就職活動を始める学生のなかには、市役所職員といった地方公務員を志望している方も多いことでしょう。
人気の地方公務員には、安定して働ける環境・福利厚生の充実度・やりがいなど、就職先として魅力的な要素が盛りだくさんです。
しかし、民間企業と同じように就活を進めてよいのか、迷ってしまう場面に直面することもあります。
特に就活の第一歩となる履歴書の書き方については、何をアピールするべきかわかりにくいかもしれません。
実は、市役所職員を目指すならば、押さえておきたい履歴書の書き方があります。
市役所職員として採用されるためには、履歴書においても、一般的な企業とは少し違う要素が必要とされるのです。
そこで今回は、新卒で市役所職員を目指す場合に大切になる、志望動機と自己PRのポイントを詳しく見てみましょう。
【市役所の志望動機】市役所の主な業務
市役所の主な業務について、まずは理解を深めておきましょう。
行政職と技術職、そして専門職の3つに分かれますが、全てを1人でこなすというよりはいずれか1つの業務を任されることになる場合が多いです。
自分がどの分野で活躍したいか、またどの分野が向いているか考えながら確認してみてください。
行政職
市役所の行政職は事務職や一般職とも呼ばれ、非常に多岐にわたる業務を担っています。
市民からの各種申請の受付や窓口対応、地域市民への支援や相談業務、さらには地域活性化や観光振興に関わる業務まで、その範囲は非常に広いです。
配属される部署によって仕事内容が大きく異なるため、柔軟な対応力や新しい知識を吸収する意欲が求められます。
行政職の中核を担う業務の1つが窓口対応です。
市役所に訪れる市民からの問い合わせに対応し、市民票の発行、婚姻届の受理、税金に関する手続きなどを行います。
地域の課題解決や活性化に向けた業務も行政職の主要な任務です。
例えば、地域イベントの企画運営や商店街の活性化支援、観光資源のPR活動などを通じて、地域全体の発展を図ります。
行政職の特長は数年ごとに部署異動がある点です。
異動先で新しい業務を担当するたびに、新しい知識やスキルを身につける必要があるため、「やりがい」と「大変さ」が混在する仕事と言えるでしょう。
技術職
市役所の技術職は専門的な知識を活かして地域のインフラや環境を支える役割を果たします。
土木、建築、化学、電気などの専門分野ごとに採用され、それぞれの分野で市民生活を支える重要な業務を担当します。
技術職の業務は地域社会の安心・安全を守るために欠かせないものであり、高い専門性と責任感が必要です。
技術職は市民に直接接する機会が少ないですが、その業務内容は市民生活に大きな影響を与えます。
例えば、老朽化した道路の補修や新たな住宅地の開発は市民の日常生活を快適にするだけでなく、地域全体の発展にも寄与できます。
地域の課題を技術的に解決するこの職種は、市民生活の基盤を支える重要な存在なのです。
専門職
市役所の専門職は特定の免許や資格を有する職員が専門知識を活かして市民にサービスを提供する職種です。
保育士や保健師、薬剤師、市営バスの運転手など、分野は多岐にわたり、いずれも市民生活の向上や地域社会の安定に貢献しています。
この職種は専門性が非常に高く、その分野に特化した知識やスキルが求められます。
専門職は市民と直接関わる機会が多いため、高いコミュニケーション能力が必要です。
また、それぞれの分野での専門的な判断や対応が求められるため、知識やスキルを常に磨き続けることも求められます。
このように、市役所の専門職は市民一人ひとりの生活を支え、地域社会の基盤を築く重要な役割を果たしています。
【市役所の志望動機】市役所職員に必要な力
市役所の職員として活躍するために求められる力には様々なものがあります。
特に代表的なものは以下の4つです。
どのような業務をこなすにあたっても求められる能力であるため、先ほど紹介した3つの職種、いずれを志望する方にも確認しておいてほしい内容となっています。
忍耐力
市役所職員には日々の業務で忍耐力が求められます。
その理由の1つとして、配属先の異動があります。
公務員は特定の市民や団体との関係が偏りすぎないよう、数年ごとに異動が行われることが多いです。
新しい業務や環境に適応する必要があり、そのたびに柔軟性や忍耐力が試されます。
また、窓口対応や電話対応といった業務では市民からのクレームや理不尽な要求を受けることも少なくありません。
常に冷静に対応し、感情的にならずに仕事を全うする力が重要です。
市民からのクレーム対応の場合、相手の話を丁寧に聞き、適切な対応を取らなければなりません。
一方的に叱責される場面もありますが、職員が冷静に対応することで市民との信頼関係を築くことができます。
論理的思考力
論理的思考力は物事を筋道立てて考え、合理的に解決策を導き出す力です。
課題を分析し、解決する市役所の業務において欠かせません。
市民が抱える問題に対処する際、感情に流されることなく、現実的かつ効果的な方法を提示するためには論理的なアプローチが必要です。
例えば、市民から地域の安全に関する問題が寄せられた場合、まずその問題の原因を分析し、解決策を考える必要があります。
市民の意見やデータを収集し、それを整理・分類して問題の本質を明らかにしなければなりません。
そして、問題の優先順位を決め、具体的な解決策を提示することで、市民に納得してもらえます。
このように、論理的なプロセスを経ることで、市民に納得してもらえる、信頼性の高い施策を実行に移せるのです。
協調性
協調性が必要不可欠です。
なぜならば、業務が個人単位で完結することが少なく、周囲の職員や地域市民、さらには民間企業や外部機関と連携しながら進めるものが多いからです。
他者と円滑にコミュニケーションを取り、チームとしての成果を最大化する力が求められます。
例えば、地域のイベントを企画する際、他部署や地域市民との調整が欠かせません。
相手の意見を尊重しながら自分の提案を伝え、全体として最適な結論を導き出す必要があります。
また、プロジェクトの進行中に意見の相違が生じることもありますが、その際に適切な話し合いを通じて解決策を見出す力が重要です。
協調性は市民対応にも影響を与えます。
窓口での相談業務やクレーム対応では相手の立場を理解し、共感を持って対応することが必要です。
責任感
責任感も強いものが求められます。
市民の生活に直結する重要な業務を担当しており、その中には個人情報や機密情報の取り扱い、大きな金額を扱う業務、法令を遵守する必要がある業務が含まれるからです。
これらを適切に管理し、ミスなく遂行するには高い責任感が不可欠です。
例えば、市民税の計算や収納業務を担当する職員は正確な金額を算出し、ミスなく処理することが求められます。
1つのミスが市民の生活に大きな影響を与える可能性があるため、慎重に業務を遂行する必要があります。
また、災害時の対応や地域の安全を守る施策では迅速かつ的確な判断が求められ、その責任は非常に重大です。
【市役所の志望動機】履歴書の項目
市役所職員を志望する場合、どのような書式の履歴書を使用すればよいか迷うかもしれません。
基本的には、一般企業に応募する際に使う履歴書と同じもので問題ないです。
具体的な記入項目として必要なのは、「個人情報」「資格・学歴」「志望動機」「自己PR」などです。
まず、氏名・住所・連絡先電話番号・メールアドレスといった応募者の個人情報は、正確に記載しましょう。
また、資格や学歴といった今までの経歴は、誇張することなくありのままに書いてください。
さらに、志望動機・自己PRの欄も、応募先である市役所のニーズをとらえながら書きましょう。
新卒におすすめのテンプレート
提出する履歴書の書式について、応募先である市役所から指定がない場合は、市販のものを使用してください。
その際、新卒用と書かれたものや、大学生協で販売している大学指定のものを使うとよいでしょう。
コンビニや100円ショップなどで手軽に買える履歴書ですが、そうした市販のものは「JIS規格」のものが一般的です。
このJIS規格の履歴書や転職者向けの履歴書は、職歴欄に大きなスペースを割いているケースが多く見られます。
今までの経歴をアピールするには効果的な書式ですが、職歴の少ない新卒が使用すると、空欄が目立ってしまうでしょう。
また、市販の履歴書以外に、インターネット上にあるテンプレートをダウンロードして使う方法も、選択肢の1つです。
その際には、志望動機・自己PR・趣味特技といった、新卒が内容で勝負できる欄が大きな履歴書を選ぶようにしましょう。
手書きかパソコンか
書式選び同様に迷いがちなのは、履歴書を手書きにするかパソコン入力にするかという点です。
応募先の市役所から特に指定がない場合、どうしていいかわからず困ってしまう部分であるかもしれません。
一般的に、アピールできる経歴の少ない新卒が就活で使う履歴書は、手書きのほうが無難だとされています。
これは、誠実さ・字のきれいさ・丁寧さといった部分から、応募者の性格を見ているからです。
しかし、近年では、新卒であってもパソコンで履歴書を作成するケースが一般的になりました。
加えて、手書きとパソコンのどちらでも差はないといわれています。
そのため、手書きに自信がある場合は手書きがおすすめです。
ただ、手書きに自信がなくマイナスイメージを与えてしまわないか心配な方は、パソコンで作成してもよいでしょう。
パソコンでの作成が不利になるか心配な場合には、応募先に問い合わせてみてください。
応募先の呼び方
志望動機や自己PRを書く場合、応募先に敬称を使うケースがあります。
一般の会社であれば、「貴社」と書きますが、市役所の場合、それは不適切です。
市役所は会社ではないため、「社」ではなく「所・市役所」を使い、「貴所・貴市役所」と書いてください。
また、面接の際などの話し言葉でも、「御社」ではなく「御所・御市役所」と言います。
さらに、就業した暁には、自分が所属する市役所を呼ぶ場合もありますが、その際には「弊所」という謙譲語を使いましょう。
【市役所の志望動機】履歴書を書く前の準備
魅力的な内容の履歴書を書くには事前準備が大切です。
以下では履歴書を書く前にどんな内容を整理しておくべきか、どんなことを意識すべきかを解説していきます。
なぜ公務員なのか
あなたがなぜ公務員を目指すのかという理由を今一度整理しましょう。
街の課題を解決したい、市民の生活を支えたいなど様々でしょう。
その理由に加え、なぜそう思ったのかという背景や、あなたの価値観が表れたエピソードを合わせてアピールすることでオリジナリティのある魅力的な内容に仕上げられます。
なぜその自治体なのか整理する
なぜその自治体の市役所職員として働きたいのかも今一度整理してみましょう。
地元の場合は、なぜ地元を選んだのか、長く住んでいるからこそ感じる課題や魅力は何かを整理してみましょう。
地元以外を選ぶ場合は、なぜその自治体を選んだのか、どのようなきっかけがあったのかなどを整理してみましょう。
そして、自分が関わることでどのように変えてきたいのか、どのような課題やビジョンを達成していきたいのかを整理しましょう。
目標達成に生かせる自分のポテンシャルを整理する
あなたが掲げたその自治体をどう変えていきたいかという目標やビジョンに対し、自分がどんな強みを発揮できるのかを整理しましょう。
あなたがその自治体にどう力を発揮できるか、貢献できるかという部分がアピールポイントになります。
その自治体がどんな目標を目指しているのかを押さえ、あなたがこれまでの経験から発揮した強みがどう生かせるかをアピールしましょう。
【市役所の志望動機】地元と他地域で変わる伝え方のコツ
市役所に志望動機を出す場合、地元か他地域かによって伝え方が変わります。
本章では地元の場合と地元でない場合の2つを解説します。
自分が当てはまるパターンを読み、志望動機の作成に役立ててください。
市役所の志望動機は、あなたが地域への貢献にどれだけ熱意を持っているかを伝える重要な機会です
志望動機から一目置かれるためにも、ぜひ参考にしてください。
地元の場合
地元の市役所の場合は、以下の3点をアピールしましょう。
- 定着性への期待
- 具体的な地域愛と経験
- 地域課題への認識と解決意欲
地元の市役所を志望する場合は、アピールできる選択肢が豊富に存在します。
自分が1番自信を持って話せる話題を採用してください。
ただし「地元だからです」だけではアピール不足です。
幼少期からの経験や学生時代の活動を通じて、地元のどのような点に魅力を感じ、どういった課題を認識しているのかを具体的に示しましょう。
長期的な視点での貢献意欲を面接官にアピールできます。
また、地元だからこそ知っている、地域課題(例:商店街の活性化、高齢化への対応など)を挙げることで、仕事の熱意を伝えることが可能です。
地元でない場合
地元でない場合、志望する地域を深く理解しようとする姿勢や外部からの視点、客観性をアピールすることが重要です。
志望動機で地元以外を選択した場合、多くの面接で志望理由を質問されるでしょう。
なぜなら、地元の市役所で採用試験を受ける方がスムーズだからです。
そこで、自分が魅力に感じた点を具体的に説明しましょう。
たとえば、歴史や文化、地域住民との交流などが挙げられます。
ほかにもイベントに参加した経験なども有効です。
面接官を納得させる理由を用意しておくことで、地元でないことをカバーできます。
面接官に熱意をアピールするには、客観的な視点や今までの経験をどう活かせるかアピールすることが重要です。
地元でないことをポジティブに捉え、志望動機を作成しましょう。
【市役所の志望動機】志望動機の書き方
使用する履歴書の書式や書き方が決まったら、志望動機についてよく考えてみましょう。
履歴書の志望動機欄では、理論的な文章展開や、説得力のある内容が必要となります。
志望動機欄でアピールしたいのは、仕事に対する熱意と、それを伝えるための文章力です。
この両方がそろわなければ、採用担当者に届く志望動機にはなりません。
文章力が伝わる志望動機の構成の方法と、内容で熱意が伝えられるポイントをしっかり押さえて、印象に残る履歴書を作りましょう。
志望動機の構成(PREP法)
履歴書の志望動機の文章構成には、PREP(プレップ)法を使用するのがおすすめです。
PREP法とは、Point(結論)・Reason(理由)・Example(具体例)・Point(結論)の頭文字を取ったもので、文章を展開していく手法のことを指します。
志望動機では、応募先市役所で働きたいという結論→なぜ働きたいのかという理由→理由を裏づける具体的なエピソード→終わりの結論という流れで文章を組み立てましょう。
結論を冒頭と末尾に置くと何を伝えたいのかが明確になるため、相手が内容をイメージしやすく、印象にも残ります。
また、働きたいという自分の気持ちだけではなく、その理由を裏づける具体的な経験やエピソードを盛り込めば、動機に深みや説得力が増すでしょう。
【市役所の志望動機】志望動機を書くポイント6選
志望動機欄には、「仕事を通して、将来どのような人間となることを目指すのか」といった先のキャリアを見通した展望や、「市職員になりたいと決意したエピソード」を書きましょう。
「自分がその職務にどのように貢献できるのか」といった適性・熱意のアピールや、「ほかの自治体と比較して魅力ややりがいを感じた点」といった具体的な要素も盛り込むと、志望動機に説得力をもたせられます。
特に、公務員の場合には、「人の役に立ちたい」という熱意の伝わる文章が必要です。
具体的な動機としては、「○○市が生まれ故郷であり、愛着がある」といった地元ならではのものがよいです。
また、「○○市のこの政策に魅力を感じている」「○○市が抱えるこのような問題を解決したい」といった、地元出身者ではなくても熱意が伝わるものをあげられるとよいでしょう。
1.公務員を志望している理由を明確にする
公務員を目指すうえで、公務員を志望する理由、はよく聞かれる質問です。
質問の回答は「なぜ民間企業ではなく、公務員を志したのか」を明確に伝えられなければなりません。
ありきたりの理由で伝えると「それなら民間企業でも良いのでは」と思われてしまいます。
公務員でなければできないことや、あなたが公務員として何をしたいのかなど、志望理由を明確にしましょう。
イメージのわかない方は、あなたを採用するメリットについて考えてみるのがおすすめです。
たとえば、あなたの視点で自治体が抱える課題と、改善方法を提案するのも良いでしょう。
あなたの経験や考えが盛り込まれたアピールは、独自性が生まれます。
独自性のあるアピールは、ほかの人にはない、あなただけの価値観を印象付けられます。
2.その市役所でなければいけない理由を明確にする
市役所を志望する場合は、その地域でなくてはいけない理由を明確に伝えましょう。
逆にその理由がなければ「どこの市役所でも良いのでは」と思われてしまいます。
たとえば地元の市役所を志望している場合は、地元愛をアピールした内容で志望動機を考えると良いです。
ただし抽象的に「地元が好きだから」と話すことは避けましょう。
具体的に地元のどこが好きなのか、仕事を通して地元とどう関わるのかを説明する必要があります。
対して地元以外の市役所を志望する場合は、地元愛をアピールできないため、理由付けが難しいです。
あいまいな理由では「地元の市役所が受かったら、そっちに行くのではないか」と思われてしまうでしょう。
なぜ地元ではなく、その市役所を選んだのかを明確にしてください。
3.市民への配慮
市役所職員の職務は市民の生活をサポートすることです。
ときには自身の休日を返上してでも、市民へのサポートを求められます。
そのため志望動機では、地域で生活している市民への想いや、奉仕の精神を述べると、面接官に良い印象を与えられます。
特に市民との関わりが多い課を志望する人は、上記のような内容でアピールをするのがおすすめです。
たとえば市民課・保険年金課・健康支援課などの課が該当します。
市民課の仕事は出生・婚姻・住民票登録など、市民の人生に関わることです。
保険年金課は国民年金の給付・健康保険・出産育児一時金および、葬祭費などの市民を支える給付金の支給を担当します。
そして健康支援課の仕事は、地域住民の健康をサポートするために企画や事業を行うことです。
このように市役所の組織は、それぞれのアプローチで市民をサポートしています。
まずは面接を受ける市役所の部署をしっかり把握しましょう。
そして、あなたが市民の生活を支える方法について考え、具体的に志望動機で説明しましょう。
4.地方公務員には地元出身者が有利
地方公務員の採用試験では地元出身者が有利になる傾向があると言われています。
地元への愛着や地域への理解が深い人材こそ、長期的に地域に貢献してくれる可能性が高いと考えられているためです。
地方自治体では地域市民との信頼関係を築くことが重要であり、その点で地元出身者は親しみやすさや地元事情への精通が評価されやすくなります。
地元出身者の場合、志望動機で地元への愛着を強調しましょう。
例えば「幼少期から地域の発展に関心があり、将来的には自分の力で地元をさらに魅力的な場所にしたいと考えています」といった形で、自身の地域への思いを具体的に伝えると良いです。
一方で、地元以外の地域で地方公務員を目指す場合は、志望動機をより具体的にすることが重要です。
その地域で働きたい理由や、その地域の課題解決にどのように貢献したいかを具体的に述べる必要があります。
例えば「大学時代に訪れた際に地域の魅力を感じ、この地域で自分のスキルを活かして観光振興に携わりたいと考えました」といったように、地域との接点や具体的な目標を示すことで、説得力を持たせることができます。
5.一部の業務に絞ったアピールをしない
志望動機を書く際に、気をつけたいポイントもあります。
「○○に取り組みたい」というように、特定の業務のみに視点を絞った動機は、危険かもしれません。
なぜならば、一般的な市職員は、3~5年程度で市内の役所や事務所などを異動することになるケースが多いからです。
そのため、面談の際に「ほかの業務に配属されたらどうするのか」といった指摘を受ける可能性もあります。
したがって志望動機には、限られた一部の業務に対するアピールではなく、市役所の一員として市にいかに貢献したいのかといった、どの職務にも共通して求められる部分を出すとよいでしょう。
まずは、「市民が過ごしやすい街づくりをしたい」といった広い視野での熱意をアピールし、そのうえで、「なかでも道路計画に興味をもっている」というように特定の業務へ言及するのがおすすめです。
6.自己中心的な理由は書かない
また、志望動機のメイン理由として、自己中心的な理由を書くのは避けたほうがよいでしょう。
「安定した収入や終身雇用が約束されている」といった条件面や、「仕事が楽そうだから」といったやる気の見えないうしろ向きの理由はマイナスでしかありません。
公務員というのは、あくまでも社会全体の奉仕者であり、市民に対するサービスをする職務です。
災害時や非常時には、職域を超えた奉仕精神が求められることもあるでしょう。
その部分の認識に欠ける人材だと、問題を起こす人材と見なされるおそれもあり、採用に至るのは難しいといえます。
【市役所の志望動機】志望動機を書く時の注意点
続いて、志望動機を書く際に気をつけなければならない注意点についても紹介します。
以下の3つの注意点は、市役所の職員を目指す方ならば絶対に気をつけておきたいポイントです。
しっかり確認した上で、質の高い志望動機を作成し、内定を引き寄せましょう。
また、一般企業を併願する方にも参考になる部分が多いはずです。
安定のために働きたいはNG
「安定のために働きたい」と述べれば、面接官へ悪いイメージを与えてしまいます。
なぜなら「市民のことを考えず、自分のことだけを考えている人」と思われるためです。
先ほど述べたように、市役所で働く人は市民を支える奉仕精神が求められます。
自分のことだけを考えている人は、職務をまっとうできないと判断されます。
もちろん、あなた自身のメリットも就職活動では大切なポイントです。
しかし、それは市役所にとっても同じことです。
あなたを採用するメリットが見つからない以上、採用見送りになってしまっても不思議ではありません。
自分自身にもたらされるメリットより、あなたを採用することで市役所が受けるメリットをアピールしましょう。
特定の業務に固執しない
市役所の志望動機を作成する際には特定の業務に固執しすぎないことが重要です。
幅広い業務を担い、数年ごとの部署異動も多いです。
したがって、特定の業務だけを志望理由に挙げると他の業務に対する柔軟性や適応力に欠けていると思われる可能性があります。
採用担当者にとっては希望以外の部署や業務に配属された場合でも意欲的に取り組んでくれるかどうかが大きな判断基準となるため、志望動機で幅広い業務への興味や意欲を伝えることが大切です。
例えば「福祉課で地域の高齢者支援に携わりたい」という具体的な希望を述べる場合でも「地域全体の課題解決に興味があり、幅広い業務を通じてスキルを磨きたい」と補足することで、柔軟性や他の仕事にも対応できる資質をアピールできます。
民間企業でも使える理由を書かない
市役所の志望動機では、民間企業でも通用するような理由を挙げるのは避けるべきです。
他の応募者と差別化を図るために、市役所で働くことの意義や魅力を具体的に伝える必要があります。
民間企業でも実現可能な内容を志望動機に書いてしまうと「なぜ公務員を選んだのか?」と思われてしまいます。
例えば「チームで協力して目標を達成したい」という理由だけでは民間企業でも同様の環境で実現可能なため、市役所を志望する理由としては弱いです。
「地域市民に直接関わる仕事がしたい」や「地域課題の解決に向けた政策立案に携わりたい」など、公務員特有の職務への興味を具体的に述べましょう。
地元が好きという理由だけで終わらない
市役所職員の志望動機で「地元が好き」という理由は地元への愛着をアピールするために、悪くはありません。
しかし、それだけで志望動機を終わらせてしまうと具体性や説得力に欠ける内容になってしまうため、もう少し掘り下げてみましょう。
具体的な目標や意欲を盛り込むことで、説得力が増すはずです。
「地元の少子高齢化問題に関心があり、地域市民が安心して暮らせる環境を整えたい」など、具体的な課題意識を持っていることを示すと良いでしょう。
また、地元への愛着を示す理由として、自分自身の体験やエピソードを織り交ぜると、より共感を得られます。
例えば「地元で育つ中で地域行事を通じて地域市民の温かさを感じ、将来は自分がその一翼を担いたいと思いました」というように、個人的な思いを具体的に語ることで、他の応募者との差別化につながります。
【市役所の志望動機】志望動機の例文10選
続いて、志望動機の例文を紹介します。
地元出身者の場合とそうでない場合、そしてどのような業務を担当したいかに分けて紹介するため、時間に余裕のない方は自分が目指すものだけを参考にしてください。
時間に余裕がある方は本記事で紹介した構成や注意点などを確認するためにも、全て熟読してみてください。
1.地元出身者の例文
貴所を志望する理由は地元地域の発展に貢献し、市民の生活を支える仕事に携わりたいと考えているからです。
私は〇〇市で生まれ育ち、この地域の自然や文化、市民同士の温かい交流に支えられて成長してきました。
しかし、人口減少や高齢化、生活インフラの維持といった課題を目の当たりにし、この地域を未来にわたって住みやすい場所にするために自分が力を尽くしたいと思うようになりました。
大学時代には地域の子ども向けイベントで市民同士の交流を促進する活動に参加し、市民一人ひとりの声を丁寧に聞き、それをもとに地域全体の課題に取り組むことの重要性を学びました。
貴所が地域密着型の施策を展開し、市民を最優先にした取り組みを進めている点に共感しています。
入職後はこの地域で生まれ育ったことを活かし、市民の声を反映した施策を立案・実行し、地元の発展と市民の生活向上に貢献したいと考えています。
2.地元以外出身者の例文
貴所を志望する理由は〇〇市の魅力に惹かれ、この地域の市民が安心して暮らせる環境づくりに携わりたいと考えているからです。
大学時代に地域活性化をテーマにしたゼミ活動で〇〇市を訪れ、その豊かな自然や文化財、地域市民の温かさに感銘を受けました。
一方で、観光資源が十分に活用されていない点や人口減少の影響が課題であることも知り、この地域で働きながら課題解決に貢献したいという思いが強まりました。
ゼミでは地域の観光資源を活用したイベント企画を提案し、市民や行政との連携を図りながらプロジェクトを成功に導き、地域課題に向き合い、市民とともに解決策を実行する力を磨きました。
入職後はこれまでの経験を活かし、市民と行政の架け橋として地域の課題解決に取り組みたいと考えています。
3.観光・産業
貴所を志望する理由は観光や産業を通じて地域の活性化に貢献し、市民の暮らしを豊かにする施策に携わりたいと考えているからです。
私は大学時代、地域の観光資源を活用したプロジェクトに参加し、観光産業の発展が地域経済に与える影響の大きさを学びました。
例えば、地域の伝統文化を活用したイベントを企画・運営し、来場者数を増加させることで地域の商店街への経済効果をもたらし、観光を通じた地域経済の発展に携わる仕事に強い興味を持つようになりました。
貴所が地域産業の発展や観光振興に積極的に取り組んでいる点に共感しています。
入職後は地域の観光資源や産業の強みを活かした施策を企画・実行し、市民の暮らしの向上と地域経済の活性化に寄与する所存です。
4.企画・広報
貴所を志望する理由は地域市民に寄り添った企画や広報活動を通じて、市民の暮らしを豊かにする施策に携わりたいと考えているからです。
私は大学時代、地域の祭りの企画運営にボランティアとして参加し、広報活動を主に担当しました。
SNSやポスターを活用して効果的に情報を発信した結果、前年比120%の参加者を集めることができました。
そして、地域市民と直接関わりながら新しい価値を創出することのやりがいを実感し、市民の声を反映した広報活動の重要性を学びました。
貴所が行う施策において、市民目線での情報発信を大切にしている点に強く共感しています。
入職後はこれまでの経験を活かし、地域市民と積極的にコミュニケーションを図りながら、より効果的な広報施策を提案していきたいと考えています。
5.子育て支援
貴所を志望する理由は地域の子育て環境をより充実させ、親子が安心して暮らせる社会を実現したいと考えているからです。
私は大学で社会福祉を専攻し、子育て支援に関する研究を行う中で、地域社会が子育て世代を支える重要性を学びました。
また、地域の子育てイベントにボランティアとして参加し、親子がリラックスして過ごせる環境づくりをお手伝いする中で、地域全体で子育てを支える意義を深く感じました。
参加者から「こうしたイベントがもっと増えてほしい」という声をいただいた際には子育て支援活動の必要性を改めて認識しました。
貴所が地域の子育て支援に積極的に取り組んでいる点に共感しています。
入職後は親子が安心して過ごせるような新しい施策を企画・実施し、地域全体の子育て環境をさらに向上させる貢献をしたいと考えています。
6.福祉
貴所を志望する理由は地域福祉を通じて誰もが安心して暮らせる地域社会を実現したいと考えているからです。
大学時代に地域の高齢者向け交流イベントにボランティアとして参加し、孤独感を抱える高齢者の方が多いと知りました。
また、この活動を通じて、高齢者が地域とつながりを持つ機会を増やすことの重要性を学び、福祉施策の大切さを実感しました。
大学では福祉行政の仕組みについて学ぶ中で、行政が果たす役割の大きさを認識し、地域市民の支えとなる仕事に強い意欲を抱きました。
貴所が行う地域福祉施策に共感しており、市民の声に耳を傾けながら現場のニーズを的確に反映している点に魅力を感じています。
入職後は地域市民の生活を支える福祉施策をさらに発展させるために、新しいアイデアを提案し、現場で実行力を発揮する所存です。
7.まちづくり
貴所を志望する理由は地域市民と協力しながら暮らしやすいまちづくりを推進する仕事に携わりたいと考えているからです。
私は大学で都市計画を専攻し、地域の課題を解決する方法について研究してきました。
また、市民の意見を反映した施策が地域の活性化に不可欠であることを学び、地域の市民と協働して課題解決に取り組む意義を深く感じました。
ゼミ活動では地域市民の意見を集約し、それを基にした公共施設の改善案を行政に提案するプロジェクトに参加しました。
この経験を通じて「市民の声を政策に還元する」という発想を学びました。
貴所が市民主体のまちづくりを推進している姿勢に強く共感しています。
入職後はこれまで学んだ知識と経験を活かし、地域市民が誇りを持てるまちづくりを実現するために尽力する所存です。
8.環境保全
貴所を志望する理由は地域の自然環境を守りながら持続可能な社会の実現に貢献したいと考えているからです。
大学で環境科学を学ぶ中で、地域ごとに異なる環境課題や、それに対応する政策の重要性を学びました。
特に、ゼミ活動で参加した〇〇地域の水質改善プロジェクトでは行政や市民との連携を通じて課題解決を目指す方法を実践的に学びました。
この活動を通じて、環境保全には地域全体の協力が欠かせず、行政が果たす役割の大きさを実感し、市民の意識を高める広報活動の重要性も痛感しました。
貴所が取り組む環境保全施策や市民参加型の活動に強く惹かれています。
入職後はこれまで学んだ環境保全の知識を活かしながら、市民と協力して地域の自然環境を守る施策を企画・実行していきたいと考えています。
9.土木
貴所を志望する理由は、地域のインフラ整備を通じて市民が安全で快適に暮らせる環境づくりに携わりたいと考えているからです。
大学で土木工学を学び、公共事業の計画から施工、維持管理まで一連の流れを学ぶ中で、地域のインフラが生活に欠かせない基盤であることを強く認識しました。
卒業研究では災害に強いインフラ設計をテーマにし、現地調査や市民の意見を反映した設計案を提案し、市民の声を活かしたインフラ整備の重要性を実感しました。
貴所が地域特有の課題に取り組みながら市民の生活基盤を支える施策を推進している点に共感しています。
入職後は災害に強いインフラ整備や老朽化した施設の維持管理を通じて、地域全体の安全性を向上させる仕事に貢献したいと考えています。
10.防災・危機管理
私が貴所の職員を志望する理由は、災害対策と住民の安全確保に貢献したいという強い想いがあるからです。
私は、昨年発生した大規模な豪雨災害のボランティア活動に参加しました。
その際、行政が迅速に避難所を設営し、物資を配給する姿を目の当たりにし、自治体職員の皆様が住民の命と暮らしを守る最前線でどれほど重要な役割を担っているかを痛感しました。
同時に、情報伝達の課題や個別のニーズへの対応の難しさも感じました。
そこで、私も一員となって、よりきめ細やかな支援体制を築きたいと強く思うようになりました。
貴市は、近年ハザードマップの全戸配布や防災訓練の強化に注力されています。
住民への啓発活動や地域コミュニティとの連携を重視されている点に深く共感いたしました。
入庁後は、市民一人ひとりの安全を守るため、地域住民の方々と密接に連携しながら、防災活動に粘り強く取り組んでいきたいです。
【市役所の志望動機】市役所の志望動機のNG例
続いて、市役所の志望動機を作成するにあたってNG例を紹介します。
以下に当てはまる志望動機になっていないか、一度チェックしてみましょう。
安定性だけを理由にするのは避けるべき
地域への興味や関心が見えないとマイナス評価
抽象的すぎて伝わらない志望動機
志望動機は、伝え方を誤るとマイナス評価につながります。
思わぬ箇所で減点を貰わないためにも本章の解説を参考にしてください。
安定性だけを理由にするのは避けるべき
市役所の志望動機は、安定性だけを理由にするのは避けましょう。
仕事内容への興味の薄さや地域貢献への意欲が欠如していると判断されるからです。
市役所職員は住民の生活を支え、地域の未来を創るという強い使命感と責任感が求められます。
そのため、安定だけを求める姿勢は面接官から不適切と見なされるでしょう。
確かに、市役所に安定性を魅力と感じることは自然です。
しかし、直接的に伝えるのではなく「地域に腰を据えて長期的に貢献したい」という表現に変換しましょう。
そのうえで、具体的な地域課題への取り組みや住民と深く関わりたいという意欲を前面に出すことをおすすめします。
地域への興味や関心が見えないとマイナス評価
地域への興味や関心が見えない志望動機はマイナス評価を受けるでしょう。
市役所は地域住民のために働く場所です。
地域への深い理解と愛着がなければ、志望動機として弱いものになります。
たとえば「人の役に立ちたい」とだけ伝えるのは避けましょう。
気持ちは素晴らしいですが「なぜこの市役所なのか」という肝心な点が伝わりません。
市役所職員は、その地域の特性や住民のニーズを深く理解している必要があります。
具体的な地域への関心が見えないと「どこでもいいのでは?」と思われるでしょう。
そこで、具体的な地域名や地域特有の課題、魅力などを盛り込んでください。
実際に訪れたエピソードや関心を持ったきっかけなどを加えることで、地域への関心の深さを示すことが可能です。
抽象的すぎて伝わらない志望動機
抽象的すぎて伝わらない志望動機もNGです。
本気度や理解度が不透明で、印象に残りにくい志望動機が完成します。
「貴市の皆様のために全力で貢献したいです」のような内容は避けましょう。
全力で貢献したい意欲は素晴らしいです。
しかし、具体的に「何に」貢献したいのかが不明です。
上記のような志望動機では、自己分析や市役所での働き方への理解が不足していると判断されるでしょう。
そこで、自分の具体的な強みや経験を挙げ、それらが市役所の業務に活かせるかを述べてください。
具体的な行動や貢献のイメージを持たせることで、面接官はあなたが実際に働く姿を想像しやすくなるでしょう。
【市役所の志望動機】市役所の志望動機がない場合の対処法
市役所に適した志望動機がない場合、以下の対処法がおすすめです。
何を大切に働きたいかを言語化してみる
自己分析で見えてくる動機のヒント
業務理解を深めて軸を決める
志望動機がない人は、自分の気持ちを言語化できていない場合があります。
そのため、本章の解説を読み、自己分析を進めてください。
自分の気持ちを正しく理解することで、魅力的な志望動機を作成する第一歩になります。
何を大切に働きたいかを言語化してみる
まずは、何を大切に働きたいかを言語化しましょう。
公務員や市役所に限らず、あなたが仕事においてどんな価値観を重視するのかを掘り下げてみましょう。
自分の価値観は志望動機の「核」となる部分です。
社会貢献性や安定性、地域への愛着など、さまざまな視点から、志望した背景を振り返ってみましょう。
市役所を希望する人の中には、社会貢献性を重要視する人も多いでしょう。
その場合「誰の役に立ちたいのか」「どんな社会にしたいのか」などを明確にしてください。
自分の大切にしている価値観を自覚することで、志望動機に記載する内容やエピソードが見えてくるでしょう。
言語化が難しい人は、周囲に相談したり、紙に書いたりするのがおすすめです。
アウトプットすることで新しい発見があるでしょう。
自己分析で見えてくる動機のヒント
志望動機は自己分析することでヒントが見えてくるかもしれません。
過去の経験を深掘りすることで、あなたが無意識のうちに大切にしている価値観が明らかになるからです。
もし、市役所の仕事とつながりそうな経験があれば、積極的に採用しましょう。
ゼミであれば、メンバーと協力して取り組んだ実験の思い出がおすすめです。
エピソードの中に複数の登場人物がいるため、第三者から見たあなたを伝えることが可能です。
志望動機において、主観が多すぎると自分勝手な印象が強くなります。
ほかにも、あなたの強みが市役所のどの業務で活かせるかを具体的に考えてみましょう。
たとえば「傾聴力」があるなら住民相談、「調整力」があるなら部署間の連携などが挙げられます。
業務理解を深めて軸を決める
業務理解を深めたのちに軸を決める方法もあります。
いきなり志望動機を考えるのは、ハードルが高いかもしれません。
そこで、まずは市役所業務を理解し、あなたの価値観や強みがどの部署や業務で活かせるのか、具体的なイメージを作りましょう。
その結果、志望動機の「軸」が見えてきます。
市役所の部署や業務内容を調べるには、公式ホームページやインターンがおすすめです。
公式ホームページは、情報がわかりやすく整理されているため、効率よく情報が収集できます。
また、インターンでは、職員の話を直接聞くことで業務理解が深まるでしょう。
自力で情報を集めることも大切ですが、周囲の力を借りて、効果的に志望動機を作成してください。
【市役所の志望動機】履歴書作成時の注意点
市役所職員を志望する新卒ならば、志望動機と自己PR以外にも、気をつけたいポイントがあります。
履歴書は採用を左右する大切な書類です。
その書き方や扱い方にあなたの人となりがあらわれます。
採用担当者は、記載内容だけでなく細かな部分にも目を光らせていると考えましょう。
特におろそかになりやすいのが、年号・誤字脱字・部分修正といった点です。
こうした細かな部分をしっかり仕上げれば、公務員への適性があるというアピールもできるでしょう。
年号を統一する
履歴書内には、日付を書く欄がいくつかあります。
履歴書上部の日付欄・学歴職歴欄・資格免許欄のほかに、志望動機や自己PR欄に具体的な日付を入れる場合もあるでしょう。
こうした履歴書に必要なすべての年号は、採用担当者が見やすいように統一してください。
西暦か和暦かは自由です。
しかし、書類内で西暦と和暦が混在している状態は避けます。
西暦と和暦を混在させるのはマナー違反とされているだけでなく、ルーズな印象を与えてしまいます。
また、履歴書以外にも、面接カードなどのほかの提出書類に書く日付でも、年号を統一させましょう。
誤字脱字に注意
就活時で使用する履歴書において、誤字脱字はご法度です。
特に市役所職員に応募するならば、細心の注意を払ってください。
市役所の業務とは、わずかな1文字のミスが、市民の生活に大きな影響を及ぼすこともあるほど、責任の大きな仕事です。
そのため、その責任の重さの認識とミスを見逃さない注意深さが、履歴書にも求められます。
履歴書に誤字脱字のミスがあれば、仕事上でも同じようなミスを犯すという印象を与えかねません。
細やかさを兼ね備え、間違いなく業務をこなせるというアピールのためにも、複数回丁寧にチェックして誤字脱字を防ぎましょう。
修正テープや修正ペンは使わない
もしも、履歴書に年号の混在や誤字脱字を見つけたら、新しい用紙に書き直してください。
たとえわずかであっても、修正テープや修正ペンで部分的に訂正するのは厳禁です。
修正が数ミリであっても、採用担当者にはすぐにわかってしまいます。
履歴書の一部書き換えが禁止されているのは、その修正が本人の手によるものなのか、第三者による改ざんなのかを判別できないためです。
履歴書の書き損じを予防するためには、薄く下書きしてもよいでしょう。
また、ミスのない履歴書をお手本として、時間に余裕のあるときに何通か作り置きしておけば、いざというときに焦らないで済みます。
【市役所の志望動機】まとめ
市役所職員を志望するならば、まずは、履歴書を完璧に仕上げましょう。
細やかさと丁寧さが求められる履歴書作りは、市役所職員の適性試験の第一歩だと考えてください。
採用担当者は、履歴書の内容はもちろん、どれだけ丁寧に作られたものかを見ているのです。
さらに、志望動機や自己PRでは、その市役所が求める人材に自分がマッチするアピールポイントを考えましょう。
用紙選びや、地方公務員ならではの志望動機や自己PRの書き方から、間違えやすい注意点まで、細部にまで気を使って、採用につながる履歴書を作り上げてください。
また、郵送することの多い履歴書ですが、場合によっては面接時に持参して手渡すケースもあるでしょう。
こうした場合の注意点について、詳しくは別の記事を執筆しましたので参考にしてください。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート