでしょうか。
しかし複数のアルバイトを経験してきた方は、この欄を書く際に注意する必要があります。
この欄は「アピール」というより自己紹介の向きが強いので、無理にアピールしようとせず簡潔に記入なさってください。
また飲食店・コンビニ・塾や家庭教師といった一般的なアルバイトではなく、珍しいアルバイトに従事してきた方も注意が必要です。
アルバイト歴自体が悪い印象とならないか、書いてもアルバイト先に迷惑がかからないかなど留意する必要があります。
以下の点について注意しながら、慎重に記入しましょう。
具体的な名称は避ける
最初に、具体的な企業名・店舗名などの名称を避けるようにすることが大切です。
書いてはいけないというルールがあるわけではありませんが、アルバイト先などによっては守秘義務がある場合もあります。
また、受ける企業がそのアルバイト先の親会社・グループ会社と競合している可能性も少なくありません。
店舗名などを伏せてもアピールで困ることはありませんので、「ファーストフード店での接客・キッチン業務」など仕事内容だけを記入するようにしましょう。
事実のみ伝える
次に、この欄では事実のみを客観的に伝えることも基本です。
書いておく内容は仕事内容といつからいつまで働いていたのかで十分で、それ以上の事柄は必要ありません。
勤務先での〇〇一位となり表彰された、といった事柄はその他の欄でアピールするようにします。
アルバイト歴についても質問しているエントリーシートなら、その他の「自己アピール」といった項目で具体的なエピソードを書くチャンスが与えられているでしょう。
この欄はシンプル・簡潔を心がけて記入なさってください。
伝えてもいいアルバイトか確認する
最後に、エントリーシートに記載しても良いアルバイトか確認することが大切です。
アルバイトによっては、「その仕事でアルバイトの学生を募集していた」ということ自体が企業の大切な情報であったということも考えられます。
コンビニのレジ打ちなど一般的なアルバイトでは心配ありませんが、書いても大丈夫なアルバイトか心配な時は念のため勤務先に確認しましょう。
また、採用担当者に悪い印象を与えかねないアルバイトもあります。
詳しくは次の「記入しないほうが良いアルバイト」という見出しで紹介しますのでご確認ください。
【アルバイト経験の書き方】アピールする時の正しい構成
次に、エントリーシートのアルバイト欄で効果的にアピールするための文章構成について考えていきます。
多くの方にとって、エントリーシートは初めて就職活動で具体的に「アピール文」を書く機会となるはずです。
まだ上手に文章を作れないという方も多いはずですが、練習や推敲を重ねて上達していくようにしましょう。
何度か試行錯誤していくうちに、文章のわかりやすさは確実に上がっていきます。
一人で考えるだけでなく、別の方に文章を評価してもらうことも重要です。
就職サポートが充実している大学なら、エントリーシートや履歴書の添削といったサービスをしてくれることもあります。
文章構成・内容に迷った時は、就職活動に成功した先輩や友人の意見も取り入れることをおすすめします。
結論
どんな内容でアピールするにあたっても、最初に書く文章は「結論」と決まっています。
具体的には、「私は〇〇のアルバイトで××力を磨いてきました」「私が学生時代に一番力を入れていたのは〇〇のアルバイトです」といった文です。
エントリーシートは非常に多くの学生が提出するので、採用担当者もすべての項目をじっくりチェックする余裕はありません。
最初に明確に結論を述べ、パッと目を通しただけでもアピールしたい内容がわかるようにしておきましょう。
根拠
結論の次に、その結論を補強するためのエピソードを紹介します。
「アピールする際の考え方」という見出しでも紹介した通り、この部分を記入する時はどのように壁を乗り越えたか、どんな過程を経てきたかをわかりやすく説明しましょう。
もちろん、その前には自分が苦労した「壁」についてもわかりやすく紹介しなければなりません。
短い文章で的確にアピールするのはなかなか習熟を要するので、ここをいかに上手にまとめられるかが勝負どころです。
企業でどのように活かすのか
自己PRなどで「何を学んできたか」を書く際には、入社後どのようにその経験を活かせるかをアピールするようにしましょう。
全く同じやり方で入社後も仕事ができるというわけではありませんが、周りの方に助けを求めながら上手にスケジューリングする・聞く力を活かしてコミュニケーションを取るといったことはほとんどの仕事で役立ちます。
そうした普遍的なビジネススキル、コミュニケーションスキルが磨かれてきたことをアピールできれば、良い印象を与えられる可能性が高いです。
結論
最後にもう一度、結論を述べて締めくくりましょう。
「企業でどのように活かすのか」がそのまま結論となることもあります。
たとえば最初に「計画を立てて行動できる能力」が磨かれたとアピールする場合、最後に「入社後もアルバイトを通して得た学びを活かし、忙しい時期でも計画を立て柔軟に行動することで貴社の力になりたいと考えております」といった形で結べるでしょう。
結論で始まり根拠につなぎ最後にもう一度に立ち返るというスタイルは、アルバイト以外のアピールでも使える文章構成です。
【アルバイト経験の書き方】アルバイト別のアピール例文
続いて、代表的なアルバイト経験に関するアピール内容について例文とそのポイントを紹介します。
紹介するのは、カフェ・居酒屋・塾講師・長期インターンのアルバイトです。
前者3つはかなり多くの学生が経験しているアルバイトですが、そこから得た学びは学生によって違いがあるでしょう。
自己分析では平凡な経験だと決めつけず、そのアルバイトから貴重なアピール材料が得られないか考えてみてください。
もちろん、以下で取り上げる「対人」のアルバイト以外でもアピールは十分可能です。
結論ファーストで書き入社後のイメージにもつなげる文章構成は、どんなアルバイト経験でアピールする場合でも役立ちます。
以下の例文を参考に、自分のアルバイト経験に置き換えて文章を作ってみましょう。
カフェ
多くの学生が経験するカフェのアルバイト経験も、上手に文章を作れば非常に良いアピールとなります。
カフェのアルバイトの特徴は、接客業務でも居酒屋などと違い店員の接客もカフェのコンセプトの一部としてお客さんに見られているという点です。
勤務先のカフェにやってくる客層にとって居心地の良い接客となるようどんな工夫をしてきたか、積極的にアピールしていきましょう。
もし新人スタッフの指導・シフト管理といったマネジメント経験まであれば、より強いアピール材料となります。
企業によっては新人でもアルバイトやパート社員らの上に立って指導する立場となるよう求められることがあるので、学生のうちからマネジメント経験があることは大きな強みです。
シフト管理を任せられる立場となり、他のバイトとスケジュール調整をしなければならなくなったことで先を見越して計画を立てる力を磨いてきました。
この業務を任された当初はできるだけ不満なく働いてもらおうとしすぎて、期日ぎりぎりまでシフトが決まらず苦労したこともあります。
前もって試験期間・同僚バイトのサークル合宿といったイベント期間を把握しておくこと、休み希望が多くなりそうな日を前もって考えて早めにシフトに入ってくれるようお願いしておくことなどを心がけるようにして仕事がスムーズになりました。
入社後も周りの方の意見を早めに聞くことや先にどんな予定があるかを見越して行動するといったことを心がけ、貴社の役に立てるよう努力したいと考えております。
居酒屋
居酒屋のアルバイトに求められることといえば、やはりピーク時に臨機応変な対応をすることでしょう。
食器の片づけ、お客さんから呼ばれてのオーダーやレジ打ちなど、とっさに優先順位をつけて行動しなければお客さんから不満やクレームが出ることもあります。
効率よく仕事ができるようになるため、どんな努力をしてきたか振り返ってみましょう。
こうした経験は社会人になってからも活かすことができるので、居酒屋のアルバイトも効果的なアピール材料です。
現在勤務している店はコースではなく予約なしで来店しお酒や料理をオーダーする客が多いので、どのテーブルから声が掛かるかを気にかけながら常に仕事をする必要があります。
最初はピーク時の忙しさについていくのが大変でしたが、少しでも余裕ができた時に「オーダーはありませんか」「次のお飲み物はいかがですか」など自分から声掛けをするようにしていくように努めるようにしてきました。
貴社に入社できた時も、自分にその時その時求められている仕事が何かを常に考え自分から周りの方に声を掛けて動ける柔軟なビジネスマンになりたいと考えております。
塾講師
塾講師も、意外と多くの大学生が経験しているアルバイトです。
このアルバイトではただ決められたカリキュラムの授業をするだけでなく、その前後に課題を発見し次の授業にどのように活かすかも求められています。
そのため塾講師はどこに課題があるかを自分で発見する力や、課題解決の方法を模索する力をアピールできるアルバイトでしょう。
生徒の成績が数字という結果でわかりやすく出るため、根拠をわかりやすく示しやすい点も就職活動のアピール材料向きです。
私の担当するクラスでは、学習意欲があまりなく親の意向でとりあえず来ているという生徒が何人かいたのが大きな問題でした。
課題を出してもやってこない、ほかの生徒の答えを写すだけでは意味がないので、この生徒たちを引き出すために「目標を共有する」ことを第一に考えました。
〇〇高校の合格ライン到達に向け英語を後10点上げるといった目標を講師の私も共有することで、本当に生徒のために課題を出しているということを理解してもらうことができたのは大きな喜びです。
今はクラス全員が毎週課題を提出してくれるようになり、定期試験の平均点もクラス全体で5点上昇しました。
入社後もこの課題発見・解決のプロセスから得た経験を忘れず、常に高い目標を持って仕事に臨むつもりです。
長期インターン
長期インターンは全学生の3%ほどしか経験していないアルバイトですが、非常に効果的なアピール材料となります。
企業で社会人と並んで働くという特殊なチャンスなので、普通のアルバイト以上にそこから「何を学んだか」が求められる経験です。
業界・業種についてより詳しくなるために参加したのか、ビジネススキルを磨くために参加したのか目的意識と学習成果を結びつけて説明しましょう。
志望先企業のインターンプログラムでなくても、参加する際の目的意識が志望動機とはっきり結びついているのであれば決して悪い印象とはなりません。
むしろ長期インターンを通してより「御社で働きたい」という気持ちが強くなったのなら、その理由をわかりやすくはっきりと伝えることが大切です。
もともと人の相談に乗ることや人助けをできる仕事をしたいと考えており、営業の仕事に興味を持ってインターンを志望しました。
しかし、実際にインターンで仕事をしてみると、寄せられる相談内容がそのままクライアントが抱える「本当の課題」とは限らないということに気付きかなり最初は苦労しています。
そのため、先輩社員と相談し、より提案する内容を複数用意してどの提案に一番強く関心を示すかでその後の営業方針を変えるようにしてきました。
その結果担当先とより信頼関係を強くし、アシスタントとして先輩社員の成約に貢献できた経験ができています。
入社後も相手の課題に寄り添う営業マンとなり、少しでも早く貴社の売上に貢献できるよう成長したいです。
【アルバイト経験の書き方】アルバイト経験の文字数別の例文
続いて、アルバイト経験をアピールする自己PRの例文を文字数別に紹介します。
就活においては300文字から400文字程度の自己PRを求められることが多いですが、文字数が少なめの自己PRも書けるようになっておくことで、いざという時にもスムーズに対応できます。
150字
私はコンビニエンスストアのアルバイトで接客力と業務改善力を身につけました。
特にレジ周りの業務効率が悪いと感じ、混雑時にはお客様を待たせることが多かったため、自ら陳列棚の配置を見直し、レジ周辺の動線を改善しました。
この工夫により、ピーク時の待ち時間を短縮でき、お客様からの評価も向上しました。
この経験から、業務の効率化と現場での改善意識の大切さを学びました。
200字
私はアパレルショップでのアルバイトを通じて、販売力と顧客対応力を高めました。
店内の売上が伸び悩んでいた際、私は積極的に商品の魅力を引き出すディスプレイ変更を提案し、実施しました。
また、お客様一人ひとりに寄り添った接客を心がけ、ニーズに合った提案を行うことで、リピーターの増加に貢献しました。
その結果、月間売上目標を達成するだけでなく、店長からも「顧客満足度を高めた」と評価されました。
この経験を通じて、販売戦略とコミュニケーションの重要性を学びました。
300字
私は塾講師のアルバイトを通じて、生徒一人ひとりに合った指導法の開発と責任感を学びました。
特に成績が伸び悩んでいた生徒に対しては独自の学習プランを提案しました。
授業外でもフォローアップを行い、定期的なテストの結果を見ながらプランを修正していくことで、生徒の成績は飛躍的に向上しました。
この取り組みが評価され、多くの生徒の担当を任されることとなり、さらに責任感が高まりました。
この経験を通じて、問題解決力とリーダーシップを身につけ、柔軟な対応と生徒に寄り添った指導の大切さを実感しました。
今後もこの経験を活かして、将来的には貴社でリーダーとして周囲に最適なサポートを提供できるよう努めていきたいと考えています。
400字
私はイベントスタッフとして働く中で、臨機応変な対応力とチームワークの大切さを学びました。
特に大型のイベントでは予期せぬトラブルが発生し、迅速な対応が求められる場面が多々ありました。
そこで私は現場の状況を把握し、他のスタッフと連携して問題を解決するための役割分担を提案しました。
例えば、急遽必要となった機材の手配や、混雑するエリアの誘導など、細かな調整を行いながら全体の進行をサポートしました。
また、お客様からのクレーム対応にも積極的に関わり、冷静な対応と迅速なフォローを心がけた結果、トラブルを未然に防ぐことができました。
これにより、イベントの成功に大きく貢献し、クライアントからも感謝の言葉をいただきました。
この経験を通じて、チームとしての連携の重要性と、現場での即応力を磨くことができました。
貴社に入社した際には、事務職としての業務を全うしつつ、トラブルが発生した際には臨機応変に対応し、貢献したいと考えています。
【アルバイト経験の書き方】アルバイト経験のNG例文
続いて、アルバイト経験をアピールするにあたって、あまりおすすめできないNGの例文を2つ紹介します。
以下のような特徴が当てはまってしまう自己PRは、マイナスな印象を与えてしまう可能性が高いです。
もし自己PRをすでに完成させている場合は、ぜひ以下の2つの例文と照らし合わせて共通点がないか確認し、もし共通点がある場合は修正することを推奨します。
具体的なエピソードがない
私の強みはアルバイト経験を通じて身につけたコミュニケーション能力です。
コミュニケーション能力はどのような職場においても重要視されていますが、特に貴社のようなベンチャー企業においては様々なメンバーと関わることが多いため、重要であると考えています。
貴社のプロジェクトにおいては複数のメンバーで取り組むことが多く、それぞれが連携を取らなければ最善の結果を収めることができません。
そこで、私がアルバイト経験を通じて身につけた積極的なコミュニケーション能力が活かせると考えています。
このコミュニケーション能力を活かして、情報伝達や意見交換がスムーズに進むようにし、貴社のプロジェクト成功に貢献したいと考えています。
苦労話だけに焦点を当て、成果や成長を示さない
私の強みは、塾講師のアルバイト経験を通じて身につけた指導力です。
私が指導していた生徒の多くは勉強が非常に苦手であり、学校にあまり行かない、宿題もこなさないなど、勉強に対して非常に後ろ向きな生徒が多くいました。
塾の時間がほとんど学校の宿題を終わらせるための時間になってしまい、なかなか想定通りの授業ができず、困り果てていました。
しかし、根は優しい子ばかりであることは理解していたため、なんとかして勉強に興味を持ってもらえるようにと様々な工夫を凝らしました。
このような経験を通じて身につけた指導力を活かして、貴社においても将来的にはリーダーとして活躍したいと考えています。
【アルバイト経験の書き方】記入しないほうが良いアルバイト
続いて、エントリーシートのアルバイト欄に記入することをおすすめしないアルバイトについてチェックしていきます。
もちろん、以下のアルバイトをすることが悪いというわけではありません。
その経験が入社後に役立つ可能性も十分考えられます。
しかし、志望先の業種・社風などによっては、学生が働いてきたアルバイト先に決して良くない印象を持たれてしまう可能性もあるので注意が必要です。
特に以下で紹介する2つの業種は、記入しないようにすることをおすすめします。
どちらも決して珍しいアルバイト先ではなく、大学生のうちにそのアルバイトを経験していてもおかしくありません。
エントリーシートを記入する際も、疑問を感じず書いてしまう方がいるので注意が必要です。
ギャンブル店でのアルバイト
まずはパチンコ・麻雀店といったギャンブルに関連するアルバイトです。
最近は反社会的な組織と一切関係ない、健全な運営をしている企業もたくさんあります。
しかし、パチンコ・麻雀など公営でないものはギャンブル自体がいわゆる「グレーゾーン」ですので、良い印象を受けない方も多いです。
特にコンプライアンス重視の企業・伝統ある企業・銀行やインフラといったいわゆる「堅い」業種の企業などに志望する際は、これらのアルバイトを書かないようにしましょう。
夜職系のアルバイト
続いて、夜職のアルバイトも注意が必要です。
こちらも偏見を持っている方が決して少なくないので、ほかのアルバイト経験がないならそちらでのアピールを優先しましょう。
夜職は「社交」について学べる場でもあり、その経験自体は社会人となってから活かせることが珍しくありません。
しかし就職試験を受ける際は、そのアルバイト経験についてわざわざ触れないほうが賢明でしょう。
業界・社風などを考えて、悪印象を与える可能性を感じた時は書くのを控えてください。
【アルバイト経験の書き方】まとめ
企業によっては、エントリーシートは記載項目が非常に多く何でアピールしたら良いか迷う方もいるでしょう。
アルバイトは多くの学生が経験していることであるうえ、ビジネス面で役立つ自分の長所とつなげやすい話題のため一番アピールしやすい材料の一つです。
居酒屋など多くの学生がやっている一般的なアルバイトでも、その仕事でどのように活躍できたか・どのように成長できたかでほかの学生と差をつけましょう。
エントリーシートで記入したアルバイト経験は、そのまま履歴書や面接の時にもアピールする材料となります。
エントリーシート・筆記試験といった選考を通過できた時はエントリーシートを振り返り、その記入内容と矛盾のないアピールができるよう注意してください。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート