高評価を得るガクチカの構成とテンプレート|エピソード別の例文やポイントも紹介

高評価を得るガクチカの構成とテンプレート|エピソード別の例文やポイントも紹介

「面接やESで必要なガクチカってどうやって書くの?」
「採用担当者が納得するようなガクチカを知りたい」

このように、これからガクチカを書く就活生には沢山の疑問や不安があるのではないでしょうか。

「ガクチカ」というのは、よくある選考の質問内容の短縮形で「学生時代に力を入れたこと」「学生時代に頑張ったこと」を聞く質問を意味しています。

面接において、ほぼ全ての企業がこの「ガクチカ」を聞いてきます。

ガクチカの構成で行き詰っている就活生は、ぜひこの記事をチェックしてみて下さい。

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【ガクチカの構成】就活におけるガクチカとは?

この記事ではガクチカの構成を解説しますが、まずはガクチカの構成を考える前に知っておいていただきたいことが2つありますので、そちらから解説します。

構成を考える前に、必ずここで紹介する内容を理解してから、意識した上で進めましょう。

そもそもガクチカとは?

ガクチカについて理解を深める前に、まずガクチカ自体の定義を覚えておく必要があります。

ガクチカは「学生時代に力を入れたこと」という質問の略であり、就活用語です。

選考において、企業の約8割が聞く非常に頻繁に直面することになる可能性が高い質問であるため、質の高い回答を用意しておく必要があります。

ガクチカと自己PRの違い

ガクチカと自己PRは、自分の長所をアピールすることが求められています。

そんなガクチカと自己PRの違いは、エピソードの内容が指定されているかどうか、という点です。

ガクチカでは、学生時代に自分が最も力を入れたエピソードを使用して、自分の強みをアピールする必要があります。

一方「自己PRをしてください」と言われた際には、学生時代に最も力を入れたエピソードである必要は無いのです。

ガクチカの方が回答難易度が高いため、より準備を求められます。

【ガクチカの構成】ガクチカを聞く意図とは?

それでは、企業はなぜガクチカを求めるのかを解説します。

ただの自己PRではなく、学生時代に力を入れたことを聞くことで何が分かるのか、よく理解してから構成に進みましょう。

重要なのは企業側がなぜガクチカを聞くのか、その真意を知ることです。その理由である3つのポイントを解説します。

人柄を知るため

何かの物事に力を注ぐには多大な労力を要しますし、貴重な人生の時間を費やすことになります。

その対象がなんなのかを知ることで、その人の人柄を探ることができるのです。

例えば、スポーツに力を注いだ人は、目標に向かってひたむきに頑張れる情熱や持続性、チャレンジ精神などが垣間見えます。

創作活動や情報発信、趣味や研究など、学生時代の時間を使って一生懸命に力を注げることはいくらでもあります。

たとえどんなことでも熱意を持って取り組んだことがあれば、そこからその人の人柄を知ることが可能なのです。

仕事への取り組みの姿勢を知るため

企業が就活生にガクチカを聞く意図は、主にその人が仕事に対してどのような姿勢で取り組むか、そしてどのように困難を乗り越えていくのかを知るためです。

ガクチカは単なる学生時代の経験の話にとどまらず、就職後にどのように仕事に取り組むのかを予想するための重要な指針となります。

具体的には、物事にどのようなモチベーションで取り組んでいたのか、そしてそれに対してどれだけ努力し、結果を出すためにどのような行動を取ってきたのかを確認されています。

例えば、課題に対してどのようなアプローチを取り、どれだけ粘り強く解決に向けて努力したかが示されるガクチカは、就職後の仕事を進める際にも忍耐力があると想像させるものです。

企業はその人が持つ粘り強さや問題解決能力周囲との協調性、そして新しいことに挑戦する意欲など、仕事の中で必要とされるスキルや態度を、ガクチカを通じて見極めようとしています。

企業とマッチしているか知るため

企業側は、ガクチカを聞くことで、「あの場面であんな行動したのであれば、うちではこのように活躍してくれるだろう」ということを読み取ろうとしています。

そこから、企業と就活生のマッチング度を測ろうとしています。例えば、営業職を志望する場合は、「アルバイト先でお客様の困りごとを察知して行動できたのか。ならば、営業職でも、顧客に細かい気遣いができ、契約につなげられるだろう。」と想像し、就活生が企業とマッチング度が高いと判断するでしょう。

人材のスペックやスキルのレベルを知るため

企業側は、ガクチカを聞くことで就活生のスペックやスキルレベルを把握したいという目的があります。

在学中に何らかの経験や実績を残している学生は、努力する姿勢や向上心の高さなどが評価されやすいでしょう。例えば、部活動で輝かしい成績を残したり、自身の研究が学会で表彰されたりといった経験が該当します。

企業の評価基準として、何かに取り組んで目に見える成果を得た経験を持つ人材は、高評価となる傾向が強いでしょう。

【ガクチカの構成】アピールするガクチカの見つけ方

ガクチカの構成を理解するのも重要ですが、アピールする主題となるガクチカ自体をまず見つけなければなりません。

そこで、ここからはどのようなガクチカをアピールするか見つけるための方法について紹介します。

どの題材について話すかすでに明確になっている方は、この部分は飛ばしても構いません。

感情的になった場面を思い出す

ガクチカを見つけるためには、まず自分が感情的になった場面を思い出すことが有効です。

嬉しかったことや楽しかったことだけでなく、後悔した経験、悲しかった経験、つい情熱的になった経験などについて振り返ってみると、自分がどのような価値観や考え方を持っているのか知る手がかりになります。

自分が自然と力を注いだり、強い思いを持ったりした背景が隠れていることが多いため、採用担当者にとっても興味深い場合が多いのです。

例えば、アルバイト先で意見が食い違い、衝突した経験があるならば、その際にどのような行動をとったのかについて振り返ることが重要です。

感情的になった場面での行動や判断にはその人の価値観や問題解決能力が現れるため、それをエピソードとして構成することで、自分の考え方や特性を具体的に伝えることができます。

さらに、その経験を通じて何を学び、次にどう活かしたのかを説明できれば、エピソードの説得力はさらに増すことでしょう。

自分の強み・弱みから探す

自分の強みや弱みからエピソードを逆算して考えてみるのも選択肢の1つです。

強みや弱みは自分自身を客観的に分析する材料であるため、それが実際に現れた行動や結果をエピソードとして示すことで、説得力のある内容が完成します。

特に自己PRや長所短所と関連する場合には一貫性を持たせることができるため、応募書類全体の整合性を高める効果もあるでしょう。

自分の強みが計画性であるならば、それが現れたエピソードを具体的に述べましょう。

「年末年始の繁忙期に売り場が混雑するため、スタッフのシフトを見直し、効率的な配置計画を提案した結果、混雑が30%減少した」というように、強みが活かされた具体的な行動を示すことで自分の能力を伝えることが可能です。

一方、弱みについてはそれをどのように克服しようと努力したかをエピソードで述べましょう。

「以前は緊張しやすい性格だったが、積極的にプレゼン練習を重ねることで克服し、ゼミの発表でリーダーを務めた」というように、成果を示すことで、弱みもポジティブな印象へと変えられます。

結果が明確になっているもの

結果が明確なエピソードを選ぶことで、非常に分かりやすいガクチカを作ることが可能です。

具体的な数字やデータを用いることで、自分の取り組みがどのような成果を生んだのかが一目で伝わります。

曖昧な表現よりも客観的な結果を示すことで、採用担当者の記憶に残りやすくなるはずです。

「アルバイト先で売上を80%から150%に伸ばした」「イベントの来場者数を前年より30%増加させた」といった結果を具体的に示すことを推奨します。

こうした結果を述べる際にはそれを達成するためにどのような行動や工夫をしたのかを詳しく説明することが大切です。

結果だけを述べるのではなく、課題をどう認識し、どう取り組んだのかを順序立てて説明することで、取り組みの全体像が伝わります。

最も時間を使った経験を探す

ガクチカのエピソードとして何が良いかわからないとき、またはガクチカがなくて困っているときは、最も時間を使った経験からチェックしていきましょう。

最も時間を費やして取り組んだことこそ、時間の長さが、自分の努力・頑張りを物語っているからです。

「ガクチカは特にない…」と悩んでしまう人は多いですが、何らかのことに積極的に時間を費やしてきた覚えがあるのなら、それはガクチカとしてアピールできる可能性が高いです。

まずは自己分析をじっくりと行って自分と向き合い、学生時代に経験してきたことを思い出してみてください。

最も時間を使ったのであれば、これまでの経験を思い出すうえで、早い段階でその経験・取り組みは自分の中に引っかかるはずです。

その経験の中から、意識的に努力したことや目標をもって行動したことを探し出し、ガクチカのエピソードを見つけましょう。

最も思い入れのある経験を探す

ガクチカのエピソードとして使える経験が見つからないときは、最も思い入れのある経験を探してみましょう。

思い入れの強い経験・取り組みは、自分の中で何らかの成果を残そうとして、積極的に努力したり工夫したりした経験である場合が多いからです。

成果を残すために努力したり工夫したりした経験は、ガクチカとして非常にアピールしやすく、自分の能力や強みを伝えるうえで適しています。

思い入れのある経験であれば、取り組みを通じて何かしらのことを学んできているはずなので、経験を経て得た学びや自分自身の成長などもアピールできるでしょう。

一番記憶に残っているエピソード、愛着のあるエピソードなどをぜひ思い出してみましょう。

なお、努力や工夫の過程を詳しく伝えられるのであれば、結果として失敗に終わった取り組みでも問題ありません。

困難を乗り越えた経験から探す

ガクチカのエピソードは、これまでに困難を乗り越えた経験があれば、そのエピソードを選ぶと良いでしょう。

困難を乗り越えるためには何らかの対策や工夫が必要であり、自分自身を成長させる良い機会になります。

乗り越える過程ではさまざまなことを考え、必要な対策のために試行錯誤を繰り返すことになります。

そのため、最終的に困難を乗り越えたり課題を解決したりしたあとは、学びを得られることも多いでしょう。

困難や課題というと大げさに聞こえるかもしれませんが、目標を達成するうえで向き合わなければならなかったことなどは、困難や課題になり得るものです。

たとえば勉強や研究を進めるうえで、アルバイトとの両立が大変だったときなどは、「研究をしなければならない中で、アルバイトも休まず続ける必要があった」という点は困難や課題といえます。

それに対してスケジュール管理を徹底して乗り越えた経験があれば、十分にガクチカとしてアピールできるものです。

自分の強みを発揮した経験から探す

ガクチカのエピソードを探す際は、自分の強みを発揮した経験を重点的にチェックしてみることもおすすめです。

強みを発揮した経験は、積極的に取り組んだり自ら関わって行動したりしていることが多いため、ガクチカとしてアピールしやすい可能性があります。

そのため、強みを発揮した経験からガクチカのエピソードを見つける場合は、まず自己分析を実践し自分の強みを見極めることが大切です。

得意なことや好きなこと、モチベーションが上がることなどをよく考え、自分の強みとして誇れることを整理してみましょう。

そのうえで、学生生活のどのようなタイミング・シーンでその強みを活かしてきたのか、過去の出来事を思い返してみてください。

自分の強みとともにガクチカのエピソードを伝えられれば、企業に対して、能力をストレートにアピールできます。

その強みが企業の求める人物像にマッチしていれば、企業からは魅力を感じてもらいやすくなります。

他人に褒められた経験から探す

ガクチカのエピソードを探すなら、他人に褒められた経験から探すこともおすすめのアプローチといえます。

他人に褒められたことは、周りから見て優れていると思えるポイントであり、それは強みとして十分にアピールできる可能性があるからです。

自分では当たり前に感じていることなどは、特にアピールすべきものではないと考えてしまい、無意識に強みとしてカウントしていない場合があります。

そういった点が強み・長所になるケースは、決して珍しくありません。

そのため、ガクチカのエピソードが見つからないときは、周りの人にどのような点を褒められてきたのかをよく思い出してみましょう。

褒められた経験自体が、ガクチカのエピソードとしてそのまま使える場合もあります。

他の人は経験していないことから探す

ガクチカのエピソードを探すときは、ほかの人がなかなか経験しないことから探すことも考えてみましょう。

珍しい経験を積んできた人は、そのエピソードをガクチカとして取り上げることで、採用担当者に強いインパクトを与えられます。

ガクチカのエピソードは、もちろん細かい部分は一人ひとりオリジナルのものですが、大まかな内容は被ってしまいがちです。

そのため、経験の内容・ジャンルそのものでオリジナリティを出せれば、採用担当者の記憶に残りやすくなります。

また、ほかの人が経験しないような珍しいことは、自らチャレンジ精神を発揮して行動しなければ経験できない場合も多いです。

そのため、珍しい経験をガクチカとしてアピールすれば、チャレンジ精神や好奇心旺盛な姿勢を評価してもらえる可能性も高いでしょう。

【ガクチカの構成】高評価を得るガクチカの構成

続いて、高く評価されやすいガクチカの構成についても紹介します。

この構成はどのようなエピソードを話す際にも、どのような企業を受ける際にもテンプレートとして活用できるものです。

この記事で使えるようになっておき、どのような企業を受ける際にも汎用的に活用してください。

結論

まず最初に結論を述べることが何よりも重要です。

結論を冒頭に提示することで、自分がどのような取り組みを行い、どのような成果を上げたのかを瞬時に理解してもらうことができます。

「ゼミ活動で別の研究手法を提案し、チーム全体の成果を向上させた」といった具体的な概要を簡潔に伝えると、その後の詳細な説明にスムーズに繋がります。

この段階では結論を明確かつ簡潔に表現することが重要です。

結論を先に述べることで、面接においても書類選考においても相手の興味を引き付けることができるため、必ず最初は何が言いたいのか結論から述べましょう。

これは自己PRや志望動機においても同様に重要なポイントです。

きっかけ・動機

結論の後にはその取り組みを始めたきっかけや動機を説明することで、エピソード全体の背景を明確にできます。

なぜその活動に挑んだのかを具体的に述べることが重要です。

きっかけや動機を説明する際には自分の価値観や問題意識が伝わるように構成することが求められます。

「大学でマーケティングの授業を受ける中で、実際のビジネス現場でその知識を意識して試したいと思い、インターンシップに応募した」などと具体例を挙げると、動機に一貫性が感じられます。

自分がその取り組みに対してどのような意識を持っていたのか伝えることで、採用担当者に対して自分の行動が論理的であると印象をつけることが可能です。

また、きっかけや動機を述べる際にはエピソードに具体性を持たせるため、実際に直面した課題や感知した問題を交えると良いでしょう。

具体的なエピソード

最も重要な部分である具体的なエピソードは特に力を入れて書きましょう。

自分が実際に行った行動や工夫、取り組みのプロセスを具体的に描写することが求められます。

「新商品の販促活動を任され、顧客層を分析し、SNSキャンペーンを提案して展開した結果、売上を15%向上させた」のように、数字を用いてわかりやすく内容を説明すると、具体的な行動が伝わるでしょう。

また、具体的なエピソードを述べる際には状況や課題を詳細に説明することで、相手もより理解してくれやすくなります。

新しい業務プロセスを提案する際に、自分が納得できる全員が納得できるデータを用いて説明しました、といったように行動の裏付けとなる背景を交えると、さらに説得力が増すはずです。

結論

エピソード全体を簡潔にまとめる部分も重要です。

自分が伝えたいことを端的に表現することで、採用担当者に印象深いメッセージを残すことができます。

結論をしっかり述べることで、エピソード全体が統一感を持ち、伝えたいポイントが明確になります。

したがって、取り組みを通じて何を得たのかを具体的に言語化し、自分の成長や学びを強調しましょう。

成果・学んだこと

エピソードを述べた後にはその取り組みの結果やそこから得た学びを具体的に示すことが必要です。

この部分で具体的な成果や数字を交えて伝えることで、採用担当者に自分の行動がもたらした影響を明確に示せます。

「新しい接客マニュアルを導入して、クレーム件数を30%削減した」などといった具体的に成果を述べると、説得力が高まります。

また、得た学びを述べる際にはその経験がどのような成長につながったのかを説明することが重要です。

「顧客との対話を通じてコミュニケーション能力を磨き、それが顧客満足につながった」というように、自分の成長を具体的に述べることで採用担当者に好印象を与えることができます。

入社後に活かせそうなこと

最後に、その経験が入社後にどのように活かせるかを述べて、ガクチカを締めくくりましょう。

この部分では自分の過去の経験と志望企業のニーズを結びつけることが重要です。

「インターンシップで培ったマーケティングスキルを活かし、貴社の商品開発プロジェクトに貢献したい」といった形で、企業での具体的な活躍のイメージを伝えることで、採用担当者に好印象を与えることができます。

また、入社後のビジョンを示す際には具体的にスキルや知識を述べると良いでしょう。

プロジェクト管理の経験を活かし、チームの目標達成に向けた効率的なマネジメントを行いたいといった形で、自分が企業にとって必要な人材であることをアピールできます。

解像度が高い回答を用意するためには企業研究が欠かせないため、企業が求めている人物像について公式サイトなどでチェックしてから書くと良いでしょう。

【ガクチカの構成】魅力的なガクチカにするためのポイント

ガクチカをわかりやすい構成で伝えて高評価を得るためには、さまざまな点をチェックし、魅力的なガクチカの内容を仕上げることが大切です。

そのためここからは、魅力的なガクチカを書くためのポイントを紹介していきます。

主に重要なポイントは、以下の3つが挙げられるでしょう。

ポイント
  • 社風や仕事内容に合うエピソードを選ぶ
  • 自己PRとの違いを明確に理解して書く
  • 業界や企業によってアピール方法を変える

上記のポイントを押さえてガクチカを書けば、選考ではより高評価を獲得しやすくなります。

では、ポイントの詳細を見ていきましょう。

社風や仕事内容に合うエピソードを選ぶ

魅力的なガクチカを書くためには、社風や仕事内容に合うエピソードを選ぶことが大切です。

社風や仕事内容に合うエピソードのほうが、企業が求める人物像とよりマッチしており、魅力を感じてもらいやすいからです。

自社に合う人材として印象が強くなるため、ガクチカの評価は高まるでしょう。

そのため、ガクチカを魅力的に伝えるためには、企業の社風や仕事内容を知るうえで企業研究・分析が欠かせません。

あらかじめ、どのような人物像が求められているのか把握しておけば、ガクチカのエピソードは選びやすくなります。

ガクチカとして選べるエピソードが複数ある場合は、企業の求める人物像を理解したうえで、より企業と相性の良いエピソードをチョイスしましょう。

自己PRとの違いを明確に理解して書く

ガクチカを魅力的に仕上げるためには、自己PRとの違いを明確にする必要があります。

ガクチカも自己PRも自分の強みやアピールポイントを伝えるものですが、伝え方のアプローチは異なります。

ほぼ同じ内容になってしまうと、アピールポイントが少ない・さまざまな方面から自分の魅力を伝える準備ができてない…などの評価を受けてしまいます。

なお、自己PRは自分の強みを伝えたうえで企業に適性があることを示していきますが、ガクチカは「学生時代に力を入れたこと」を述べることで強みや能力を伝えていくものです。

そのためガクチカでは、何をどのように頑張ったのかという点を詳しく伝えることが大切です。

しかしながら両者を差別化するうえで、まったく関連性のない強みをそれぞれアピールしてしまうと、一貫性がないことでネガティブな評価を受ける場合があります。

自己PRとガクチカそれぞれでアピールすることは差別化しつつ、できる限り関連性・一貫性を持たせることも意識してみましょう。

業界や企業によってアピール方法を変える

ガクチカの伝え方・アピール方法は、業界や企業によって柔軟に変化させることが大切です。

同じエピソードのガクチカでも、長所・強みを業務でどのように活かせるのか変化させれば、それぞれの企業で将来的な活躍をイメージしてもらいやすくなります。

むしろ、業界・企業ごとにアピール方法を変化させないと、志望先企業とほとんど関連性が見られないアピールになってしまう可能性があります。

使い回し自体は問題ないのですが、関連性が見られなければ、「いかにも使い回し」という印象が強まることで手抜きのアピールに見えてしまいます。

結果、志望度の高さや入社意欲などは伝わらなくなり、選考通過は難しくなるでしょう。

業界・企業ごとに求められる能力や強みは異なるため、それぞれにマッチするアピールを行い、適性や意欲を明確に伝えましょう。

【ガクチカの構成】ガクチカを書く時の注意点

ガクチカを構成通りに書くことで高評価を狙う際は、そのほかにも、注意を払うべきポイントがさまざまあります。

せっかくわかりやすい構成でガクチカをまとめても、重大な欠陥があれば、ガクチカで高評価を得ることは難しくなります。

具体的には、以下の点に注意が必要です。

注意点
  • 高校以前のエピソードを使わない
  • 嘘や誇張をしない
  • 専門用語を使わない

構成に沿ってガクチカを書くことだけでなく、作成の際は、以上の注意点に気をつけましょう。

では、具体的にどのようなポイントに注意すべきなのか、詳細を見ていきます。

高校以前のエピソードを使わない

ガクチカを書くときは、高校以前のエピソードは基本的に使わないようにしましょう。

なぜならガクチカでは、暗黙の了解的に「大学生活の中で経験したこと」の回答が求められているからです。

厳密にいうと「高校以前のエピソードを使うと不合格になる」となるわけではありませんが、直近の大学生活を差し置いて高校生活のエピソードを取り上げると、大学生活で何もしていない印象になってしまいます。

「なぜわざわざそんなに前の話を?」と疑問を持たれる原因にもなるため、あまり良い評価は期待できないでしょう。

そのため、基本的には大学時代の経験を伝えたうえで、追加で求められた際に高校以前のエピソードを取り上げることが無難です。

「高校時代は頑張っていたが、大学時代は遊んでいた」などの印象を持たれないためにも、高校以前のエピソードをあえてアピールすることは避けましょう。

嘘や誇張をしない

ガクチカを書く際は、嘘や誇張を避け、事実のみを具体的に伝えることが大切です。

嘘のエピソードを伝えたり誇張したりすると、最終的にボロが出てバレてしまうからです。

エントリーシートのみであれば、嘘を書いても通過する可能性はゼロではありませんが、嘘のガクチカで面接を通過することは困難といえます。

ガクチカは深掘りの質問をされやすいため、嘘の内容について詳しく聞かれれば、うまく答えられずにボロが出てしまう可能性が高いでしょう。

採用担当者は多くの就活生を見てきているため、嘘によってあいまいな回答をしたりしどろもどろになったりすれば、嘘を言っているとすぐにわかる場合が多いです。

嘘だと知られれば、選考通過はほぼあり得ません。

面接でも気まずい思いをするだけなので、ガクチカで嘘をつくことには何もメリットがないのです。

これまでに経験してきたことを丁寧に思い出し、事実を詳しく伝えられるエピソードを選びましょう。

専門用語を使わない

ガクチカを作成する際は、専門用語を使わないように注意してください。

専門用語を使うと内容がわかりにくくなるため、構成に沿って簡潔にまとめていても、専門用語が多いせいで評価は低くなる可能性があります。

すぐに理解できない専門用語のあるガクチカに対しては、「知識を不必要に誇示している」「そのジャンルに詳しくない人に配慮できていない」などの印象を持たれてしまいます。

良い評価にはなるとは到底いえないため、ガクチカは、初見でもわかる言葉で伝えることが大切です。

特に、研究や趣味などを題材にしたガクチカは専門用語を使いがちなので、初見の人でもわかる内容かどうかはしっかりチェックしましょう。

研究内容が直接的に活きる企業・職種を志望する場合でも、人事がその分野に詳しいとは限らないため、その点に配慮してガクチカを作成することが大切です。

【ガクチカの構成】ガクチカの構成例文8選

ガクチカの書き方がわかったところで、ここからはシーンごとに例文を紹介していきます。

文章の構成や流れ、内容などを参考にしてオリジナルのガクチカを練り上げて下さい。

例文1:ゼミのガクチカ

私が学生時代に一番力を注いだのは、経済学ゼミの活動です。(序論)

専攻が政治経済学ということもありますが、経済に関する研究は、将来どのような職業に就くにしても必ず役立つ幅の広い学問だと考え、1年のころから力を入れておりました。

特に興味を持ったのがミクロ経済学で、人間の行動分析により、例えばラーメン店の立地競争まで分析できることはとても面白い手法だと思いました。

また人の行動原理が働く以上、実際の土地はないWeb上の店舗でも同様の行動分析が可能であることに気づき、この先のネットワーク経済にも十分に活用が可能なマターもストックできました。(本論)

こうした経済研究の成果は、御社のWebマーケティング分野においても十分に貢献できると考えています。(結論)

木下恵利

就活アドバイザー: 木下恵利

まず結論から述べているため、企業の採用担当者も何を言いたいのか一緒に理解できることでしょう。
なぜ経済学に興味を持ったのかについても簡潔に説明できているため、流れとして非常にスムーズです。
実際にどのようなことを学んだのかについての説明も分かりやすくできており、どのようなスキルを持っているのかについても理解がしやすいです。
ただ「ゼミでどのような学びをしたのか」についての説明がやや足りていないため、文字数に余裕がある場合は、より詳しく書いてみても良いでしょう。
文字数制限がある場合は十分にこれでも構いません。
また「マター」や「ストック」といったカタカナ語が多いため、経済学に精通しているとは限らない相手が面接官の場合は、言い方を変えた方が良いでしょう。

例文2:サークル活動のガクチカ

私は大学の3年間、バスケットボール部に全力を投入しました。(序論)

入学後すぐに入部し、自分がスタメンとなって県大会へ出場するという目標を立て、毎日の部の練習とあわせて早朝にも自主練習を継続しました。その甲斐あって2年の夏に念願のスタメン入りを果たしましたが、大会では予選を突破できずとても悔しい思いをしたのです。

そこからは自分一人が頑張っても結果は出せないと反省し、チームメンバーととことん話し合い、チームの練習量を2倍に増やしてリベンジを目指しました。そして3年の終わりに初の予選突破を実現し、5位入賞という成績を勝ち取ることができたのが一番の達成感です。(本論)

目標を立てて毎日努力することは、決して自分を裏切らないと思います。この経験を活かし、御社の営業部門においても常に目標に向けて努力し、結果を出したいと考えています。(結論)

小玉 彩華

就活アドバイザー: 小玉 彩華

どのように努力をしたのかについて非常に分かりやすく説明できています。
何が課題であったのか、そしてその課題を解決するためにどのような工夫をしたのかについての説明も非常に分かりやすいです。
ただ「チーム練習を2倍に増やす」というパワープレイすぎる解決方法であるため、もう少し論理的な解決策について述べられると良いでしょう。
実際に練習量を2倍にしていたとしても「練習の内容を工夫し、また、練習時間も増やした」などと話さないと「この人は論理的な工夫ができない、元気なだけの脳筋だな」と思われてしまいます。

例文3:インターンのガクチカ

私が学生時代に力を入れたことは、インターンシップでの新規プロジェクトの立ち上げです。

現場の課題解決に貢献し、自分のスキルを実務で示したいと考え、取り組みました。

インターン先の企業では新規事業の展開を検討していたものの、具体的なところまでは話が進んでいませんでした。

そこで私はリサーチや企画提案を自主的に進め、チームをまとめてプロジェクトの初期段階から携わることになりました。

特に、市場調査を行い、競合他社との比較・分析を行うことで、プロジェクトを成功させることができました。

この経験を通じて、リサーチ力や企画力、そしてチームをリードする能力を身に付けることができました。

貴社に入社した後は、この経験を活かして、常に市場や顧客のニーズを的確に捉え、積極的に新しい企画を提案して貢献したいと考えています。

木下恵利

就活アドバイザー: 木下恵利

この記事の例文の中でも、特に質の高い例文の1つであると言えるでしょう。
何に力を入れたのか、どのようなモチベーションからそのインターンシップに参加し、インターン先では何が課題だったのかについての説明が非常にスムーズです。
そして、その後も自分がどのように工夫をして取り組んだのか、どのようにプロジェクトを成功させられたのかについての説明が非常に分かりやすいです。
また、その経験を通じてどのような能力を身につけたかの説明も分かりやすいですし、入社後、どのようにその能力を活かすのかの説明も一貫性があるため、非常に良い印象を与えられる例文と言えるでしょう。

例文4:アルバイトのガクチカ

私が大学時代に頑張ったのは、御社の系列の○○カフェでのアルバイトです。(序論)

始めたのは高校3年生からで4年以上になりますが、ユーザーだったころから大好きなカフェだったので、自分もスタッフの一員になりたいと思い始めました。

サービスを提供する側に回って感動したのは、お客様が気持ちよく利用できるための配慮が想像以上にきめ細やかだったことです。

心から尊敬できる店舗に少しでも貢献したいと努力した結果、2年目からはバイトリーダーに任命され、新人教育やシフト組みなども任せていただいていました。(本論)

就職にあたり、そのような素晴らしい店舗を展開している御社に強い魅力を感じ、ぜひ入社して貢献できればと考えております。(結論)

小玉 彩華

就活アドバイザー: 小玉 彩華

まず、何のアルバイトをしていたのか一言で説明できているため、話の概要が相手に分かりやすい例文となっています。
また、長く勤めていることも簡潔に説明できているため、継続力があり、すぐに辞めるような人材ではないと評価してもらえることでしょう。
ユーザー側の意見と働く側の意見を両方有していることをさりげなく強調できている点も高評価です。
ただ「どのように貢献できるのか」の説明ができていないため、文字数に余裕があれば、入社後はどのように貢献したいのかについて、もう少し分かりやすく説明できると良いでしょう。

例文5:部活動のガクチカ

私は大学時代、陸上部に所属しており、大学生活の大半を陸上競技に費やしていました。(序論)

元々、走ることが好きだったため、中学生から陸上部に所属して様々な大会に出場していました。はじめて出場した大学生の選手権では、競技レベルの高さについていけず心が挫けそうになりました。

しかし、部活の先生方や仲間たち、いつも応援してくれる家族や友達の助けもあって自身の弱さと向き合うことができるようになりました。自身を客観視することで見えた弱点を克服し、大学生活の最後の大会において準優勝することができました。(本論)

行き詰ったときこそ客観的な視点を持ち、物事を多角的に捉えることが重要であることを部活動から学びました。陸上部で培った経験を、御社において思う存分発揮させて頂き、貢献したいと考えています。(結論)

木下恵利

就活アドバイザー: 木下恵利

非常に分かりやすい例文となっています。
なぜ陸上に取り組んだのか、どのような点が問題であったのかについての説明が非常に分かりやすいです。
また、どのように工夫をしたのかについての説明の部分では「自分1人が頑張った」という表現ではなく「周囲の支えがあって、自分が成長できた」と伝えられているため、協調性が高い人物であるという印象も与えられます。
経験からどのようなことを身につけ、入社後に貢献するのかの説明もスムーズであるため、非常に良い例文であると言えるでしょう。

例文6:留学経験のガクチカ

私は、1年間スペインのハエンという都市に留学していました。(序論)

ハエンは、調理用油で使われるオリーブの生産が盛んであり、至る所にオリーブ畑が点在している都市です。また都市の歴史も古く、あちこちで昔に建てられた教会や城などが残っています。

料理や歴史好きである私には留学先としてマッチしていましたが、公用語であるスペイン語に不慣れであったため、日常生活を送るだけでもわからないことだらけでした。

ただ、現地の方が外国人である私に親身に接してくれたおかげで、有意義な留学生活を送ることができました。(本論)

この留学生活によって、言語は違えど気持ちが伝わることを実感し、それまでの対人関係の価値観が変わりました。この経験が御社の経営理念とマッチすることから、私自身の成長も兼ねて貢献したいと考えています。(結論)

小玉 彩華

就活アドバイザー: 小玉 彩華

まず、100点の例文とは言えない文章です。
悪いところから言うと、都市の説明が無駄に長いですし、自分がどのように努力や工夫をしたのかについての説明も全くできていません。
また「この経験が御社の経営理念とマッチする」と書いていますが、どの経験なのかがよくわからないため、もう少し具体的に話した方が良いでしょう。
しかし、留学生活においてどのようなことを学んだのかについての説明は分かりやすいですし「周囲の方が親身に接してくれた」とあり「自分だけが頑張った」という表現をしていないため、謙虚さが伺える文章ではあります。
ガクチカ作成においては文字数の制約など様々な課題がありますが、指定された文字数が200や300など、少ない場合はエピソードの「自分の工夫や努力」そして「成果」に焦点を当てて話すことを心がけましょう。

例文7:ボランティアのガクチカ

私が学生時代に力を入れたことは、地域でのボランティア活動です。

地域社会に貢献し、課題解決に自ら取り組みたいという思いから始めました。

大学での授業をきっかけに、地域の高齢者施設でボランティアをはじめ、利用者の方々の生活支援やコミュニケーション活動を行っていました。

その施設では、スタッフと利用者たちとの間でのコミュニケーション不足が大きな課題となっていました。

そこで、私はスタッフと利用者をつなぐ活動として交流イベントを企画し、ボランティアチームをリードしてイベント運営を行いました。

このイベントにより、利用者やスタッフの交流を促進し、施設内のコミュニケーション改善に貢献しました。

この経験を通じて身につけた企画力やリーダーシップ、そして問題解決能力を活かし、貴社に入社した際にも、周囲と協力しながら業務に取り組み、組織全体の目標達成に貢献したいと考えています。

木下恵利

就活アドバイザー: 木下恵利

非常に分かりやすい例文で、完成度が高いと言えます。
まず、何に取り組んだのかについて必要なことを説明できていますし、なぜそのボランティアに取り組むのかの説明も分かりやすいです。
大学での授業がきっかけと説明できているため、大学生活における学びが非常に一貫性があるということも伝えられています。
そしてエピソードにおいても、何が課題であったのか、そして自分がどのように解決に向けて取り組んだのかについての説明も分かりやすくできていますし、どのような能力を身につけ、そしてそれを入社後どのように活かすつもりなのかについての説明も分かりやすいです。
工夫をすれば、限られた文字数でもこのように端的に述べることができるため、先ほど紹介した構成をしっかりと意識した上で、このような質の高い回答を用意しましょう。

例文8:資格取得のガクチカ

私は大学在学中に、世界で公認されているスペイン語の資格DELEの資格を取得しました。(序論)

高校生のときにスペインを舞台にした映画を見て以来、将来はスペインに住むことを目標にしてきたため、わからないことだらけの外国に住むとなれば言葉の壁を越えなければなりません。

大学に入学後、授業のあとに週5日語学学校へ通い、隔週日曜日にはスペイン語のコミュニティに参加していました。また、通学や授業の休憩時間にもスペイン語の音声を聴くなどして、語彙力の向上に努めていました。

私が目指したC1は、ビジネスで通用するレベルであり、生半可な努力では合格できないことは目に見えていました。あまりの難しさに音を上げそうになりましたが、人生は1回きりだと考え、自分を奮い立たせて無事に合格することができました。(本論)

資格を取得した経験から、努力は裏切らないことを痛感しました。これからは努力して得た経験を、御社の営業部門にてさらに洗練させていきたいと考えています。(結論)

小玉 彩華

就活アドバイザー: 小玉 彩華

なぜその資格を取得したかについて非常に分かりやすく説明できています。
また、どのように努力をしていたのかについて説明ができていますし、自分の目標がどのように難しいものだったのか「ビジネスで通用するレベル」と一言で説明できている点も分かりやすいです。
また「C1」とだけ説明してしまうと、スペイン語学習者以外には伝わらないため、例文のように、一言で自分の取り組みの規模を説明できると非常に良いでしょう。
そして、その経験からどのような能力を身につけたのかについて説明し、ただ「スペイン語を活かします」と話すだけでなく、忍耐力を身につけたこともアピールできているため、非常に質の高い文章であると言えるでしょう。

ガクチカが不安な方へ

ガクチカの例文を確認して構成をイメージしよう!

ガクチカをどのようにして書いていけば良いのかわからない人は、例文を見ながら書くようにすれば、それだけでもPREP法を守った上手な文章を作ることができるでしょう。

本記事内でも例文を紹介させていただきましたが、もちろん調べれば他にもさまざまな例文がインターネット上には存在します。そのため、まだ書き慣れていない初心者の人ほど、積極的に目を通すようにした方が良いでしょう。

そうすれば、どんな人であろうと就活を成功へ導くためのガクチカを書けるようになります。

まとめ

企業がESや面接でガクチカを聞くのは、その人の価値観や人となりを予想し、自社の社風に馴染めるか、経営理念や事業方針に賛同し活躍してくれるかを探るためです。

何をしたのかではなく、どのような考えを持って物事に臨む人なのか、この先自社でどのような働きをしてくれそうかという、将来の姿をイメージできるかどうかが重要なポイントといえます。

実際に時間を費やしたことを述べることが大切ですが、まず相手に何を伝えたいかを自分なりに考え、構成から練りこむことが大切です。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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