貴重な大学生活を有意義に送るために必要な計画
はじめに
昭和の頃まで大学はエリートだけが行くもの、とされていましたが、今となっては大学に行くのは当たり前の時代となりました。
とはいえ、当たり前だからと言って怠惰に過ごしていてはいけません。
大学の4年間を有意義に使えてこそ、社会人になってから差がつくようになります。
今回は大学生の一般的な過ごし方を紹介しつつ、大学に行くことの意味やメリットなどを考えていきましょう。
大学生活の実態
高校生の頃までは決められた時間割で決められた授業を受けるという学生生活を過ごすのが一般的です。
ところが、大学生になるとそれが少しずつ変化していきます。
まずは授業を自分で選ばなくてはいけません。
大学によってはこの授業は必ず選ばなければいけない、というものもありますが、基本的には自分にとって役立ちそうな授業を判別しなければいけないのです。
どんな授業を選ぶかで自分の将来が決まるといっても過言ではありません。
逆に言えば自分の好きなように授業を選べるので、これをフル活用することができれば実のある大学生活を送れることを意味します。
それではここからは一般的な大学生が送る一日を時間ごとに見ていきましょう。
午前
大学によって始業時間はまちまちですが、おおよそ8時半くらいに1コマ目の授業が始まると設定している大学がほとんどでしょう。
高校までは45分や50分で1コマの授業が終わると設定していますが、大学では90分を1コマとするのが一般的です。
午前中は2コマで講義が終わり、それが終わると昼休みに入ります。
大学生になると一人暮らしをする人が多いでしょうが、くれぐれも寝坊せずに1コマ目の授業に出ておきたいところです。
徹夜をして授業に身が入らなかった、ということもないようにしておきましょう。
午後
昼休みは1時間程度の時間を取る大学がほとんどです。
それが終わったらまた講義が再開し、今度は3コマ授業が始まります。
日によっては1コマ目と2コマ目に講義を入れておいて、午後は自由な時間を作る、という時間割にすることもできるでしょう。
お昼休みにご飯を食べてから授業に臨むと眠くなりがちです。
講義を聞いていたらいつの間にかうとうとしてしまって、先生に怒られてしまった、ということはないようにしてください。
夕方
高校では夕方の4時くらいになると授業が終わるのが普通ですが、大学ではそれ以降も講義を設けています。
とはいえ、仮に朝から講義を受け続けているとすれば、この時間帯には疲れがやってくるのが普通です。
空きコマを作って頭を休める時間を作るという選択も悪くはありません。
また、バスや電車の時間までに学校に残って個人的な勉強をやっておくというのも良いでしょう。
大学生になると自習の習慣を疎かにしてしまいがちですが、いついかなるときも勉強する態度を持っておきたいものです。
放課後
高校生までは部活に入り夜遅くまで練習に励む人がほとんどでしょうが、大学生は部活に入る必要はありません。
その代わりサークルという集まりに入ることができるようになります。
バンドをしたり趣味でスポーツをしたり、といったことができるようになるので、ここで多くの友達を作れるかもしれません。
その他、日によってはバイトをしてお小遣いを稼ぐ人もいるでしょう。
友達と一緒に街に遊びに行く時間に充てる、という人もいるかもしれません。
また、三年生や四年生になると放課後を卒業研究のための時間に充てることもあります。
大学生でいることのメリット
日本では二人に一人が大学に行っていますが、逆に言えば大学に行かないで高卒のまま就職する人も半分いるということです。
そんな中で大学に行く必要があるのかどうか迷っている人もいるでしょう。
すぐに就職したほうがスキルが就く可能性もありますが、大卒で終えれば良い条件で就職することができます。
今日において大学に行くメリットはどれくらいあるのでしょうか?
ここからは3つのポイントを紹介した上で大学に行くメリットを考えていきます。
自由に時間を使える
大半の日本人は高校を卒業するまで決められた時間通りに行動しなければいけません。
それは社会人も同じで、決められた時間に出社し、決められた仕事をこなさなければいけないのです。
そんな中で、大学での四年間は数少ない自分の時間を持つことを許された期間といえるでしょう。
こうした時間を持つことは極めて大切で、まず時間の使い方を学ぶことができます。
どうやったら有効に時間を使うことができるか、何をしたら無駄に時間を浪費してしまうか、ということを試すことができるのです。
社会人になるとこうした時間の使い方はいっそう重要になってくるので、大学生のうちに予行演習を行っておけるのはアドバンテージといえるでしょう。
学びたい分野を自分で選べる
高校までは学校が選定した時間割通りに学科目をこなしていかなければいけません。
もちろん高校の途中で理系に進むか、それとも文系に進むか、という選択はありますが、どちらを選ぶにせよ教育内容は学校が決めることです。
一方で大学生になってからは無数にある講義の中から、自分が学びたい内容を自由に選ぶことができます。
自分は経済を学びたい、と思ったら経済学の授業を取れば良いですし、英語を学びたいと思ったら英語の授業を取って良いのです。
もちろん自分は何を学びたいのかわからない、という人もいるでしょう。
そういうときはいろいろな講義を幅広く受講することをオススメします。
複数の講義を受講することで時間をかけて自分が学びたいことを見つける時間があるのも大学のメリットです。
就活で有利になる
大学に入ることのメリットは何よりも就職の際に良い条件で雇用してもらえることにあるでしょう。
高卒の初任給は約18万円で、大卒の初任給は約20万円だとされています。
2万円ではありますが、なかなか大きい差だといえるでしょう。
大学の教育を経ているということはそれだけでアドバンテージになり得るのです。
その他進む大学によっては学歴が武器になって他の人よりも就職しやすいということもあります。
伝統的に優秀な学生を数多く生み出している大学は、様々な企業にとってブランド価値があるのです。
もちろん有名な大学に行っているから就職は楽にできるだろう、と慢心してはいけません。
とはいえ他の人にないアドバンテージを最大限に活かすに越したことはないでしょう。
大学生活を有意義にするために目的を定めよう
大学を卒業するまでには四年の時間があります。
大学に入るまではずいぶんと長い時間があるようにも思えますが、いざ入ってみたらあっという間に卒業してしまった、という経験をした人は少なくありません。
中にはもっと大学で勉強していれば良かった、と後悔する人もいるのです。
大学生活を悔いなく終えられるようにするためには、明確な目的を建てることが必要です。
なぜ目的が必要?
そもそも目的を建てる必要があるのか、という疑問もあるかもしれません。
ただ四年間を過ごして必要な単位を取って卒業し、良い会社に就職できればそれでいいじゃないか、と思う人もいるでしょう。
しかしながら、目的ないままだと張り合いのない時間を過ごしてしまいかねません。
人間は明確な指針がないとモチベーションが上がらない動物なのです。
モチベーションがないまま日々を過ごしていると、最悪大学に行く意味があるのか、と考えてしまいかねません。
そうなると大学に行くことも少なくなり、単位が足りなくなって留年、あるいは退学してしまう、ということさえありうるのです。
こうしたことを防ぐためにも予め目的を設定することは不可欠なのです。
目的の例
とはいえ、いざ目的を作れ、と言われてもどう作れば良いかわからないという人がほとんどでしょう。
たとえば高校までならこの大学に絶対に合格する、という明確なゴールを設定することができました。
しかし大学では受験のような明確なゴールがありません。
もちろん卒業することや、就職することといったゴールはあるにはありますが、四年後の話なので明確にイメージすることは難しいです。
先ほど大学生は自分で自由に時間を使えることができるし、自分で学ぶ内容を決めることもできる、と言いましたが、ゴールも自分で決めなくてはいけないのです。
そこでここからは目的をどう作ったらい良いかわからない、という人のためにいくつかの目的の例を紹介していきましょう。
専門分野を学んで身につける
そもそも大学を受験する際には大学が設置している学科のどれか一つを選ばなくてはいけません。
数学科や法学科など学科は様々ですが、高校のうちにこの学科を学びたいと思ったから受験した、と思うことは可能です。
高校のうちに自分は日本文学が好きだ、と思ったら国文科に進むのも良いでしょう。
英語を学んで海外に旅行に行きたい、と思うならば英文科にいくのも良いです。
そのように何か一つ学びたい内容を決めた上で、それを専門的に学ぶために大学に行く、というのも立派な目的でしょう。
後はその目的に沿って自分でそれに合わせた講義を受講していけば良いだけです。
もちろん、高校ではこの科目を学びたいと思ったけど、大学に入ったらこの科目を専門にしたいと思った、という過程を経ても問題ありません。
交流をして多様性を学ぶ
高校の場合はどれだけ多くても1,000人程度の生徒を抱えるところがほとんどです。
しかし大学になると10,000人の生徒が在籍している、というところは珍しくありません。
これはそれだけの数の人たちと交流することができるチャンスがある、ということを意味します。
いろいろな学生と会話をしてみることで意見を交換することや様々な価値観を学ぶことができるのです。
もちろんこうした交流は大学生だけに限りません。
大学には多くの教授が在籍しているので、いろいろな先生に質問をしたりして教えを乞うのも良いでしょう。
その他、大学によっては他の国からの生徒を受け入れていることも少なくありません。
海外の人から意見を聞いてみることで知見を広げることも可能なのです。
学生起業
特定の会社に就職するのではなく、自分の会社を持ちたい、という大きな夢を持っている人も中にはいるでしょう。
そういう人は思い切って学生起業を目指してみても良いのではないでしょうか?
そうすれば学生のうちに何をしておけば良いかがより明確になります。
まず起業するにはお金が必要でしょうから、バイトで貯金を貯めておかなければいけません。
その他経営に関する知識も不可欠ですから、それに沿った講義を受講したほうが良いでしょう。
また、信頼できる仕事仲間を得るために自分でサークルを立ち上げ、経営に関する知識を交換し合う、という試みをすることもできそうです。
学生起業は大変ですが、その分だけ張り合いのある時間を過ごすことができます。
まずは短い期間での目的を意識した計画を立ててみよう
ここまで目的の建て方の例をいくつか紹介してきましたが、いきなり大きな目標を立てるのは現実的ではありません。
たとえば自分はノーベル賞を取ってみせる、と決断したとしましょう。
ノーベル賞を取るくらいの研究をするには膨大な時間と知識が必要になります。
それに想いを馳せただけでモチベーションが削がれてしまって、夢を諦めてしまいかねません。
そうなることを防ぐためにも、まずは小さな目的をいくつか建ててみましょう。
ノーベル物理学賞を取りたいならまずは物理学に精通しなければいけません。
物理の講義を受講した上で単位を取る、という目標を設定するだけでもおのずとやる気は湧いてきます。
小さな目標をいくつかこなした後で大きな目標を立てると、具体的な道筋が見えるようになるでしょう。
意外に知らない!大学内で受けられるサービス
大学に入学するためには入学金や授業料を払わなければいけません。
とはいえ、そのお金がそのまま教授の給料にしか使われないかというとそうではないのです。
大学ではその他にも生徒が充実した大学生活を送れるようにするためのサポート体制を整えています。
もちろん大学によってサービス内容は違いますが、ここからはいくつかの例を紹介していきましょう。
TOEIC
英語力を証明するための資格としてTOEICがあります。
これがあると就活などでも有利になることが多いのですが、学生にとってネックなのが受験料の高さでしょう。
現在TOEICの受験料は5725円と設定されていますが、スコアが悪かったときのことを考える簡単には受験できません。
しかし、大学によってはこのTOEICの受験料の一部を割引してくれるところもあります。
大学の窓口に行けば割引クーポンを発行してくれるのでしっかりとチェックしておきましょう。
海外交換留学
大学によっては海外の大学と提携を結んでいるところも少なくありません。
定期的に交換留学と称して向こうの学生を日本に招致しつつ、こちらの学生を海外の大学に留学させているのです。
この交換留学の対象は基本的に希望者が行くことになっていますが、時には成績優秀者が費用を免除された上で留学することもあります。
日頃から単位をしっかり取っていればお得に海外に行ける可能性があるので積極的に利用しましょう。
オフィスがもらえる
最近では大学のレポートを書く際にパソコンを使うことを推奨しているところが増えてきました。
手書きよりもパソコンのほうが簡単に読みやすい文字を賭けるので合理的といえるでしょう。
しかし、パソコンを買うだけでも値段がかかるのに、レポートを作るためのオフィスを導入するのはもっと大変です。
そうした学生のために大学がオフィスを無料で配布するサービスもあるのです。
これさえあればWordでレポートが作れますし、PowerPointを使って研究を発表するのも楽になるでしょう。
アドビがもらえる
研究の内容によっては文字だけでは表現できず、動画や画像を使って物事を説明したい、という場面に出くわすこともあります。
この際に役立つのがアドビリーダーというソフトです。
これさえあれば動画の編集もスムーズにできますし、画像の処理も自分の思い通りにこなすことができます。
先ほど紹介したオフィスと同様、こちらのアドビリーダーも無償、ないし割引で提供しているところが少なくありません。
研究だけでなくサークル活動でも活用することができそうです。
100円朝食
学生にとっていかに健康的な食事ができるかというのは大切なことです。
ついつい楽な外食を選んでしまい不健康になってしまった、ということは珍しくありません。
そうした学生を減らすために大学の学食では、安い値段でおいしい朝食を提供しているところがあります。
これを食べるために学校に通えるようになれば、寝坊して1コマ目の授業に遅刻することもありません。
何より安いので経済的にもありがたいところです。
大学のうちにやっておくべき経験
人生ではそのときでなければやれない経験というものが存在します。
たとえば高校のときでなければ部活でたくさんの仲間たちと汗を流し、最後の大会で負けて涙を流す、ということはできません。
皆さんも過去を振り返った上で、あの経験はあのときでしかできなかった、ということが一つくらいはあるでしょう。
そうした経験が糧になり、その後の人生に影響を与えるということは少なくないのです。
これと同様に大学生の間でなければこれはできない、という体験はたくさん存在します。
ここまで紹介してきた、好きな科目を好きなだけ学ぶことができるというのもその中の一つです。
ここからはその他に取り上げるべき4つの経験を紹介しましょう。
社会人との会話
もちろん中学や高校のうちでも社会人と会話することはできます。
しかしながら、中学生や高校生のときと比べて、大学生が社会人と会話するときはより距離感が縮まっているのを感じるはずです。
それはひとえに自分がもうすぐこの人と同じ立場になる、ということを感じていることによります。
バイトをすることで社会人の苦労をいくらか知ることができ、年上の人の言うことがわかった、という経験をすることも少なくないでしょう。
その他、大学の講義を聞きながら教授が学生生活に体験した苦労を聞いて、自分の学生生活に活かすということもあります。
これから社会人になるにあたって、いろいろな大人と交流を深めていくことは必ずや有意義な経験をもたらしてくれるはずです。
海外旅行
海外旅行には社会人になってからも行くことはできます。
しかしながら、いざ社会人になってみるとお金はあっても思いのほか時間が取れない、ということになりかねません。
英語も勉強している暇がないから、現地の人と思うように会話できなかった、ということにもなり得ます。
その分、大学生のうちはいくらでも時間がありますし、外国語の勉強環境にも恵まれているので自由に旅行することができるでしょう。
何より一度日本を出て、文化が違う国に出かけるというのはそれだけ自分の価値観を一度見つめ直すことにもつながります。
柔軟な発想ができるようになるので、その後のビジネスや研究生活にも活かしやすくなるでしょう。
インターン
インターンは大学生でなければできない経験の一つです。
企業に体験入社しつつ、社員の人に仕事を教えてもらいながら現場の空気を感じる、ということは大学生に許された特権といえるでしょう。
現在インターンは就職を有利に進めるための一環だとされがちです。
確かにインターンをやっておけば実際に企業に入社したときにスムーズに仕事ができるようになります。
しかしながら、ただ単に就活のためだけではなく、これを自分の成長のためだと捉えたほうがより実り多い時間を過ごすことにつながるでしょう。
いろいろな企業のインターンに参加することで、この会社はこういう社風を採用している、あの会社ではこういうことをやってはいけない、ということを学ぶのも立派な勉強です。
自分ととことん向き合う
大学になると一人暮らしを始める人が多いと思いますが、最初のうちは寂しさを感じる人がほとんどだと思います。
そして友達を作り寂しさを紛らわせようとするのですが、これが行き過ぎると自分の時間がなくなってしまいかねません。
本当は勉強するための時間だったのに、友達からの遊びの誘いが来たから外出する、というのは少々考えものです。
そこで勇気を持って友達からの誘いを断り、自分だけの時間を持ってみましょう。
こうした時間を設けることで、自分はどんな人間なのか、自分はどういうことがしたいのか、ということが明確になってきます。
こうした時間を作れるのは大学生のうちしかありませんので、積極的に自己分析をするようにしましょう。
そこで出てきた結果が、のちに役立つことがあります。
まとめ
大学の四年間でできることは思いのほか少ないです。
実際、四年間しっかりと勉強したけれどまだまだ学び足りないと感じたから大学院に行くという人もいます。
やりたいことを見つけ、目標を立てた人でもそうなのですから、もし目標を立てないまま四年間を過ごしたらあっという間に大学生活が終わってしまうでしょう。
少しでも成長した上で社会人になりたいと思うのならば、この四年間を有意義に使うしかないのです。
大学は基本的に学ぶための環境は整えてくれていますが、実際に教授や先輩が学生のために何かをしてくれるということはありません。
自分で責任を持って日々を過ごしていくしかないのです。
少々厳しいようではありますが、こうした時間を過ごすことで立派な社会人になれる可能性は十分にあります。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート