はじめに
就活のインターンシップでよく知られているのは、夏に行われるサマーインターンでしょう。
これに対し、冬に行われるのがウィンターインターンと呼ばれるもので、主に大学3年生の12月頃から実施されています。
時期的には夏のインターンシップを終えてすぐのタイミングとなるため、果たして参加意義があるのか疑問に感じる学生も少なくないようです。
ここではウィンターインターンがどのようなものか、詳しく解説します。
【ウィンターインターンの選考】ウィンターインターンとは?冬にインターンが行われる理由
ウィンターインターンは、大学3年生の10月頃に選考が行われ、12月~1月頃にかけて開催される短期インターンシップです。
インターンシップには夏のほか秋の開催もありますが、いずれにしても長期休暇がある時期ではないので、企業ごとに開催時期が異なる場合もあります。
それでもウィンターインターンを行う企業は多いのですが、果たしてそのような時期になぜインターンシップが行われるのでしょうか。
サマーインターンとはどう違う?
まず気になるのが、サマーインターンとの違いです。
単に開催時期が違うだけではないかと思いますが、実はそうでもありません。
もちろん各企業で思惑は異なりますが、多くの企業はサマーインターンを自社の宣伝活動の一環としてとらえているでしょう。
たくさんの学生に自社の存在を広く知ってもらって、興味を持ってもらうことを意識しています。
これに対してウィンターインターンは、もっと採用に対して具体的です。
良い学生がいればすぐにでも囲い込みたいと考えていますし、実際勧誘も多いでしょう。
その働きぶりから参加者の能力やポテンシャルを判定したいと考えています。
就活に大きく影響する!
前述のとおり、ウィンターインターンは企業にとっては広報寄りというより、かなり採用活動寄りと言えます。
つまり結論を言えば、ウィンターインターンはサマーインターンよりずっと大きく就活に影響するということです。
学生としてはチャンスととらえ、内定を得るための自己アピールに活用すべきでしょう。
サマーインターンはいろいろな業界や企業を知る、見聞を広めるといった意味合いが強いですが、冬はそうも言っていられないと言えます。
実施期間も短く、各企業ともほんの1週間ほどの設定が大半です。
その短い時間の中でいかに自己PRできるか、主目的をしっかり理解したうえで行動する必要があります。
【ウィンターインターンの選考】ウィンターインターンに参加するための選考はあるの?
場合によっては思っている以上に就活に影響を及ぼすウィンターインターンですが、果たして参加するためのハードルはどれくらい高いのでしょうか。
選考に関しては、企業によって、ある場合もあればない場合もあります。
それぞれどのような理由で選考の有無を決めているのか、各企業の思惑をまとめてみましょう。
選考がある場合
まず選考がある場合の企業について、その理由をまとめます。
中には、夏・秋ともにインターンシッププログラムを実施していなかった企業が開催し、応募者もハイレベルで厳しい選考になっているケースがあります。
また、サマーインターンで勝ち抜いた学生でも、ウィンターインターンではESの段階で落選してしまう場合もあります。
企業側はどのような考えでウィンターインターンの選考を実施しているのでしょうか。
参加希望者多数の人気企業
一番多いパターンは、参加希望者が多数存在する人気企業である場合です。
こうした企業は応募期間も限られており、気づいたときにはエントリーすら締め切られていたということもあり得ますので、スケジュールからして十分に注意しておく必要があります。
また、短期日数で不定期に実施される可能性も高く、本気で毎日情報をチェックするくらいの勢いが必要です。
この場合は企業側の思惑はさておいても、とにかく膨大な数の応募者が存在することがポイントと言えるでしょう。
必然的にその中から勝ち抜かなければならなくなるため、選考も厳しいものにならざるを得ません。
少人数プログラムを組んでいる
企業側のプログラムが、大人数を入れてどんどん回すというものではなく、より少数精鋭型になっている場合は選考が発生します。
この場合、参加できれば丁寧な指導を受けられたり、企業や業務をより詳しく知ることができたりするため、かなり参加意義があるのは確かでしょう。
ただ受け入れのキャパシティがそもそも小さい以上、その席を勝ち取れるかどうかは厳しいものとなります。
大手企業があえて人数を絞っている場合もあれば、企業規模が小さいため結果的に人数が少なくなっている場合もあるため、そこは一概に言えません。
企業側としては、受け入れ人数が少ない分、学生一人ひとりの人となりやポテンシャル、細かなスキルも見極められると考えています。
就活の直前のため、採用を見越している
ウィンターインターンは採用直結型であることが多いと書きましたが、就活直前のインターンシップですから、当然企業も採用を見越しています。
また企業によっては本選考の山場と考えていることもあるため、単にインターンシップではなく最終選考に限りなく近いと認識した方が良い場合もあります。
選考は、参加させるためというよりふるい落とすためという意味合いが強く、そうした企業ではかなり厳しい選考が予想されるでしょう。
相応の対応を施して臨まなければ、たとえ夏・秋と参加実績のある学生でも落とされてしまう可能性があります。
選考がない場合
一方で、ウィンターインターンには選考が設けられていない企業もあります。
学生側としてはかなりハードルが低くなると考えたくなりますが、実際にはそうでもない部分があるので注意が必要です。
また、選考がないというより、そもそも選考を必要としない内容である場合もあります。
その場合は参加したことで得られるものにも限りがありますので、そこはあらかじめ留意しておきましょう。
先着順
選考はないけれど少々ハードルが高い、それが先着順です。
つまり早い者勝ちとなりますので、ぜひ参加したいと考えるなら、募集が始まってすぐに応募できるよう準備をしておきましょう。
ただ、1dayの職場体験など、多くの参加者をどんどん回していくようなプログラムである場合も少なくありません。
踏み込んだ部分まで業務や企業を深く知りたいという人にはちょっと物足りない場合もあります。
それでも実際に社会人と同じ立場で現場に入る体験は、ほかではできない貴重な就活の財産になることは間違いないでしょう。
大枠を設けている
早い者勝ちとまではいかないものの、受け入れ人数や実施規模に大枠を設けて実施する企業もあります。
この場合も当然早めに行動した方が良く、後回しにしていると企業側の都合で終了となってしまう場合もあります。
だいたいの期間が決まっていたり、おおむね人数が決まっていたりするため、明確な基準はないものの企業側のスケジュールや判断で実施されます。
希望する先が実施しているようなら、選考がないからと言って余裕とは思わずに、積極的に参加するのがオススメです。
説明会など、とくに参加者の能力を問わない内容である
選考がないというより選考を必要としない内容である場合もあります。
こうしたプログラムはインターンシップというより企業説明会に近い内容であるため、想像とは少々異なる場合もあるでしょう。
2020年卒の学生までは3月採用イベント解禁というルールが設けられており、2021年卒以降でもこのスケジュールが活きている企業が少なくありません。
そうした環境の中、1dayインターンシップという形で職場体験と説明会を同時開催する手法が実施されてきました。
今後なくなっていくことが予想されますが、そもそも説明会としての意味合いが強いため、各回2~3時間程度で終了し、参加者の能力が問われるようなものではありません。
【ウィンターインターンの選考】実際の選考内容とは?
ウィンターインターンを本選考に近い採用活動ととらえている企業や、応募者が殺到するような人気企業の場合、どうしてもふるい落とすための選考になり、厳しくなりがちです。
競争率が高い以上致し方ない部分はありますが、果たしてどのような内容になっているのでしょうか。
履歴書・エントリーシート
選考の基本中の基本が履歴書とエントリーシート(ES)の提出です。
これらの書類は個人を紹介するためのものであり、本来は証明書類に近い位置づけのはずです。
ただそこで聞かれる質問に対する答えや人となりによって、実際にはすでに足切りという一次選考に該当してしまうのが一般的です。
履歴書やESは、本人の代わりに本人より先に相手と相対する大事な書類です。
つまり自分自身とまったく同じもの、自分の身代わりとなるものと認識し、丁寧に作成することが重要と言えるでしょう。
間違いがあるようではお話になりませんし、できれば相手企業に魅力的に映るものであってほしいです。
そうした意味ではオーディションに参加するタレントのように、魅力を最大限引き出せる工夫を施すことは重要です。
Webテスト
ウィンターインターンが内定に直結する可能性がある以上、Webテストの勉強は必須だと考えましょう。
志望企業の合格最低点が高い場合もありますので、対策の参考書を一周し、できるだけ過去問などを問いて慣れておくことをオススメします。
ウィンターインターンに限らず、インターンシップの選考においてWebテストは必ず含まれるものとは限りません。
ただ比較的大手の企業ほどインターンシップの選考においてテストを採用する傾向がありますし、応募者が多い人気企業であれば準備が必要です。
そもそもインターンシップではなくても本選考で実施される場合もありますので、やっておいて損はないでしょう。
テストである以上明確な点数が出るため、基準ラインを超えられなければそこでアウトです。
グループディスカッションや面接
面接のない企業はまずありませんが、グループディスカッションもインターンシップの選考でよく実施される内容です。
本選考でも採用される確率が高いため、就活生なら対策しておきましょう。
グループディスカッションになるか面接になるかは企業の判断によりますが、いずれにせよ慣れが必要です。
面接であればどのような内容が聞かれやすいか、グループディスカッションならどのような出題テーマが多いかは情報が必須です。
とくにグループディスカッションには抽象・自由型や課題解決型などタイプがあり、タイプによって対策も思考法も変わりますし、評価ポイントも変わるため対策が必要です。
【ウィンターインターンの選考】ウィンターインターンの選考対策
ウィンターインターンの選考に臨む場合、どのような対策が必要かまとめておきましょう。
インターンシップは企業都合で実施されるプログラムのため、同じ企業でも内容が毎回異なる場合もあり得ますし、夏と秋、冬とでガラッと方針が変わる場合もあります。
対応するには最新の情報を得る必要がありますので、自分1人の力では難しい部分は、さまざまな方面で協力者を得る努力も必要です。
参加する目的・目標を伝えられるようにする
まずインターンシップへ参加する目的が何か、自分自身できちんと整理できていることは大前提です。
ウィンターインターンに限りませんが、ただなんとなく参加して良いものではありませんし、それでは受かるものも受からなくなってしまいます。
とくに冬は学業も厳しい時期ですから、そこであえて時間を使って企業へアプローチするなら、そこで得るべき目標は明確にしておきましょう。
自分が何が知りたいのか、そこで何を得たいのか、一度突き詰めて考えてみることも必要です。
また、出した答えはきちんと第三者に伝えられるようにすることも大切です。
自分だけがわかっていてもいけませんので、端的にわかりやすく誰かに言えるように準備しておいてください。
面接対策をする
インターンシップではグループディスカッションになったり集団面接になったりもしますが、そもそも面接は就活では避けられないものですので、しっかり対策が必要です。
救いとしては、面接は何度もシチュエーションを体験すると、いずれ慣れられる点でしょう。
ロールプレイングでも良いので、何度も練習して場馴れしておいてください。
また、応募企業で聞かれやすい質問内容をあらかじめ把握しておくことは、大きなアドバンテージになります。
あらゆる協力者から確かな情報を集めて、傾向と対策を練っておきましょう。
学校のキャリアセンターに相談する
大学にはキャリアセンターが設けられています。
学校によって「就職課」などという名称である場合もありますが、いずれにしても学生の就活支援のために設けられているものです。
そろそろ就活と考えたときに、初めて訪れる人は多いのではないでしょうか。
キャリアセンターで受けられる支援は大学によって異なりますが、一般的にはインターン募集要項の閲覧や求人票、企業情報などの閲覧は自由にできるようになっています。
ただ、情報閲覧はしたことがあっても、積極的に相談をしたことはない人も多いでしょう。
キャリアセンターでは、コンサルタントによる就職カウンセリングや、ESの添削や面接対策などが受けられるのが一般的です。
大学によっては職員が企業から情報を収集して回り、学生では対応できない部分をフォローしてくれる場合もあります。
1人でできることは限られていますから、こんなときにはぜひ周囲を巻き込んで、自分にとって有利な状況を作り出してください。
就活直前の冬インターン!就活準備も兼ねて選考対策は念入りに
ウィンターインターンは、大学3年にとって就活の追い込み時期とも言えます。
本選考の直前ということもあり、ウィンターインターンで優秀と認められた学生には、早期の本選考の誘いがかかるケースもあります。
中には参加者全員が本選考のES免除という特別待遇を受けられる企業などもあり、その威力は絶大だと言えるでしょう。
前述しましたが、企業にとってウィンターインターンは広報活動ではなくすでに採用活動の一環ですので、学生一人ひとりのスキルやポテンシャルを図るイベントとなっています。
事前にやっておくべきことは、ESの質を上げるために自分自身を掘り下げること、志望業界を固めておくことです。
期末試験が近づき学業が忙しい中ですが、自分の将来のために選考対策は確実にこなしていきましょう。
まとめ
ウィンターインターンはサマーインターンと異なり、本選考に直結しやすい重要なイベントです。
単に開催時期が異なるだけと考えず、選考対策は念入りに行っておきましょう。
企業側は、夏や秋のインターンシップとは違い、広報ではなく採用活動に近い捉え方をしています。
学生にとって学業が忙しい時期ということもあり手が回らない部分も多分にありますが、このことを意識して積極的に参加を目指しましょう。
1人ではできることも限られますので、大学のキャリアセンターなどもフル活用し、ぜひこの難局を乗り切ってください。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート