はじめに
OB 訪問は自分の志望する業界や職種で既に社会人として働いている人と会い、職場の雰囲気や担当している仕事内容の事など就活に役立つ情報を質問することを指します。
企業のコーポレートサイトや募集要項などでは確認できない職場のリアルな情報を入手できるため 、OB 訪問は絶対にやっておいた方が良いです。
しかし、いざ社会人と会うとなると何を質問してよいかわからない人も多いでしょう。
本記事では OB 訪問で聞くべき質問をご紹介します。
何を質問すべきかわからない人はぜひ参考にしてください。
OB訪問は目的を決めよう
OB訪問におもむく際は、相手に何をたずねるかといった「目的」を決めておくのが効果的です。
就活の中で、訪問に使える時間は限られています。
そして、その時間はすでに働いている相手の社員にとっても貴重なものです。
その時間を無駄にせず、自分にとっても実りのある機会にするためには、知りたいことの主旨をはっきりさせておきましょう。
一貫した目的をもっている方が、相手としても答えやすくなります。
就活を進めるうえで取得したい情報にはさまざまな種類があります。
ここでは特に聞いておくと良いテーマをまずは3つご紹介しましょう。
業界に関すること
OB訪問では、業界全体に関することも質問できます。
志望する業界については、なるべく多くの情報を得ておきたいところです。
現場で働いている人ならば、現状や実態についてよく知っています。
OB訪問は、そんな業界に関する情報についてたずねる絶好の機会です。
志望する業界について知りたいことがあれば、どんどん質問してみましょう。
業界全体の顧客の傾向や働き方といった特徴や現状は、応募して選考に進みたい企業を自分が選ぶうえでも重要な情報になります。
また、将来性を含めた今後の動向や展望も、その業界に足を踏み入れるならば把握しておきたい情報です。
就活の早い段階でOB訪問を実施するならば、業界研究も兼ねた質問をするのも1つのプランとなります。
企業に関すること
OB訪問で社員と話をするならば、その企業に関する情報を聞くのも1つの手です。
企業研究として、パンフレットやWebサイトに目を通す機会は多いでしょう。
しかし、そういった外部向けの資料だけではわからない空気感なども存在します。
そこで、現在その企業で実際に働いている現役社員に直接話を聞くというわけです。
現場の雰囲気や業務内容、働き方によるキャリアの選択肢などは、その職場で本当に働きたいかを検討するうえで重要な情報になります。
また、具体的な社風や企業カルチャーを先に知っておけば、選考時のミスマッチを防ぐことも可能です。
企業研究における一押しとして、社員に直接話を聞けるOB訪問の機会を利用するのが良いでしょう。
就活に関すること
会社で働く現役の社員は、就活における先輩でもあります。
そういった先輩から就活の体験談を聞くことで、自分の就活で参考にできるのです。
いつ就活を始め、どのように進めたかを聞ければ、大まかな就活スケジュールの把握に役立つでしょう。
就活で参考にした資料やサイトを教えてもらえれば、そこに書かれた内容をそのまま自分のノウハウにできます。
また、ESや履歴書など、選考に必要な書類は一筋縄ではいかないこともあるでしょう。
OB訪問では、そういった書類も添削してもらえる場合があります。
「当時の自分はこのように書いた」という実例を聞けるため、より就活の実態に即した書類を作成することも可能です。
就活をどのように進めるかについて悩んでいる場合は、OB訪問で就活の経験についてたずねてみるのも良いでしょう。
OB訪問で聞くこと①業務のこと
OB 訪問の段階で志望する業界や業種がある程度絞れている人は、業務のことを聞くのが効果的です。
同じ職種でも業界や所属する企業によって仕事内容が異なります。
その仕事全体について理解を深めるためにも、是非業務のことを聞いてみましょう。
業務内容
将来、その仕事に就くべきか迷っている方にとって具体的な業務内容を知ることはとても重要です。
入社してから思ってた仕事と違うと気づいてもすでに後の祭りです。
入社後のギャップが生じないために詳細な業務内容を質問してみましょう。
一日の流れ
仕事の1日の流れを把握することで自分がその会社に入社した時の働き方がイメージできます。
採用パンフレットなどでも面白い情報は掲載されている場合が多いですがよりリアルな情報を把握するために、OB 訪問の機会に聞いてみましょう。
仕事でやりがいを感じる場面
先輩がどういった場面でやりがいを感じたのか確認するのも大切です。
仕事に対する価値観は人それぞれですが、お金よりもやりがいが重要だと考える人は多いものです。
人によってやりがいを感じるポイントは異なります。
先輩がやりがいを感じた部分には共感が得られない場合もあるでしょう。
そのため、一人だけではなく複数の先輩に聞いた方が良い質問でもあります。
自分が抱くその仕事に対するイメージと先輩が述べたやりがいがマッチングすると、一気に入社意欲が高まることでしょう。
仕事で困ったことや業務上のトラブル
仕事ですから良いことばかりではありません。
困ったことや業務上のトラブルは必ず生じます。
その会社に入社したときに実際どのようなトラブルがあるのか知っておくと、その仕事が自分に合うか、良い判断材料となるでしょう。
仕事内容に魅力を感じていてもクレーム対応が多かったり、他部署との軋轢など業務とは関係ない点に気を使う等の状況であれば、応募するか再検討することも考えられます。
ネガティブな側面も含めて実態を詳しく把握することで、本当に自分に合う企業を見つけられる可能性が高まりますよ。
OB訪問で聞くこと②業界内での企業の立ち位置
エントリーシートや面接などで志望動機を述べる際は競合他社ではなくなぜその企業なのかという点を明確にすることが大切です。
そのためには業界内での企業の立ち位置や強みを把握しておく必要があります。
OB 訪問を利用して業界内での企業のポジションをしっかりと把握しましょう。
この業界で働く理由
先輩がなぜこの業界を選んだのか知っておくと、自分の志望動機を考える上でも参考になります。
実際に内定を獲得した人の志望動機ですから、就活の際かなり役立つ情報です。
どういった志望理由なら、採用担当者に響くのか考える上で大きな判断材料となります。
この企業で働く理由
なぜこの企業を選んだのか先輩の志望理由を参考にしましょう 面接面接官に伝えた志望理由を質問しても良いですし、福利厚生や年収など面接では伝えることができない本音の部分を聞いてみるのも良いかもしれません。
「なぜこの企業を選んだのか」という部分は志望理由を説明する際で核となる部分なので、参考にできる情報は全て利用し、自分の志望動機作成の際の参考としましょう。
競合他社と一線を画すこの企業ならではの強み
企業のホームページには注力する事業内容や自社ならではの活動点特徴などが記載されています。
こうした情報は全ての人向けの一般的な情報なので、実際に入社した後感じる印象とは隔離する可能性も高いです。
OB 訪問の場を利用し、入社後に感じたリアルな強みを聞いてみましょう。
面接で先輩に聞いた強みを伝えれば「この子はよく研究しているな」と効果的なアピールが可能です。
この業界の将来性への展望
企業や業界の将来性にも着目してみましょう。
興味がある仕事だからといって、業界自体が斜陽産業だったり企業の経営状態が芳しくなかったりして、倒産に追い込まれたらせっかく採用されても意味がありません。
社内に身を置く社員の将来性に対する展望は非常に重要な情報です。
OB訪問で聞くこと③企業カルチャー
志望する企業は自分に合うか判断する際は、その企業のカルチャーを考えてみるのが大切です。
例えば、飲み会が多く体育会系気質の会社では大人しめの性格の方は合わないかもしれません。
また、若いうちからバリバリ働きたいと考えていると年功序列の環境は不満に感じる可能性が高いです。
OB 訪問で企業カルチャーに関するリアルな情報を入手し、自分にマッチするか考えてみましょう。
この企業の社風
フラットなのか上下関係が厳しいのか、個人主義なのかチームで進めるのかなど企業の社風に関する質問を投げかけましょう。
企業内部に身を置くことで改めて感じる文化というのはあります。
自分だけで就職活動を行うと見えてこない部分でもあるので OB の方から情報を仕入れましょう。
若いうちから活躍できる環境があるか
ベンチャー企業は若いうちから活躍しやすい環境が備わっている傾向が強いです。
一方、大企業や公務員など昔ながらの企業では、年功序列の慣習が根強く残っているでしょう。
ただグローバル化や IT社会の進展を受けて。
こうした特徴にも変化が生じてきています。
自分では年功序列と考えていても、実際は改革に取り組み変革が生じている可能性もあるので、 OB 訪問でフレッシュな情報を仕入れましょう
社員の横のつながり・交流
社内イベントは開催されるのか・飲み会の頻度はどれくらいなのかといった、社員同士の繋がりの事を聞いてみるのも良いでしょう。
特に、酒が飲めない人は社内の飲み会の頻度は気になるところです。
また、横のつながりがある会社なら相談相手も見つけやすいですよ。
社員にはどのようなタイプが多いか
どのような性格・価値観の社員が多いか質問してみましょう。
職場で人間関係に悩む人も多いですが、人間関係でトラブルを生じないためには自分と合う人たちの中で働くことが大切です。
企業を選ぶ上で「ヒト」は重要な要素です。
社員に多くいるタイプと自分の性格がマッチしていれば気持ちよく働ける可能性が高いので、社員に関する質問を投げかけましょう。
OB訪問で聞くこと④職種について
同一企業内でも職種によって求められるスキルや業務内容が異なります。
実際にその職種で働いてみて感じたリアルな体験談や感想を OB 訪問の場を利用して聞いてみましょう。
この職種を選んだ理由
職種のどの点に魅力を感じたのか聞いてみましょう。
また、実際に働いてみて入社前に抱いていたイメージとギャップが生じたか確認するとより深みがある質問となります。
この職種にはどのような特徴があるか
実際に働いて感じた職種の特徴を聞いてみるのも良いでしょう。
「営業ならコミュニケーション力」、「コンサルタントならロジカルシンキングなど一般的な内容はネットでも入手できるかもしれません。
コミュニケーション力と一口に言っても、相手の話への理解を示すことや自分の気持ちをうまく伝えることなど、具体的に求められる力は様々。
この職種に必要となる詳細な能力を確認すると有意義なOB訪問となるでしょう。
他に経験したい業務は?
やりたい仕事を経験して自分の価値観が変わる可能性もあります。
また、社内に身を置くことで魅力的な環境の部署が見つかるかもしれません。
そのため他に経験したい業務は何か聞いてみたほうが良いでしょう。
業務内容だけでなく経験したいと感じた理由も合わせて聞いてみましょう、
配属や異動制度はどんなものか
入社後のキャリアプランの参考となるため、配属や異動制度のことも聞いてみましょう。
移動の頻度はどれくらいなのか・配属希望は通るのかといった社員でしか得ることのできない情報を入手しましょう。
OB訪問で聞くこと⑤福利厚生
企業説明会やホームページでは、学生を集めるために良い情報しか教えてくれません。
特に福利厚生の場合はそれが顕著です。
ワークライフバランスや残業時間など、社員の本音を聞き取りましょう。
有給は取りやすい環境か
有給の取りやすさは、他の社員も取得しているかどうかによって大きく変わります。
「周囲の有給取得率はどれくらいなのか」「先輩は実際に休暇を取得できたのか」など具体的な情報をヒアリングしましょう。
産休・育休の取得率は?
女性の場合、ライフステージの変化に応じて、どうしても長期休暇を取得する確率が高いです。
産休や育休の取得率はどれくらいなのか確認することは大切です。
働き方改革の影響を受け、女性が働きやすい環境を整え始めている企業も多いので、取得率と合わせて制度内容の確認もするとよいでしょう。
残業はどれくらい?
実際の残業時間は社員に聞いてみないと分からない情報です。
その人との関係性にもよりますが「残業したくない」という態度が透けて見えるような質問の仕方をすると失礼にあたるので質問の仕方には注意です。
女性管理職の割合
女性で出世志向の高い方は女性管理職の割合も気になるところでしょう。
「実際に女性で管理職の人は周りにいるのか」「いたらその人にはどのような特徴があるのか」聞いてみてください
OB訪問で聞くこと⑥就職活動について
会社に関係する情報ももちろんですが、転職活動に関するアドバイスや情報も大切です。
就活を勝ち抜いた先輩方から有意義な情報を仕入れてください。
どのように就活を行ったか
「いつから就活を始めたのか」「就活を行う上で利用した書籍やサイトなどはあるか」といった就活の方法に関して、確認してみましょう。
自己PRはどうしたか
エントリーシートや面接で核となる事項のひとつが自己 PR。
どうやって作成したら良いか悩む人が多いです。
先輩がどのような長所をアピールしたか把握することで、企業に刺さるポイントを把握することができます。
志望動機はどうしたか
志望動機も自己 PR 同様、就活で核となるポイントのひとつ。
何を志望動機にあげたのか知ることで、志望動機作成の際の大きな参考となります。
可能であれば、志望動機に対する面接官の食いつき具合なども確認できたらよいでしょう。
就活で役立った経験
就活で自分をアピールする際に役立った経験は何か聞いてみてください。
自分の強み述べる際に補強するエピソードはどんな体験から得られたのか、企業選びで参考になった経験はあるのかなど、具体的な質問を投げかけると先輩も答えやすいでしょう。
OB訪問の注意点
OB訪問ではさまざまなことを聞けますが、なんでも聞いていいわけではありません。
質問をするうえで、相手のプライバシーに踏み込むような内容は避けるなど、常識的な言動を心がける必要があります。
そういった、失礼にあたらないようにするという観点からいうと、時間は必ず守ることも重要です。
また、訪問の前後にはリマインドやお礼のメールを送るなど、当日以外にも気配りできると、より印象が良くなります。
相手の社員は忙しい中わざわざ自分に時間を割いてくれていることは忘れないようにしましょう。
調べてわかることは聞かない
OB訪問は企業研究にも使えます。
しかし、それでもパンフレットやWebサイトで調べればわかるような内容は、質問としては避けた方が良いです。
貴重な機会だからこそ、この時間にしか聞けないことを聞くのが建設的でしょう。
また、調べればわかることをわざわざ聞くのは「自分はこの企業について下調べをしていない」と告白しているようなものです。
これに対して、相手はあまり良い印象を受けないでしょう。
選考の段階でこそないものの、そういったマイナスのイメージをもたれてしまうのは、得策ではありません。
「時間を無駄にしない」「相手に失礼な印象を与えない」という2つのポイントから、調べてわかるような内容はたずねない方が無難です。
したがって、相手の企業に関する基本情報はしっかり調べてから臨みましょう。
マナーに注意する
OB訪問の際は、くれぐれも失礼のないよう、マナーに気をつけなければなりません。
うっかり失礼を働いてしまうと、自分の印象が悪くなるだけでは済まない場合もあります。
避けるべきは、今後OB訪問を予定していた同輩の就活生や、後輩が訪問を考えたときに取り合ってもらえなくなる可能性です。
アポイントの取得からOB訪問当日、そして後日のお礼に至るまで、礼儀正しく接します。
言葉づかいや話を聞いている最中のリアクションなど、相手が快く話せる工夫をしてください。
また、OB訪問が終わったら、あらためてお礼のメールを忘れずに送りましょう。
一般的なお礼状のように、お礼のメールも早めに送る方が印象は良くなります。
今後も関係を継続して就活のアドバイスをもらえる可能性が高まるなど、自分にとってのメリットもあるため、きちんとした態度で臨むことは
まとめ
OB 訪問で聞くべきことを24個列挙しました。
ポイントは社員でしか知ることができないリアルな情報を聞いてみるという点です。
社内の内情や会社の雰囲気、福利厚生など良い点だけでなくネガティブな側面も含めて知ることができると OB 訪問はとても有意義なものになるでしょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート