休学とは?
休学とは、その名のとおり大学を学期単位で休むことです。
休学している期間の成績はつきません。
その間に支払わなければならない学費は大学や学部によって異なります。
病気や怪我、家庭の事情など、休学する理由は人それぞれです。
自分ではどうしようもない事情で仕方なく、休学せざるをえなかった人もいるでしょう。
しかし最近では、大学に通っているだけでは学べないことを学ぶために、あえて休学を選択する人も増えてきました。
大学から広い世界に飛び出してさまざまな体験をして成長するために、あえて休学を選ぶのです。
この経験は休学を終えたあとも、もしかしたら生涯にわたって役立つかもしれません。
今回は、休学についてメリットや注意点を解説します。
休学できる期間
休学できる期間は限られています。
また、一定期間以上大学を休学すると、大学から除籍されてしまう可能性もあります。
休学する目的によって休学しなくてはいけない期間は異なります。
休学できる期間の単位、上限を知っておきましょう。
休学は学期単位
基本的に、休学は学期単位で申し込みます。
休学をする場合は自身で何か月、何日間などの目安を決められるわけではありません。
大学の一年度を構成する前期・後期ずつで休学ができます。
何週間だけ、などは休学できないため単に欠席することになります。
履修の関係から、欠席と休学どちらが自分のスケジュールに合っているのかよく確認してみてください。
休学の上限は2~4年
大学を休学する上での上限は2~4年が一般的と言われています。
こちらは大学によって異なるため自身の大学の条件をよく確認してください。
一年間の休学などは全く問題がないということですね。
但し、先にも述べました通り、休学の上限を超えると大学を除籍されてしまう可能性があります。
休学の期間が長くなりそうな場合は事前に大学の休学可能期間の上限を確認しましょう。
休学のメリットとは
休学することによって、時間の余裕が生まれます。
この時間をフルに使って、大学ではできないような貴重な経験を積めば、経験値の面でほかの学生と大きく差をつけられるでしょう。
たとえば長期間海外に行けば、今まで知らなかった文化に触れ、視野を広げられます。
それまでの価値観をくつがえすような体験もできるかもしれません。
休学中の有意義な経験は、そのあとの就活でも役立つでしょう。
以上が卒業時期を遅らせてでも、あえて大学を休学するメリットです。
時間を作って貴重な経験ができる
大学に通っていれば、平日の昼間はほとんど学業でつぶれてしまうでしょう。
しかし一旦休学してしまえば、すべてが自分の自由時間となり、学業とは両立できないような体験も可能になります。
休学で得た自由な時間を使って得られるのは、教科書だけでは学べないリアルな学びです。
普段の生活圏から飛び出して、文化がまったく異なるコミュニティに加わった経験は、その後の人生でも必ずプラスになるでしょう。
大学で勉強することだけが勉強ではありません。
むしろ休学中は与えられた課題をこなすのではなく、目的をもってさまざまな体験をし、そこから大切なことを学べます。
そのような貴重な時間を作り出すための休学は、自分を高めるチャンスとなるのです。
視野が広がり新たな価値観を得られる
休学して時間を作れば、普段はできないような体験もできるようになります。
その時間を使って、今まで訪れたことがなかったさまざまな場所へ出かけることもできるでしょう。
行った先で現地の人と一緒に生活するなど、時間があればいくらでも充実した体験をできます。
そうすれば、それまでは出会ったことのなかった新たな文化や風景に触れることもできるでしょう。
そのような体験は、必ず自分の視野を広げてくれます。
意外な新しい自分に出会えるかもしれません。
休学は就活にも有利
休学中の貴重な体験は、そのあと待ち受けている就職活動にも有利です。
休学した事実が就活によくない影響を及ぼしてしまうのではないかと心配される方もいますが、そんなことはありません。
むしろ、休学中に学んだことは、ほかの学生にはない自分だけの強みです。
休学中に個性的な体験を積めば、周りと大きな差がつきます。
この差は、当然就活でも有利に働くはずです。
ライバルの学生にはない自分独自の視点は、採用担当者の目にも好意的に映るかもしれません。
目的のない休学は避ける
大学に通うのがなんとなく面倒で、などという理由で休学することは辞めましょう。
休学は大学へ通うことに対する逃げとして使ってはいけません。
のちに行われる就活で、休学の理由は絶対に聞かれるはずです。
そんなとき、なんのために休学したのか、休学をどのように活用したのかなどをきちんと論理的に説明する必要があります。
休学そのものは就活における足かせになりません。
しかし、休学に付随する目的と結果がないと自分の足を引っ張る事となります。
休学が就活に不利な影響を及ぼすことはない
大学を休学することに対して、就活で不利にならないか不安に思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし休学したことで就活が不利になることはありません。
むしろ、ほかの学生にはない個性的な体験を積み重ねているため、企業からの評価は高くなるでしょう。
面接で休学した理由を質問されることはあるかもしれませんが、休学の目的やそれで得たことをしっかり答えられれば大丈夫です。
卒業が遅れても、10月から入社することも可能なのでご安心ください。
休学中の経験を通じて、就活でも有利になるようなスキルを身につけられるかもしれません。
また、新たな自分の強みを発見できる可能性もあります。
臆することなく、しっかりと目的や目標をもって休学期間を有意義なものにしましょう。
休学期間に強みを見つけて就活に活用しよう
休学期間を惰性で過ごさないように気を付けましょう。
休学期間には目的や目標を明確に、努力する必要があります。
休学期間に身につけたスキルや価値観、経験はその後の自分の後ろ盾として大きく活躍してくれます。
次項目では休学中にするべきおすすめの経験を5つ取り上げています。
休学中の目的作りに活かして、自分の強みを作りましょう。
休学中にできること・やるべきこと5選
休学するといっても、そのあいだにできることはたくさんあります。
しかし、ここまで長い自由時間は、これからはなかなか取れないでしょう。
特に社会へ出てしまったら、長期休暇も思ったように取れない場合もあるのです。
ぜひ休学中にしかできないようなことにチャレンジしてください。
この機会に、海外に出てもよいですし、国内でインターンに参加するのもおすすめです。
いずれも、将来必ず役に立つ経験となり、就活でも強みになるでしょう。
①留学
休学している期間に留学すれば、短期留学に比べて現地で勉強できる時間が長くなります。
留学で得られるのは、語学力だけではありません。
日本にいては、触れることもなかなかないであろう海外の文化や価値観も学べます。
しかし、本物の語学力は短期間で身につけられるものではありません。
また文化や価値観も、少し滞在しただけではあまりわからないことも多いでしょう。
休学して長期間現地に滞在することで、学べることがたくさんあるはずです。
滞在期間が長ければ、近隣の国へ足を伸ばすなど、さらに見聞を深められます。
②国内インターン
国内の企業が実施するインターンシップに参加するのもおすすめです。
インターンシップにも、1日単位から数ヶ月あるいは数年など長期間にわたるものまで、さまざまなものがあります。
ぜひ興味のある業界や職業のインターンシップに参加してみましょう。
将来の予習をするような気持ちで実践的なスキルを身につけられるはずです。
休学中にインターンを経験すれば、その業界が本当に自分に合っているかどうかもわかるでしょう。
もちろん、将来へのモチベーションも上がるはずです。
③ワーキングホリデー
ワーキングホリデーは、海外で一定の期間滞在できるビザのことです。
現地での資金を稼ぐための就労も認められています。
語学を学びながらアルバイトができるので、比較的自由な留学制度というイメージです。
大学を休学して、ワーキングホリデーに行く学生もたくさんいます。
一般的な留学よりも、現地人と一緒に働くことで学べることも多いかもしれません。
語学に関しても、語学学校で勉強するよりもっと実践的な会話スキルを身につけられるでしょう。
④世界旅行
休学して、世界旅行に出かけるのもよいでしょう。
1か国だけで過ごすよりも、もっと多様な文化や風景に出会えるはずです。
同じ文化圏で過ごすことも勉強になりますが、さまざまな文化に触れてみるのも、とてもよい経験になります。
ぜひ世界を自分の目で見て、ご自分の視野を広げてください。
世界旅行となると、どうしてもある程度まとまった時間が必要です。
しかし、その経験は必ず自分にとってプラスになります。
世界中をめぐって、できるだけの多くの文化や風景に触れてみましょう。
⑤国際ボランティア
休学中に国際ボランティアに参加するのも有意義な経験になるでしょう。
世界各国から集まったメンバーともに寝食をともにしながら、ボランティアをすることで社会貢献できます。
国際ボランティアに参加すれば、リアルな世界情勢を自分の目でたしかめられるので、現在世界が直面している問題への理解も深まるはずです。
世界情勢に対する理解は就活でも役立ちます。
外国との取引が多い企業でなくても、世界情勢を正しく把握していれば必ず役に立つでしょう。
休学することによるデメリット
大学の休学には、メリットだけではなくデメリットも存在します。
具体的には、以下のような3つのデメリットが生じてしまいます。
・復学後、就活や学業で精一杯になる
・大学に戻る意欲がなくなってしまうこともある
休学を選ぶ理由は人それぞれです。
ただ、なんのために休学をするのか、休学明けの自分の行動をきちんと事前に決めておきましょう。
ここから休学をするデメリット3つの詳細を見ていきます。
だらだら過ごしていたら意味がない
大学を休学するなら、期間中にだらだら過ごすことだけはやめましょう。
休学すること自体は何も問題ありませんが、休学をする明確な理由や目的がないのは問題です。
本来であれば専念するはずの学業をわざわざ休んでいるため、単純にだらだら過ごしていることは客観的に見ても良く映りません。
大学を休学するなら、それなりの理由が必要です。
たとえば青年海外協力隊に参加する、長期間の海外留学に行くといった明確な目的をもって休みましょう。
これといった理由もなく休学してしまうと、就活で不利に働くことがあるので注意が必要です。
「人間関係がつらかった」「体力的につらかった」という言い分も、明確な理由には該当しますが、マイナスイメージにつながるため、おすすめできません。
復学後、就活や学業で精一杯になる
大学を休学すると、ほぼ確実に復学したあとの単位取得に大きな影響がおよぶでしょう。
一般的に、大学のカリキュラムは4年で修了できるよう構成されています。
休学をしてしまうと単位取得に費やせる時間が減るため、必然的に復学したあとの単位取得に切羽詰まるというわけです。
もし、計画的に休学を考えているなら、単位取得における対策を立てておきましょう。
あらかじめ取得できる単位を多めに取っておくのも1つの手です。
復学後の単位取得スケジュールも事前に立てておく必要があります。
大学2回生や3回生での休学を考えているなら、復学後は就活や学業で手一杯になることも覚悟しておきましょう。
単純に休めると思って休学を選んでしまうと、最悪の場合、卒業を逃すことにもなりかねないので注意してください。
大学に戻る意欲がなくなってしまうこともある
大学の休学中は、大学に戻る意欲を失わないように注意しましょう。
休学していると、復学後の生活に対してギャップを感じやすくなります。
休学するまでに毎日頑張って学生生活に励んでいた人ほど、休学によってゆるんだ意識を再度引き締める必要があります。
大切なのは、休学をする前に大学に通う意義や休学する目的を再認識しておくことです。
目的もなく休学しているようでは、大学を休む意味がなくなってしまい、人によってはそのまま中退する道を選んでしまう人もいます。
休学を決意することはそれだけ大きな選択です。
大学を休まなければならない理由は明確にしておきましょう。
休学せずに済む方法がないかについても、事前に自分なりに考えておく必要があります。
休学による特殊なスケジュール感に注意
休学すればほかの学生とそのあとのスケジュールは大きく変わります。
場合によっては、就活の準備にも影響が出るかもしれません。
卒業時期に関しても、1年遅れになるのか、それとも秋学期に卒業できるのか、大学側に問い合わせておくべきです。
また休学中にかかる費用のほかに、大学に納める学費もあります。
休学したことが就活で不利になることはありません。
しかし、休学後のスケジュールと休学期間中に必要な費用については、事前にたしかめておきましょう。
休学してしまうと、そのあとのスケジュールがそれだけ後ろ倒しになってしまいます。
そのため、ほかの学生ともスケジュールのずれが生じます。
自分だけ周囲とスケジュールがずれてしまうので、その点は注意しなければなりません。
休学しているうちに、周りの学生は就活の準備を始めている可能性もあります。
また卒業時期も当然遅れてしまうので、入社時期がずれてしまうことを企業から了承してもらう必要があるでしょう。
周りの学生とスケジュールがずれていることで、見えない壁を感じてしまうこともあるかもしれません。
それでも、休学したことは決してマイナスにならないので、あまり気にせずに突き進みましょう。
休学して経験したことは、就活でも強みになるからです。
就活準備が遅れる可能性もある
休学によって、そのあとの学生生活におけるスケジュールにずれが生じます。
そこで就活の準備に使える時間が短くなってしまうこともあるでしょう。
休学しているあいだは、就活の準備を進める余裕がなく、復学してみたら周囲はとっくに就活準備を始めていたということもよくあります。
休学するのであれば、その点は覚悟しておかなければなりません。
しかし、就活準備が遅れたとしても、その後の努力次第で十分に挽回は可能なので、心配しすぎないようにしましょう。
休学するとその分卒業が遅れる
休学しているあいだは大学の講義に出席できないので、当然単位の取得もできません。
そのため、卒業時期がずれてしまいます。
大学や学部によっては、半期(秋学期)での卒業も認められていますが、すべての大学で認められているわけではありません。
必ず事前に大学へ問い合わせておきましょう。
秋学期卒業になると、通常の就活のスケジュールどおりではなくなります。
しかし、多くの企業で10月の秋採用も行われているので、あまり心配はいりません。
9月卒業者には留学経験者など優秀な学生も多く含まれるので、企業側も注目しているという側面もあります。
事前に卒業時期をたしかめておく必要はありますが、卒業時期に関して就活で不利になることはないので安心してください。
休学はお金がかかる
休学中は、そのときしかできない貴重な体験をするよいチャンスです。
しかし、海外に行くだけでも渡航費がかかります。
現地で語学学校に通うのであれば、その学費も必要です。
ワーキングホリデーであれば、学校に通いながらアルバイトできますが、やはりある程度のまとまった出費を覚悟しなければなりません。
世界旅行に行くとなれば、もっとお金がかかる可能性もあります。
休学中に貴重な経験を重ねておきたくても、それには必ずお金が必要なのです。
したがって、休学中に必要な費用を事前に用意しておかなければなりません。
休学前にアルバイトなどで貯金しておいたほうがよいでしょう。
休学してからも貯金はできますが、貴重な体験のための時間が削られてしまいます。
休学中も学費が発生するかも
大学によっては休学中にも学費が発生します。
休学中にかかってくる費用は大学によって異なりますので、よく確認が必要です。
大学によっては、例えば一部授業料の支払いを求められるケースや在学費のみ支払う必要があるケースなどがあります。
休学費用の上に上乗せされると意外と大きな金額になってしまうことを知っておきましょう。
休学費用については次の項目で話します。
休学費用を大学に支払う必要がある
休学中における学費の扱いに関しては、大学によって対応は異なります。
月に5万円で済む場合もあれば、授業料全額を支払わなければならない場合もあり、必要な額はさまざまです。
自分の大学の規則がどうなっているのかわからなければ、学生課などに問い合わせてたしかめてみましょう。
休学中でも所定の費用を支払わなければ、除籍や退学になってしまう可能性もあるので気をつけてください。
海外などへ行く場合は現地で必要なお金以外にも、その期間に大学へ支払うお金も用意しておきましょう。
休学中に自分しかできない経験をして視野を広げよう
休学中は、留学したりボランティア活動に参加したりするなど、ご自身の知見を広めるよい機会です。
もちろん費用面などのデメリットもありますが、そこで得られるもののほうがずっと大きいでしょう。
将来の見通しをもって行動すれば、個性的な自分だけの体験がたくさんできるはずです。
そして、そこで積んだキャリアは必ず自分の後ろ盾となるでしょう。
自分だけの経験を積んで、そこから学んだことは、そのあとの就活でも役に立ちます。
そのまま大学生活を送っていたのでは知ることのなかった文化に触れることは、自分を成長させるチャンスでもあります。
休学期間を有意義に過ごすし、視野を広げれば、面接でもほかの学生には真似できないレベルの高い受け答えができるようになるはずです。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート