はじめに
就職活動を始めてしばらく経った頃、いきなり大学のOBという人物から「少しお話したいので会ってもらえませんか」と連絡を貰ったという経験をした就活生もいるでしょう。
これがいわゆるリクルーター面談と言われるものです。
最近はリクルーター面談を採用している企業も増えてきていますが、このような誘いを受けた時はどのように対応するのが良いのでしょうか。
ここでは、リクルーター面談を受ける時に押さえておきたいポイントについて紹介します。
【リクルーター面談とは】リクルーター面談って何?
これから本格的に就職活動を始める学生の中には、そもそもリクルーター面談がどういったものなのかよく知らないという人も少ないないでしょう。
「OB訪問と同じようなものかな?」と考えている学生も多いと思います。
確かに、リクルーター面談もOB訪問も志望する企業に勤務する先輩が就職活動を行う学生のサポートにあたるという点では同じです。
雰囲気もフランクで気になることをなんでも質問できる雰囲気も共通してします。
しかし、両者が決定的に異なるのはOB訪問は一般的に選考に影響を与えることがない一方で、リクルーター面談は選考の一環として行われるということです。
ですから、リクルーター面談ではOBに「この学生はぜひ採用したほうが良い」と思わせる必要があります。
実施時期
リクルーター面談が実施される時期は企業によってさまざまですが、一般的には本格的な選考が始まる前に行われます。
これは、リクルーター面談が一種の足切り的な役割を果たしているからです。
経団連が定める就活スケジュールでは6月1日が本格的な選考活動のスタートとなっているので、その前の4~5月頃がピークということになります。
しかし、経団連に属していないベンチャー企業などではもっと早い段階からリクルーター面談を実施しているところがあるのも事実です。
基本的には企業にエントリーしたらすぐにリクルーター面談があると考えておいたほうが良いでしょう。
リクルーター面談が実施される企業に応募する時は前もって対策をしておいたほうが無難です。
実際の採用面接との違い
先ほども説明したようにリクルーター面談は実質的には選考の場となっていますが、その形式は採用面接などとは大きく異なっています。
たとえば、リクルーター面談はカフェでランチをしながらであったりファミレスで昼食を取りながらであったりとカジュアルな場所でリラックスした雰囲気で行われるのが一般的で、企業の会議室で行われる堅苦しい採用面接とはかなり違いがあります。
また、リクルーターとして付くのは一般的には大学のOBで、採用担当者と比べると年齢的にも近い人ばかりなので、採用面接では聞きにくいような質問もしやすい雰囲気です。
自分が志望する企業の本音が知りたいという学生にとってはとても有意義な時間となることでしょう。
堅苦しくないフランクな会話
リクルーター面談は採用面接と違って雰囲気自体も非常にフランクです。
既出の通り、カフェやレストランでの面談となるため、時折冗談を交えながらリラックスした雰囲気の中で行われるので、人事担当者を目の前にした採用面接ではなかなか聞くことができない興味深い話も聞くことができるのがリクルーター面談の良いところです。
また、これから始める本格的な採用選考に向けて、わからないことを質問することができる貴重な場でもあります。
多くの就活生は「自分の就活の進め方が本当にこれで良いのか?」と疑問に感じているでしょう。
そんな時は、実際に厳しい就職活動を経験して内定を勝ち得た先輩の話を聞くことは今後の就活の大きな武器にもなります。
選考されていないわけではない
このように、リクルーター面談は採用面接と違って自分と年齢の近いリクルーターから会社に関する情報をフランクに聞くことができるというのが最大のメリットです。
しかし、フランクな雰囲気に流されてしまうのはNGです。
リクルーター面談はあくまでも選考の一つのステップとして実施されているので、良くない印象を与えてしまっては落とされてしまうかもしれないからです。
リクルーター面談の場には人事担当者がいないためついつい油断してしまいがちですが、リクルーターとして任命されているOBは人事部から派遣されてきているということを忘れてはいけません。
「学生がどのような人物なのか」「会社に必要な人材なのか」ということをリクルーター面談の場で見極められているということを意識して立ち回るように心がけましょう。
【リクルーター面談とは】リクルーターと会う時の服装
リクルーター面談でリクルーターと会う時にどんな服装をしていったら良いのかというのは多くの学生が悩むポイントではないでしょうか。
「カジュアルな服装でかまいませんよ」と言われると余計困ってしまいます。
リクルーター面談が企業選考の一つのステップと考えれば、たとえカジュアルな服装で良いと言われてもポロシャツにチノパンといったカジュアルな服装は避けるべきです。
やはり一番無難なのはリクルートスーツで行くということになるでしょう。
もちろんネクタイもしっかりと締めて行きましょう。
また、リクルーター面談では第一印象がとても大切になりますので、シャツにシワや汚れがあったり、髪の毛がボザボサだったりと不潔な身なりはNGです。
清潔感のある服装で会うようにして、最低限のビジネスマナーを身につけていることをアピールしましょう。
【リクルーター面談とは】面談の連絡手段
リクルーター面談は大手企業を中心に行われている選考制度です。
優秀な学生を早い段階で囲い込むことが主な目的となっているため、応募してきた学生全員を対象とするのではなく東京大学や早慶など高学歴の学生のみを対象として行われるのが一般的です。
ですから、リクルーター面談の誘いが来るということは内定を貰うチャンスということができます。
では、企業側からどのような接触があるのかというと、一番多いのは突然リクルーターから電話やメールで誘われるなど、企業によってさまざまです。
いきなりの連絡で戸惑ってしまう学生も多いかもしれませんが、興味がある企業なら断らずに参加しましょう。
参加しないと選考のステップに残れない可能性もあるからです。
返事はできるだけ早く、可能なら当日中に連絡するようにしましょう。
【リクルーター面談とは】これだけは聞いておこう!リクルーターへの質問事項
リクルーター面談は自分が興味を持っている企業の情報を集めるための非常に貴重な場です。
面談の中では必ずリクルーターに対する質問時間が設けられているので、気になることがあるならば臆することなく積極的に質問してみましょう。
質の高い質問をすることができればリクルーターからの評価を高めることにつながり、たくさん質問をすればそれだけ会社に対して興味を持っているということのアピールにもなります。
ここでは、リクルーター面談でぜひとも聞いておきたい質問についてまとめてありますので、ぜひ就活で役立ててください。
職場の雰囲気や部署の雰囲気
企業の情報というのは外から見ただけではわからないものもたくさんあります。
たとえば、企業の業績といった情報ならば公開される財務諸表などを分析することで外部からでも理解することができますが、職場や部署の雰囲気といったものは外部から見ただけではなかなか理解することができません。
にもかからず、職場や部署の雰囲気は実際に働くうえでとても重要な要素であり、職場の雰囲気に馴染むことができなければミスマッチによる早期退職の原因にもなってしまうものです。
そのため、働き始めてから「こんなはずではなかったのに……」と後悔しないためにも「○○さんの職場や部署はどんな雰囲気ですか?」といった質問は必ず聞いておいたほうが良いでしょう。
入社を決めた理由
エントリーシートや面接では必ずと言って良いほど志望動機に関する質問を受けます。
「あなたはなぜうちの会社に応募したのですか?」という質問に対して説得力のある回答ができる学生というのは企業側から見れば「しっかりと企業研究をしていて同業他社との比較がきちんとできている」という評価につながり、「志望度が高く本気でうちの会社に入りたいのだろう」という印象を受けます。
そのため、リクルーター面談では「なぜ、この会社に入りたいと思ったのですか?」という質問をするのはとても有益です。
その答えを参考にして「ほかの会社ではなく、この会社でなければならないんだ」という魅力的な志望動機を作成することができれば内定に近付くことができるでしょう。
一番印象に残っている仕事
リクルーター面談という限られた時間の中で多くのことを聞き出すためには企業のサイトやパンフレットなどを見ればわかるような質問はできるだけ避けるようにして、具体的なエピソードなどを質問するようにするのがポイントです。
たとえば、仕事での成功談や失敗談、苦労話といったことは実際に経験した人からでないとなかなか得ることのできない情報であり、「これまでの中で一番印象に残っている仕事はなんですか?」という質問も、リクルーター面談ではぜひとも聞いておきたい質問の一つです。
このような質問の回答は「自分が入社してからどのような能力が必要となるのか」、「仕事で困難に直面した時にどのように乗り越えるのか」ということのヒントにもなるので、仕事で力を発揮するためにも聞いておいたほうが良いでしょう。
入社後のギャップはあったか
現在問題となっているのが、新卒で入社した社員の早期退職です。
実際、新卒社員の3人に1人が3年以内で離職しています。
このような早期退職の大きな原因が仕事のミスマッチです。
「自分がやりたい仕事と会社から任される仕事の間にギャップがあり自分のやりたいことができない」というジレンマが募ることや「企業の社風が自分に合わずに自分の持っている力を十分に発揮することができない」と感じている若手社員は非常に多いのです。
このようなミスマッチを防ぐためにも「入社前と入社後でどのようなギャップを感じましたか?」といった質問をリクルーターにぶつけてみましょう。
自分が活躍できる職場かどうかを見極めるためのヒントにすることができます。
仕事のやりがいを感じる瞬間
リクルーター面談では仕事の失敗談や苦労話だけでなく、「どのようなやりがいがある仕事なのか?」についても質問してみましょう。
確かに仕事は楽しいことばかりではなく成果を出すためには大変な努力や苦労がつきものですが、だからこそ、どんなことにやりがいを感じるのかを理解しておくことは仕事をするうえでのモチベーションにつながる大事な部分です。
仕事のやりがいを理解することは、自分の価値観が志望する企業とマッチしているかの判断材料ともなります。
たとえば、自分が報酬面にやりがいを感じるならば、成果に応じて高い報酬が得られる職場は自分の価値観にマッチしていることになり、働きがいのある職場だということになりますので、職場に対する不満も溜まりにくくなります。
入社後のキャリアの積み方
就職活動中はどうしても内定を貰うことばかりを考えてしまいがちで、入社後のことまでなかなか考えることができないというのが本音でしょう。
しかし、面接において入社後のキャリアをしっかりと説明することは、採用担当者に対して「将来自分が会社でどのような活躍ができるのか」をアピールするための非常に重要な要素です。
そのためにも、入社した後のキャリアの積み方についてリクルーターに質問するのはとても大切なことだといえます。
たとえば「配属の制度について知りたいのですが?」という質問をすることで「就職後にどのような部署に配属されることになるのか」、「自分のやりたいことをするためにはどれくらいの期間が必要なのか」といったことがわかります。
また、「企画部門で働くためにはどのような能力が必要か?」という質問をすることで、自分がこれから身につけるべきスキルや資格を知ることもできるでしょう。
企業内での一日のスケジュールや働き方について
業界研究や企業研究を通じてどのような業務が行われているのかを大まかに知ることはできますが、社員の一日の仕事の流れまでは詳しく知ることができません。
企業に対する興味が大きくなればなるほど、その中でどのような働き方をしているのか具体的に知りたくなると思います。
そのような時は、リクルーター面談で「いつもどのように働いているのですか、具体的に1日の仕事の流れを教えてください」とお願いしてみましょう。
より具体的な働き方が見えてきて、企業に対する理解度も深まります。
また、女性であれば子どもが生まれた時にどのような働き方ができるのかについて聞くこともとても大切なことであり、充実した生活のためには休暇や残業の状況について尋ねてみるのもおすすめです。
【リクルーター面談とは】面談後はお礼メールを書こう
リクルート面談を受けた時は、貴重な時間を割いて会ってくれたリクルーターへ感謝の気持ちを伝えるために、必ずその日のうちにお礼のメールを書くようにしましょう。
それが社会人としてのマナーです。
感謝のメールも出せないような学生は印象が非常に悪くなるので、選考で落とされてしまっても文句は言えません。
ここではリクルーターへのお礼メールの例文を紹介するので、参考にしてくれぐれも失礼のないように感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。
例文
件名:リクルーター面談のお礼
株式会社〇〇
△△部 □□課 ☓☓(リクルーターの名前) 様
お世話になっております。
〇〇大学 △△ 学部 □□学科の☓☓☓☓(本人の名前)です。
本日はご多忙の中、貴重な時間を割いて面談を受けていただいて誠にありがとうございました。
☓☓様のお話をお伺いする中で、これまで疑問に感じていたことが解決し、貴社への興味がますます高まりました。
また、仕事に対する取り組み方や仕事のやりがいを理解できたことで社会人としてあるべき姿勢というものも学ばせていただきました。
本日の☓☓様のお話の内容を踏まえたうえで、今後もさらに貴社の企業研究を深めていきたいと考えております。
またご相談、ご質問させていただくこともあると思いますので、その際は本日同様ご指導の程よろしくお願いいたします。
本日は貴重な時間を頂き、ありがとうございました。
取り急ぎお礼を申し上げます。
〇〇大学 △△ 学部 □□学科
(氏名) ☓☓☓☓
携帯番号
メールアドレス
まとめ
リクルーター面談は就活における選考ステップの1つで、企業へのエントリー直後に行われるのが一般的です。
突然電話やメールで誘われることも多いですが、断ってしまうと選考から漏れてしまうこともあるので、志望度が高いのであれば断らずに参加しましょう。
リクルーター面談はフランクな雰囲気で行われますが、選考の一貫ということを忘れずに服装や言葉遣いなどに失礼のないようにしましょう。
また、リクルーター面談は会社の詳しい情報を知ることのできる貴重な場でもあるので、疑問に感じていることがあれば質問してみましょう。
志望度の高さをアピールすることにもつながります。
リクルーター面談が終わったら、当日中にお礼のメールを出すことも忘れないようにしましょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート