大学で部活に入ると就職に有利?人事が評価するポイントを紹介

大学で部活に入ると就職に有利?人事が評価するポイントを紹介

はじめに

これから大学に入学する人は楽しい大学生活に思いを馳せていることでしょう。

どんな学生生活を送ろうかなと考えている中で疑問に抱く人が多いのが部活に入るべきなのかという点。

大学で部活に入ると就職に有利なんて話も聞きますよね。

体育会系の部活は縦のつながりが強いイメージもあり、「先輩が入社した企業にはコネで入社できる」といった噂も聞きます。

本記事では、大学で部活に入ると就職に有利に働くのかという噂を検証します。人事が評価するポイントも紹介するので、参考にしていただけたら幸いです。 

大学で部活に入ると就職に有利?

大学の部活が就職に有利に働くなら少々きつい思いをしても部活に入って頑張ろうかなと思う人も多いです。

まずはこの説が真実なのか見ていきましょう。 

忍耐力を備えた人材だと思われる

高校までと比べ自由に自分のやりたい事を選べる大学生活において、敢えて部活の道を選んだということは高い忍耐力の表れです

人事担当者は「部活動で培った忍耐力は社会人でも活かせる」と考えます。

仕事においては少々辛い業務でも残業してやり遂げたり不満があっても上司の指示に従ったりする場面が生じます。

時には理不尽に感じることもあるでしょう。

しかし会社のため、自分の生活のためには少々の理不尽であれば我慢し身を粉にして働かなくてはいません。

つまり社会に出て働く上では忍耐力は備えておかねばならない力なのです

辛い練習を乗り切り学業との両立を達成した学生なら忍耐力は問題ないと捉えられるでしょう。

変化に対応する能力も身に着けられる

部活動では学年やポジションが変動し、求められる役割もその都度変わっていきます。

このような環境の変化によって、変化に対応する柔軟性が身につきます。

チームの目標を達成するために自分の力を伸ばしてきた経験が、部活動をしていない人と比べると圧倒的に多いです。

組織で働く上ではこうした柔軟性が大きな強みとなります。

激しい現代社会においては企業としても今まで成功したやり方に固執することなく、戦略や商品など様々な面でイノベーティブでなくてはいけません。

当然社員にも、変化に対応できる柔軟性を求めます。

上下関係を学べる

基本的に日本の企業は年功序列の体系を採用する会社が多いです。

勤続年数が上がるほど役職や給料が上がっていくのです。

時代の変化に応じて企業文化も変動が生じてはいますが、長年の伝統はまた根強く残っています。

そのため「上司は偉い」「上司の命令には絶対服従だ」と考えが強いです。

体育会系の部活に所属していれば学生のうちに上下関係の厳しさを理解していると思われます

部活では、歳は一歳しか変わらないのに先輩に逆らうのは許されないと考えられていますよね。

理不尽かなと思うことがあっても「先輩が言うから」という理由で命令に従わなければいけないのです。

起業からすると、上下関係が厳しい環境に慣れた学生は会社の指示にも文句なく働いてくるれると考えるので、都合のいい人材です。

苦労して何かを乗り越えた経験ができる

部活動では勝利という目標に向かって部員全員が汗を流します。

そのため苦労して何かを乗り越えた経験ができる可能性が高いです。

頑張った経験は就活でアピールできるエピソードに適しています。

企業側は頑張った経験を通して、「困難に出くわした時どう立ち向かうのか」「努力の結果、目標を達成できたのか」といった点が知りたいのです。

チームの勝利のために自らが行った努力の内容や、周囲の仲間にどう働きかけたかなど説明できれば希望の企業に就職成功できる確率は大きく高まるでしょう。 

なぜ部活に入ると就活に有利なのか?

部活に入ると就活に有利となる、理由を一言で言うならば部活をやっていた学生はタフだと考えられるためです。

体力もありストレス耐性に高い人材は企業が最も求める人材のひとつです。

言い方は悪いですが、少々無理な働き方をされても耐えられるだけの頑丈さを備えていると思われます。

働き方改革の推進で残業抑制の動きは進んでいますが人材不足の企業でなかなか残業が減らないことも事実。

上下関係が厳しい環境で慣れている学生なら、会社の命令に対しても不満をあらわにしないだろうと期待されるのです。

大学の部活に入る際の注意点

ここまで解説してきた通り、大学で部活に入ると就職に有利に働くという説は事実と言えます。ただ物事にはメリットだけでなくデメリットもあります。大学で部活に入る際もデメリットがあるので、その点確認しましょう。

お金がかかる

部活動では部費や合宿費、使用する器具の購入費など様々な費用がかかります。

活動の種類にもよりますが、年間15万円以上かかるのがほとんどだと思います。

こうした多額の費用をどうやって捻出するかというのが問題です。

親が仕送りをしてくれるなら良いですが誰かの援助をあてに出来ないのなら、自分でアルバイトをして稼がなくてはいけません。

部活のため、日々の生活をギリギリまで切り詰めている学生も多いものです。

自由な時間がなくなる

大学で部活をすると、自由な時間がなくなってしまいがちです。

放課後の練習だけでなく朝練がある場合も多く、1日の中でかなりの時間を部活に割かなければいけません。

一般的には大学生活では色々なことに経験した方が良いと言われます。

海外旅行や留学、ボランティア、サークル、ゼミ、インターンシップなど経験しておいた方が良いことは山ほどあります。

部活に所属すると時間の制約により、様々な経験を積めなくなる可能性も高いです

コミュニティが狭くなりやすい

部活内で過ごす時間が多いため必然的にコミュニティが狭くなりやすいです。

関わる人は部活の同期や先輩に限定されるので、就活をはじめ多くの情報に摂取できる可能性が狭まります。

また同じようなタイプの人間としか関わらない可能性も高いため、視野も狭まってしまいます。

部活の先輩がスポーツ関連の企業に就職していたから、「自分もスポーツ関連の企業でいいや」と短絡的に考えてしまいがちです。

またコミュニティが狭いもう一つの弊害は自分を客観的に見られない点です。

部活を通して就活で役立つスキルを身につけているのに、自覚がなくうまくアピールできないケースが多々見られます。

このようにコミュニティの狭さは部活動をする上での大きなデメリットとなるでしょう。 

大学の部活で就職に有利に働くスポーツは?

スポーツの種類によって就活への有利度が異なってきます。

ここでは大学の部活の中でも就活に有利に働く可能性が高いスポーツの種類を紹介します。

ラグビー

ラグビーの経験は就活で大きく評価される可能性が高いです。

チームスポーツな点は元より、それぞれのポジションで役割が異なります。

勝利という目標に向かって自分の役割を全うするという経験をスポーツの中で学べます。

また身体的な接触も多く根性や忍耐力が培われるスポーツとも言えるでしょう

ワールドカップで注目を集めた経緯もありラグビーをやっていた話をするだけで面接で盛り上がる効果も期待できます

野球

野球も企業の採用担当者から喜ばれるスポーツです。

ラグビーと同様、勝利という目標に向かって個々の役割を果たすことが求められます。

時には送りバントをしたり進塁打を放ったりと、黒子に徹しなくてはならないケースもあります。

会社でも新人は目立った業務を任されることは少ないですよね。

自分が脚光を浴びなくても我慢できる忍耐力が野球を通して培われると期待されます

アメフト

アメフトもポジションに分かれ、 チームプレーのスポーツという特性から、企業で働くのと同様のスキルが備わっていると期待されます。

アメフト部は特に大企業に人気なのも特徴もです。

就職に有利に働く文化系の部活は?

部活と言うと体育会系をイメージしがちですが、文化系の部活でも就活に有利に働かせることは可能です。

ここでは就活に有利に働く可能性が高い文化系の部活を三つ紹介します。

軽音楽部

バンドを組んで活動していた場合、スポーツ同様チームの目的を達成するために個人の能力を活かす能力が備わっていると考えられます

写真部

写真部では、写真を撮る際細部までこだわりを見せるでしょう。より良い写真を撮るための努力やこだわりを向上心として評価してくれる企業もあるでしょう。

合唱部

合唱は、ソプラノやアルトなどパートに分かれて全体の音楽を高めていくものですからチームプレーの要素を含んでいます

また、腹式呼吸を鍛えられ、通る声で話す人が多いですよね。

声が小さいとそれだけで印象が悪くなってしまいビジネスの場では大きく不利に働きますが、合唱で鍛えた大きな声があると、そうした心配は無くなります。 

部活経験を就活でどうやって活かす?

大学で部活経験がある場合、その経験は就活でどのように活かせるのでしょうか。

「入ったら就活で有利になる部活はあるのだろうか」と気になる人もいるかもしれません。

しかし、実は部活の内容よりも、入った部活でどのように学生生活を過ごしたかのほうが重要です。

部活における成功経験がなかったり、挫折してしまったりしていても問題ありません。

たとえ結果を残せなかったとしても、努力したことや自分の人柄が伝わるようなエピソードのあることが重要でしょう。

そんな、部活経験を就活に活かすうえでのポイントを4つ解説します。

部活の内容は関係ない

まずはじめに知っておきたいのは、文化系や体育会系など、部活の内容で就活の有利不利は決まらないことです。

なぜなら部活で身につけた能力やスキルが、そのまま社会人生活で活かされることは少ないからです。

もちろん、歴史のある部活ならばOB・OGとのつながりによって、選考序盤が有利に進むことは考えられます。

しかし、最後に内定を決めるのは、社会人経験が豊富な社長や役員といった人物です。

そのときに評価されるのは、学生自身がどんな人柄で、部活動を通じて何を経験して、何を学んだかでしょう。

部活での努力や挫折をアピール

就活において、部活動は取り組んだ内容だけでなく、部活での努力や継続したエピソードなどをアピールしましょう

また意外かも知れませんが、挫折経験などがあると就活で有利に働くこともあります。

人間は成功から学ぶことより、失敗や挫折の悔しさをバネにしたほうが成長できるからです。

試合で勝てなかった、部活を辞めてしまったなどの挫折経験も、それをどのように捉えているのかを話せば、アピールにつながります。

自分の経験から少しでも活かせることがあるか、考えてみると良いでしょう

人柄とつながるエピソードを探そう

部活動経験がある場合、人柄がアピールできるエピソードを探すと、面接などでも好印象でしょう。

自分の人柄を裏づけるようなエピソードがあればそれが証拠となり、面接官からの信頼を獲得できるからです。

面接の短い時間で、学生の人柄を完璧に把握するのは限界もありますが、エピソードがあればそれを助けてくれます。

部活動となると具体的な結果や成果をアピールしたくなりますが、そこに至るエピソードでオリジナリティが出せると良いでしょう。

努力や挫折は企業に活かせる

先ほどの挫折の経験に加えて、自分なりの工夫や力を入れたことがアピールできると高評価でしょう

なぜなら他人とは違う、自分だけが努力でき、力が発揮できるポイントをわかっている人は、企業が必要としている人材だからです。

変化が激しく先の読めない中、企業が生き残るには、イノベーションを起こし続けなくてはいけません。

そのためには、自分なりに考えてやり方を少しでも改善できるよう努力できる人材が必要になります

このため部活動において、自分が取り立てて何に力を入れたのかをうまくアピールできるようになっておきましょう。

部活を辞めると就職に不利?

部活入ったはいいが、お金が無かったり練習についていけなかったりして部活を辞めたいと考える人もいるでしょう。

しかし、心配なのは部活を辞めると就職に不利に働くのではないかという点です。

部活を辞めて就職に不利に働くのなら初めから入ったなければよかったと後悔しますよね。本当に部活を辞めると就職に不利になるのか解説します。

「何をやっていたか」で就活に影響が出る確率は高い

実はやっていたことが就活に影響を与える可能性は低いのです。

部活の経験をアピールすることで、忍耐力や上下関係の理解といった会社で必要な要素が備わってると期待されるのは事実です。

しかしそれはあくまでも予想にしかすぎません。

面接の結果、中身が無いなと判断されれば落とされてしまいます。

大切なのは「経験を通して何を学んだのか」

重要なのは何を経験したのかではなく経験を通して何を学んだのかという点です。

極端な話、単なる趣味でも学んだこと等を具体的なエピソードを交えて説明できれば、十分アピールが可能です。

つまり、部活動に所属していたから就活で絶対に有利に働くというものではなく、逆に部活に所属していなかったからといって希望の企業に就職できないというものでもありません。

結論:部活を辞めても問題ない

結論を言うと部活を辞めても全く問題はありません。

就活では部活動以外の経験をアピールすれば良いのです。実際ネット上には部活を辞めても無事就職できたという体験談がいくつか見受けられます。

途中で辞めてもいいので、あまり気張らず活動してください。

部活の探し方

ここまでで、部活に入ると就活で有利に働く可能性が高いことを理解してもらえたと思います。

しかし、高校生や、大学に入学したてでどうやって部活を探せば良いかわからない人もいるかもしれません。

大学は中学・高校と比べていろいろな部活やサークルがあるので、探すのに苦労することも多いでしょう。

そこで部活の探し方や選び方について、具体的なポイントを2つ紹介するので、ぜひ試して見てください。

自分が取り組みたい部活の内容や、手に入れたい情報によって探し方は異なるので、今の自分に必要なやり方を選びましょう。

まずは大学のHPで確認

まずどんな部活があるかを知るために、大学のホームページで紹介されている部活の一覧を確認しましょう。

ホームページに載っている内容はもっともオフィシャルな情報であり、間違いが少ないと考えられるからです。

勧誘活動だけだと存在を認知できない部活があったり、部員を引き入れるために誤った情報を伝えられたりする可能性もあります。

このためにも、間違いのない情報ですべての部活を比較できるホームページは有効です。

部活の活動曜日や練習時間のほか、部員数や部費の有無なども確認できるでしょう。

SNSを探してみよう

ホームページではわからない部活の雰囲気や実態を知りたい場合は、SNSをやっていないか探してみましょう。

ホームページは大学側がまとめた情報なのに対し、学生が直接運営しているSNSは部活の空気感をつかみやすいからです。

昨今ではTwitterやFacebook、InstagramといったSNSで情報発信している部活も多くあります。

質問などがあればリプライや質問箱、ダイレクトメッセージで直接質問ができるので、入部前の不安解消にもおすすめです。

まとめ

大学の部活が就職に有利に働くのかという点を主に解説してきました。

「忍耐力の高さ」「上下関係への理解」「苦しんで何かを乗り越えた経験をしている可能性が高い」などの理由により部活動をしていると就職に有利になる可能性は高いです。

ただ、部活動したからといって、必ず昨日希望の企業に入社できるとは限りません

部活動を通して何を学んだかのか、どんな苦難を乗り越えたのかきちんと説明することが求められます。

部活してないと不利に働くものでもないので、部活に入るかどうか決める際は就活に囚われず、部活をやりたい気持ちがあるのか自分の気持ちに正直になって考えてみてください。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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