【例文付き】転職する理由は残業が多かったためです。残業を転職理由にする際のリスクと3つのポイント

【例文付き】転職する理由は残業が多かったためです。残業を転職理由にする際のリスクと3つのポイント

はじめに

サービス残業が多く、頑張っても残業代が出ない、休日出勤を強いられるほど仕事が忙しい、残業が多すぎて心身ともに疲弊しているなど、今の会社ではこれ以上やっていけないと考え、転職を決意する方も少なくありません。

もっとも、転職理由を残業が多いことだとストレートに伝えていいのでしょうか。

残業の多さが転職のキッカケになった場合の、上手な伝え方について見ていきましょう。

【転職理由は残業が多いからです】残業を理由に転職する際の注意点

転職する理由を問われた際、基本的にはネガティブな理由や現在の企業の批判や不満につながる内容はNGと言われています。

それは、転職先でも同じようにネガティブに考えるのではないか、会社への貢献よりも自己中心的に行動する人ではないかと思われかねないからです。

もっとも、いかに働き方改革が推進されているとはいえ、日本全体が少子化で人材が不足している中、せっかく転職に成功しても、また残業に悩まされるのでは転職の目的が達成されません。

とくに仕事自体は気に入っており、同じ業態への転職を希望する場合には、人手不足の状況や忙しさが似ており、しっかりと確認をしておかないと、また残業でストレスをためることになりかねません。

納得のいく転職を成功させるためには、残業の多さが転職理由の1つであることを明らかにしたうえで、転職先では規定を超えての残業を強いられる環境にはないことをお互いに確認しておくことが大切です。

ですが、伝え方を間違えると以下のように解釈されかねませんので、注意が必要です。

仕事よりもプライベートを重視していると思われる

漠然と残業が多いからと伝えると、仕事はあくまでも生活のためで、プライベート重視の仕事に対する意欲が低い方と思われかねません。

どのような残業をしてきたのかを伝えずに、ただ残業が多いと伝えた場合、どのレベルで残業が多いと考える人なのかが明確になりません。

たとえば、定時に帰るのが当たり前だと考えているプライベート重視派なら、わずか10分でも毎日残業があれば、残業が多いと主張するかもしれません。

そのため、漠然と残業が多いことを理由にしてしまうと、「それは大変だね。」とか「仕事を断れない頑張り屋なんだね。」と思われるのではなく、仕事よりプライベートが大切な人、会社への貢献意欲が薄い人と思われてしまうので注意しましょう。

考えが甘いと思われる

いかに働き方改革が推進されているとはいえ、面接官の多くはまだ古い感覚を持っているケースが少なくありません。

家庭も顧みず、仕事に没頭し、会社を支えてきた世代の選考担当者からすれば、仕事に対する考えが甘い人、働いてお金をもらうことの意義を理解していない人と思われかねません。

働き方改革が進んでいる企業の理解ある担当者であったとしても、残業が多いことだけを理由に挙げると、仕事に取り組む姿勢が甘いと思われるので注意が必要です。

自分主体で考えていると思われる

企業においてはチームワークや連携プレイ、相互の協力が不可欠です。

自分の担当業務が終わっても、残業してまで忙しく仕事をしている人がいれば、「何か手伝えることはありますか。」と一声かけるのが、日本企業における暗黙の風習となっているのが現状です。

少子化で人手が足りない中で、働き方改革が推進され、すべての従業員のワークライフバランスを改善していくことが企業に求められる状況においては、互いに協力しあって残業を減らし、全体として労働環境を向上させることが求められています。

そのため、人手が足りないから残業ばかりで嫌になったなどと不満を言えば、自分だけが良ければいい、会社全体の労働環境の改善や他のメンバーには配慮できない自分主体の人と思われてしまうおそれがあります。

どの企業でも働き方改革の推進に取り組まなくてはならない課題を抱えている以上、業務改革や業務の効率化に積極的に取り組んでくれ、職場全体を見てくれるような人を求めているので、自分主体と評価されてしまうと採用されない可能性があるので注意しなくてはなりません。

【転職理由は残業が多いからです】そもそも残業が多いは解釈

「残業が多い」と、ただ漠然と伝えると上記の注意点のようなマイナス評価をされるおそれがあるとご説明しました。

その理由は、「残業が多い」の基準は人によって異なるからです。

毎日終電まで帰れないから残業が多いと感じる人もいれば、週に数回1時間の残業でも多いと感じる人もいます。

わずか15分の残業であっても、定時に帰れない以上は残業が多くて嫌な会社と思う人もいます。

何を持って残業が多いと感じるかは、その人の仕事に対するモチベーションや価値観、プライベートで置かれている環境によっても異なってしまうのです。

働くママなら、子供をお迎えに行ったり、子供に寂しい思いをさせたりしないためにも、できればノー残業で帰りたいと思うことでしょう。

このように残業に関する不満は各人の解釈に依拠するため、転職したい企業の担当者に納得してもらうためには、主観的な解釈ではなく、客観的な指標を提示しなくてはなりません。

原則月45時間、年360時間と決められている

客観的に伝えるためにも、まずは法令のルールをきちんと把握しておきましょう。

業態や職種、役職にもよりますが、働き方改革に基づき、労働基準法が改正され、時間外労働の上限規制が設けられました。

原則月45時間、年360時間と定められ、大企業では2019年4月より、中小企業でも2020年4月から確実に守っていくことが求められます。

そのため、残業が多いか否かの基準は法律上の上限を目安にし、これまでの職場での具体的な残業時間を伝えることで納得感を持った説明ができます。

実際に自分がどのくらい残業していたのかを計算する

残業が多かったことを納得してもらうには、実際に自分の残業時間を計算し、法律上の上限を大幅に超えていたかを確認してみましょう。

上限を超えない限りは残業の多さをアピールしてはいけないわけではありませんが、あまりに上限を下回った時間数では、プライベート重視派とか自己主体的と思われかねないので注意しましょう。

残業がなければ何がしたいかを明確にしておく必要がある

残業が多いから転職したいとアピールするばかりではいけません。

生産性を上げて効率よく業務をこなしたうえで、残業せずに帰れるのであれば、何をしたいのかも明確にしておくことが必要です。

残業をしなければ何をしたいかと問われた際に、「とくにありません。」とか、「街をぶらぶらするくらい」など目的がないことがわかれば、仕事への意欲が足りない人と思われかねません。

残業がなければ、何をしたいのか、具体的な目標ややりたいことを検討しておきましょう。

【転職理由は残業が多いからです】転職理由を伝える際のポイント

残業の多さを転職理由にしたい場合、1つのポイントは残業時間を明確にして、主観的な解釈に委ねないことが必要です。

それに加えて、よりポジティブな内容を加えることも大切です。

以下にご紹介する3つのポイントを押さえて、ポジティブに伝えるようにしましょう。

前向きな話に変換する

残業から解放されたい、だけれど他にやりたいことがあるわけではないとねれば、怠け者の印象を与えかねません。

仕事は業務時間内に効率的に頑張って、業後の時間を活用して業務に役立つスキルを磨きたいとか、資格を取得するための勉強がしたいなど、スキルアップの時間に充てたいといった前向きな話に変換することがポイントです。

仕事の幅を広げるために人脈作りに当てたい、異業種交流会に参加して積極的にビジネスチャンスを狙いたいなど、残業が減らせたならば取り組みたいことをしっかりアピールしましょう。

受け身な回答や会社の批判につながる言葉は使わない

残業が多いという方の中には職場全体の業務が忙しい、人手が足りないのではなく、自分の仕事が遅い、効率が悪いなど能力が低いのではと思われてしまうケースもあります。

そのため、職場では誰も助けてくれないなど、同僚からあきれられたり、見放されたりしたと思われないよう、受け身な回答は避け、前向きな話への変換を試みることが大切です。

また、現在勤務している会社を批判するような言葉も避けるようにしましょう。

残業の多さをアピールしたいからと、ブラック企業として有名とか、オーバーワークでうつ病になる人が多いなどと批判するのは避けましょう。

たとえ、事実であったとしても、ポジティブに聞こえません。

転職を希望する企業の担当者は、うちの会社に転職しても、何か不満があれば、こうやって批判する人なのだろうとマイナス評価を抱くおそれがあるためです。

声のトーンや表情など伝える際の状況も考える

残業の多さを転職理由に挙げる場合、どうしてもネガティブなイメージになり、表情が曇ったり、声のトーンが低くなったりする方が少なくありません。

これでは、あなたの仕事に対する意欲が感じられず、モチベーションや精神的な面も落ち込んでいて、転職したところで活躍は期待できないのではないかと思われてしまいます。

ネガティブなイメージを持たれがちな残業の多さを伝えからこそ、声にハリを持たせ、穏やかな表情を浮かべて、説得力を持たせて話をすることが大切です。

マイナス評価を受けるのではないかと、おどおどしながら不安そうに話すのではなく、前向きな理由も含めて堂々と自信を持って話すようにしましょう。

伝えるときの表情や声のトーンだけでも、ネガティブなイメージを払拭でき、前向きな転職という印象を与えられます。

【転職理由は残業が多いからです】転職理由の伝え方例

"私が転職を希望する直接的な理由は残業が多いからです。

月の残業時間が70時間を超えています。

こなすべき仕事が残っている以上、残業をすることはいといません。

自分なりに工夫をこらし、業務を効率化するための提案をしても、労働環境の改善に至らなかったため、転職を決意しました。

小学生の娘がおりますが、妻に任せきりになってしまっているため、もっと家族との時間を持ちたいと考えております。

現在の職場では日々の業務に追われてしまいますが、高めたいスキルもあります。

これからの時代に欠かせないサイバーセキュリティに関するスキルを、実践的にマスターしたいと考えておりました。

働き方改革を推進され、セキュリティ人材の育成に力を入れている御社で、スキルアップをしながらワークライフバランスを整えたいと考え、御社を志望した次第です。"

まとめ

漠然と残業が多いことを転職の理由にすると、仕事への意欲が足りない、会社への貢献意欲が足りないと思われかねません。

具体的に残業の時間を挙げて、近年推進されている働き方改革に逆行していることを説明することが大切です。

残業が多いことだけを理由にするのではなく、残業がなければ何をしたいと考えているのかや、転職によって頑張りたい目標や目指したいことをアピールし、仕事に対する意欲や積極的なところも示さなくてはなりません。

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