志望動機の考え方・書き方とは?参考にしやすい例文やNG例も多数紹介

志望動機の考え方・書き方とは?参考にしやすい例文やNG例も多数紹介

はじめに

「志望動機が思い浮かばない」
「志望動機に何を書けばいいかわからない」

書類選考や面接などで問われることが多い志望動機に、悩まされる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、実際に志望動機を考える際のコツや書き方について、またNG例についても解説しています。

さらに、参考にしたい例文を5つ紹介しています。5つそれぞれ業種や状況の異なる例文のため、まずは自分に近いものを参考にしてみてはいかがでしょうか。

これから志望動機を書く人や、書いたもののこれでいいのかわからないという人は、内容や書き方についてのヒントを得ることができます。

この記事を参考に、企業にとって魅力的な志望動機を書きましょう。

志望動機を聞かれる理由とは?

志望動機を聞くことで、会社への思いの強さや会社のビジョンに合う人物かどうかということを確認しています。

給与や福利厚生という条件を魅力的に思い応募した人と、きちんと企業研究をして準備している人かどうかは志望動機に表れやすいため、その他の条件や能力に大差がない場合、自社への思いが強い人が選ばれる傾向にあります。

志望動機を考える際の4つのコツ

志望動機はどのように考えれば良いのでしょうか。志望動機を考える際に参考にできる4つのコツを紹介していきます。

これら4つのコツを参考に具体的な志望動機を作成しましょう。

  • なぜその企業が良いと思ったのか考える
  • なぜその業界に興味を持ったのか考える
  • 志望先の企業について情報収集する
  • 前職で得たものなどを振り返る

1:なぜその企業が良いと思ったのか考える

まずは他社と比べて秀でている部分や、他社と比べて特徴的なサービスや商品、顧客などについて考えてみましょう。

また、個人的な思い入れや接点がある会社であればエピソードを志望動機に取り入れることも良いでしょう。

2:なぜその業界に興味を持ったのか考える

なぜその業界に興味を持ち選んだのか、業界研究を行いその業界でなければならない理由を考えてみましょう。ほかの業界に該当しない理由を述べれば、志望動機に説得力が出るといえます。

3:志望先の企業について情報収集する

志望先の企業について情報収集を行い、その会社ではどのような能力や人柄が求められているのかということを認識しましょう。

ホームページやパンフレットを見て、会社の基本情報を収集するだけが企業研究ではありません。実際に会社説明会へ行ったり、OB・OG訪問をして話を聞いてみたりすることでより深く考えることができるようになるでしょう。

4:前職で得たものなどを振り返る

これまでの業務で得た知識や経験も活かすことができるでしょう。ただし、それらの知識や経験をアピールするだけでは志望動機としては不適切です。

志望先の会社では、その知識や経験をどのように活かそうと考えているのかを具体的に伝えることが大切です。

志望動機の書き方のポイント7選

志望動機を書く際はどのように書けばいいのでしょうか。

論理的な文章の型にはSDS法やPREP法などがあります。SDS法では結論・説明・結論という順番で文章を構成します。PREP法では、結論・理由や根拠・具体例・まとめという順番で文章を構成します。これらの型に則り、内容も充実するように書いていきましょう。

  • 結論から書く
  • 志望先を選んだ理由を書く
  • 独自性のあるエピソードを交えて書く
  • 採用することで企業側が得られるメリットを書く
  • アピールと自慢をはき違えないようにする
  • 転職理由と矛盾のない内容を書く
  • 書類によって分量を変える

1:結論から書く

最初に、なぜこの会社を志望するのか結論を書きましょう。志望動機に限らず、論理的な文章には型があり、論理的な文章の型であるSDS法やPREP法において、結論から述べるというポイントは共通しています。その型に沿って文章を組み立てることで、説得力が出るとされています。

2:志望先を選んだ理由を書く

結論の次は説明や理由と根拠が必要です。

志望先の商品やサービス、社員数と社風、将来の事業展開など、その会社にしかない魅力を見つけ、なぜそこの魅力に感じたのかを説明しましょう。また、同業他社と比較して、志望先の強みも取り入れられると良いでしょう。

3:独自性のあるエピソードを交えて書く

独自性のあるエピソードを志望動機に入れることで、読み手にインパクトを与えることができます。

エピソードを交えず、思いのみを書いた文章は、その他大勢との差別化がされにくいでしょう。

インパクトを与える志望動機というと難しく感じますが、自分がある体験を通じてどのように考え、その後どのように行動したのかということを交えて書くことができれば十分といえるでしょう。

4:採用することで企業側が得られるメリットを書く

採用されたら、会社にどのように貢献できるか、どのような利益をもたらすことができるかを書きましょう。

就職や転職では、会社側にあなたを採用したいと思ってもらうことが重要です。採用すると、このようなメリットがあると具体的に伝えられたほうが採用に繋がりやすいでしょう。

5:アピールと自慢をはき違えないようにする

実績やスキルなどを提示した上で、その経験から何を得たのか、どのように活かすことができるのかというところまで話を繋げましょう。

アピールとは、相手に喜んでもらえる情報を提示することです。実績やスキルがあることを書くだけでは自慢になりやすいため注意が必要です。

6:転職理由と矛盾のない内容を書く

転職理由と志望動機が矛盾していると論理的に筋が通らないため、矛盾しないよう一貫性を持たせましょう。

例えば、会社の将来性に不安を感じたという転職理由の場合は、転職先は将来性のある会社を選ぶでしょう。しかし、志望動機ではやりたい仕事ができるという点だけを述べると、将来性が不安で転職したのに、将来性は気にしないのかと思われてしまう可能性があります。

7:書類によって文量を変える

エントリーシートには、志望動機の文字数の上限が指定されていることがあります。その場合は、少なくとも文字数の8割は書くようにしましょう。

枠に対して文字数が極端に少ないと、空白が目立ってしまい書類を読む前からマイナスの印象を持たれてしまいます。また、小さな字をぎっしりと枠に詰め込むと、読みにくいと感じる人もいるでしょう。

履歴書やエントリーシートによって書くことができる文字数が異なるため、小さな字を詰めて書いたり、大きな字でスペースを埋めるようなことにならないように書類によって分量を調整するのが良いでしょう。

志望動機で注意したい6つのNG例

ここからは、志望動機を書く際に注意したいNG例を6つ紹介していきます。

これから紹介するNG例に当てはまる志望動機になっていないかを確認し、当てはまっている場合は修正していきましょう。

  • 「学びたい」だけをアピールする
  • 辞める可能性を示唆する
  • 「好待遇に惹かれた」だけをアピールする
  • 「経営理念に惹かれた」だけをアピールする
  • プライベートを重視しすぎる
  • サービス・商品だけを褒める

1:「学びたい」だけをアピールする

新しいことを学びたいと思う意欲や、前向きな点は好印象になるでしょう。しかし、会社では学ぶだけではなく、自分から動いて仕事を行ったり、学習したりすることも必要とされます。

過度に学びたいことだけをアピールすると、自発的な行動が期待できないのではとマイナスな印象を与えてしまうこともあるため注意しましょう。

2:辞める可能性を示唆する

将来転職することを考えているとしても、志望動機には書かないようにしましょう。

会社説明会や広告、パンフレットなどを始め、説明会や面接に出席する社員の人件費など、採用活動を行うには、コストがかかっています。

会社としては、コストをかけて採用活動を行っているため、入社した人にはできるだけ長く働いてもらいたいと思うことは当然といえるでしょう。

3:「好待遇に惹かれた」だけをアピールする

就職や転職をする上で、待遇は重要な要素です。しかし、給料や福利厚生などの待遇に惹かれたことをアピールしても、ほかにより良い待遇の会社があれば、待遇に惹かれて転職してしまうと思われてしまう可能性があるため、好印象を得ることは難しいといえます。

待遇が良いことも志望動機の一部かもしれませんが、その会社でなければならない理由をアピールする方が好印象を与えられるでしょう。

4:「経営理念に惹かれた」だけをアピールする

経営理念は、会社のホームページなどで確認できます。そのため、経営理念に惹かれたというアピールだけであれば誰にでもできるため、これでは印象に残りにくいでしょう。

ただ単に経営理念に惹かれたというだけではなく、経営理念にどういった理由で惹かれたのかをエピソードを交えて伝えるようにすると差別化が図れます。

5:プライベートを重視しすぎる

ワークライフバランスを大切にしたいということは、あまり働きたくないとも取ることができるため、プライベートを重視しているということを志望動機に入れる際には注意が必要です。

スキルアップのため資格勉強の時間を確保したいなど、何のためにプライベートを重視したいのか理由も入れると良いでしょう。

6:サービス・商品だけを褒める

志望企業のサービスや商品が良いものでも、それを褒めるだけでは採用したいと思ってもらうことは難しいでしょう。

商品やサービスを褒めるだけであれば、ファンで十分です。その商品やサービスを好きだからなどと褒めるだけではなく、その商品やサービスについて自分はどう感じ、これからどうしていきたいのかを伝えましょう。

志望動機の参考にしたい例文5選

ここからは、志望動機の例文を5つ見ていきましょう。

例文の職種や業界、状況は様々です。自分の置かれている状況に近い例文はもちろん、その他の例文にも目を通してみましょう。

  • 同業他社へ転職する場合
  • 未経験の仕事へ転職する場合
  • 第二新卒で転職する場合
  • ブランクを空けて経験職へ戻る場合
  • ブランクを空けて未経験職へ挑戦する場合

1:同業他社へ転職する場合

IT系の同業他社へ転職する場合の志望動機の例文です。

現在の会社ではサーバー製品の営業を行っています。現在の仕事に不満があるということではありませんが、大手企業を顧客に大規模なサーバーを導入するなど、数十人との協業となるため、個人の功績や貢献度が見えにくいという点に割り切れなさを感じています。

御社では、中小企業向けのサービスを提供しており、少人数で営業に当たれることを知り、関心を持ちました。これまでに得たITの知識を活かし自分の貢献度が見えやすい環境で働きたいと御社を志望しました。

2:未経験の仕事へ転職する場合

広告業界からゲーム業界へ未経験ながら転職する場合の志望動機の例文です。

学生時代から、趣味でスマートフォン向けのゲームを作成してきました。現在在籍しているインターネット系広告代理店では企画営業を3年経験し、社会人としての基礎は一通り身につきました。

そこで改めて今後のキャリアについて考えた際に、ゲーム作りという好きなことを仕事にしたいと思いました。

御社は、VRという新しい技術を取り入れたゲームを3作品発表しています。このように、新しい技術を取り入れ、これまでになかったゲームを開発したいとの思いで御社を志望しました。

開発のみではなく、広告業界で身につけたWebマーケティングの知識も活かし、売れるゲームの企画にも携わりたいと考えています。

3:第二新卒で転職する場合

第二新卒で転職する場合の志望動機の例文です。

新卒で入社した会社で、約1年半の間研究開発を行っています。配属先では大学時代に学んだ専門的な知識を活かせず、身につけた専門性を活かせる環境で働きたいとの思いから、御社を志望しました。

配属時点で一度転職を考えましたが、社会人として最低限のビジネスマナーやスキルを身につけることに加え、一度入社した会社なので何か成果を残したら転職をしようと考えました。

アシスタントとして取り組んでいた研究において一定の成果が出たことで、考えていた通り転職活動を始めました。

4:ブランクを空けて経験職へ戻る場合

介護職の方が、再び他社の有料老人ホームにて介護職として転職する際の志望動機の例文です。

母が祖父の介護をしており、その手伝いをしていました。その経験から、大学卒業後に有料老人ホームに就職し、利用者様やご家族が笑顔になる姿を見てやりがいを感じるようになりました。

しかし、1年ほどで体調を崩してしまったために不本意でしたが退職をしました。

現在は体調が安定したためアルバイトをしていますが、思いが捨てられず再度介護職を志望いたしました。

体調を崩してしまった原因は、一人で仕事を抱え込んでいたためだと分析しました。そのため、今後は何かあれば周囲に相談して対処を行うよう心がけていきたいと思っております。

そして、利用者様が自分らしさを大切に過ごせるようサービスを行っている御社で、利用者様が主体的に生活できるようサポートを行いたいと考えています。

今後は、現場経験を積みながらより専門的な資格を取得することに挑戦したいと考えています。

5:ブランクを空けて未経験職へ挑戦する場合

ブランクの後、未経験の経理職へ挑戦する場合の志望動機の例文です。

前職では、販売スタッフをしていました。休みが少なく、体力的につらい仕事内容であったために体調を崩してしまい、半年前に退職をしました。

この経験から、今後のことを考えて長く働き続けられる仕事に就きたいと考えるようになりました。さらに父が経理職をしていることもあり、経理職に興味を持つようになりました。

前職を退職してからの半年間は、日商簿記検定2級を独学で取得し、現在は1級の勉強のため毎週末スクールへ通学しています。

経理職は未経験ですが、貴社に貢献できるようスキルアップし続けていきたいと考えています。

企業にとって魅力的な志望動機を考えよう

この記事では、志望動機を考える際のコツや書き方、そしてNG例について解説してきました。

志望動機は、就職や転職において自社への理解や入社意欲を見極めるのに注目度が高いポイントです。この会社でなければならない理由を具体的なエピソードを用いて、論理的な文章で書くことを心がけましょう。

この記事を参考に、志望先の企業から一緒に働きたいと思ってもらえるような志望動機を書いてみてください。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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