はじめに
インターンの中でも件数が少なく、なおかつ人気があるのが企画職です。
企画職と言うとイメージとしては「バリバリ働きそう」「自分のイメージを形にできそう」など、いろいろないい点があるためあこがれの職業としても知られており、就職活動の応募職種としても人気があります。
とはいえ、そもそも企画とはどういう仕事なのでしょうか。
また、向き・不向きについて、どういう風に就活で役立てられるかなどを一緒に考えてみましょう。
インターンをやる目的
まず、インターンをやる目的についてです。
企業の場合、ざっくり説明すると優秀な学生の囲い込みや優秀な学生の選考、また入社してすぐに活躍してほしい企業の場合は実際に働かせてみてどうか、という現場からの判断を求めている場合が多いでしょう。
とくに企業目線のことになるといろいろな視点がありますので、詳しくは『インターンシップの目的は何?短期と長期で異なる企業の思惑』(https://shukatsu-ichiba.com/article/12212)をチェックしてみてください。
一方、学生は企業研究や業界研究、実務経験やスキルを磨くためなど、豊富な理由があります。
学生だったとしてもなんらかの戦力として見ている企業もあります。
インターンで何を得たい?
次に、インターンをやるときのポイントとしてオススメしたいのが『インターンで何を得たいか』ということを事前に考えておくことです。
なんとなくぼんやりインターンをしてしまうと、企業の役に立てず、業界研究にも企業研究にもつながらず、企業から見ても役に立たない・魅力のない人材として映ってしまうことがあります。
これを防ぐために、インターンで何を得たいかをしっかり考えた上で、なぜ企画職なのか、どうやってインターンを成功させるか、を考えてみてください。
得たい理由を明確に
まず、得たいものがある程度はっきりしているのであれば、その理由も考えてみましょう。
一方、こういったところがはっきりしていないのであれば、理由をしっかり考えて説明できるレベルにまでブラッシュアップしてください。
自分がイメージを形にして具体的に説明できるようにすることは、企画職の場合はとくに重要なことです。
プレゼンテーションの際には理路整然とした説明が必要ですから、自分がこう思ってこういうものを得たくて、その理由はこうで、ということを明確に説明できるとアピールにつながります。
得た先の自分を想像しよう
また、得た先の自分を考えてみるのも方法です。
それを得ることによって自分にどういう変化が訪れるのか、どういう風に違いが出るのか、逆に得なければどうなるのか、ということを考えてみてください。
得た先の自分は基本的に今よりも良くなっているはずですから、とくに良くなっている点はどこか探して考えてみると良いでしょう。
もし理由が明確にわからない人は、逆にインターンで何かを得た後の自分から逆算して考えてみるのも方法です。
企画職のインターンから何を得る?
企画職の場合、基本的にインターンで得られることはさまざまです。
さまざまな企画や企業運営の最初の一手となることが多いので、あまり本格的なプロジェクトに関わらせてもらえるわけではない企業も多いでしょう。
ですが、それでもさまざまなものが得られるようです。
ここでは、いろいろな企画職の仕事内容や適性などから、企画職というのはどういう仕事なのか、基礎基本的なところを押さえてみましょう。
複雑な側面を持っている仕事なので、イメージと違ったなんてことがないようにしたいものです。
企画職の仕事内容
まず、基本的な企画職としての仕事内容を紹介しましょう。
ただ何か企画をしてプレゼンテーションをして話を通すばかりが企画職ではなく、多くの人と関わる仕事となっています。
なお、ここではどんな仕事にも発生する雑務は含まず、メインとなる仕事のみを取り上げています。
市場のリサーチ
まず、市場のリサーチを行います。
これは大きい企業ならば市場の動向を調べるマーケティング職と共同で行ったり、マーケティング部の統計資料や新しい調査資料をまとめたりしてさまざまな市場調査を知ります。
流行しているものやトレンド情報、さまざまな企業の動き、とくにライバル企業の動向や似たような製品を売る企業の動向などもチェックします。
また、宣伝や広告も行いますので、いわゆるSNSの活用やWeb運営の方向、さまざまな販促プロジェクトなどの情報も集めてきます。
サービス向上の企画案作成
次に、サービス向上の企画案作成です。
これは既存のサービスや商品を改善したりブラッシュアップしたものを提案したりするというもので、より良いサービスや顧客満足のための方法を模索するために行われます。
基本的に今ある製品のラインナップにプラスするとか、今あるフレーバーにバリエーションを増やす、今のブランドにはない時代に沿ったブランドを作る、というような場合が多いでしょう。
とくに近年は顧客の需要も細分化しているため、多くのブランドや新商品が求められています。
このため、新しいものの提案ペースやバリエーションも増えている傾向があります。
商品販売促進の企画案作成
サービスや商品そのものを作るのも企画の仕事ですが、同時にサービスや商品を売るための方法を提案するのも企画の仕事です。
これは既存の商品をより多く売るためや、さまざまな人に知ってもらうための企画となります。
どちらかと言えば広報の仕事に近い一方で、さまざまな人に満足してもらうことや、お客様のニーズに合った企画を立てるなど、いろいろな需要があります。
とくに最近ではネット活用が増えてきたので、インターネット上やSNSを活用した宣伝戦略が求められる場合も多いでしょう。
社内プレゼンテーション
最後に、社内プレゼンテーションです。
これは何かと言うと、会社の中でこれからどういうサービスや製品を作っていくかを伝えたり、その理由を説得させる必要があるためにいろいろな人の前でその商品やサービスの必要性、製品の将来的な発展などを伝えたりします。
社内プレゼンテーションは部署内から始まり、幹部のみの場合、社長なども取り入れる社内の主要部署を中心とした全社的なものなどもあります。
このため、プレゼンテーションが一度だけで済むとは思わない方が良いでしょう。
向いている人
企画職の場合、基本的に必要とされる技能よりも、その人の性格の向き・不向きが大きく出ます。
発想力や論理的に説明する力も必要ですが、一方で性格特性でも影響が大きいのです。
ざっくり言えば「興味・好奇心がある人」に向いているでしょう。
流行に敏感な人
まず、流行に敏感な人に向いています。
これは時代の流れを読み取ったり、技術発展や情報発展に敏感であったりする必要があるためです。
他社が何をやっているのか、どういう新製品を出しているのか、どういう商品やサービスが流行しているのかを知る必要があるため、流行に敏感であることはかなり重要です。
とくにこういった流行はうかうかしていると乗り遅れてしまい、せっかく商品を市場に出しても、顧客が古臭く感じてしまいかねません。
速度や鮮度が重要です。
分析力のある人
次に、分析力がある人も向いているでしょう。
分析力とは「これがどうして流行っているのか」「どういう需要を満たしているのか」「どういうきっかけで火がついたのか」などを分析する力です。
何が起爆剤になったのか、どういう点で好まれているのかをチェックすることで、類似サービスやライバル企業のサービスにバッティングするような、さまざまな企画を想像できるでしょう。
これはさまざまな疑問を持つことと調査する能力に分かれます。
どちらも磨いておくといいでしょう。
好奇心・チャレンジ精神のある人
最後に、好奇心・チャレンジ精神がある人に向いています。
というのも、好奇心があれば新しい製品やサービスを積極的に知ることができますし、実際に自分で利用してどうだったか、というようなことを知ることができるでしょう。
チャレンジ精神があれば、いろいろなことに挑戦したり、プレゼンテーションでも物おじせずにプレゼンテーションし、アピールができたりするかもしれません。
基本的に新しいものが好きな人や新商品に目がない人、トレンドが好きな人にはうってつけでしょう。
どんな経験を得ることができる?
この企画職については、他の仕事と違ってさまざまなものを得ることができる、という側面があります。
とくに他の仕事と違い、人脈というよりはいろいろな力、とくにひらめきや思考能力などを大きく羽ばたかせることができるでしょう。
なお、ここには地頭の良というのはありません。
最初から企画職向きの人ももちろんいますが、企画職になってから後天的な知識や知恵、発想法などを身につけて素晴らしいサービスなどを世間に出した人は多くいます。
状況を打開する発想力
まず、状況を打開するような発想力が身につくかもしれません。
これはそもそも危機的状況に陥ったり、企業運営がうまくいかないときにさまざまな魅力的な商品を打ち出すことで企業の経営を立て直したりと、今の状況を打開するような発想力を身につけられます。
とくに、中小企業の場合は新商品1つが大きく知名度を高めれば、企業の運営に大きなプラスになります。
類似商品や販売している関連商品も売れるようになり業績もアップしますので、今の状況をがらりと変えることもできるかもしれません。
戦略的思考能力
次に、戦略的思考能力というのも手に入れられるかもしれないのです。
これは思考能力の中でも、どうすれば勝てるのか、どうやったらこの戦いに勝てるのかということを考えた思考能力で、勝つための方法や知能の一環です。
これが身につくと、就職活動でも希望の会社に入れるようにするにはどうすればいいか、戦略を立てて思考できるでしょう。
実行してみてどうだったか、などの振り返りも含めて、より勝つための考え方やテクニックが身につきます。
論理的思考能力
また、論理的思考力というのも身につく場合が多いでしょう。
これはさまざまなことを筋道を立てて説明する能力や、多くの事実を元にさまざまな答えを導き出す方法です。
論理的思考力は就職活動中でも重視されます。
とくに企画職の場合、プレゼンテーションなどで要求されることが多いでしょう。
ただし結論のみを言うことを論理的思考力とは言わず、そこに至った経緯やそれからどう戦略を立てていくか、というようなことを論理的に伝える必要があります。
なぜそう思ったのかを明確に説明できるようにしましょう。
分析力
また、分析力が強くなくても、企画職を経験することによって分析力が身につく場合もあります。
そもそも企画の仕事の場合、基本的に社会や世間を知る必要があるのです。
どういう需要があり、どういうトレンドがあり、どういう風に流行っているのかを知ることで、自分の製品の開発やサービスの改善につながっていきます。
とくにさまざまな情報やデータを得やすい時代になっていますから、そういった情報やデータからどういうトレンドがあるのかを分析する力も重要です。
とくに今ではインターネット上の流行と現実の流行がリンクする時代なので、現実の流行を追うだけではなくインターネット上のトレンドも知ることもできますし、ビッグデータからの解析によって多くのことを知る場合もあるでしょう。
1→10にする力
最後に、1→10にする力を身につけることができる可能性も高いようです。
この力は基本的に、今あるものにプラスしたりさまざまな力をプラスして、よりビジネスを加速させたり知名度を上げたりしてブランド価値を強化していくというようなことが大きいでしょう。
基本的に今あるものをより多くいろいろな人に知ってもらうことや、利用して良さを知ってもらうことで、ブランドや商品のファンが増える可能性が高いでしょう。
とくにこの場合は何もないところから何かを作るのではなく、今あるものや現行の製品のバリエーションをつけたり、今の製品がより売れるような効率の良い販売戦略を取ったりすることになります。
より良くするためにはどうしたらいいか、ということを考えられるようになると、企業運営にもプラスになります。
就活で使える!企画職インターン経験の活かし方
企画職をインターンで経験したことで、実はあなたにはさまざまな力がついているのです。
実際に企画職を体験した後に自分に身についた力は、これからもちろん企画職をやっていく上でプラスになりますし、それ以外のさまざまな仕事に対してもプラスに働きます。
それでは、企画職で得たことを就職活動に活用するためにはどうしたらいいのでしょうか。
インターン経験の活かし方についてはいくつかの方法があり、シーン別に活用するべきポイントは変わってきます。
自己PR
まず、自己PRについては本当にさまざまなことが言えるでしょう。
自分をどうやって売り込むか、自分をどうやって魅力的に見せるかという戦略を練ったり、どういう企業でどういう人がほしいのかのアピールをより上手に行いたかったりするときなどに、企画職で培った戦略的思考能力が役に立ちます。
また、企画職を志望している場合は『インターンで企画職を経験し、こういう経験をしました。
課題にこうやって乗り越えていき、こういう点が自分に向いていると思いました』というように書くこともできるでしょう。
とくに自分を軸にして書くことや、自分に対してどう思うか、経験から何を得られたか、などを明確に書くことで、論理的思考力も活用できるのではないでしょうか。
志望動機
次に、志望動機についてです。
志望動機については基本的な書き方もありますが、とくに企画職を希望する場合は企画職としてインターンで経験したことを主軸に書くこともできます。
たとえば『私は企画職でこういうプロジェクトに携わり、こういう課題をいただきました。なので、こういう風に乗り越え、こういった評価をいただきました。また、こういう点に刺激を受けましたので、御社ではこういう点を活かせます』というように、企画職でインターンをした経験そのものと、そこから得られたことそれそのものがアピールポイントとなるでしょう。
企画職の場合はとくに希望者も多く、優秀な人が多いので分析や論理的な説明の能力を活かせます。
面接
最後に面接です。
面接のときは自分のプレゼンテーション力を活かせる場所でもありますが、ほかにも自分ならではの分析力や、アピール力を活かす場所にもなるでしょう。
企画の仕事をインターンで経験したことによりどういう点が良くなったか、などを具体的にアピールします。
たとえば『私はこれまで人と関わる際に多くの気負いなどがありましたが、インターンで企画職を経験し、さまざまな部署の人とやり取りをしていく中で、多くの人が自分の働きに応えてくれるのがうれしくなり、人と関わるのがとても楽しくなりました。このため、御社でも経験を活かし、今あるサービスやビジネスをより大きく成長させていきたいと思っています』というように、経験したことでどういう点があったか、どういう違いがあったのかなどをアピールしましょう。
まとめ
基本的に、企画の仕事はバックオフィスの仕事ではなく、人から見えないところにいても最前線で働く仕事です。
また、戦略的思考力や論理的思考力を必要とし、さまざまな人に興味がある人やフットワークが軽くトレンドに敏感な人などに向いているでしょう。
ただ、必ずしも企画職を行うすべての人がそういう人だというわけでもありません。
インターンを経験するのであれば、とくにどういう仕事なのかを経験してみたり、実際にオフィスで働く人と関わる機会を得られたりすると思って、積極的に挑戦してみましょう。
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