金融業界ってどんなことをしているの?今後の動向や業種・仕事内容もあわせて紹介

金融業界ってどんなことをしているの?今後の動向や業種・仕事内容もあわせて紹介

「金融業界にはどういう仕事があるの?」 「就活ではどういうスキルが求められる?」 「業界の将来性や今後の動向が知りたい!」 TVのニュースや新聞などで頻繁に見聞きする金融業界という言葉ですが、お金を扱う業界だとは知っていても、詳しい業種や職務内容、就職するために必要なスキルなど、知られていないことも多いのではないでしょうか。

金融業界には銀行や証券会社、保険会社など就活生に人気の企業がたくさんあります。ただ、AIの活用や海外進出などによって業界全体が大きな変革期を迎えているため、就職を希望する人は事前に情報を精査する必要があるでしょう。

この記事では金融業界の業種や仕事内容、必要となるスキルなどを紹介します。この記事を読めば、金融業界全体について知ることが可能です。

金融業界に興味のある方は、ぜひ読み進めてみてください。

金融業界の特徴

金融を簡単に説明すると、「金銭を融通すること」になります。主に銀行業界、証券業界、保険業界が担い手となり、それら3業界を包括する形で成り立っているのが金融業界です。

銀行業界のビジネスモデルは、預金者から集めた預金を個人や企業に貸し出し、その利子を得ることです。

これは資金の需要者と供給者の間に銀行が入ることから間接金融と呼ばれますが、預金金利と貸出金利の間で差が発生し、これが利ざやとして銀行の主な収入源となっています。また、コンビニのATMなどで発生する手数料も、銀行の収入源の1つです。

証券業界のビジネスモデルは、資金の需要者と供給者が仲介者を間に入れずに賃借や投資を行う直接金融にあたり、証券会社はマーケットへの取次や取引のサポートを担当します。

収入源は、企業が発行した株式などを証券会社が引き取り、投資家に販売する際に生じる引受手数料や、投資家からの注文で株式や債券を売買する際に受け取る委託料などが中心です。

保険業界は、保険加入者から支払われる保険料と、企業側が支払う保険金の差である利ざやが保険料収入となります。

金融業界の現状と今後の動向

1990年代に起こった日本版金融ビッグバンにより、それまで保守的とされてきた金融業界に、各種手数料の自由化や外資参入解禁、他業界分野への進出、ホールディングカンパニーの解禁など、さまざまな改革がもたらされました。

これらの改革は業界内の競争を加速させ、さらに近年ではテクノロジーとの融合により新しいサービスや試みが次々と登場しています。

ここではそうした新技術や今後の展開、そして現状における問題点について紹介します。

資金運用が難しくなっている

2016年1月に導入されたマイナス金利は、日本銀行が実施していた金融緩和を補強するための政策です。

民間金融機関が、日本銀行に新規でお金を預ける際に-0.1%の金利がつくため、日本銀行には預けず、企業や個人に融資し市場にお金が回るだろうという考え方に基づいています。

融資を求める個人や企業には好機かもしれませんが、この政策により銀行の利ざやは長期に渡って減少傾向が続いています。

利ざやが圧迫すれば資金繰りが厳しくなり、債権や株式の運用によって収益をあげるのが難しくなるでしょう。ゆうちょ銀行が硬貨両替を有料化したように、金融業界全体で、各種手続きの有料化や手数料の値上げが実施される可能性も少なくありません。

出典:「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入|日本銀行 参照:https://www.boj.or.jp/announcements/release_2016/k160129a.pdf

出典:ATM 硬貨預払料金の新設・ATM での硬貨取扱時間帯の変更 |ゆうちょ銀行 参照:https://www.jp-bank.japanpost.jp/news/2021/uemgm1000002qopu-att/a1642395115563.pdf

積極的な海外進出

他業界の国内企業が海外にも拠点を置くようになったのにあわせて、金融業界の海外進出も積極的に行われています。大手証券会社やメガバンクは、世界各国に現地法人や支店を置き、活動拠点として展開しています。

また、大手保険会社は国外の保険会社のM&Aを推し進めており、保険業界の海外進出は今後さらに加速するでしょう。

業務のオートメーション化

AI技術の進化は、各業界にさまざまな変化をもたらしていますが、金融業界では業務のオートメーション化が顕著な例としてあげられます。特に銀行は、書類を使った膨大な業務を人力で行っていたため、オートメーション化の流れは今後も続くでしょう。

また、近年では、FintechとInsurtechという2つの取り組みにも注目が集まっています。

FintechはFinance(金融)とTechnology(技術)を掛けあわせた造語で、金融をインターネットやスマートフォン、AIなどの情報技術と結びつけ、斬新なサービスを次々に生み出しています。大手だけではなく、ベンチャー企業が開発に取り組んでいるのも特徴の1つです。

InsurTechは、Insurance(保険)とTechnology(技術)を掛けあわせた造語で、保険業界におけるFintechと定義されています。AIやIoTなどの最新技術を利用した新たな保険サービスの開発や通常業務プロセスの効率化など、その使い方は多岐に渡ります。

金融業界に含まれる主な業種

一口に金融業界といっても、実はさまざまな業種が集まった複合的な構造になっています。銀行、証券、保険の3業界に分かれることは前述しましたが、他にもいくつかの業種が存在するので、ここではそれぞれについて細かく説明します。

銀行

銀行は規模や業態などによって分類されています。

三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3行にりそな銀行を加えた4行が、都市銀行とされています。

そして、各都道府県に本店を持ち、地域産業との結びつきが強いのが地方銀行です。都市銀行に比べると取引規模が小さいことが多く、中小企業や個人が取引先のメインになります。

融資、貸出、為替が銀行の3大業務と言われていますが、これらに加えて、証券の信託や不動産の信託などの信託業務も行うのが信託銀行です。

信用金庫は、地域の人々の相互扶助を目的としています。利益のみを追求する組織とは異なり、地域社会全体の利益が優先されるのが特徴です。他にも、農林水産業の従事者を主な利用者とする、農林系金融機関などもあります。

近年では、海外に拠点を持つ外資系銀行やリアル店舗を持たないネット銀行など、銀行の業態は多様化しつつあると言えるでしょう。

出典:銀行免許一覧(都市銀行・信託銀行・その他)|金融庁 参照:https://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyoj/ginkou.pdf

クレジットカード業

クレジットカード業の主な収益は手数料、年会費、金利から成り立っています。

クレジットカードの利用者が物品を購入する際、支払い方法を複数回に選択し、支払い期間が長期に渡る場合に生じる料金が手数料です。また、手数料は加盟店側からも支払われますが、金額はカード利用者の使った利用額に応じて変動する契約になっています。

年会費は、利用者がクレジット会社に年毎に支払う費用です。

クレジットカード会社は個人向け融資サービスのカードローンを利用者に提供しており、このサービスを利用するとコンビニやATMで現金を引き出したり、ネット経由で自分の口座へ借り入れしたりすることができます。

カードローンは、クレジットカードに付帯しているキャッシング機能に比べ、金利が低く設定されていることが特徴です。カードローンやキャッシングによって発生する金利も、クレジットカード業の大きな収入源となっています。

保険業

保険業は、加入者からの保険料の支払いを受け、病気や事故、災害などが発生した際に、契約内容に準拠して保険金を支払うことを主たる業務とする業種です。

保険業が扱う保険商品は、生命保険と損害保健の2つに分類されます。医療保険やがん保険、死亡保険など、人の生命を扱うのが生命保険です。一方、損害保険は自動車保険や火災保険など、物品を扱う保険です。

保険業界には、生命保険会社と損害保険会社の他に、保険代理店という業種が存在します。保険代理店は、生命保険会社や損害保険会社と代理店契約を結び、顧客の獲得や契約業務を代行する会社です。

証券業

株式の売買や取次、引受、投資信託などを行うのが証券業です。

業態としては、実際に店舗を設置し、窓口や営業マンが企業や個人の顧客と取引する従来型の店舗証券と、店舗を持たずにインターネットを通して取引するインターネット証券に分かれます。

インターネット証券は個人顧客との取引が中心で、利用者が簡単にはじめられることが大きなメリットです。

裾野は広がっていますが、政府が「貯蓄から資産形成へ」というスローガンを打ち出すなど、日本人はまだまだ株式の売買や投資信託への関心が高いとは言えないのが、現状のようです。

しかし、近年は、株式や投資信託などで得た収益の一定額が非課税となるNISAが話題になるなど、日本人の投資嫌いに変化の兆候が見られるようになりました。NISAの非課税枠の拡大に伴い、さらなる需要の高まりが期待されています。

出典:NISAとは?|金融庁 参照:https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/index.html

信販業

信販業はクレジット業や消費者金融業と重なる業務があり、混同されやすい業種ですが、業務範囲や準拠する法律に違いがあります。

信販業とクレジットカードを含め、信用取引は幅広く行っていますが、クレジットカード業はクレジットカードに関する業務がほとんどなので、業務範囲が異なります。

また、信販業は経済産業省の割賦販売法をもとに、融資額やカードの利用限度額が定められているのに対し、消費者金融業では金融庁の貸金業法に基づいて融資額が定められています。

出典:割賦販売法|経済産業省 参照:https://www.meti.go.jp/policy/economy/consumer/credit/11kappuhanbaihou.html

出典:貸金業法のキホン|金融庁 参照:https://www.fsa.go.jp/policy/kashikin/kihon.html

政府関係金融機関

日本政策金融公庫(JFC)、国際協力銀行(JBIC)、日本政策投資銀行(DBJ)、商工組合中央金庫(商工中金)、沖縄振興開発金融公庫(沖縄公庫)の5社は、政府関係金融機関と呼ばれています。

民間の銀行などでは難しい融資や投資を行うのが主な目的で、政府の政策に沿う形で投融資を行っています。

JFCは国民一般向けや農林水産業者向け、中小企業者向け業務など対象の幅が広いのが特徴で、経済危機や大規模災害時には金融支援を行うセーフティネットの役割を持ちます。

海外資源の開発や、国際競争力の維持のための出資を行うのがJBIC、沖縄限定の政策金融機関として、特殊事情に即した出融資を行うのが沖縄公庫、中小企業を対象に貸付や危機対応などを主たる業務とする商工中金など、それぞれ独立した業務を担当しています。

DBJは大企業への中長期かつ大口の融資や、事業資金を必要とする新興企業に対する投融資、M&Aアドバイザリーサービスなど、さまざまなフェーズで活動する金融企業です。

出典:政府関係金融機関|財務省 参照:https://www.mof.go.jp/policy/financial_system/fiscal_finance/financial_institution/index.html

住宅専門金融業

住宅専門金融業は、個人向けの住宅ローンを専門とする金融業種で、現在は独立行政法人の住宅金融支援機構がその役割を担っています。

住宅金融公庫の業務を継承する形で発足しました。住宅金融公庫の時代は、財政投融資などから資金を調達し直接融資していたのに対し、現在は民間の銀行などが窓口になっているケースが多く、資金の融通をサポートする事業が中心になっています。

また、同じく不動産に関する金融業務として、不動産金融業があげられます。この業種は不動産と金融を組みあわせた業態で、不動産投資や不動産証券化などを行います。

リース業

リース業は、高額な設備や機器を貸し出すサービスを行う業種です。主な収入源はリース料で、似た業種にレンタル業があげられます。

リースとレンタルの違いは、リースは新品を長期間貸し出し、レンタルは中古品を短期間貸し出すという点です。また、リースの中でも中途解約ができないファイナンス・リースと、必要な期間だけ借りるオペレーティング・リースに分類されます。

金融業界での主な仕事内容

金融業界は、たくさんの業種によって構成されている複合的な業界なので、それぞれの業界に必要な職種は多岐に渡ります。

ここでは業種を問わず、金融業界で働くうえで欠かせない職種の主な仕事内容を紹介します。

営業職

金融業界は、顧客の獲得が収益の大きな要素となるため、この業界の営業職は重要な職種です。営業職は大きく2つに分けられます。

個人や中小企業など、取引の規模が小さい相手と行う仕事のことをリテールと言います。リテールで扱うのは、保険や証券といった金融商品の販売や住宅ローンなどの小口取引が多く、顧客の要望を汲み取り適切な商品を提案することが重要になります。

そして、大企業や自治体などを対象に行う法人営業をホールセールと言います。対象によって仕事の内容は異なりますが、クライアントの経営に深く関わるという点では共通している部分があると言えるでしょう。

大規模な貸付や資金調達、場合によってはM&Aの仲介など、ホールセールの業務は多岐に渡ることも特徴の1つです。

事務職

金融業界の事務職は、さまざまな業務内容に携わることが求められます。主なものとしては窓口や電話での顧客対応、データ管理などがあげられますが、業種によっては専門的な知識が必要な業務もこなさなければなりません。

銀行の窓口業務を例にあげると、債権や投資信託などの金融商品を証券会社に取り次ぐサービスも行っているため、それらを顧客に紹介するための知識が必要です。

また、保険会社には一般的な窓口業務を行う事務職の他に、保険外交員という職種があります。保険外交員は窓口で保険商品を紹介するだけではなく、実際に顧客の自宅や企業に訪問して勧誘することも業務に含まれます。

このような金融事務のバックオフィスの主な業務は、取引後の決済や管理、決算書の作成などもあげられますが、他の業界のバックオフィス同様、経理や人事、コンプライアンスなどの部署でも業務を行います。

専門職

金融業界の職種には、他の業界ではあまり聞き馴染みのない名称の仕事が多数あります。それらは金融業界の専門職としてなくてはならないものであり、それぞれが業務に特化した専門的な知識を保有する存在です。

各専門職については後述しますので、ぜひ参考にしてみてください。

金融業界における主な専門職

ここからは、金融業界で専門職と呼ばれる職種を紹介します。ニュースや新聞で見聞きしたことのあるものが多いでしょうが、その業務内容はあまり知られていないでしょう。

金融業界の専門職は多岐に渡るため、それぞれの職種の業務内容を見ていきましょう。

証券アナリスト

企業の価値を分析するのが、証券アナリストの仕事です。投資の対象となる企業や業界を調査し、調査の結果として得た情報を分析します。分析結果をまとめたアナリストレポートをもとに、投資に関するアドバイスを行うのが主な仕事です。

経済アナリストの調査対象は、エコノミストなど金融市場全体を対象とする職種に比べると狭く、その手法は銘柄分析と呼ばれます。

日本では日本証券アナリスト協会が認定試験を行っており、合格すると日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)の資格を得て、金融や投資のプロフェッショナルと認められます。

アクチュアリー

アクチュアリーは数理業務のプロフェッショナルで、保険料率や支払い保険金額の算定などを担当する専門職です。生命保険、損害保険、年金の数理業務が主な担当分野ですが、最近では高度な統計学や確率論の知識を活用し、リスクマネジメント分野でも力を発揮する人が増えてきました。

日本でアクチュアリーと認められるためには、日本アクチュアリー会が主催する試験に合格しなければなりませんが、難易度は医師国家試験や司法試験、公認会計士試験などと並ぶ高難易度の資格として知られています。

ディーラー

カジノのディーラーはトランプのカードを配る人、自動車業界でカーディーラーといえば販売業者のことですが、金融業界では自社の資金を運用し、金融マーケットで為替や株式などの売買を行う専門職のことを指します。

能力次第では、会社に莫大な利益をもたらすこともありますが、自社の資金で売買するため損害を与えるリスクも伴う職種です。

ファイナンシャルプランナー

専門知識を活用し、年金や保険、生活設計に関することなどを総合的にアドバイスする資産運用のエキスパートが、ファイナンシャルプランナー(FP)です。顧客の対象となるのは個人が多く、それぞれの状況にあわせたライフプランを提案します。

FPの資格は国家資格のFP技能士と、民間資格のAFPとCFPがあります。FP技能士は難しさ順に1級、2級、3級に分かれており、AFPはFP技能士の2級レベル、CFPはFP技能士の1級レベルとなっています。

ファンドマネージャー

預かった資金の運用プランを顧客に提案し、運用を指揮する専門職がファンドマネージャーです。ファンドは資金や基金を意味する言葉ですが、ここでは、投資家から集められた資金を運用し収益を配分する金融商品=投資信託を指します。

運用の主体となるのは投資信託会社などの運用会社で、ファンドマネージャーもその企業に所属していることが一般的です。

もちろんファンドマネージャーが単独でファンドを運用するわけではなく、アナリストやディーラー、エコノミストなどと連携を取りながら行われます。

エコノミスト

エコノミストは金融マーケットの情報収集、分析、予測を行う職種で、いわば経済学者のようなポジションの専門職です。

前述したように、アナリストは調査対象を限定した銘柄分析を行いますが、エコノミストは国や市場全体といったマクロの視点から経済の動向を分析します。

所属先は金融企業の他に官公庁やシンクタンク、大学などと多岐に渡るため、さまざまな専門職の中でも特に高い専門知識が必要とされる職種と言えるでしょう。

金融業界の有名企業を紹介!

金融業界に限ったことではありませんが、その業界を理解するための近道は大手企業を研究することではないでしょうか。

銀行、証券、保険、それぞれ特徴の異なる業界を1つにした呼び方が金融業界なので、全体像を把握するのは簡単ではありません。

ここでは、業界への理解を深めるための一助として、金融業界の有名企業を紹介しますので参考にしてみてください。

三井住友銀行

三井住友銀行は日本の3大メガバンクの1つで、国内市場に強みを持っている企業です。

大企業、中小企業問わず、顧客の経済状況や課題に対して適切な解決策を提示できることで、業績を支えていると言えるでしょう。競合他社に比べて、金融商品の幅が広いことも三井住友銀行の強みです。

また、個人向け金融商品のノルマを廃止したり、東京と大阪の本店で働く行員の服装を自由化したりなどの取り組みは、多様化するニーズに対応しつつ、未来への取り組みにも積極的ということが分かるでしょう。

出典:銀行免許一覧(都市銀行・信託銀行・その他)|金融庁 参照:https://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyoj/ginkou.pdf

三菱UFJ銀行

三菱UFJ銀行も三井住友銀行と同じく3大メガバンクの1つで、積極的にグローバル化の取り組みをしているのが特徴の企業です。

三菱UFJフィナンシャル・グループ全体では世界各国に約270社の事業所を持ち、世界有数の総合金融グループとなっています。

2013年にはタイ大手のアユタヤ銀行を連結子会社化し、2021年にはベトナムで個人向け無担保ローンを取り扱うエスエイチビーファイナンスの買収を発表するなど、さらなる経済成長が予想されるASEAN諸国においても、着々と経営基盤を固めつつあります。

出典:銀行免許一覧(都市銀行・信託銀行・その他)|金融庁 参照:https://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyoj/ginkou.pdf

出典:アユタヤ銀行による Capital Nomura Securities Public Company Limited の買収について |株式会社三菱 UFJ フィナンシャル・グループ 株 式 会 社 三 菱 U F J 銀 行 参照:https://www.mufg.jp/dam/pressrelease/2022/pdf/news-220630-001_ja.pdf

出典:アユタヤ銀行による在ベトナム金融機関の買収について |株式会社三菱 UFJ フィナンシャル・グループ 株 式 会 社 三 菱 U F J 銀 行 参照:https://www.mufg.jp/dam/pressrelease/2021/pdf/news-20210826-001_ja.pdf

日本銀行

国内唯一の中央銀行である日本銀行ですが、銀行券の発行以外に「政府の銀行」「銀行の銀行」という役割も担っています。

日本銀行が「政府の銀行」と呼ばれる所以は、税金や社会保険料の受入れ、年金や公共事業費の支払い、国債の発行、国債元利金の支払いなど国の事務を請け負っていることにあります。

また、日本銀行は民間銀行が当座預金を預ける預金口座を持っていることから、「銀行の銀行」とも呼ばれています。個人や一般の企業が日本銀行と直接取引をすることはありませんが、金融機関相互間の取引の多くは、当座預金口座の受払業務を通じて決済されます。

損害保険ジャパン

損害保険ジャパンは、SOMPOホールディングスの中核を担う保険会社です。

主力の保険商品である自社ブランドの「THE クルマの保険」や、子会社であるセゾン自動車火災保険株式会社の「おとなの自動車保険」が、国内の個人向け自動車保険の分野で高いシェアを占めるなど、保険料収入の多さが強みです。

また、介護や高齢化問題への取り組みも積極的で、「すまいのかけつけサービス」や「在宅確認サービス」など、高齢者に対する見守りサービスの実証実験を実施するなど、独自の試みにも注目が集まっています。

野村證券

野村證券は野村ホールディングス傘下の証券会社で、その強みは膨大な預かり資産額に裏づけられた営業力の高さです。金融商品は株式や投資信託、債券、ETF、FX、REIT、NISA、iDeCoなど、幅広い品揃えを誇ります。

投資家向けのセミナーや強力なサポート体制など、投資情報の積極的な発信も魅力です。

金融業界において必要なスキルや適性

金融業界にはさまざまな業種があり、そこから枝分かれする形でたくさんの職種が存在します。それぞれの職種にはそれぞれ必要なスキルや適性が存在するため、金融業界への就職を希望する人は、求められているものと自分の資質が合致するか判断しなければなりません。

ここでは、金融業界が求めている資質について紹介します。

柔軟な対応力がある

金融業界は、新商品や販売方法の変更など、ルールが目まぐるしく変わる業界です。ルールが変わってもそれにしっかりと対応できるよう、常に最新の情報を取り入れ、これまでの手法に固執することなく柔軟に対応する力が必要になります。

忍耐力がある

金融会社では、多くの人が営業職を経験します。営業職の中で、特にきついと感じるのが営業ノルマをこなすことではないでしょうか。

近年ではノルマを廃止した企業もありますが、金融とノルマは切っても切り離せない関係にあります。この状況に強いストレスを感じる人は、適性が乏しいと言わざるをえないでしょう。

コミュニケーション能力が高い

営業職で顕著になるのが、コミュニケーション能力の高さです。これはリテール、ホールセールを問わず重要で、コミュニケーション能力が高いと重宝される可能性があります。

事務職も窓口での顧客対応などがあるので、営業職だけではなく業界全体として必要とされる能力と言えるでしょう。

学習意欲が高い

金融商品はそれぞれに準拠する法律があり、それに対応した法的な知識が必要になります。また、資格取得や新しい知識の吸収のため、常に学び続ける環境下に置かれるでしょう。

金融は経済や社会情勢の影響を直接受ける業界なので、ニュースや新聞から最新の情報を入手しておく必要があります。

そのため、知識を得ることに喜びを感じるなど、学習意欲の高い人に向いている業界と言えるでしょう。

提案力がある

ホールセールでは、顧客企業が抱える課題の解決策を提供するソリューション型営業や、顧客企業の潜在的なニーズを掘り起こす提案型営業が増えています。

そのため、単に自社商品の強みを正確にアピールするだけではなく、顧客企業が潜在的に抱える課題を発見し、そのためのソリューションを分かりやすく伝える力=提案力を持った人材が求められるでしょう。

責任感がある

金融業界は顧客の大切なお金を扱う仕事のため、常に数字と向き合わなければなりません。ルーズさは一切許されない業界なので、適性としては几帳面で責任感の強い人が向いています。

数字に対する責任感が弱いタイプは、いずれ大きなトラブルを招きかねませんので見極めが重要です。

細かい気遣いができる

前述したように、金融業界で扱うのは顧客の大切なお金です。正確な処理と適切な対応が必須なので、細かいところにまで気遣いが及び、丁寧に業務にあたれる人が求められます。

間違いが許されない業界だということは、事前に知っておいた方が良いでしょう。

金融業界を目指すうえで対策すべきこととは?

金融業界は、就職希望者が多い人気の業界です。選考を突破するのは簡単なことではなく、自分の長所やスキルをただアピールするだけでは、対策として充分とは言えないでしょう。

事前の対策として重要なのは、金融業界をきちんと理解することです。業界の特徴を知っていれば、自分のどういった点をアピールするのが効果的か見えてくるのではないでしょうか。

ここでは、金融業界を目指すうえで必要となる対策を紹介します。

資格を取得する

入社後も資格を取得する機会はありますが、事前に有益な資格を持っていれば選考時に有利に働きます。例えば、前述したファイナンシャルプランナーは学習範囲が広く、「金融に関する幅広い知識を持っている」という証明になるので、就活に有効な資格の代表格と言えるでしょう。

他にも、不動産信託の業務に就いた時に有効な宅地建物取引主任者資格や、年金や社会保険のエキスパートとして認められる社会保険労務士資格、コンサルティング業務で推奨される中小企業診断士資格なども、就活に役立つ資格です。

前述した証券アナリストやアクチュアリーの資格はもちろん有効ですが、難易度が非常に高いので、取得を目指す人は充分な学習時間を確保しましょう。

OB・OG訪問をする

OB・OG訪問の目的は、自分のイメージと入社後の社会人生活にギャップが生まれないようにすることです。実際に現場で働いている先輩の生の声を聞くことで、自分が社会人としてその会社で働く姿がより具体的に見えてくるでしょう。

採用コースの違いを把握する

金融業界では、総合職での就職が一般的ですが、職種別やコース別で採用募集を行う企業も多々見受けられます。また、どのコースに就職するかで転勤の有無が決まる企業もあります。

そのため、自分がどういう仕事でどういう働き方をしたいのかをイメージしておいた方が良いでしょう。以下の2点を参考にしてみてください。

専門性の有無

採用コースは、専門的な知識の有無で分類されます。

三井住友銀行を例にすると、募集は一般的な総合職とは別に、総合職クオンツコース、総合職リテールコース、総合職デジタライゼーションコースの3つがあります。

クオンツはマーケティング業務が中心なので高度な数学的知識が求められ、個人向け取引を担当するリテールは顧客との交渉能力が高い人が重視されます。

デジタライゼーションはITやAI、プログラミングなどのスキルを持っている人を対象とした採用コースです。

出典:採用情報|SMBC 参照:https://www.smbc-freshers.com/recruit/job/

転勤の有無

転勤があるかないかは、自分の働き方を考えるうえで重要な事柄です。

三菱UFJ銀行を例にとると、総合職はいずれも転居を伴う異動があります。勤務地で全国グローバルを選択すると国内・海外を問わず異動があり、国内ブロック・本部を勤務地に選択すると東日本、中部、西日本の各ブロック内での異動と、全地域の本部への異動があります。

一方、三菱UFG銀行のビジネス・スペシャリスト職で採用されると、本人の同意のない転勤はありません。

金融業界は、2~3年に1度のペースで転勤するのが一般的な業界です。ライフスタイルや転勤のメリット・デメリットを考慮に入れ、自分に合ったコースを選びましょう。

出典:募集概要|MUFG 参照:https://www.saiyo.bk.mufg.jp/recruit/info.html

インターンや説明会に参加する

実際の業務に触れてみることのできるインターンや、人事担当者など社員の話が直に聞ける説明会は、就活生にとって重要な機会です。

ただし、金融業界は顧客のお金を扱い少しのミスも許されないため、長期のインターンを実施している企業はほとんどありません。1~3日間ほどの短期インターンを、夏休みやその前後にあたる7月、8月、9月頃に行っている企業が多いでしょう。

金融業界に向けた志望動機の書き方

どの業界にでも共通することですが、志望動機は具体的に書かなければなりません。まず「なぜ金融業界を志望するのか」、そして「数ある金融業種の中からその業種を選んだ理由」、さらには「なぜその企業でなければダメなのか」を説明しましょう。

志望する企業の金融商品の特徴や現在進行中の新規事業など、情報を深く掘り下げて調べてみることも大切です。

金融業界について理解を深めよう

金融業界全体に対する理解を深めることが、自分の進みたい方向性を見つけることに繋がるのではないでしょうか。

志望動機は具体的に書くべきと前述しましたが、業界を構成するそれぞれの業種を理解していなければ、的確に違いを見つけることは困難です。

それぞれの業界、業種、職種、企業の特徴を把握し、その中で自分がしたいことを選択できれば、金融業界との距離は格段に近づくでしょう。この記事を参考に、金融業界についての理解を深めてください。

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