とても多くの就活生がいま、就活の軸に悩んでいます。
この記事では、就活生1000人以上に聞いた、業界や職種、働き方別の就活の軸一覧をご紹介します!
実際にその業界、業種で内定を獲得した学生が、どのような就活の軸をもって就活を進めていたのか、その就活の軸はなぜ良かったのかを徹底解説します!
就活の軸とは?
就活の軸とは、就職活動を進める際に自分が絶対に譲れない条件や価値観を指す言葉のことです。
この軸は企業選びや職種選びを行う際にあなたが最も重視する要素を明確にするための指標となります。
業務内容や社風、福利厚生や勤務地など、様々な視点から自分にとって何が最も重要であるかを理解し、それを元に就職活動を進めることで、より自分に合った企業や職種を見つけることが可能です。
また、就活の軸が明確であることで、面接時に自分の考えや志望動機を一貫して説明することができ、企業側にも自分の意志がしっかりと伝わりやすくなります。
これにより、就職活動を効率的に進められるだけでなく、自分が納得のいく選択ができるようになるのです。
面接では就活の軸や企業選びの軸がよく聞かれる
採用面接では、面接官から「あなたの就活の軸を教えてください」と質問されるケースがあります。
そういった意味でも、就活の軸を前もって定めておくことは欠かせません。
では、面接官はなぜ就活の軸を聞くのでしょうか。
主な理由は次のとおりです。
面接官が就活の軸を聞く理由
自社に合う人材か見るため
志望度の高さを知るため
このように企業にとっては大事な意図があるため、就活の軸を聞く質問は、採否に関わる重要な質問といえるでしょう。
企業はミスマッチを避けてマッチ度の高い人材を採用する必要がありますし、できることなら志望度の高い学生に入社してもらい、存分に活躍してもらいたいと思うものです。
では、それぞれの理由について詳細を見ていきましょう。
自社に合う人材か見るため
まず企業は就活の軸を聞くことで、ミスマッチがないかどうかを確かめています。
就活の軸を聞けば、学生が将来に対してどのようなビジョンを持っているのかがわかります。
やりたいことや目標、興味関心なども見えてきます。
そこで企業は、自社とのマッチ度を確かめられる仕組みです。
会社として学生のやりたいことや目指すキャリアを実現できなければ、入社後にはミスマッチが生まれることになります。
採用活動におけるミスマッチは最終的に離職をもたらすため、企業はミスマッチを防ぎつつ理想の人材を探す必要があります。
だからこそ企業は就活の軸をヒアリングし、自社に合う人材か見極めているのです。
志望度の高さを見るため
企業は志望度の高い学生にこそ入社してほしいと思っているため、就活の軸を聞くことには、志望度の高さを知りたいという狙いもあります。
就活の軸を聞くことでそれぞれの興味関心がある分野、キャリアの展望などがわかれば、自社に対する志望度や働く熱意なども伝わってくるでしょう。
志望度の高い学生は、入社後の働くイメージもつかみやすいため、「この子ならきっと会社に積極的に貢献してくれるだろう」と考えやすいです。
そして就活では活躍イメージのつかみやすい人ほど内定につながりやすいため、就活の軸から、応募先企業への熱意志望度の高さをアピールすることは非常に重要といえます。
就活の軸や企業選びの軸を決めるメリット
就活の軸や企業選びの軸を決めるメリットには、様々なものがありますが、代表的なメリットは以下の2つであると言えるでしょう。
なぜ就活の軸を決めなければならないのか理解した上で、納得して取り組むことで、より質の高い対策を行えるはずです。
行きたい企業がわかる
就活の軸を決めておくことで、企業選びの判断基準が非常に明確になります。
就職活動においては多くの企業や職種が選択肢として現れますが、自分が何を重視するかをはっきりと把握しておくことで、どの企業が自分にとって最も適しているかを冷静に判断できるようになります。
例えば、業務内容や企業文化、福利厚生や勤務地など、自分が譲れない条件を軸として定めておくことで、企業選びの際に見るべきポイントが自然と絞られるでしょう。
これにより、就職活動が効率的になり、無駄な時間を省くことができるのです。
また、軸を持つことで企業選びが感情的な判断に流されることなく、冷静で論理的な選択が可能になります。
結果として、後悔のない就職活動ができ、自分が満足できる企業に就職できる可能性が高まるのです。
志望動機に説得力が増す
就活の軸を持つことは、志望動機に具体性を持たせる上でも非常に有効です。
企業が求める人物像や企業文化と自分の就活の軸が合致していることを強調することで、なぜその企業に応募したのか、そしてなぜその企業でなければならないのかを具体的に説明できるようになります。
志望動機において、自分がどのような価値観や目標を持っているか、それが企業の特徴とどのようにマッチするのかを具体的に示すことができれば、企業側に強い印象を与えることも可能です。
さらに、志望動機が具体的であることにより、面接官に自分の意見や熱意が伝わりやすくなり、採用の可能性が高まります。
このように、就活の軸を持つことで、志望動機がより説得力のあるものとなり、結果的に選考突破の有力な武器となるのです。
就活の軸や企業選びの軸を見つける7つの方法
大手企業から中小企業、外資系やベンチャー企業など無数に企業があるなかで、どの企業に就職したいのか、どの企業にエントリーをするのかを決めるには、就活の軸を作る必要があります。
大手で人気のある企業だからといって自分に合うとは限らないですし、やりたいことを実現できる企業ではないかもしれません。
就活の軸を考えるうえでは、自分が就職して何をしたいのか、何を目指したいのか、具体的に将来のビジョンを描いて決めることが大切です。
就活は内定を得ることがゴールなのではなく、就職後にどのようなキャリアを描いていくかが重要です。
そのためには企業選びを誤らないよう、しっかりと軸を決めて臨みましょう。
どうすれば自分に適した就活の軸が作れるのか迷われている方に向けて、軸の作り方をご紹介します。
就活の軸を作る時にやるべきこと
自己分析から見つける
企業や業界を比較する
学校の先輩に聞く
OB訪問をしてみる
キャリアアドバイザーに相談する
自己分析から見つける
就活の軸を見つけるために最も重要なステップの1つが、自己分析です。
自己分析を行うことで、自分が大切にしたい価値観や興味のある分野、さらには自分の強みや弱みなど、あらゆるものが明確になります。
このプロセスでは、過去の経験や成功体験、挫折した出来事を振り返り、それらが自分にどのような影響を与えたのかを深く考えることが重要です。
例えば、学生時代に取り組んだプロジェクトやアルバイトでの経験を通じて、自分が何を重視し、どのような環境で最も力を発揮できるかを知ることができます。
自己分析を徹底することで、就活の軸として何を重要視すべきかや、具体的な要素を見つけ出せるのです。
自己分析の方法には様々なものがありますが、代表的な方法は以下の2つです。
また詳しい自己分析が知りたい人はこちらの記事もご覧ください。
自分史を作成する
自分史とは、自分の人生を振り返り、生まれてから現在までの体験や出来事を年表のように書き出す方法です。
これにより、自分がどのような経験を積んできたのか、その中で何を学び、どのような特徴が現れたのかを整理することができます。
自分史を作成する過程では、幼少期から学生時代、さらには現在に至るまでの重要な出来事や転機を詳細に振り返り、それぞれの経験から得た教訓や成長を記録していきます。
この作業を通じて、自分がどのような価値観や信念を持っているのか、どのような環境や状況で力を発揮するのかを客観的に見つめ直すことが可能です。
自分史は面接や自己PRなどで自分を的確に伝えるための基盤となるため、丁寧に作成するようにしましょう。
自分史を用いた自己分析の方法についてはこちらの記事でさらに詳しく紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
モチベーショングラフを作成する
モチベーショングラフは、自分史と組み合わせることでさらに自分を深く理解できる有力なツールです。
このグラフは、これまでの人生の中でのモチベーションの上がり下がりを曲線で表現するものです。
まず、自分の各時期における重要な出来事や経験を振り返り、それらが自分のモチベーションにどのように影響を与えたのかを考えます。
次に、グラフ上にモチベーションの上昇や下降を描き、その背景にある要因を記録します。
この過程で、自分がどのような状況や環境でモチベーションが高まるのか、また逆に低下するのかが明確にできるのです。
過去の経験から自分の強みや価値観、そして何にやりがいを感じるのかが浮き彫りになります。
これにより、就職活動の軸を見つけ出し、企業選びやキャリアプランニングの際に非常に役立つ情報を得られるでしょう。
モチベーショングラフを作成して行う自己分析の方法については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
モチベーショングラフを活用したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
周りの人に聞いてみる
自己分析が終わったら、ぜひ他己分析も行うようにしましょう。
他己分析では、家族や友人、大学の教授や就活が終わった先輩など、周囲の人々に自分についてどう思っているかを尋ねてみましょう。
自己分析では見えなかった自分の一面を知ることができます。
客観的な視点で見てもらうことで、自分自身が気づけなかった強みや課題が明らかになり、その結果、就活の軸をより精緻に設定することが可能になります。
また、他者からのフィードバックを受けることで、自分がどのように他人から見られているかを理解し、それを元に自分の価値観や目標を再確認することも可能です。
他己分析は、自己分析を補完し、自分の就活の軸をより確実に見つけるための有効な手段です。
他己分析の方法や目的など、詳しい情報についてはこちらの記事でさらに紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
なりたい自分から逆算して考える
自分が目指す将来像を明確にすることで、軸を見つけることができるでしょう。
まず、自分の将来、どのような人物になりたいのか、どのようなキャリアを築きたいのかを具体的に想像してみましょう。
例えば、漠然としたものであっても、自分が大切にしたい価値観や達成したい目標を逆算して考えることで、自分の軸が自然と見えてきます。
例えば「リーダーシップを発揮して多くの人を支援したい」と考えるのであれば、リーダーシップを育てられる環境や人との関わりが深い職場を選ぶべきであると言えるでしょう。
このように、なりたい自分を起点にして、そこに至るまでの必要なステップや求められるスキルを逆算し、自分が重視すべき価値観や企業選びの基準を見つけていくことができます。
OB・OG訪問をする
既にいくつかの企業に応募している人は、実際に就職しているOBOGを訪問し、どのように軸を設定してその企業を選ぶに至ったのか、就職して満足しているかどうかの話を聞くのもおすすめです。
たとえば、より自分がやりたいことを実現できそうなのは中小企業だけれど、収入面で考えると同業の大手企業と迷っているといったケースなどです。
実際にそれぞれのOBOGとコンタクトをとり、企業の実情や仕事への満足度などを教えてもらうとともに、どのような軸で選ぶに至ったのか、軸を作成するにあたって何をしたかアドバイスをもらいましょう。
キャリアアドバイザーに相談する
自己分析をしても企業どころか業界もやりたい仕事も見えてこない方や、軸が作れず、業界や企業を絞り込めずに悩んでいる方は、多くの就活生をサポートしてきたプロであるキャリアアドバイザーに相談するのも1つの方法です。
就活市場のキャリアアドバイザーは、1人1人の就活をあなたの目標や適正に合わせて内定までコミットしてくれます。
「就活の軸なんて、まったく定まっていない」という就活生であっても、就活の軸を考えるところからサポートしてくれます。
就活生では調べることが難しい、企業の社内事情や裏側まで熟知しているため、自己分析に基づいてあなたの性格などを把握してあなたに合った就活の進め方を提案してくれます。
まずは、自分が今抱えている悩みを相談してみましょう。
インターンシップに参加する
インターンシップに参加することも、就職活動の軸を見つけるための有力な手段です。
実際に企業の現場を体験し、社員との交流を通じて職場の雰囲気や企業文化を理解することができます。
これにより、自分にとって働きやすい環境や、やりがいを感じる仕事がどのようなものかを具体的に把握できるのです。
特に、複数のインターンシップに参加することで、異なる企業や業界を比較し、自分が大切にしたい価値観や働き方を明確にすることができます。
また、インターンを通じて得た実体験は、自己分析に役立ち、自分に合った企業を見つける手助けとなるでしょう。
このように、実際の職場を知ることで、理想とするキャリアや仕事に対する軸が明確になり、就職活動を進める上での指針を得ることができるのです。
就活の軸発見ツールを活用する
就活の軸が見つからないと感じる人は、ツールに頼ってみるのも選択肢の1つであると言えるでしょう。
人間にサポートしてもらうと、どうしても相手の主観が入り込んでしまうことがあります。
しかし、ツールは相手がAIであるため、客観的かつ論理的な情報を導き出してくれます。
弊社が提供しているツールでは、52個の価値観診断をするだけであなたの就活の軸を見つけられるようになっているため、ぜひ気になる方は利用してみてください。
【就活の軸】みんなに聞いた!業界別就活の軸一覧
就活の軸は、自分の決めた方向性やキャリアからぶれずに就職活動をする際に、非常に重要なものです。
そのため就活の軸はあらかじめ定めたうえで次の行動を模索する必要があり、決める際には、後悔しない決め方をしたいところです。
しかしいきなり「後悔しないように就活の軸を決めよう」となっても、具体的にどのように決めれば良いのかわからないことも多いです。
そこで、就活市場に就活相談に来てくださった学生様1000名以上に聞いた、業界別の就活の軸一覧をご紹介します。
メーカー業界
メーカーは、日本のものづくり産業を支える重要な就職先といえます。
また一口にメーカーといっても、その産業はものづくり産業とは限らず、食品メーカーや医療機器メーカー、化粧品メーカーなどさまざまなものが挙げられます。
さらにいえば、素材を製造する場合もあれば、加工中心の場合もあり、携わる工程は会社によって異なるのが大きな特徴です。
そんなメーカーの就活の軸には、以下のような軸がありました。
感動を与えたい
自分が生み出したもので社会の役に立ちたい
たくさんの人の悩みを解決したい
ものづくりに関わる仕事がしたい
人々の生活を便利にしたい
メーカーで製造された商品は、やがて消費者にわたり、その商品を使うことでさまざまな感動をもたらすことになります。
そのためメーカーには感動を生み出す利便性を高めるものを作るという素晴らしさがあり、感動を与えたい社会の役に立ちたい人の悩みを解決したいといったことが就活の軸になる方が多いようです。
商社業界
商社は、海外展開を積極的に行うビジネスモデルが特徴で、会社同士のつながりこそがビジネスを生むためコミュニケーション能力が活かされます。
そのため商社には、以下のような就活の軸が挙げられました。
グローバルな仕事をしたい
コミュニケーション能力を活かした仕事がしたい
チームで課題解決する仕事がしたい
英語を使って働きたい
規模の大きな仕事に携わりたい
商社に勤めれば、海外との仕事のやり取りも増え、語学力や多様な考え方が活かされるシーンは多いといえます。
さらに商社はビジネスとビジネスをつなぐ大きな役割を持っているため、コミュニケーション能力を活かしたいなどの就活の軸も効果的といえます。
チームで動き、たくさんの人と連携を取るため、チームワークにやりがいを見いだす就活の軸も良いといえるでしょう。
小売業界
小売業界では、以下のような就活の軸がありました。
お客様に寄り添う仕事がしたい
地域に根ざしたお店で働きたい
自分の好きなものを仕事にしたい
日常になくてはならない仕事がしたい
小売業にはスーパーやコンビニエンスストア、家電量販店などさまざまな店舗がありますが、基本的にすべて消費者であるお客様と接する仕事です。
お客様に寄り添う仕事がしたい、お客様の役に立ちたいといった思いは、小売業を目指す就活の軸として適しています。
また小売業は地域密着型のスーパーなどもよく見られるため、地域に根ざした店舗で働きたいという軸で就活するのもありでしょう。
ほかには、たとえば家電量販店ならさまざまな家電を卸してお客様に届けるため、多種多様な家電に触れることが好きな人には、自分の好きなもの(=家電)に関わって働きたいという就活の軸には説得力があります。
金融業界
銀行や証券会社などの金融業界を目指す方は、以下の就活の軸が多かったです。
人を応援する仕事がしたい
様々な業界と関わる仕事がしたい
責任の大きい仕事をしたい
地域の人々と信頼関係を築きたい
金融業界は人々の生活に絶対的に必要となる「お金」と密接に関わることになります。
そのため人をお金の面でサポートできるという意味では、人を応援する仕事がしたいという就活の軸は効果的です。
また金融業界は多くの業界と関わってビジネスを展開していくため、興味関心が幅広く、多種多様な業界と関わりたいという就活の軸も良いでしょう。
さらに金融業界では、大きなお金を取り扱う責任の重い仕事が多くを占めます。
その分大変さが伴いますが、やりがいを感じられることが自分の成長につながることは確かなので、責任の大きい仕事に携わりたいという就活の軸も良いといえます。
不動産業界
不動産業界では、以下のような就活の軸が多くあがりました。
地域の街づくりに携わりたい
成果が分かりやすい仕事をしたい
高い目標を掲げて仕事がしたい
人々に快適な住まいを届けたい
人が安心できる生活を提供したい
不動産業界は営業エリアにおける建物や土地を扱うため、地域の街づくりに直結する仕事といえます。
だからこそ街づくりに携わりたいという就活の軸は、特に地元密着型の不動産会社を目指す際には最適といえるでしょう。
また不動産業界は、成果主義的な側面があり、特に営業職などはある程度の目標やノルマも設定されています。
大変さがあるのは事実ですが、さまざまな刺激があるからこそ自分自身の成長につながることも確かなため、成果のわかりやすい仕事がしたい高い目標を掲げて働きたいという就活の軸も良いといえます。
サービス業界
飲食店やアミューズメント施設などをはじめとしたサービス業では、以下のような就活の軸がありました。
人をワクワクさせたい
お客様の人生の転機にかかわる仕事がしたい
提案力を活かせる仕事がしたい
お客様を笑顔にできる仕事がしたい
エンターテインメントに関わる業界の場合、人を喜ばせたいワクワクさせたいといった就活の軸には非常に説得力があります。
しかしサービス業といっても実際にはさまざまな業界が挙げられるため、たとえば人材紹介や結婚相談所などのサービスでは、「人の転機に関わりたい」「提案力を活かしたい」などの就活の軸が効果的といえます。
インフラ業界
電気やガス、水道、通信などのインフラ業界では、以下のような就活の軸がマッチしていました。
生活の根幹を支える仕事がしたい
使命感のある仕事がしたい
人の役に立ちたい
人々に便利な生活を提供したい
インフラは私たちの生活になくてはならない大事なもののため、生活の根幹を支える仕事がしたい人の役に立ちたいという就活の軸はしっかりと当てはまります。
またインフラは必ずなくてはならないもののため、インフラ業界における一つひとつの業務は、一つひとつが使命感のある業務といえます。
そのため使命感のある仕事がしたいという就活の軸を掲げるのも、適しているといえるでしょう。
IT業界
近年成長と勢いが目覚ましいIT業界では、以下のような就活軸が多かったです。
人々の生活をより豊かなものにしたい
プロフェッショナルとして成長したい
新しい技術に触れながら仕事をしたい
情報格差のない社会を作りたい
IT業界では、ロボットやAIなどの最新技術を活用したシステム開発が盛んです。
これらは私たちの生活を豊かにするもののため、生活を快適にする仕事に携わりたいという就活の軸は合っていますし、新しい技術に触れて刺激を受けたいという就活の軸も良いといえます。
また、IT業界では、プログラミングなどの専門スキルを活用しながらビジネスを展開していきます。
そのため自分自身が持つ技術を磨いてどんどん成長していきたいという就活の軸も、マッチしているといえるでしょう。
広告出版マスコミ業界
広告出版マスコミ業界を目指す方には、以下のような回答がありました。
お客様に感動や喜びを与えたい
クリエイティブな発想を活かせる仕事がしたい
社会的意義のある企業で働きたい
広告や出版、マスコミ業界はさまざまなメディアを作ることが仕事の一つのため、感動や喜びを与えたいという就活の軸は適しているといえるでしょう。
また制作の際にはさまざまなアイデアが求められるため、発想力を活かしたいクリエイティブな仕事がしたいという就活の軸も良いでしょう。
【就活の軸】みんなに聞いた!職種別就活の軸一覧
就活生1000人以上に聞いた就活の軸を、次は、職種別にご紹介します。
営業職
営業職の場合は、以下のような就活の軸が例として当てはまりました。
最前線で企業に貢献したい
結果が数字に出る仕事がしたい
コミュニケーション能力を活かせる仕事がしたい
お客様に頼られる存在になりたい
結果を出せば出すほど認められたい
責任のある仕事がしたい
営業職は直接的に利益に貢献できる仕事のため、成果がわかりやすく、やりがいを感じられるのが特徴です。
そのため最前線で企業に貢献したい結果が数字に出る仕事をしたいという就活の軸は、マッチしているといえます。
ほかにはコミュニケーション能力を活かせる仕事がしたいという就活の軸も、さまざまなコミュニケーションを必要とする職種だからこそ適しています。
販売職
販売職を目指すうえで就活の軸を考えるなら、以下のような軸が挙げられます。
魅力ある商品をお客様に提供したい
提案力を活かせる仕事がしたい
コミュニケーション能力を活かせる仕事がしたい
販売はお客様に合う商品を提案したり、魅力をPRしたりするのが特徴です。
そのため魅力ある商品を提供したい提案力を活かしたいという就活の軸は、販売職につながる軸として良いでしょう。
また販売職も多くのお客様と接するため、コミュニケーション能力は必須になり、コミュニケーション能力を活かしたいという就活の軸は適しています。
技術研究
専門性を活かせる技術職研究職には、以下のような就活の軸があります。
プロフェッショナルとして仕事がしたい
自分の知識やスキルを活かせる仕事がしたい
新しい技術に触れながら仕事がしたい
スペシャリストになりたい
技術研究職は専門知識スキルを活かして働けるため、その専門度が高くなればなるほどほかの人と替えが効かなくなります。
だからこそプロフェッショナルとして働きたい知識やスキルを活かしたいという就活の軸は、技術研究職を目指すうえで適切です。
また技術研究職は常に新しい技術に触れながら仕事に従事するため、最新技術で刺激を受けたいという就活の軸も望ましいでしょう。
マーケティング職
マーケティングにかかわる仕事がしたい方には、以下のような就活の軸があります。
論理的に考えるのが得意
トレンドや最先端のものを作りたい
グローバルな仕事がしたい
自分のアイデアを商品やサービスなどの形にしたい
マーケティング職では市場調査を行うなどの仕事の際に、論理的に物事を考え、調査結果をまとめたり仮説を立てたりする必要があります。
そのためよりロジカルに物事を考えることが得意で、その性質を活かしたいという就活の軸は、マーケティングを目指す際には適しているでしょう。
ほかにもトレンド調査や海外に目を向けたリサーチを行うこともあるため、最先端のものを作りたいグローバルな仕事がしたいという就活の軸もマッチしています。
事務職
事務職を目指す方には、以下のような就活の軸があります。
黙々と作業をするのが得意
PCスキルを活かせる仕事がしたい
気持ちよく働くためのサポートをしたい
ワークライフバランスを重視したい
長く働ける環境で仕事をしたい
事務仕事はPCを使って黙々と作業を進めるのが一般的で、これは基本的にどの業界を通じてもいえることです。
そのため黙々と作業することが得意、PCスキルを活かしたいなどの就活の軸が適しています。
また、事務職はさまざまな仕事を支える縁の下の力持ち的な役割も担っているため、周りの仕事をサポートしたいという就活の軸を伝えるのも良いでしょう。
【就活の軸】みんなに聞いた!働き方別就活の軸一覧
就活の軸は人によりさまざまですが、ある程度の傾向があります。
たとえば、ベンチャー志望など上昇志向の強い人は「いかに自分が成長できる企業か」「どれだけ自分の裁量で動けるか」「実力をもとに評価してもらえるか」といった基準で企業を探す場合が多いです。
ほかにも、会社の環境を重視する人や仕事のやりがいを重視する人、活用できるスキルを重視する人などが存在します。
多くの学生が使っている就活の軸を確認して、自分の軸を決めるためのきっかけを探しましょう。
成長したい
よく使われる就活の軸の1つが「働くうえで自分が成長していける企業」です。
ベンチャー企業を志望している学生など、キャリアアップに意欲的な学生に多い傾向があります。
しかし「成長」という単語は人によって、定義や想像する姿があいまいなものです。
自分の中で、業務上どうなれば「成長した」と言えるのか、しっかり定義を明らかにしなければなりません。
言い換えると、その定義さえはっきり決めてしまうことができれば、該当する企業選びが楽になるでしょう。
コミュニケーション能力を活かしたい
課題解決能力を活かしたい
スキルを目指したい
新しい技術を開発したい
論理的に考える仕事をしたい
裁量権が多い
上昇志向の強い学生に多い就活の軸の1つに「裁量権の多さ」があります。
どれだけ自分で決めて動けるかは、スキルを身につけるうえで重要な基準となるのです。
任された仕事に対し、自分自身で裁量権を手にして働くことで、責任感とスキルが身につきます。
そのため、今後のキャリアプランへの影響を含めて、どれだけ裁量権を持たせてもらえるかを気にする学生が多いです。
入社してすぐにでも、自分の判断で仕事をさせて欲しいと考えているならば、こういった軸が適切と言えるでしょう。
若いうちからマネジメント経験を積みたい
若いうちから活躍したい
プロジェクトをまとめる役割を担いたい
経営層に近いところで仕事がしたい
実力主義
もう1つ、上昇志向の強い学生が選びがちなのは「実力主義な企業か」という就活の軸です。
日本の古くからある企業の多くは年功序列です。
しかし、そういった企業体質の場合、若手の実力が軽視される傾向にあります。
早い段階から実力を発揮して、それをもとに評価をされたい場合は、評価の基準が本人のスキルや成果にある「実力主義」の企業を求めるのです。
どんどん成果をあげてテンポ良く出世がしたいという場合、こういった軸を定める傾向にあります。
努力次第で成長できる環境で働きたい
年齢に関係なく挑戦できる環境で働きたい
早期成長したい
性格を活かしたい
性格を活かしたいという就活の軸を持っている就活生の方も少なくありません。
自分の性格や価値観に合った仕事を選ぶことで、無理なく自然体で働くことができ、ストレスを感じにくい環境で働くことができるからです。
この軸を持つ人は、まず自分の性格を深く理解することが求められます。
自己分析を通じて、自分がどのような環境で力を発揮できるか、逆にどのような状況でストレスを感じるのかを明確にしましょう。
例えば、協調性が高い人であれば、チームでの仕事や人と関わる業務が向いているかもしれません。
一方で、1人で働くことが好きな人は、自分のペースで仕事ができる環境やクリエイティブな仕事に魅力を感じるでしょう。
このように、性格に合った企業を選ぶことで、仕事内容の満足度が高まり、将来的にキャリアの成功にもつながるのです。
几帳面な性格を活かせるようにコツコツ頑張りたい
勝負できる環境に多く置かれたい
チームで協力して成果を出したい
コミュニケーションを多くとる会社がいい
なるべく話さないで働きたい
社風
学生にとっては、入社する企業の「社風」も気になるところでしょう。
企業としての理念に共感できなければ、その企業の方針に従うこと自体がストレスになりかねません。
また、一緒に働く同僚とも足並みをそろえることが難しくなります。
そのため、入社を志望する企業が大切にしている価値観を、自分も大切にできるかどうかを基準にする学生も多くいる、というわけです。
働く企業の雰囲気や環境を重視する人に顕著な傾向であると言えます。
熱量のある環境で働きたい
風通しの良い環境で働きたい
社員同士の交流が盛んな会社で働きたい
評価制度が整っている
新人のサポートが手厚い企業がいい
社会貢献
社会貢献を軸にして企業選びをする学生は、近年増加傾向にあります。
特に、SDGsやCSRに力を入れている企業が増えており、社会貢献に対する意識が高まっているのです。
この軸を持つ人は、自分がどのような形で社会に貢献していきたいのかを具体的に考えることが必要です。
企業が行っている社会貢献活動や環境保護、地域社会への取り組みを、企業研究を通じて詳しく調べ、その活動が自分の考え方や価値観に合致しているかを確認しましょう。
社会貢献を重視することで、仕事を通じて社会に良い影響を与えることができ、自分自身の働きがいにもつながることでしょう。
CSR活動に熱心な企業がいい
地域社会に貢献したい
地域への教育支援をしたい
SDGsの取り組みを意識している
人
インターンや職場見学OB訪問など、実際に働いている人との交流を通して、どんな人が在籍しているのかを積極的に情報収集する学生もいるでしょう。
そういう人が就活の軸にしているのは「その職場の人間関係は良好か」「自分の上司や先輩にあたる人物と気が合いそうか」という「人」の部分です。
つまり、仕事に対して「何をやるか」よりも「誰とやるか」を重視しているということになります。
入社後、長い間一緒に働くからこそ、その人に魅力を感じられるかが大切な原動力となるのです。
社長、経営者に近い距離で働きたい
尊敬できる先輩と働きたい
同期の仲がいい企業で働きたい
お客様との距離が近い
仕事のやりがいを就活の軸にする場合、そのやりがいが外に向く人と内に向く人がいます。
そのうち、外にやりがいが向く人は「お客様との距離が近いこと」を条件にすることが多いです。
営業や接客業など「商品やサービスを実際に使うお客様と直接関わる仕事がしたい」という場合はこのような軸になるでしょう。
「お客様とのやり取りで直接商材の魅力を届けたい」「自分の案内でお客様を笑顔にしたい」という熱意のある人はこの軸を選ぶのに向いていると言えます。
顧客に寄り添った仕事をしたい
人の生活に関わる仕事をしたい
人を喜ばせる仕事をしたい
若いうちから稼ぐことができる
やりがいの傾向が自分の内側に向く人、つまり基準が自分の中にある人は「若いうちにどれだけ稼げるか」を就活の軸にすることもあります。
自分の中に設定した目標金額を、一定の期間内に達成できるかという点に重点を置いている場合があるためです。
そのほかにも、現状あまり裕福ではないという家庭の事情から「若いうちから稼いで親孝行ができる企業に入りたい」という動機につながっている人もいます。
「稼ぐ」ということを就活の軸にする場合は、「なぜ稼ぎたいのか」を明確にすると、なお良いでしょう。
若いうちからバリバリ稼ぎたい
初任給が多い会社がいい
インセンティブの大きい会社がいい
語学力を活かすことができる
過去に培った自分のスキルを活かす目的で、海外と取り引きがあるなど「語学力を活かせる職場」にこだわる学生もいます。
留学の経験などから「海外と関わる仕事でグローバルな活躍をしたい」という人は多いです。
しかし、今や留学の経験自体は珍しいものでなくなり、単なる語学力だけでは職を選ぶのは難しくなっています。
なぜ語学力を活かして働きたいのか、そしてどのように海外と関わっていきたいのか、それらにどんな意義を見出しているのかを言語化できるようにしておくことが必要です。
海外駐在を経験したい
グローバルな環境で働きたい
専門性を活かすことができる
自分のスキルや知識が活かせることを就活の軸とする場合、その「専門性」に着目することもあります。
大学の学部やゼミでの研究成果をもとに、地続きの専門業界を目指す場合が多いです。
長い時間をかけて学んだことだからこそ、就職するうえで有利に活用したいものです。
しかし、その知識を学んだのが自分1人でない以上、その就活の軸にはより具体性をもたせる必要があります。
蓄積した専門知識や技術を活用してどんな仕事がしたいか、どんなキャリアプランを描けるかを考えて企業を選ぶと効果的です。
専門領域をもちたい
資格を活かしたい
最新の技術に触れたい
世の中にないものを作りたい
研究開発ができる企業がいい
福利厚生
企業に求める条件として、しっかりとした福利厚生をあげる学生も多いです。
福利厚生が整っている企業は、それだけ社員を大切にしている企業であると言えます。
社員を大切にして気づかってくれるような会社であれば「会社のために自分も頑張って働こう」という気持ちになれるものです。
言い換えると、社員をぞんざいに扱い、ないがしろにするような会社で、自分だけひたむきに頑張るのは難しいでしょう。
そのため、企業が用意している福利厚生の内容も重要な就活の軸になり得るのです。
結婚、出産を経ても長く働きたい
経済的に安定したい
住宅手当、家賃補助があるところが良い
資格取得の手当が充実しているところで働きたい
食事手当が欲しい
フレックスタイムでプライベートを充実させたい
リモートワークがある企業がいい
勤務地を選べる企業がいい
全国転勤は避けたい
出張が少ない会社がいい
育休制度が整っている会社がいい
時短勤務を選べる会社がいい
有給休暇をとりやすい勧業がいい
残業時間が少ない会社がいい
給料が安定して高い会社がいい
就活の軸や企業選びの軸を面接・エントリーシート(ES)で伝えるときの構成
人事に刺さる就活の軸を伝える際の構成は、「結論→理由→企業とマッチしている部分→結論」の順で述べることです。
最初に結論を述べ、就活の軸は何かを明らかにします。
次に、なぜ、それが軸なのかの理由を述べます。
面接を受けている企業と、自分が決めた就活の軸のマッチしている部分を具体的に伝え、なぜ、その企業を志望したのかを具体的に伝えましょう。
最後に結論で締めます。
各構成について詳しく見ていきましょう。
就活の軸を伝える際の構成
結論
理由
企業とマッチしている部分
入社後のビジョン
1.結論
面接で問いに答える際は、常に問いへの結論からスタートしましょう。
これによって、答えがダイレクトに伝わり、不明確になることが避けられます。
結論から先に述べることで、その後に続く話の内容も伝わりやすくなり、興味を持って聞いてもらえるのもメリットです。
就活の軸を尋ねられた際の結論は、あなたの就活の軸は何かを簡潔に述べることです。
「私の就活の軸は〇〇です。」の一文で問題ありません。
詳しい説明は、その後に続けます。
ですから、冒頭から理由を述べることや経験談から入るなど前置きを置くのはやめましょう。
就活の軸は企業選びをするうえで、とても重要な要素ですので、簡潔かつ自信を持って述べるようにします。
2.理由
次に、自分がそれを就活の軸に選んだのはなぜか、理由を述べましょう。
就活の軸だと考えたエピソードなど、過去の経験談などを具体的に伝えると説得力が増します。
エピソードがないと、なんとなくそう思ったとか、単なる理想論に終わってしまうことも少なくありません。
これから長く仕事をしていくうえで、どんな企業でどんな仕事をしたいのか、どんな風に自分を成長させていくのかのカギを握るのが就活の軸です。
長い職業人生を送るうえでの大切なポイントになりますので、それを就活の軸に選んだ理由を、わかりやすく述べられるようにしましょう。
3.企業とマッチしている部分
就活の軸を明確にし、なぜ、それを選んだのかの理由を述べても、現在面接を受けている企業と就活の軸がマッチしていないと、なぜ、うちの会社を選んだのか、疑問に思われてしまいます。
就活の軸がズレているのか、それとも、その企業をいい加減に選んだ、もしくは、本命ではないと思われかねません。
そのため、理由を述べた後には、その企業と就活の軸がマッチしている部分を具体的に述べます。
企業のこういう面を見て、自分の就活の軸と合っていると思った、この企業なら、自分の将来ビジョンを実現できると考えたなど、具体的に伝えましょう。
自分が就職したい企業の判断基準として選んだ就活の軸と、企業がマッチしていなければ、就職してもうまく行かない可能性があります。
ミスマッチでないことを伝えることが、ポイントです。
4. 入社後のビジョン
最後に 入社後のビジョンを述べます。
ここでの結論は、ここまでの話のまとめとなる、締めのアピールです。
自分が選んだ就活の軸と、その企業がいかにマッチしているかを、今一度振り返り、就職できた暁には、このように活躍したい、貢献したいと伝えてください。
就職後に、どのように就活の軸の実現をしていくのかをアピールすれば良いのです。
面接での質疑応答は、単純に質問に答えるだけでなく、自分を採用することで、いかに会社にメリットが生まれるかの売り込みの場です。
就活の軸とブレのない、その企業で活躍できる自分を売り込みましょう。
「結論→理由→企業とマッチしている部分→ 入社後のビジョン」の構成で伝えることで、上手なアピールにつながります。
就活の軸や企業選びについて答えるときのポイント
続いて、就活の軸や企業選びについて聞かれた際のポイントについても詳しく紹介します。
以下の点を踏まえた上で回答することで、より質が高く、良い印象を与えられる回答を作成できます。
本音をポジティブな言い方にする
もちろん、就活を進める上で「福利厚生が整っている企業」「給料が高いところ」「休みが多いところ」などといった「本音の軸」というものは存在します。
しかし、それをそのまま伝えてしまうと、マイナスな印象を与えてしまう可能性があります。
「この就活生は条件にしか興味がないし、しかもオブラートに包むことすらできない」と思われてしまうからです。
そこで、オブラートに包むことを心がけましょう。
例えば「安定しているし、潰れなさそう」という表現はどう考えても失礼であるため、「長期的な目線で考えて、業界内でも確固たる地位を築いている貴社で働くことこそ、自分が継続的に成長し、安定したキャリアを歩むために必要であると感じた」といった言い方が良いです。
もちろん、「安定している企業が良い」本音が伝わってしまうこと自体はそこまで問題ではありません。
しかし「オブラートに包むことができない」とは思われないようにしましょう。
具体的な理由を交えて答える
ESでの就活の軸は、あまりにも多くの企業に当てはまるような抽象的な内容にしないよう注意が必要です。
例えば「成長できる環境」という軸はどの企業にも当てはまる可能性が高いため、具体性に欠けてしまいます。
このような軸を提示すると、採用担当者は「この応募者は他の企業でも同じことを言っているのではないか」つまり「内定がもらえれば、どこでも良いのではないか」と考え、志望度や本気度が低いと思われてしまいます。
もちろん「特定の企業にしか通用しない軸」を持つ必要はありませんし、それは不可能に近いです。
しかし、その企業の持つ独自の強みや特徴に可能な限り関連した軸を設定し、深掘り質問をされた際にも、理由を明確に主張できるようにはしておきましょう。
企業の理念に合わせた軸にする
ESで就活の軸を答える際には、志望企業に合った軸を選ぶことが非常に重要です。
自分の軸が企業のビジョンや求める人物像と合致していない場合、企業側は「この候補者は自社にマッチしていない」と感じ、志望度が低いと判断されるリスクがあります。
企業が求める価値観や文化を理解し、それに合わせた軸を設定することで、応募者としての適性をアピールできます。
ただし、無理に企業に合わせすぎて軸を偽ることは逆効果となるため、あくまで自分の価値観と企業の特徴が自然に合致する部分を強調することがポイントです。
志望企業に合った軸を提示することで、入社後も企業にフィットし、長期的に活躍できる人材であることを印象付けることができるため、この点には特に注意が求められます。
常にその軸で一貫性を持たせる
他の回答との一貫性を持たせることも、就活の軸をESで答える際に非常に重要です。
例えば、志望動機や自己PRで述べた内容と就活の軸が矛盾していると、採用担当者は「この応募者は自己理解が浅いのではないか」「本当に自社に入りたいと思っているのか」と疑問を抱くかもしれません。
したがって、全体を通じて一貫したメッセージを伝えることが求められます。
具体的には、志望動機で述べた企業への強みやアピールポイントが、就活の軸とどう関連しているかを明確に示すことで、信頼性が高まります。
少なくとも、他の部分と矛盾した回答を述べることだけは避けましょう。
【就活の軸】業界別のみんなの例文
例文1.メーカー業界
私はお客様に感動を与えられる仕事をすることを、主な就活の軸にしています。
私は以前、友人から誕生日に食器をプレゼントしてもらったのですが、そのときにもらった食器が非常にきれいで、大変感動したことを覚えています。
当時は食器の製造工程については詳しくなかったのですが、それでも、これだけデザインや色がきれいな食器が出来上がるまでには、きっと多くの人が関わってきたのだろうと思い、その長い道のりと多くの人の努力に衝撃を受けました。
私はその経験から、同じように人に感動を与えられる仕事をしたいと考えるようになり、貴社の商品企画部門を志望した次第です。
貴社に入社させていただいた際には、感動を与えられるように絶えず工夫を凝らすことを忘れず、発想力や商品を使われる方へのホスピタリティを高めていきたいです。
例文2.商社業界
私は、グローバルな仕事に携わることを学生の頃から切望していたため、就活の軸として現在重視しております。
きっかけは英語、日本語中国語を話すトライリンガルの友人と出会ったことです。
彼女はその語学力を活かし、外国人観光客が多く利用する飲食店でアルバイトをしており、私はその語学スキルはもちろんのこと、異文化に対する配慮や理解力に刺激を受けました。
外国人と接すると、世界にはさまざまな考え方や文化があることがわかり、視野を広げることができます。
だからこそ友人は非常に視野が広く、考え方が多角的なため発想力や周りへの気遣いに長けています。
私もグローバルな環境に積極的に触れることで、視野を広げ、多くの人に理解を示していけるような人間性を養いたいと考えています。
御社に入社した際には、グローバルな環境を望む姿勢を強く持ち、これまで経験したことのない業務にも積極的にチャレンジしたいです。
例文3.小売業界
私は地域に根ざした店舗で働きたいという気持ちを、現在、就活の軸に置いています。
私は祖母が地元の商店街で飲食店を営んでいたため、幼い頃から商店街にルーツがあります。
商店街ではたくさんの人とのつながりがあり、店舗同士で助け合いながら、地域全体を盛り上げていくという姿勢があり、私はそのような商店街の雰囲気が大好きでした。
幼少期から現在に至るまでには、商店街の方にもたくさん助けていただき、恩返しというかたちで還元したい思いもあります。
御社は地域密着型の店舗経営を大事にしていると聞き、その経営スタイルに私はとてもなじみ深さを覚えました。
今後ご縁をいただけた際には、地域密着型ならではのあたたかみを大事にし、地域全体とのつながりを感じられる店舗づくりに貢献したいと考えています。
例文4.金融業界
私は、人を応援する仕事に携わることを、就活の軸にしています。
大学生活の中で私は応援部に所属しており、活動の中では多くの部活やサークルの応援に尽力してきました。
応援に向かうとどの部活もとても喜んでくれるため、私は応援部の活動を進めるごとに、応援することに強いやりがいを感じるようになりました。
そのため就職後も誰かを積極的に応援したりサポートしたりすることで、人生の喜びを感じたいと思い、今回貴社を志望した次第です。
貴社は、小規模経営の企業からも相談を積極的に受け付け、できる限り融資を行っていると聞きました。
私もそのように融資というかたちで、地元の企業様の応援ができればと考えています。
貴社に入社させていただいた際には、応援部で培った明るさも活かし、お客様にとって心地よい対応でサポートに尽力したいです。
例文5.不動産業界
私の就活の軸は、成果のわかりやすい仕事に就くことです。
そのように思ったきっかけは、ドラッグストアのアルバイトで、ポイントカードの新規入会を積極的に募ったことです。
上司からポイントカード会員を増やすように指示を受けた当初こそは、正直言って私はあまり乗り気にはなれませんでした。
しかし勧誘業務を続けるうちに、会員様が増えるというわかりやすい成果を重ねられることに、私は気持ち良さを感じるようになったのです。
その結果、アルバイトの中では1位の成果を出すことができ、上司にも褒めていただきました。
不動産業界の営業職は、同じように成果が数字で出るため、自分自身でも頑張りを実感しやすい業界だと聞いています。
御社に入社した際には、お客様一人ひとりに合った提案を心がけ、成果を実感しながら、高いモチベーションで業務に取り組んでいきたいと思います。
例文6.サービス業界
私は、提案力を活かせる仕事に就きたいと考えており、今回就活の軸に据えることにいたしました。
私はアパレルショップでのアルバイト経験があり、アルバイト中は、お客様と会話を楽しみながら似合うアイテムを提案することに、やりがいを感じていました。
まだまだ勉強中ではありますが、店長に提案のセンスがあると褒めていただくことも多く、実際にお客様から感謝されることもたくさんありました。
そのため私は就職後も、アルバイトで培った提案力を活かしたいと思い、このたび御社を志望した次第です。
御社では数多くの商品を取り扱うからこそ、お客様の要望の傾聴力、それに対する提案力が重要と考えています。
入社の機会をいただけた際は、お客様一人ひとりと真摯に向き合い、ぴったりの商品を提案することで、顧客満足度向上に貢献していきたいです。
例文7.IT業界
私の就活の軸は、プロフェッショナルとして成長したいという思いです。
私は小学生の頃から、HTML/CSSを使ったWebページ制作を趣味としてきました。
HTML/CSSは奥が深く、表現できることの幅が広かったため、制作スキルを高めるごとに私は喜びを感じてきました。
高校生の頃にはスキルを活かし、父親の知人の会社のコーポレートサイトや、LPの制作の手伝いもさせていただきました。
その際は、手伝いとはいえしっかりとした仕事だったこともあり、あいまいだった知識を自分のなかでアップデートし、スキルが高まることを実感して満足感を得ました。
現在はJavaScriptやPHPも学んでおり、WebサイトWebサービス制作の奥深さを前に、知識欲を高まらせるばかりです。
御社に入社した際は、磨いてきたプログラミングスキルを活かして貢献したうえで、プロフェッショナルとして絶え間なく成長していきたいと思っております。
例文8.広告出版マスコミ業界
私は、お客様に商品やサービスの魅力を届ける仕事がしたいと思っており、現在、就活の軸に置いています。
私は普段からネットショッピングを利用するのですが、その中でもよく利用する通販サイトの商品PRのわかりやすさにいつも感動しています。
どのような商品も魅力的に見えるため、ついたくさんの商品を衝動買いしてしまいそうになり、制作側からすれば、このように魅力的にPRしてもらえるのはありがたいことだろうなと思うことが増えました。
そこから私は自分自身でも、物事を魅力的に、かつわかりやすく伝えるという行為に、興味を持った次第です。
だからこそ貴社の広告制作事業では、商品やサービスの魅力を届けることについて知識とスキルをつけたいと考えています。
入社した際には、実際に私の考えたPRで消費者の皆さまが感銘を受けることを目標に、業務に尽力したいです。
【就活の軸】職種別のみんなの例文
例文1.事務職
私の就活の軸は、周りの方が気持ちよく働くためのサポートに従事することです。
私は子供の頃から、中心的立ち位置の方をサポートする業務にやりがいを感じており、中学も高校も生徒会の書記を担当してまいりました。
書記として議事録をきれいにまとめることには多少の自負があり、実際に、わかりやすくて生徒会の仕事がやりやすいと良い評価をいただくことも多かったです。
そのため就職後も、気持ちよく働く環境を整えるためのサポートをしたいと考え、御社の営業事務を志望した次第です。
営業職の方はたくさんの商談を抱えており、常に多くのタスクに追われていると聞いています。
入社後は、どのようにバックアップすれば気持ちよく仕事ができるのかを徹底的に考え、快適な仕事環境づくりに貢献したいと考えています。
例文2.営業職
私は、最前線で働いて企業に貢献することを、就活の軸にしています。
学生時代に私は部品工場でのアルバイトを経験したのですが、当時は、直接的に会社の売上に貢献している実感がなかなか得られず、正直なところ物足りなさを抱いていました。
一方でその後に経験した飲食店の仕事では、積極的にお客様へ新メニューの提案も行い、会社に貢献している実感をよりはっきりと得ることができました。
そこで私は、自分自身に向いている仕事は最前線で活躍できる仕事だと理解し、就職先も最前線で働けることを重視しながら選びたいと考えるようになったのです。
御社に入社させていただいた際には、営業職としてお客様に寄り添い、最適な商品を提供させていただくことで、利益に最前線で貢献したいと考えています。
例文3.販売職
私には、魅力ある商品をお客様に提供する仕事がしたいという就活の軸があります。
そのように考えたきっかけは、世の中に数ある商品の中には、まだまだ埋もれている魅力的な商品がたくさんあると考えているからです。
私はネットショッピングをするなかで、普段からとにかくたくさんの商品に目を通します。
すると魅力ある商品がたくさん見つかるため、このようによく探さないと見つからない魅力的な商品がある状態は、メーカーにとっても不利益につながりもったいないですし、消費者にとっても本来出会えるはずの商品に出会えないため、惜しい状況だと考えます。
だからこそ私は魅力ある商品は魅力ある商品として、仕事をする中ではお客様にしっかり提供していきたいと思っております。
御社のおもちゃ販売店では非常に豊富な種類のおもちゃを扱っているため、魅力ある商品をお客様に提供したいという私の思いは、働くうえで積極的に活かせると考えています。
良い商品やサービスの魅力を伝えることで、入社後は、お客様にも会社にも利益のある状態を作っていきたいです。
例文4.技術研究職
私は新しい技術に触れながら仕事がしたいという気持ちが強く、就活の軸にも置いています。
幼少期から私は便利で画期的な技術に興味関心を示してきており、大学のゼミではロボットを活用した福祉事業の事例について研究を重ねてきました。
ロボット工学は現在も進歩を続けており、子供の頃に夢にまで見た、ロボットのいる暮らしがすぐそこまで来ているのだと思うと、とても胸が高鳴ります。
最新技術に触れるともっと知りたい、さらなる進歩のために貢献したいと知識欲や成長意欲が高まるため、私にとって働くうえでロボットの最新技術に常に触れていることはモチベーションそのものと考えます。
御社に入社した際は、常に進歩する技術に対する学びを忘れず、会社はもちろんのこと、最終的には国内のロボット事業全体の発展に貢献することが目標です。
例文5.マーケティング職
私は論理的に物事を考えることを得意としており、ロジカルシンキングを活かせる仕事に就くことを就活の軸にしています。
結論と根拠がはっきりしているとすっきりするため、私は子どもの頃から物事や考え方に対して「なぜ?」を考えるようにしてきました。
そのため論文を書くことも得意で、小論文コンクールでは5回賞をいただいたこともありました。
世の中のことには基本的にすべてにおいて原因や根拠があり、ロジカルシンキングでそのことを究明することが、物事を円滑に進める鍵だと考えています。
私が御社のマーケティング部門を志望した理由も、ロジカルシンキングを活かして、販売戦略を立てられると感じたためです。
御社に入社させていただいた際は、常に「なぜ?」を考えて問題提起することを忘れず、論理的で説得力のある戦略立案に貢献したいと考えています。
「企業選びの軸は何ですか?」に対する答え方の例文15選
就活の軸は、ご自身が企業を選ぶ際の基準となり、スムーズで効率の良い就活に役立つだけでなく、企業側でも関心を持っていることが少なくありません。
そのため、企業によっては「就活の軸はなんですか?」と質問してくることもあります。
どんな基準で自社を選んだのかがわかるとともに、他にどんな企業にエントリーしているかを推測することができ、入社意欲の高さを計る指標にもなるからです。
とはいえ、就活の軸と言われても思いつかないという方のために、代表的な就活の軸を例文でご紹介します。
例文1.自己成長
私の就活の軸は、成長できる環境が整っているかです。
なぜなら、仕事を通じて自分自身を成長させたいからです。
私は学生時代に海外ボランティアを経験しました。
言葉も通じず、文化も違う途上国で十分な設備もない状況でしたが、便利な日本から何もない場に身を置くことで、これまでなかった知恵や力が出てくるものだと知りました。
やったこともない水道工事も現地の方との協力で行うことができ、水道を引くことができたのです。
この経験から私は困難な状況に自ら飛び込むことで、潜在能力を発揮し、自分を成長させることが重要だと気づきました。
そのため、就活の軸は自己成長に重点を置いています。
例文2.やりがい
私の就活の軸は、やりがいを持てる仕事であることです。
なぜなら、やりがいがないとモチベーションが高まらず、良い仕事ができないと考えるためです。
私は学生時代、学童のスタッフをしていました。
親の帰りが遅い子供たちはどこか寂しそうなのですが、一緒に勉強し、遊んでいくうちに笑顔が輝いていくことにやりがいを感じました。
有償ボランティアでアルバイトをしたほうが稼げたのですが、子供たちの笑顔がやりがいになって大学時代3年間続けてきたのです。
この経験から私はやりがいを持てる仕事なら、状況や待遇を問わず、続けられることがわかりました。
このことから、就活の軸はやりがいが持てる仕事ができるかを重視しています。
例文3.給与
私の就活の軸は、収入です。
なぜなら、実家が老朽化しており、35歳までには二世帯住宅を建てたいと考えているからです。
私は学生時代、コールセンターで営業電話をかけるアルバイトをしていました。
時給は低いのですが、契約成果に応じて実績給が出ます。
最初の2ヶ月ほどは週に3日計9時間のアルバイトで月収3万円ほどでしたが、契約が取れるようになってからは5万円、6万円とアップしたのです。
自分なりにトークを研究し、声のトーンや相手に合わせた話し方も工夫しました。
この経験から、私は高い収入という目標があると力を発揮できると気づきました。
このことから、就活の軸は自分の努力と成果に応じた収入が得られる環境があるかを重視しています。
例文4.プライベート
私の就活の軸は、ワークライフバランスが図れるかどうかです。
なぜなら、高校時代から障がい者福祉のボランティアをしており、就職後も続けていきたいと思っているからです。
現在は土日に活動していますが、就職後も週に1回は取り組みたいと考えています。
障がい者と関わっていると、これはできないだろうと決めつけていたことが、実際には私よりうまくできることもあり、先入観にとらわれると可能性が閉ざされることを学びました。
この経験を通じて先入観にとらわれず、チャレンジして効率的に仕事を進め、プライベートの時間を確保できるよう努力したいと考えています。
このことから、就活の軸はプライベートも充実できることとしました。
例文5.社会貢献
私の就活の軸は、社会貢献を果たしているかです。
なぜなら、環境問題に深い関心を持っており、地球温暖化防止に役立つ仕事をしたいと考えているからです。
学生時代、コーヒーショップでアルバイトをしていましたが、持ち帰り用のプラスチックカップを何度も利用できるタンブラーにしてはと店長に提案し、オリジナルタンブラーのデザインも担当させていただきました。
タンブラーの売れ行きが好評で最初に用意した100個が1週間で売り切れた上、タンブラー利用者の来店により、テイクアウトのお客様の8割がリピーターであることがわかるメリットが生まれました。
この経験をもとに、どんな仕事でも何か地球温暖化防止につながる方法はないか考えて、提案と実践を図りたいです。
このことから、就活の軸は地球温暖化防止を中心とした社会貢献に積極的に取り組んでいることとしました。
例文6.社風
私の就活の軸は、社風です。
なぜなら私は、環境によって自分の力の出し方が変わると感じているからです。
大学時代、人気のサークルに勧誘されて入ったことがありますが、60人あまりいて、まとまりがなく、方向性がバラバラで何を決めるにも時間がかかりました。
結局、すぐに辞めてしまい20人規模の小さなサークルに加入しました。
それぞれ主張があり、議論は活発に交わされるのですが、お互いを尊重し合う雰囲気があり、いざ多数決で決まれば、反対していた人も協力する環境が整っていたのです。
この経験から、何かを成し遂げるには雰囲気や人との関係性が重要だと感じました。
そのため、就活の軸として社風を重視しています。
例文7.人
就活の軸は「人」です。
まず、仕事をしていく中で一番大切な部分が「人」であると私は考えています。
なぜかというと、仕事をする中で他人と接しない状況はどのような職場でもほとんどなく、逆に言えば、ほとんど他人と接するがゆえに、人間関係を疎かにすることは仕事ができないのと同じだと思うからです。
どのような仕事も絶対一人ではできません。
今まで先人たちがその仕事をどのように進めてきたか、それらを先輩に教えてもらわなければ、何のスキルも身につけることはできません。
ですので、どんな職業についても、一人では仕事をすることは困難だと私は思います。
また、それ以前に、ほかの人と仕事をすると楽しさや効率も2倍となり、お互い切磋琢磨しながら高め合っていけるので、メリットのほうが単純に多いと思うからです。
もし相手の方が自分より優れていたとしても、その優れている点を見習い、吸収しながら成長することもできるでしょう。
ですので、企業選びは人を基準として考えていきたいと思っております。
例文8.仕事のスケール
就活の軸は「仕事のスケール」です。
なぜ軸が仕事のスケールかというと、スケールの大きい仕事程様々なリターンも大きく、その仕事をやってて良かったと思えるような仕事に出会えると思うからです。
たとえば、商品開発の部署に就職し、自分自身が考えた商品が商品化され世の中に広まっていけば、それだけでやりがいはものすごく大きいです。
そのように世の中の人たちが好んで使ってくれたり食べてくれたりできる商品を開発できれば、単純に嬉しくなり仕事もモチベーションも上がるでしょう。
そして、そのようなスケールの大きい仕事は一人でできることは限られてきますが、グループで力を合わせれば様々な方の知恵を集約させて、より高みを目指して進められると考えています。
ですので、目標を高い位置に常に設定して仕事をできる環境に身を置けるかどうかが、企業選びの大切な軸になると思っております。
例文9.グローバル
就活の軸は「グローバルかどうか」です。
なぜかというと、日本の企業の技術力をもっと世界に発信していく必要があると感じており、その広める役に自分自身がなりたいと思っているからです。
このような思いを抱いた背景として、私が海外に留学した時に感じた部分が大きく関係しています。
自動車業界をはじめ、日本の技術力は世界的に見てもトップクラスであり、世界の技術者に対してまったく負けていないと留学する前は思っていました。
ですが、いざ留学してみると、日本製の車に乗っている方はいますが、海外製の車を好んで乗る方も多くいて、思ったより浸透していないように思えたのです。
そして、あらゆる電子部品が中国製のものを使用しており、同じアジアの国として負けていると素直に感じた瞬間でした。
このように、実際に肌身で現地の日本の位置付けの低さを感じ、「これから私自身にできることはないか」と考え出したことが、グローバルを軸にするきっかけとなりました。
ですので、この軸をしっかり持って、この先の就職活動も真摯に取り組んでいきたいです。
例文10.やりたいこと
就活の軸は「やりたいこと」です。
なぜかというと、やりたいことを軸として考えれば、その道中の出来事も先の糧になると思ってポジティブに捉え、より成長した自分になれると思うからです。
その中でも、自分自身の将来やりたいことは、マーケティング職に就くことです。
長期のインターンシップでマーケティングの職業を経験させていただき、職業自体に興味は持ったものの、自分自身のスキルや知識はまったく足りないと感じました。
そんな中で、まず現場を知りながら成長できる営業の仕事がしたいと思うようになり、そこで御社に惹かれたのです。
御社では自分自身でクライアントの獲得を行い、獲得してからのフォロー体制も自分自身で行うことができるため、一通りの流れを業務の中で通貫して経験できることが魅力に感じました。
これらの業務の中で将来マーケティング業界で成功するためのスキルも身につけることができると確信し、御社へ入社することを希望いたしました。
例文11.福利厚生
就活の軸は「福利厚生」です。
なぜかというと、最近親が病気になってしまったことで、どのように支えれば良いか考え出したことが関係しています。
就職活動をして無事就職できた後に、親の容体がひどくなった場合に、福利厚生が手厚い職場でないと親の面倒を見られないのではないかと不安に思ったからです。
そのような状況の中でも仕事は頑張っていきたいですが、どうしても自分自身が親の面倒を見なければいけないのも事実で、今まで育ててもらった恩返しも込めて面倒を見たいと思っております。
そのためにも、何かあった場合などに定時で帰れることや早退に対しても柔軟に対応していただける職場が一番好ましいです。
また、できるだけ家から近い職場であることも大切な条件だと思っております。
そして、そのような職場で働かせていただく際には、定時や早退で帰宅させていただいてもほかの方へ迷惑をかけないように、人より多くの仕事をこなせるように努力していきたいです。
また、努力の中でスキルも磨きながら、一社会人として成長していきたいと思っております。
例文12.自分の能力を生かすこと
就活の軸は「自分の能力を活かすこと」です。
なぜかというと、自分の能力を活かすことで今までの自分を肯定できると思うからです。
私は以前、何か自分の自信となるものが欲しいと考え以前から興味のあった英語を勉強し始めました。
最初は新しいことが刺激になり面白いと思って頑張っていましたが、なかなか上達せずにこのまま続けていても無駄なのではと思うようになりました。
しかし、もう少しだけと日々自分のもう少しを更新していき、今では御社へのエントリーまで進めるようになりました。
自分の能力を活かすという軸で頑張ることであの時諦めなかった自分を肯定することができます。
そのことが自信となり、モチベーション高く働き続けられると考えています。
例文13.ものづくり
就活の軸は「ものづくり」です。
私は恥ずかしながら30代になってから本格的に料理を始めました。
夏に友人とBBQをすることになり、一人一品料理を振る舞うことになったことがきっかけでした。
料理は手順を考えたり、ときには周りに指示をだしたり、リーダーシップも求められます。
その時は2歳の子がおり、8月でとても暑く、味付けもさっぱりしたものを心がけました。
ここで学んだことは、ものづくりは自分だけが満足するだけではだめだということです。
相手の健康や状況を考えものづくりをし、まわりの動きも見ていなければいけません。
私にとって初めてのものづくりは料理でした。
しかし、このことをきっかけにものづくりに興味をもち、今では欠かせないものになりました。
例文14.裁量権
就活の軸は、「裁量権」を持てるということです。
なぜなら、裁量権のあるなかで責任を持って働いていくことは、仕事にやりがいを見いだすことにつながるからです。
私は大学時代にアウトドアサークルに所属しており、新入生の勧誘を任されていました。
その際は自ら企画提案を行い、サークル内で承認をいただいたあとで、実際に活動につなげていました。
結果、30人を超える新入生からの入会希望をもらうことができ、裁量権を持って動くことに、大きなやりがいを感じるきっかけとなりました。
貴社も社員一人ひとりの裁量権が大きく、自然と仕事への責任は比較的大きくなると伺っています。
そういった環境であれば、私も自らの力を発揮できるのではないかと考えています。
学生時代の経験を活かし、一つひとつの業務には責任感を持って取り組み、成果につなげていきたいです。
例文15.他者貢献
私は企業選びの際に、「他者貢献」ができるという点に軸を置いています。
なぜなら、自分以外の人のことを考えて働くことは、自分にとって大きなやりがいと喜びにつながるからです。
私は大学時代にボランティア活動をしてきたため、その中で自分のために動くのではなく、相手のことを考えて行動することの重要性を学びました。
周りの人に幸せや喜びをもたらすことができれば、私自身の喜びにもつながり、そのようにすることで社会は好循環を生んでいけるのだと考えました。
貴社も、理念として、お客様のために考え働くということを掲げていると伺っています。
他者を思いやり、積極的に行動するという環境に身を置けば、私も自らの力を発揮できるのではないかと考えています。
学生時代の経験を活かし、積極的に他者に貢献する姿勢を持ち、一つひとつの業務に真剣に向き合っていきたいです。
例文16.海外で活躍したい
私は、海外で活躍できる企業で働くことを、就活の軸にしています。
その理由は、父親の仕事の関係で、小学生の頃にアメリカとインドで過ごした経験があるからです。
海外には日本とは違う常識があり、当時は子どもながらに、大きくカルチャーショックを受けたことを覚えています。
しかしそれと同時に、異なる常識や文化に触れられる楽しみを覚えたことも記憶しています。
国内の常識に縛られず、海外ならではの考え方を知れば、人として柔軟性や臨機応変な対応力が身につくと考えています。
私は海外勤務を経験することで、新しい考え方を自分の中に入れ、柔軟で臨機応変な対応ができる人になることが目標です。
それらの能力が高まれば、目まぐるしく変化する現代の中で今後大きな変化があっても、物おじせずに対処ができると思うからです。
入社後は、柔軟で視野の広い人材になることを目指し、海外での勤務を通じてグローバルな考え方を積極的に取り入れていきたいと考えています。
例文17.やりがい
私の就活の軸は、若手でもリーダーとして活躍できる企業を選ぶことです。
私は生徒会長や大学のサッカー部の部長など、これまではリーダー的ポジションを任されることが多く、リーダーシップにも自信を持っています。
そのため高めてきたスキルは今後も積極的に伸ばすことが必要だと考えており、就職後も、積極的にリーダーを務めたうえで、リーダーシップだけでなく総合的に自分自身の人間性を磨いていきたいと思っています。
御社は、あえて若手にプロジェクトリーダーを任せる方針を取っていると聞きました。
私は、スキルを高めるには最適の場になるととらえており、社会人一年生として勉強させていただきながら、強みは強みとして積極的に磨いていきたいです。
入社後はリーダーシップを発揮してプロジェクトを成功に導き、売上向上に貢献させていただきます。
就活の軸のNG例
就活の軸を問われた時の回答として、どのような内容だとNGになるのでしょうか。
NG例として気をつけたいのは、主体性のない軸と自己分析の足りない軸です。
主体性のない軸と言われても、ピンとこない方のために詳しく紹介していきます。
このような軸になっていた時には、主体性のある軸を検討し直しましょう。
また、自己分析が足りない軸もいけません。
自己分析が足りていないと気づいたら、今一度自己分析をやり直して深堀りしましょう。
主体性のない軸
自己分析の足りない軸
主体性のない軸
就活の軸としてNGな例の一つが、主体性のない軸です。
主体性がないというのは、その企業で仕事をしたい動機とはずれている補足的な要素であることや従属的な要素を軸にすることを意味します。 主体性の対義語は受動性や従属性です。
以下のような点を就活の軸にしていませんか。
たとえば、福利厚生が充実しているかどうかで選ぶ、ワーク&バランスが整っている企業かどうかで選ぶなど、プライベートを重視しているという軸は主体的ではありません。
企業に用意されたものを享受する形になっており、積極的にその企業で仕事をしたいという軸にはならないからです。
福利厚生を軸として挙げると、どのような印象を与えるかよく考えてみましょう。
福利厚生といったものは、企業が従業員に対して働きやすいように用意するものであり、それが目的で入社するようでは企業の目的と逆転してしまいます。
企業からしても、福利厚生が軸で志望したという場合、メインである業務との関連性が薄く、社後にミスマッチが起きてすぐに辞めてしまうかもしれない、モチベーションが高まらず、成果があげられないかもと評価が行われやすくなります。
福利厚生重視を就活の軸にするという場合、突き詰めれば、業界も業種も職種も問わないということです。 福利厚生さえ良ければ良く、企業の内容や仕事をメインにしないのはNGです。
自己分析の足りない軸
就活の軸としてNGな例の2つ目は、自己分析の足りない軸です。
自己分析をしっかり行わないまま、なんとなく、こんな企業に入りたい、こんな企業が良いに違いないと軸を据えていませんか。
たとえば、「私の就活の軸は裁量権のある職場か否かです。」
「その理由は、野球部でのキャプテンとして部員を統率して優勝したからで、この経験からチームプレーの素晴らしさを学んだためです。」といったアピールをした場合、どういう印象を与えるでしょうか。
チームプレーの素晴らしさを学んだのに、自分が部員を統率したことがアピールされ、裁量権を軸に選ぶとなると、自分勝手に仕事をしたいと思われかねません。
つまり、チームの和を乱す方向に考えられ、アピール内容の中で矛盾が生じているNG例文です。
客観的にエピソードを聞くと矛盾している、もっと別のアピール方法があるようなアピールと感じられ、企業は深堀りするための質問をしてきます。
その質問に答えられなければ、やはり自己分析が足りないのだと判断されてしまいます。
自己分析もできず、何をしたいのか明確になっていないと、企業にマイナスイメージを持たれかねません。
内容的に矛盾が生じることやアピール後に深堀り質問をされて回答に窮することがないよう、自己分析はしっかりと行いましょう。
興味のある仕事という趣旨が軸
自分の興味のある仕事ができれば、毎日出社するのが少し楽になるかもしれません。
しかし、興味のある仕事という趣旨が軸になってしまうと、真剣に就活を行っていないのではないかという印象を与える可能性があります。
学生の頃のアルバイトなら、興味のある仕事をたくさん経験して視野を広げるのも良いでしょう。
ただ社会人となるとそれだけではなく、興味がそれほど無い仕事でもうまく立ち振る舞い、成果を上げられるのかという点も求められるのです。
興味のある仕事を軸にしてアピールするとどうなるでしょうか。
まず、すぐに悪い印象になることは無いでしょう。
企業からしてみても、仕事内容に興味を持ってくれた時点でむしろ好印象かもしれません。
しかし、このことだけを主張し過ぎてはいけません。
なぜなら、興味のある仕事だけを選ばれてしまったり、飽きてしまった場合辞められてしまうのではないかという不安要素を与えるためです。
自分をアピールするために、興味のある仕事というのを伝えることは間違っていません。
ただ、それだけにならないようにしましょう。
たとえば、興味のある仕事からつながる新しい仕事を覚えたいなど、意欲を伝えることが大切です。
就活の軸や企業選びの軸が見つからないとき
ここまで、就活の軸や企業選びの軸を決める際のポイントやスムーズに決められる方法などについて詳しく紹介しましたが、それでもなかなか見つからないという人は多いでしょう。
そこで、以下の対策を紹介するため、ぜひ取り組んでみてください。
以下の対策に取り組むことで、軸が見つかるかもしれません。
やりたくないことを書き出してみる
好きなことを書き出してみる
プロに相談しよう
やりたくないことを書き出してみる
就活の軸が見つからない時、やりたいことを考えるのが難しい時は、逆にやりたくないことを書き出してみるのも良いでしょう。
まず、自分が避けたい仕事や働き方について考え、それらを具体的にリストアップしてみるのです。
例えば「長時間労働やルーティンワークが苦手」または「人と関わらない仕事が苦手」など、自分が避けたい環境や条件を明確にすることで、自分にとって重要な要素が浮き彫りになります。
これらを整理することで、自然と自分が重視すべき条件や環境が見えてくるでしょう。
そして、その逆を考えると、就職活動の軸が少しずつ明確になります。
「やりたくないこと」を明確にすることで、自分が譲れない価値観や希望する働き方が見つかり、企業選びの基準を定める手助けとなります。
好きなことを書き出してみる
就職活動の軸を見つけるためには、自分の好きなことや興味のある分野を深く掘り下げることも有効です。
まず、自分が心から楽しめることや夢中になれる活動をできるだけ多く書き出してみましょう。
これには、趣味や特技、過去に熱中したプロジェクトなどが挙げられます。
好きなことを書き出すことで、それらに共通するテーマや価値観が見えてくるでしょう。
それが自分にとって譲れない要素であり、自然と就職活動の軸となるものです。
この方法は、自己分析を深め、自分が本当にやりたいことや大切にしたい価値観を明確にするための第一歩となるでしょう。
「好きなこと」を通じて、自分が目指すべき方向性や働き方の基準を見つけてみてください。
プロに相談しよう
就活の軸が決まらない方、決まっても、就活の軸にマッチする企業が見つからずに悩まれている方、ようやく就職したい企業が見つかっても、就活の軸の構成がうまくできずに困っている方は、就活エージェントを活用してみましょう。
就活エージェントは就活のプロであり、就活の基本となる、就活の軸についても熟知しています。
就活の軸が決まらない方には自己分析のやり方からアドバイスしてくれ、企業選びで悩んでいる方には、就活の軸にマッチする企業も紹介してくれます。
就活の軸がうまくアピールできるように構成のアドバイスもしてくれるので、気軽に相談してみましょう。
就活エージェントをお探しなら、就活市場エージェントをぜひご利用ください。
就活の軸を見つけて就活を有利に進めよう
就活の軸が定まらないと、就活にブレが生じ、無駄に時間を費やしてしまう場合やなかなか選考に通らない、内定につながらないケースがあります。
実際に入社してからも、何か違うとミスマッチが生じ、すぐに離職してしまう方も少なくありません。
新卒での就職に失敗しないためにも、就活の軸を定めてから、就活をスタートさせることはとても重要です。
就活の軸の例として自己成長ややりがい、給与やプライベート、社会貢献度や社風を挙げましたが、就活の軸はこれだけではありません。
自分でどのような活躍をしていきたいのか、将来ビジョンをまずは明確にし、ビジョンを実現できる就活の軸を検討しましょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート