はじめに
就職活動を始めると「Webテスト」という言葉を耳にする機会が出てくると思います。
テストと名の付くものですから、もちろん対策が必須です。
しかし、実際どのような準備をしておいたほうが良いのか、まだ理解されていない方も多いでしょう。
今回は、Webテストが何なのかまだよくわかっていない方へ向けて、Webテストについてくわしくご説明します。
Webテストについてしっかりと理解し、就活の中で実施される際には必ず対策してから臨みましょう。
また、企業によって、Webテストの内容は変わるので注意が必要です。
Webテストとは何か
まずは、Webテストとは何かについてご説明しましょう。
簡単に説明すると、Webテストとは選考の過程で行われる、採用のためのテストです。
自宅、または試験会場などでパソコンを通して行われるテストのため、Webテストと呼ばれています。
「SPI」や「玉手箱」、「TG-WEB」といった言葉を耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。
Webテストは、大手企業のほとんどが取り入れている選考フローのため、志望する業界によっては避けては通れないものになるでしょう。
Webテストの目的
次に、Webテストの目的について、いくつかのポイントに分けてご説明します。
なぜWebテストを実施するのかをしっかりと理解し、Webテストの重要性を確認してください。
企業側の目的を理解しているかどうかで、Webテストへの対策がしっかりとできているかどうか、差が出てくるでしょう。
ライバルと差別化をはかるためにも、まずは企業側の意図をしっかりと把握することから始めると良いかもしれません。
ぜひ、ご自身が希望する企業に当てはめながらチェックしてみてください。
候補者を絞るため
Webテストの目的として最初にあげられるのが、候補者を絞ることです。
大手企業や人気の企業には、多くの応募者が集まります。
最初の段階でWebテストを実施し、テストの出来で候補者を絞ることで、効率的に採用活動を進めるねらいがあるでしょう。
つまり、Webテストである程度の点数を取れていないと、書類すら確認してもらえない可能性があるのです。
テストの点数が満足のいくものにならなそうでも、途中で諦めてはいけません。
Webテストの合格点には満たなくとも、半分以上の点を取れていれば、書類の出来でWebテストの点数の不足分を補える可能性もあります。
テストの途中で出来が悪いと感じたときも、諦めることなく最後まで挑戦しましょう。
就活生の能力をはかるため
Webテスト実施の目的として次にあげられるのが、就活生の能力をはかることです。
企業側が求める、最低限の地頭があるかどうかを絞ることで、入社後に活躍できる人材を確保しようとしています。
専門的な知識や技術が必要な業界では、こういった理由でWebテストを導入している企業も多いかもしれません。
その場合、対策に費やす時間の配分は、希望する業界の専門的な部分に沿ったほうが良いでしょう。
事前に企業調査をしっかりと行い、対策の方法も考えておきましょう。
社風に合っているかを見定めるため
企業が注目しているポイントの中には、候補者が自社の社風に合っているのかどうかという点もあります。
Webテストは能力適性テストだけでなく、性格適性テストも行われるのが一般的です。
性格適性テストを通じて、候補者がどのような価値観をもっていて、どのような人柄なのかを判断し、自社の社風に合っているかどうかに注目しています。
性格適性テストの結果次第では、能力適性テストの取得点数がいくら高くとも、選考外となってしまう可能性もあるでしょう。
企業がどのような人材を求めているのかも、事前に把握しておいてください。
Webテストの種類
Webテストには、いくつかの種類があるのをご存じでしょうか。
前項でも少し述べた通り「SPI」や「玉手箱」「TG-WEB」などは耳にしたことのある方も多いかと思います。
そういった有名なものから「CAB」や「GAB」といった聞きなれないものまで、種類は多々あります。
業界や業種によって違うものが出題されることもあるので、注意が必要です。
事前に調べてみて、対策をしておきましょう。
それぞれの特徴についてよりくわしく知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
Webテストの受け方
それでは、次にWebテストの受け方についてもご紹介したいと思います。
Webテストには制限時間が設けられています。
いざ受けようとなったときに、なかなか進められず、時間が足りなくなってしまうこともあるかもしれません。
事前にどのように受ければ良いのかを確認し、スムーズに進められるようにしておくと良いです。
実際にWebテストを受けるときのイメージをしながら、チェックしてみてください。
環境を整えておくことは非常に大切です。
自宅で受験する場合
Webテストは、冒頭でご説明した通り、自宅で受験する場合と試験会場で受験するケースに分けられます。
こちらの項目では、自宅で受験する方法についてご説明しましょう。
自宅のパソコンを利用し、企業が用意する就活生専用ページにアクセスするのが一般的です。
そのほかよく活用されているのは、ES提出後に企業から送られてきたメールに記されている、Webテスト受験用のURLにアクセスする方法です。
こちらは、電卓の使用が前提であったり、選択問題ではなく入力して解答したりする形式の問題が多い傾向にあります。
試験会場で受験する場合
次に、試験会場で受験する場合もあります。
自分のパソコンを使用するのではありません。
会場に用意されたパソコンで受験することになります。
正解数に応じて、異なった難易度の問題を出題されることが多いのもポイントです。
そのため、最初の問題を確実に正解しておくことで、高得点をねらえるでしょう。
また、テストの結果を他企業の選考で使い回すことも可能です。
ただし、どれくらいの点数を獲得できたのかは通知されないので注意しなければなりません。
あまり手応えを感じられなかった方は、同じ内容であっても受け直しなどを検討してみても良いでしょう。
いきなり本命企業の試験を受けるのではなく、何社か他企業の試験を受けてみるなどの対策も有効と言えます。
Webテストの出題内容
Webテストの実施目的や受験方法について理解していただいたところで、具体的な出題内容についてもご説明しましょう。
ご自身の得意分野や苦手分野などをしっかりと把握し、対策を整えておいてください。
一般的に、問題数は10~50問程度といわれています。
制限時間は全体で30~90分程度のことが多いようです。
問題数と制限時間によって、どのようなペース配分にするのか、自分の中でシミュレーションしておくと良いでしょう。
能力適性テスト
それでは、能力適性テストの具体的な内容についてご紹介します。
大きく分けて、言語・非言語・英語の3つのジャンルで出題されます。
能力適性テストの目的は、学生に基礎的なスキルがあるのかどうかを見ることが一般的です。
大学時代に学んだことだけでなく、高校時代の基礎から復習しておくと間違いがないかもしれません。
基礎的な問題は、自身のスキルとして身についていなければ正解するのは難しいものです。
常日頃から復習などに取り組んでおきましょう。
言語の問題
まずは、言語の問題につい解説します。
言語と聞くと範囲が広く難しいというイメージもあるかもしれませんが、簡単に言ってしまえば、現代文の問題のようなものです。
多く見られるのが、500~1,000文字程度の問題文を読み、内容と合致する内容を選択する問題です。
また、熟語の同義語や反意語を選択する問題も多く採用されています。
これらの知識は、実際に社会に出たあとも必要になってくるでしょう。
Webテストの対策としてだけでなく、ビジネスマナーとして知っておくべき内容です。
また、まれに英語の問題が出題されることもあるので、注意してください。
非言語の問題
次に、非言語の問題について説明します。
非言語においては、数学の問題が多く採用されています。
一口に数学と言っても、足し算や引き算・かけ算・割り算などの基本的な算数の範囲から、数値を求める問題などさまざまな種類があるようです。
どの程度の能力が求められているのかは、企業によって異なります。
理系分野において高度な知識、スキルが必要な業界の場合は、その分テストの難易度も上がるでしょう。
事前に企業調査をし、どの程度の能力が必要とされているのか把握しておくと良いです。
性格適性テスト
続いて、性格適性テストについての説明です。
性格適性テストで企業が注目するのは、就活生が自身の性格や、もっている価値観をどうとらえているのかという部分です。
就活生の性格に関して「当てはまる」「どちらかと言えば当てはまる」「どちらかと言えば当てはまらない」「当てはまらない」の4択で答えるものが一般的かもしれません。
そのほか、お題に対して図形を並べるものなど、さまざまな種類があります。
こちらは、事前に何かを学んでおくなどの対策は必要ありません。
しかし、回答に矛盾がないようにしなければ、企業から不信感を抱かれる可能性があります。
良い印象をもたれるように意識して回答するのではなく、正直に回答しましょう。
Webテスト対策はいつからやれば良いのか
Webテストという言葉を耳にして「どのようなものなのか」「いつから対策すれば良いのか」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
就職活動では、Webテスト以外にも、さまざまな対策を講じる必要があます。
そのなかで、Webテストは具体的にいつ頃から対策を講じていけば良いのかもご提案していきましょう。
ご自身のイメージしている就職活動のペースと照らし合わせながら、具体的な時間配分について考えてみてください。
Webテストはいつ行われるのか
対策を始める時期について考えるうえで知っておくべきなのは、Webテストが実施される時期です。
多くの企業では、3月下旬から始めると思っておけば良いでしょう。
もちろん、実施する時期が国から定められているわけではありません。
志望する企業が具体的に決まっている場合は、採用ページでチェックしておくと良いでしょう。
そうでない場合は、3月下旬に行われると仮定し、逆算して対策期間を設けてみると良いかもしれません。
1ヶ月前には対策を終わらせるべき
もちろん、この記事を読んだ今からすぐに対策を始めるのも良いことです。
イメージとしては、勉強を開始した1ヶ月後にテストが行われると計画するのが良いかもしれません。
闇雲に勉強するのではなく、しっかりと計画立てて勉強することをおすすめします。
ただし、注意してほしいのは2月の時点で対策を万全にしておくことです。
一般的にWebテストが実施されるのは3月下旬であるため、2月にはまだ余裕があるように感じられるかもしれません。
しかし、3月に入ると本格的な就活シーズンとなり、Webテストの対策に割く時間は圧倒的に少なくなるでしょう。
早め早めの対策を行うことで、余裕をもって就職活動が進められます。
そういったリスクヘッジは、実際に社会に出てからも大いに役立つ考え方です。
Webテストの対策方法
それでは、具体的にどのような対策方法があるのでしょうか。
先ほども述べた通り、闇雲に勉強するのはおすすめできません。
ここで、いくつかの対策方法を提案するので、自身に合ったやり方を実践してください。
もちろん、すべての対策を行えれば万全の準備となる可能性が高いです。
対策を行う際のポイントについてもご紹介しますので、ご自身の生活リズムをイメージしながら計画を立ててみてください。
早め早めの対策で、ほかの学生との差をつけていきましょう。
問題をひたすら解く
Webテストは、就職活動において採用されているテストではあるものの、その対策方法は学生時代のテストの応用です。
まずは問題をひたすら解き、問題に慣れることが大切です。
問題形式に慣れるには、ひたすら同じものを解くのがもっとも効率的といわれています。
何冊もの問題集を活用することで、達成感は得られるかもしれません。
しかし効率的に対策を行うには、1つのものを繰り返し解くのがおすすめです。
ある程度解けるようになったら、間違えた問題に集中して取り組むと良いでしょう。
模擬テストを受ける
模擬テストを受けることも、ぜひ実践してほしい対策です。
最初から模擬テストを受けるのではなく、繰り返し問題を解くことで「ある程度できる」と実感したタイミングで受けることをおすすめします。
本番同様の模擬テストを受けることで、実際のWebテストの予行演習にもなるでしょう。
難易度の高い問題もあるため、複数の模擬テストを受けて、7~8割程度解けていればひとまず安心して良いかと思います。
模擬テストの結果を見て、今後はどのような部分を重点的に対策していくのか、再度計画を立ててみてください。
非言語の問題は公式が命
次に、対策の際に頭に入れておいてほしいポイントもご紹介します。
まずは、非言語の問題は公式を覚えているのが必須であるということです。
算数・数学がそうであったように、まずは公式を覚えなければ問題は解けません。
学生時代にどのような勉強をしていたのか、どのような公式を活用していたのかをしっかりと思い出し、復習することから始めてください。
言い換えると、公式さえ完璧に覚えていれば正解に近づけます。
何度も繰り返し解くことで、公式を忘れないよう身につけましょう。
スキマ時間を活用する
次に、対策をするペースや時間についてのご提案です。
何度か述べている通り、就職活動ではWebテスト以外にも、さまざまな事柄に時間を割かなければいけません。
そのため、スキマ時間の活用が他者との差別化になります。
特に、英単語や非言語の公式などの暗記は、移動時間などのスキマ時間に行うことで効率的な対策となるでしょう。
ちょっとしたスキマ時間に暗記作業を行うことで、自然と繰り返し問題を解くことにもつながります。
スキマ時間は意識しなければ、気がゆるんでしまうものです。
意識して活用してみてください。
時間配分と慣れが重要!
これまでにご紹介した対策方法や注意してもらいたいポイントについて、すべてを通して大切なのが、慣れることです。
Webテスト対策では「時間配分」と「問題に慣れること」の2点を重点的に意識してください。
それは、Webテストでは短時間で多くの問題を解くことが求められるからです。
常に時間配分を意識しておくことで、本番と同様の条件、そして同等の緊張感をもって練習できます。
また、問題に慣れておくことで、本番のテストで回答するスピードを上げられます。
対策を行う際は「基礎的な問題だから簡単だろう」と見くびらずに、しっかりと復習してください。
社会人に求められるのは、まずスピードです。
より早く、正確な仕事が求められるので、今の段階からそれを意識しておくと良いでしょう。
Webテストを受ける際の注意点
それでは、実際にWebテストを受ける際の注意点についてもご説明しておきましょう。
下記の項目を見ると「どれも当たり前にできることだ」と感じられるかもしれません。
しかし、事前に確認しておかないと、うまくいかなかったときにリカバリーができないことも多いのです。
何事も準備をおこたらないのは社会人の基本とも言えます。
Webテストの対策で、基礎的な問題も見くびらずにしっかりと準備するのと同じように、しっかりとチェックしておきましょう。
ネット環境を整えておこう
自宅でWebテストを受ける場合は、特にこの項目は注意してください。
今の時代は、レポート作成などもスマートフォンを活用することが多く、パソコンを使う機会が少ない方もいることでしょう。
いざWebテストを受けようというときにパソコンが使えなければ、どうしようもありません。
アパートやマンションなどの集合住宅の場合、建物が管理しているWi-Fiを使用していることもあります。
コアタイムなどは読み込み時間が長くなってしまうなどの弊害もあるため、事前に確認しておく必要があります。
また、パソコンがWebテストに対応しているかどうかも、必ず確認しておいてください。
時間に余裕を持とう
次に注意すべきなのは、時間に余裕をもつことです。
Webテストは、受けられる時間が決まっています。
その時間帯に多くの応募者が一斉に受験するため、回線が重くなることは多々あるのです。
定められている時間ギリギリにアクセスすると、回線が混み合い、読み込みに時間がかかってしまうこともあるでしょう。
そのせいで、予定していたペースを乱されることになりかねません。
時間には余裕をもってアクセスし、何かトラブルが起きてもリカバリーできるようにしておきましょう。
説明をしっかり読もう
最後に注意点としてあげるのは、説明をしっかり読むということです。
試験会場でWebテストを受ける場合、ほとんどの場合において会場では能力適性テストのみを受験し、性格適性テストは自宅で受験することになります。
能力適性テストだけを受けて「終わった」と判断するのではなく、しっかりと説明を読んで、どのように性格適性テストを受けるのかも確認してください。
せっかく能力適性テストで高い得点を獲得しても、性格適性テストを受けていなければ意味がありません。
そういった注意力も、社会人に必要とされる能力です。
まとめ
Webテストの目的や対策方法、注意点など、多くのことをこの記事でご理解いただけたことと思います。
この記事を読み終わった今から、すぐにWebテストの対策を行っても良いでしょう。
早め早めに行動すること、時間に余裕をもつことは、Webテストのすべてにおいて重要なポイントです。
また、どのような能力が求められているのかしっかりと企業調査を行ってから、対策の計画を立てても良いでしょう。
今回述べたポイントや注意点を活用し、Webテストで高得点をねらってみてください。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート