はじめに
「看護師の志望動機ってどう書いたらいいの?」
「何から書き出せばいいの?」
このように看護師の志望動機を作成するにあたって、悩んでしまう方もいるのではないでしょうか。
この記事では看護師の志望動機の例文を施設別に8つ、その他志望動機の例文4つを紹介、さらに看護師の志望動機を考える際に注意したい8つのポイントについても紹介しています。
この記事を読むことで、志望動機の基本型は3つの要素からできていること、看護師の志望動機の例文や看護師の志望動機を考える際の注意点を把握できます。
その知識をもとに、志望動機の作成に悩んでいる方でも、ありきたりの志望動機ではなく自分らしいあなたの志望動機を作成することができるでしょう。
看護師の志望動機作成に悩んでいる方は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。
志望動機の基本型は3つの要素からできている
看護師の就職・転職活動では、志望動機の書き方が結果を左右するでしょう。そのため、志望動機を書く段階で行き詰まってしまう人も多いのではないでしょうか。
ここでは、志望動機の基本形は3つの要素からできていることを紹介します。
- どんな経験を積んできたか
- どんな働き方をしたいか
- 志望先の病院や施設の魅力
1:どんな経験を積んできたか
新たな活躍の場を求めて転職を希望されている方にとって、「私にはこんなスキルがある」という志望動機は自己PRになるでしょう。自分の売りになる、経験やスキルなどをまとめておくことが大切です。そして、自分のアピールポイントをたくさん洗い出しておくことです。
患者様との関わりで、どんな経験を得られたのか看護体験やエピソードを交えてみることもいいでしょう。今までの実務経験のある診療科や部署内での役割、院内活動を伝えることで、あなたが持つ知識や技術、看護観が伝わりやすくなります。
どんな経験を積んできたか、採用担当者に伝わる志望動機が転職を成功させるカギとなるでしょう。
2:どんな働き方をしたいか
志望動機を伝える際には、志望する病院や施設でどんな働き方をしたいのか、働く熱意を示すことも大切です。
病院や施設は安定して長く勤めることのできる人材を求めていることが多いため、「長期間働くつもりであること」「安定して勤めるための努力や工夫」について志望動機に組み込みます。
また「ステップアップ」「勉強したい」「経験の場」という言葉は、採用側に「ここが本当に働きたい場所ではないのか」という印象を与えてしまう可能性があります。通過点の場所と捉えられてしまわないように注意しましょう。
どんな働き方をしたいか、長く働きたい気持ちを伝え、採用担当者に好印象を与える志望動機を作成しましょう。
3:志望先の病院や施設の魅力
志望動機には「理念」「代表挨拶」「施設方針」から自分が共感するポイントを具体的に挙げると良いでしょう。
看護師の働く場所は数ある中で、面接担当者は「この病院・施設を志望した理由」について知りたいのです。
志望動機を作成する際には、病院や施設サイト、パンフレットなどから志望先の病院や施設について徹底的に情報収集することが大切です。調べた志望先の病院や施設の魅力について、これまでの経験や今後の展望と結び付けて志望動機に盛り込んでいきましょう。
【施設別】志望動機に使える8つの例文
実際にどのような志望動機が好ましいのか、いくつかのパターンを見てみましょう。
具体的に例文を挙げているため、そのまま活用するのではなく、自分の言葉に置き換えて志望動機の作成に役立ててください。
ここでは、施設別に志望動機に使える8つの例文について紹介していきます。
1:総合病院の場合
内科クリニックで5年間勤務する中で、外来だけではなく入院治療の看護にも携わりたいと考え、志望しました。
地域の中核病院として最大規模を誇る総合病院の貴院なら、入院治療だけではなく、さまざまな症例への治療や看護を経験できると考えております。
新しい環境で自身の経験と知識を深め、貴院に貢献できる人材としてお役に立てるよう成長していきたいです。
2:専門病院の場合
私には年の離れた妹がおり幼い頃から体が弱く、頻繁に入院していました。その時に、親身になって支えてもらった看護師さんの姿に憧れ、自分も病気を抱えた子どもやご家族を支え、思いやりのある看護師になりたいと考えるようになったのです。
地域において唯一の小児科専門病院である貴院で、お役に立てる看護師に成長したいと考え志望しました。
3:クリニック・外来の場合
今回、貴院を志望したのは、以前より持っていた地域医療への関心が強くなったためです。
看護師を目指していたときに、家族だけではなく自分の身近な人たちや、地域の皆さんに何かお役に立てるようになりたいと思っていました。
今後は自分に足りないスキルを身につけ、地域密着型の皮膚科・泌尿器科クリニックの貴院で地域医療に貢献できる看護師になりたいと考えています。
4:リハビリテーション病院の場合
新卒で大学の附属病院へ入職してから、循環器、脳神経内科、整形外科病棟で8年間経験を積んでおります。急性期から慢性期の患者様の看護に携わっているうちに、在宅復帰の分野に興味を持ちました。
回復期の患者様に、退院後に住み慣れた自宅での生活サポートの視点も含めて、お役に立ちたいと考えています。
患者様にゆっくりと向き合うことのできる看護をしたいと考えるようになり、在宅に戻る前に入院する貴院で働きたいと思い、志望いたしました。
5:急性期病院の場合
看護専門学校を卒業後、「患者様にじっくり向き合う看護」を実践するため、7年間総合病院の慢性期病棟で勤務し、多くの患者様とじっくり向き合ってまいりました。
今までの経験を活かして、今後は急性期の第一線でさまざまな症例を通して学びを深め、スキルを身につけたいと考えております。貴院で長く働き続けることで、幅広い分野の看護に携わり、看護師として成長したいと考え、志望しました。
6:療養型病院の場合
看護師として7年間、三次救急を担う総合病院の急性期病棟に勤務し、多くの知識と技術を身につけてまいりました。
今まで、さまざまな症例を観てきた経験を活かして、今後は患者様とじっくり丁寧に向き合いたいと考えております。
「患者様中心の安心医療」を理念に掲げる療養型の貴院で腰を据えて看護に携わりたいと考え、志望しました。
7:介護施設の場合
これまで、中規模の総合病院で5年間、消化器内科、整形外科の病棟を経験しております。
多くの患者様と関わる中で、高齢者へのケアを行う機会も多く、老人ホームや介護施設で本格的にサポートを学びたいと考えるようになりました。
看護師の立場からできる業務に加え、多職種とも連携し、できることを率先して行っていきたいと考え、志望しました。
8:訪問看護ステーションの場合
これまでに、オペ室、透析専門病院、有料老人ホームなどさまざまな施設や病院で働いてきた経験があります。その経験を活かし、今後は認知症や高齢者を中心とした老人施設や訪問看護に携わりたいと思うようになりました。
転職を決意したのは、もともと高齢者の方と関わることが好きなため、訪問看護で働きたいと考えたからです。貴院の「住み慣れた家で自分らしく生きる」という理念に共感し、利用者様に寄り添ったケアを行いたいと思い志望しました。
その他の志望動機の4つの例文
施設ごとに8つの志望動機の例文を紹介しましたが、その他にはどのようなものがあるか気になる方もいるのではないでしょうか。
ここではその他のポイントに沿って志望動機の例文を4つ紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。
1:対応力など自分の強みを活かしたい
看護学校を卒業後、総合病院で外科、緩和ケア病棟で7年勤務し経験を積んできました。家から近い病院ではやりがいを持って働いていましたが、今まで以上にご家族や患者様の気持ちに寄り添える医療に関わりたいと考えるようになりました。
これまでの経験による、対応力など自分の強みを活かしたいと思い、貴院を志望しました。
2:医療や福祉に貢献したい
私は療養病棟と脳神経外科病棟で7年間の勤務経験があります。さまざまな患者様と関わる中、高齢者の方とも多く接してきました。これまで高齢者看護の経験を活かして、利用者様のニーズに応じながら、自立へのサポートを行う高齢者看護に携わりたいと思い、志望しました。
自身の経験を活かし、医療や福祉に貢献できる人材に成長していきたいです。
3:信頼される看護師を目指したい
母親が看護師をしており、幼い頃から人の命を預かる責任ある仕事をしている姿をそばで見て、私も看護師になろうと決めました。いつも笑顔で明るく、責任感が強いところが母に似ているとよく言われます。
実際に看護大学で学び始めると、看護師という仕事の大変さとやりがい、働くうえで重要なチーム医療の大切さも実感しております。さまざまな症例がある貴院で、幅広い業務に関わり、信頼される看護師を目指したいです。
4:医療に携わる機会を増やしたい
これまで、総合病院の急性期病棟で10年勤務してきた経験があります。忙しい職場でしたが、患者様とのコミュニケーションを大切にして寄り添う看護をすることにやりがいを感じていました。
出産を機に退職し、育児に専念していたため医療現場からは離れていましたが、子育てがひと段落したため、医療に携わる機会を増やしたいと考えるようになったのです。
貴院には復職される看護師向けの、ブランク明け研修や教育体制が充実していることを知り、医療現場の第一線で、また看護師として働きたいと思い、貴院を志望しました。
看護師の志望動機を考える際に注意したい8つのポイント
看護師の志望動機を考えるときに、どんなことに注意すればいいのか戸惑う方もいるのではないでしょうか。
誰が読んでも理解でき、納得できる志望動機を作成するうえで押さえておきたいポイントがあります。
ここでは看護師の志望動機を考える際に注意したい8つのポイントを紹介します。参考にしてみてください。
- 例文をそのまま使用しない
- 前向きな姿勢が感じられる表現にする
- 志望先の病院によって志望動機を変える
- 志望先の情報をしっかりと調べる
- 「待遇や条件が良い」のみの志望動機は避ける
- 履歴書と面接の内容は一貫性のあるものにする
- 履歴書では200文字以上300文字以内を目安に書く
- 記入欄はきちんと埋める
1:例文をそのまま使用しない
志望動機の例文などのサンプルを掲載しているサイトや書籍は多くあります。
サイトや書籍に掲載されている例文をそのまま使用すると「自分で考えたものではないな」と思われ、印象が悪くなる可能性があります。
例文は書き方の参考程度に考え、自分が志望する理由に置き換えて利用し、例文をそのまま使用しないようにしましょう。
2:前向きな姿勢が感じられる表現にする
志望動機には、ネガティブな表現を使わないことが大切です。
「職場環境が悪い」「人間関係が良くない」などの内容を転職理由にする方もいます。
このままの表現では、採用担当者に「不満が多い人なのかもしれない」「新しい職場に適応できるのだろうか」といったマイナスのイメージを与えてしまう可能性があります。
「これまでの経験を活かして、理念に共感した貴院で成長し地域医療に貢献していきたい」といった前向きな姿勢が感じられる表現で、志望動機を伝えましょう。
3:志望先の病院によって志望動機を変える
志望動機では「どうしてその病院でなければいけないのか」を伝えることが大切です。
応募要項や病院の理念、看護部の方針などから「どのような看護師が求められているのか」を考えましょう。
志望先の病院によって特徴があるため、その点に特化した内容で自身が魅力に感じる部分を盛り込んでいくことが大切です。
病院の求められているものに沿った志望動機を作成することで、採用につながる確率は高くなるでしょう。
4:志望先の情報をしっかりと調べる
抽象的な志望動機にならないために、施設や病院に関する情報を収集することが大切です。
一般企業に営業目標などがあるように、医療施設も目標や理念を持っています。
公式のホームページや募集要項、パンフレットなどから、どのような理念のもとに看護を提供しているのか、医療体制について志望先の情報をしっかりと調べておきましょう。
5:「待遇や条件が良い」のみの志望動機は避ける
給与や休日、福利厚生など「待遇や条件が良い」ことを主な志望動機として伝えると「自分の利害を優先する」といった印象を与えてしまう可能性があります。
「待遇や条件が良い」のみの志望動機は避けるようにしましょう。
6:履歴書と面接の内容は一貫性のあるものにする
面接で話す志望動機は、履歴書と同じといったように必ずしも一致している必要はありません。
とはいえ、履歴書と全く違った内容を面接で回答しては、採用担当者はどちらが本当なのか判断に困るでしょう。
履歴書などの内容は、面接に備えてデータやコピーを残しておくと良いでしょう。志望動機は必ず面接でも質問される項目のため、データやコピーなどをもとに口頭で伝えられるよう準備しておくことをおすすめします。
履歴書で書いた内容と、面接で答える志望動機の内容は一貫性のあるものにしましょう。
7:履歴書では200文字以上300文字以内を目安に書く
履歴書には「何文字以内」といった明確な基準がないことから、何文字で書いたらよいか分からず困ってしまうこともあるでしょう。
100文字では少なすぎるため、目安としては200文字以上300文字以内で書くと良いでしょう。
8:記入欄はきちんと埋める
履歴書や願書によっては記入欄の様式はさまざまあり、同じくらいの文字数でも半分くらいしか埋まらなかったという場合もあるでしょう。しかし、記入欄の大半が白紙の状態では悪い印象を与えかねません。空白が目立つことのないよう、記入欄はきちんと埋めましょう。
例文を参考にして志望動機を考えよう
志望動機は採用担当者にあなたの第一印象を決めたり、大切にしている看護観を伝えたりする重要な役割を果たします。
しかし、どこかで聞いたことのあるような文章を志望動機にするのはやめましょう。
サイトや書籍などで紹介されている例文は参考程度にして、応募先に興味を持った理由を具体的に、今までの経験や今後の展望も含めて説明しましょう。
看護師志望動機例文を参考にして、あなただけの志望動機を考えてみることをおすすめします。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート