【例文付き】転職する理由は給与面です!給与面を転職理由にする際のリスクと5つのポイント

【例文付き】転職する理由は給与面です!給与面を転職理由にする際のリスクと5つのポイント

はじめに

転職理由は人それぞれですが、現職の給料の低さから転職を考えているという人も多いでしょう。

しかし、面接官から「なぜ転職しようと思ったのですか?」と尋ねられて「もっと給料の良い会社で働きたいからです」と答えるのは何となくはばかられる気がするのも事実です。

給料の不満を転職理由にするのは良いことなのか、もし良くないならばどのように伝えれば良いのか、ここでは転職理由として給与と答えることのリスクとポイントについて解説します。

【転職理由は給与面が理由です】転職理由で給与と答える際の4つのリスク

転職理由として「給与面の不満」を挙げる人は非常に多く、転職理由のランキングでも常に上位にランキングされています。

だからといって、面接で転職の理由を尋ねられたときに素直に給料のことを持ち出すのはあまり良いことではありません。

場合によっては面接官からネガティブな印象を持たれてしまうことがあるからです。

ではどのようなリスクがあるのか、ここでは転職理由として給与面の不満を伝えることの4つのリスクを紹介します。

他の企業の方が年収が高いとすぐに転職する可能性があると思われる

転職の理由として給与面の不満を伝えることのリスクの1つ目は、採用担当者に「うちの会社に入社してもまたすぐに転職してしまうのではないか?」と思われてしまうという点です。

仕事内容など別の転職理由の中に給料の話題を挟むというのならまだしも、給料のことばかりを話してしまうと「この人にとってはお金がすべてであり、仕事内容は二の次だ」というマイナスの印象を与えてしまいます。

そうなると「もっと給料の良い会社が見つかったら、またすぐに転職してしまうのではないか」と思われてしまっても仕方がありません。

企業は採用のために多くの時間とコストをかけています。

それにも関わらず入社後すぐに辞められてしまっては、これまでの苦労が水の泡になってしまいます。

また、別の人を採用するにしても、その間は人員が不足してしまうわけですから、仕事に支障が出てしまう可能性も否定できません。

ですから、年収ばかりにこだわる人は採用しにくくなってしまうのです。

大人のコミュニケーションができないと思われる

企業が転職者を採用する理由は即戦力として活躍できる人材を確保したいからです。

たしかに新卒者は若くて将来性がありますが、社会人としての経験はないわけですから、戦力として育てるためには多くの時間とコストが必要です。

その点、社会人として経験豊富な中途採用者であれば社会人としての基本的なルールやマナーを理解してるので、わざわざ育成する手間がかかりません。

企業としてはこういった事情から転職希望社の採用を行っているにも関わらず、面接で転職理由を尋ねられた応募者が「給料をアップしたいからです」と答えたら面接官はどう思うでしょうか。

「給料を上げてほしいなら、それだけの理由があることを話すべきだ」と思うのが当然であり、「この人は何かを要求するなら、それが妥当であることを説明するという大人のコミュニケーションができない人なのではないか」と思われてしまいます。

これでは選考をクリアすることは難しくなってしまうでしょう。

自分自身のメリットしか考えない人と思われる

企業が転職理由を聞くのはなぜでしょうか。

それは応募してきた人が入社した後にどのような活躍ができるのか、我が社にどのような貢献をしてくれるのかといったことを見極めたいからです。

つまり、企業が転職者に求める人物像は「企業にメリットをもたらすことができる人材」ということになります。

このことを理解すると、転職理由として給与面の不満を伝えることのリスクがわかるかもしれません。

転職理由を聞かれて「年収アップ」と答えれば、採用担当者は「この応募者は本人にメリットとなることばかり考えていて、会社のメリットなどにはまったく関心がない人だ」と思われてしまうでしょう。

これでは企業の求める人物像とは正反対の人物だという印象を与えてしまうことになりますから、転職に失敗してしまう可能性が高くなってしまいます。

転職理由を伝えるときは自分のメリットになることだけでなく、会社のメリットになることにも言及するようにしましょう。

そもそも年収アップができる人材なのかと厳しい目で見られる

「自分は本当なら年収800万円くらいもらっていてもまったく不思議ではないのに、なんで500万円しかもらえないのか」、そんな不満を抱えている人も多いでしょう。

その不満を解消するために転職を思い立ったという人もいると思います。

もしも自分の現在の能力に比べて受け取っている給料の額が少なすぎると感じているなら、転職理由として「年収アップ」を伝えるのは悪いことではありません。

ただし、その場合は自分にもっと高い給料をもらうに値するだけの能力があることを採用担当者に理解してもらうことが重要です。

客観的なデータなどを準備して、「自分の価値はもっと高い」と証明できれば、年収アップにつながるでしょう。

一方で、年収アップに見合うような能力がないと判断されてしまえば「この人の年収が低いのは、それだけの能力しかないからだ」と結論付けられてしまうことになり、転職による給料アップを実現することは難しくなってしまいます。

【転職理由は給与面が理由です】転職理由を伝える際の5つのポイント

転職理由として「給与面の不満を解消したい」というのは妥当なものですが、だからといって面接官から転職理由を尋ねられたときに「もっと給料をアップしたいから」と本音をそのまま答えるのはNGです。

先ほども説明したように、給料のことを転職理由として伝えるのはリスクを伴うからです。

では転職理由として給与面のことを伝えるにはどうしたら良いのでしょうか。

ここでは転職理由を伝える際の5つのポイントを紹介しますので、しっかりと理解して面接官にマイナスの印象を与えないようにしましょう。

転職理由を嘘つかない

転職面接の際、面接官にできるだけ良い印象を与えたいという想いから、ついつい話を盛ってしまったり、嘘をついてしまったりすることがあります。

また、本当は給与に関することが転職理由なのにも関わらず、そのことを伝えるのはリスクがあるからとまったく別の転職理由を作り上げてしまう人もいます。

絶対に嘘がバレないという確信があるならば嘘をついてでも好印象を与えた方が採用につながる可能性が高くなるかもしれません。

しかし、面接官は毎年数多くの転職希望者を見てきているわけですから、嘘はすぐに見破られてしまうと考えた方が良いでしょう。

このような理由から、転職理由を伝えるときは嘘をつくことは避けるべきです。

もし嘘をついたことがバレてしまったら、その時点で選考から漏れてしまいます。

また、仮に嘘がバレずに入社できたとしても何も良いことはありません。

本当は給料アップが転職理由だったにも関わらず別の理由を伝えて転職に成功しても、前職で抱えていた「給料が安い」という不満は解消できないままということになるわけですから、またすぐに職場に対する不満が募って退職へとつながってしまいます。

これでは自分にとっても企業にとってもマイナスにしかなりません。

何を言わないかを決めておく

面接では嘘をつかないことが大切ですが、その一方で給料の不満をそのまま転職理由として伝えるのはリスクがある、そうなると「どうやって転職理由を伝えたら良いの?」と困ってしまう人もいるかも知れません。

転職理由を尋ねられたときは、あらかじめ「何を言うべきか」「何を言わないべきか」を決めておくようにしましょう。

基本的に待遇や福利厚生に関すること、たとえば「給料が安かったから」「残業が多かったから」「休日が取れなかったから」ということをそのまま言うべきではありません。

このような転職理由はどうしても前職の悪口になってしまいがちですが、悪口を言う姿は決して印象の良いものではないからです。

また、転職しても前職で抱えていた問題が解消できるか確信できないならば、それも言うべきではありません。

たとえば人間関係に嫌気が差して転職したとしても、転職先で再び人間関係に問題が生じるかもしれません。

そうなれば、入社しても早期に退職してしまう可能性が高くなるので、選考で不利になってしまいます。

ですから、転職理由として給料のことを伝えるならば単なる不満を述べるだけでなく、転職理由として相当の重きを置いていること、さらに転職によって問題が解消できるという前向きなものでなくてはなりません。

キャリアプランと関連付ける

転職は前職での不満を解消するために行うものですから、転職理由を考えるときはどうしても「現在の状況をどのように好転させるか」だけに目が向いてしまいがちです。

「給料が安いから給料の良い会社に転職したい」というのは一見すると至極真っ当な転職理由と思われますが、それだけでは転職理由としてはインパクトが弱く面接官に良い印象を与えられません。

これまでも何度か言ってきたように、企業が転職希望者に望んでいるのは「仕事でしっかりとした成果を出して業績に貢献してくれる」ことです。

そのためには仕事上で役に立つ経験やスキル、強みを持っているかどうかが重要です。

それらがあれば、将来の活躍の姿が容易にイメージできるからです。

前職の不満ばかりを伝えられても、会社での活躍につながるかどうかを判断する材料にはならないのです。

将来活躍する姿を具体的にイメージしてもらうためには自身のキャリアプランと関連付けて伝えることがポイントです。

単に「給料アップしたい」と伝えるよりも「前職で経験したことやスキルを活かして○○の分野で中心的な役割を果たし、将来の給与アップにつなげたい」と伝えた方がずっとアピール度が高くなります。

客観的な判断ができる情報を伝える

給料に関することなど待遇面や福利厚生面の不満を転職理由としてそのまま伝えても、それだけでは入社後の活躍のイメージには結びつかないため、あまり効果的ではないことは先ほど説明したとおりです。

採用担当者の立場に立って考えてみれば「給料が安かった」「休みが全然取れなかった」「サービス残業ばかりだった」といったことを転職理由として伝えられても、必要な人材かどうかを判断する材料にならないことがよくわかるでしょう。

それでも転職理由としてこれらのことが大きなウエイトを占めているのであれば、その内容を客観的に判断できる情報と一緒に伝えなければなりません。

たとえば給料アップを転職理由とするならば「月に100時間残業してもサービス残業ばかりで手取りが○○万円しかなく、生活するのも大変だった」とか、「先輩社員の2倍の売上成績を上げていたが年功序列型の賃金制度のため給料がまったく上がらなかった」といった具合です。

また、給料アップのためにどのような働きかけをしたか伝えることも大切です。

「社員のモチベーションアップのためにサービス残業の改善に動き一定の理解を得ることには成功したが、他社と比べると残業代はわずかなものだったので転職を希望した」と話すと、課題解決のために自分からアクションを起こすことができる人物であるという評価にもつながるでしょう。

入社に対する前向きな姿勢と熱意を伝える

転職理由として待遇面のことを伝えるときは、それがたとえ正当な理由であっても話しづらいものです。

とくに給料に関することに触れると「ただ金儲けしたいだけだろう」と思われてしまわないかと不安も大きくなります。

もしも給料に関することが転職理由なのであれば、そのことだけを伝えるのではなく「どうしても入社したい」という前向きな姿勢や熱意も合わせて伝えるようにすると良いでしょう。

入社した場合に備えてどのような準備をしているのか伝えるのは、前向きな姿勢をアピールするのには良い方法です。

より幅広い業務で活躍するために資格取得のための勉強をしていることを伝えたり、転職がゴールでなく入社後のキャリアビジョンを明確に説明できたりすると、この会社で長く働いて活躍したいという意志が伝わりやすくなります。

前向きな姿勢や熱意を伝えるときは、態度や話し方にも注意しましょう。

目がキョロキョロと動いていたり、しょっちゅう髪の毛や顔をいじったりといった態度は自信なさげな印象を与えます。

また、話の内容はどんなに素晴らしくても、小さな声でボソボソしゃべると熱意は伝わりません。

相手の目を見て大きな声でゆっくりとしゃべるように心がけましょう。

【転職理由は給与面が理由です】転職理由をポジティブに言い換えてみよう

退職理由と転職理由は違います。

退職理由は主に前職で不満に感じていたことですから、どうしてもネガティブな要素を含んだものとなります。

「給料が安い」というのはまさにネガティブな要素を含んだ退職理由です。

一方、転職理由は転職によって問題を解消した後はどのように働きたいのかということを伝えるのが目的です。

ですからネガティブな要素は一切必要がなく、ポジティブに未来志向に伝えるべきです。

そこで必要となるのが、ネガティブな退職理由をポジティブな転職理由に変換するという作業です。

たとえば「給料が少なくて生活が苦しい」という転職理由は非常にネガティブですが、これを「実力主義の根付く御社で自分の成果を実感しながら働きたい」と変換すると非常に前向きな印象となります。

これは「残業時間が長い」「ノルマがきつい」といった場合も同様です。

それぞれの退職理由を「効率的に仕事をこなすことで自由になった時間を自己研鑽のために使いたい」「一人ひとりのお客様とじっくり向き合うことで信頼関係を築くことのできる仕事がしたい」という転職理由に変換すると、印象は格段にアップするでしょう。

【転職理由は給与面が理由です】転職理由の例文

ここでは転職理由として給与面に関することを伝える際の例文を紹介します。

『仕事の成果が給与などの待遇面に正当に反映される職場で働きたいということが転職の理由です。

私は前職で5年間営業として勤務してまいりましたが、年功序列型の考えが強い会社であったため成果が正当に評価されにくい職場でした。

ここ半年ほどは営業成績においてトップを獲得することもありましたが、勤続年数が短いということで月収は先輩の社員よりも低く、モチベーションを保つことが難しくなってしまいました。

御社は成果を公正に評価するための環境が整っており、モチベーションを持って働くことで前職で得た経験やスキルを活かしながら思う存分能力を発揮できると思い、転職を希望しました。』

まとめ

給料が安いということは退職理由としては妥当ですが、そのまま転職理由として伝えることにはリスクがあります。

転職理由はあくまで前向きに、ポジティブに伝えることがポイントですから、後ろ向きの退職理由はポジティブに言い換えてみましょう。

転職理由は事実を伝えるだけでなく、入社後の熱意を伝えることもとても大切です。

自分のキャリアプランと関連付けて説明することで将来の活躍の姿を具体的なイメージとして伝えられますし、数字などを用いて客観的判断が可能な情報を伝えることで説得力が増すでしょう。

話すときの態度や話し方も熱意を伝えるには大切な要素です。

自信を持って話すようにしましょう。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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