はじめに
近年、金融のフィールドにIT企業が進出してきていて、成長産業の一つとなっています。
IT金融における就職活動はどのように進めていけば良いのでしょうか。
金融ITとフィンテックは異なります。
金融×ITの一つであるフィンテック業界は、ベンチャー企業が中心。
やりたいことによって就職活動の特徴も異なるため、本記事ではフィンテック企業を中心に説明します。
金融ITとフィンテックの違いとは何か、フィンテック企業にはどのような会社があるのか、
フィンテック業界に向いている人・向いていない人などについて詳しく解説します。
成長産業での就活に興味を持っていて、若いうちからバリバリ働きたいそこのあなた。
フィンテック業界に興味があるならば、ぜひ参考にしてみてください。
金融ITとフィンテックの違い
フィンテックと従来の金融ITとは、まったく異なるサービスです。
ここでは金融ITとフィンテックの違いについて説明していきます。
フィンテックとは
金融サービスと情報技術を結びつけたさまざまな動きやサービスを指します。
フィンテックは資産運用やお金の管理、支払いなど金融に関する幅広い分野のサービスを提供しているのです。
代表的な例だと、スマートフォンによるキャッシュレス決済や仮想通貨などがあります。
またWebやアプリ上で簡単に投資・資産運用が行えるサービスやオンライン上で資金を集めて事業の達成などを図るクラウドファンディング、
インターネット上で受けられる融資やローンのサービスなどもフィンテックです。
従来の金融業界のITエンジニアとフィンテック企業は違う?
金融機関のITエンジニアと、近頃話題であるフィンテック企業は異なります。
金融機関においてのITは、金融制度の確立や金融サービスをサポートするための解決策です。
対してフィンテックは、従来の金融サービスに対する不満を解決するために新たな企業が金融業務に進出し、誕生したサービスとなります。
金融事業は法規制が厳しいため金融機関以外の企業が参画しようとしても法の壁が立ちはだかりますが、
フィンテックは非金融機関企業にとって大きなビジネスチャンスとなります。
フィンテックの将来性
矢野経済研究所がまとめた国内フィンテック市場調査によると、
フィンテック市場は2021年度に808億円の市場規模に成長すると予想されています。
2015年度の市場規模は48億8,500万円だったことから、6年の間に16.5倍の成長が見込める計算となるのです。
2021年度に市場規模が808億円に達すると予測されるのには、
ビットコイン(仮想通貨)の利用拡大や金融機関や大手SIerによるベンチャー企業との協業、銀行法の改正などが要因であると考えられています。
フィンテック企業はベンチャーが多い?
フィンテック領域は新興業界です 。
経済や生活を成り立たせるためにはお金が必要となりますが、
金融サービスを変革させることは経済や生活を大きく変える可能性が秘められています。
そのためフィンテック業界は、独自のアイディアや技術をもとにして新しいサービスやビジネスを展開するベンチャー企業が多く、
政府もそれを後押ししている状況です。
ベンチャーの有名企業 (サービス別)
QRコード決済、仮想通貨、資産管理、クラウドファンディング、経理・会計といったサービス別に
ベンチャーの有名企業を5社紹介します。
1社ずつ見ていきましょう。
PayPay(QRコード決済)
まずはQRコード決済の「PayPay」です。
QRコード決済の方法は大きく2つ。
2つ目はお店が用意したQRコードをユーザーがスキャンする「ユーザースキャン」です。
PayPayはどちらにも対応していて、気軽に導入したいという人にもおすすめ。
PayPayを運営しているのはソフトバンクとヤフーの共同出資会社からなるPayPay株式会社です。
そのため、ヤフーのサービスやソフトバンクとあわせて使うとポイントが還元されてお得です。
Bitコイン(仮想通貨)
次は仮想通貨の「Bitコイン」です。
一般的にBitコインの用途は投資や資産運用というイメージが強いですが、実店舗やネットショッピングでの使用も可能です。
Bitコインは国家単位で運営されている円やドルと同じく経済活動を円滑に進めるために作られた仮想通貨であり、
世界中で日常的に使用できるようにすることを目標に作られています。
紙幣や硬貨の代わりにパソコンやスマートフォンをお財布代わりにすることで、売買を実現できます。
マネーツリー(資産管理)
「マネーツリー」は、お金をいつ・どこで・何に利用したかを把握するための資産管理ツールです。
あらかじめ銀行口座やクレジットカードなどを登録しておくだけで、自動で家計簿入力を行ってくれます。
現金以外にもクレジットカードのポイントや電子マネーの残高、マイルなどの資産も管理することができます。
マネーツリーは金融機関などの法人にサービスを提供し、収益を得ています。
そのため無料でも機能が充実していて、広告表示もありません。
クラウドファンディング(Ready for)
クラウドファンディングサービスの「Ready for」は、日本で最初のクラウドファンディングサイトです。
2011年にサービスを開始して以来購入型クラウドファンディングを中心とした募集を行っていましたが、
現在ではガバメントクラウドファンディングや寄付型のクラウドファンディングサービスも提供しています。
Ready forにおいて、利用者は支援者と呼ばれます。
資金を提供したプロジェクトが成功した際には、支援した金額に応じたリターンを得ることができるのです。
支援者の手数料はありません。
freee(経理・会計)
経理・会計のクラウドソフトである「freee」は、インターネットが使える環境であればパソコン、スマートフォンから使用することができます。
会計ソフトには大きく分けて法人向けのものと個人事業主向けのものがあり、それぞれ複数の料金プランが用意されているため、
自身や自社に合ったものを選ぶことができます。
自動仕分けによる帳簿作成など簡単に会計データを入力するための工夫が多くされているため、会計初心者でもストレスなく会計データが入力可能です。
また、プランに応じてさまざまなサポートを受けることができます。
ベンチャーの就活の特徴
フィンテック業界はベンチャー企業が主となるのです。
ここではベンチャー企業はどのように就活を進めると良いのか解説します。
ベンチャー企業の採用スケジュールは会社ごとに異なります。
ただし大企業と比較すると、早くからインターンシップなどの選考活動を行っている企業も多いです。
就活サイトで情報を集めたりインターンシップに積極的に参加したりするなどして、なるべく早くから動き出すようにしましょう。
長期インターンシップを受け入れている企業では、長期インターンで働くことでそのまま雇用されるケースもあります。
詳しく知りたい方はこちらも参考にしてください。
フィンテック業界の適性
フィンテック業界に向いている人・向いていない人について解説していきます。
求められる人材
フィンテック業界は新興業界のため、会社は創業期や成長期がほとんどです。
失敗を恐れず前へ前へと行動し、成功法を見出すスピード感が必要です。
そのため、チャレンジ精神や能動的に動くことが求められます。
特に募集人数が多いのは、実際にサービスやシステムを開発・運用するエンジニア職です。
特にICT技術の開発に携わる人材の募集が多いでしょう。
また、カスタマーサポートやセールスなど総合職の採用もあります。
向いている人
フィンテック業界に向いている人は、次世代の新しい技術に携わりたい人や新しいことにチャレンジしたい人です。
成長が期待できる業界であるため、問題解決力や高い意欲が必要となります。
道なき道を行くのが楽しいという人、負けず嫌いな人、自分自身でやりがいを見つけられるような人にも向いています。
逆に安定志向な人や仕事に対して受動的な人、マニュアルに沿って仕事をしたい人、会社名に価値を感じる人などにはあまり向いていないでしょう。
おわりに
フィンテック業界を中心とした「金融×IT」の領域は現在どんどん成長しており、今後も成長を見込める業界です。
ベンチャー企業が多く、新しいことにどんどんチャレンジをしたい人や次世代の新しい技術に携わりたい人、
自分自身で能動的に動くことができる人に向いているでしょう。
ただしフィンテック業界を希望していたとしても、調べているうちに自分に合わないと感じたならばほかの業界も探してみましょう。
ほかにも成長を見込める業界はたくさんあります。
たとえばコンサル業界やインターネット業界などは、若いうちから裁量を持って責任ある仕事を任される企業が多いです。
1つの業界に固執することなく、今まで知らなかった業界にも目を向けて探してみると良いでしょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート