エントリーシートの志望動機に地元愛はアリ?地元愛をアピールする際の注意点やポイントとは

エントリーシートの志望動機に地元愛はアリ?地元愛をアピールする際の注意点やポイントとは

「卒業後は地元で就職したいけど、就活はどうすれば良い?」 「地元だからという理由だけでは、面接の時に不利になる?」

このように、就活をする上で「地元だから」という志望動機をお持ちの人も多いことでしょう。

本記事では、地元が好きだという気持ちが志望動機として通用するかということと、志望動機で「地元だから」と伝える際の注意点地元で働きたいということを面接官に上手く伝える例文などを紹介しています。

この記事を読み、地元だからという理由以外に、なぜ自分が地元で就職したいのかをよく理解し、採用担当者へ伝える内容をまとめ、うまく伝えられるようになりましょう。

この記事を読んでわかること
  • 地元で働きたいを志望理由にするための考え方
  • 地元で働きたい理由を上手くアピールする方法
  • 志望動機で使える構成例
この記事をおすすめしたい人
  • 志望動機で地元で働きたいことを書きたい人
  • 地元の企業に就職したい人
  • 地元愛を伝えるときのポイントを知りたい人
  • 志望動機の伝え方が難しいと感じている人

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【地元で働きたい理由】地元で働きたいは志望動機になる?

地元愛は志望動機になるでしょうか。これについて一概には言えません。

簡単に言うと、地元愛が強いことがアピールとして通じる企業も、通じない企業もあるのです。

企業研究をして、自身が志望する企業に地元愛が通じるのか見定めるしかありません。

「地元で働きたい」だけでは不十分

結論として「地元で働きたいという理由」だけでは、志望動機は不十分です。単に地元で働きたいというだけでは、企業側から「他の地元企業ならどこでも良いのではないか」と思われてしまう可能性があります。

企業は、自社で働くことに対して強い意欲や共感を持っている人を求めています。したがって、地元で働きたいという理由を述べる際には、その企業だからこそ実現できることであり、自分がその企業で働くことでどのような貢献ができるかをしっかりと伝える必要があります。

志望動機として地元愛を表現することは悪いことではありませんが、それだけに頼ると説得力を欠いてしまうため、企業にとって魅力的な人材だとは思われにくくなってしまいます。

したがって、地元で働きたいという思いを伝える際には、その企業で働くことがどのように自分の目標達成と結びついているのか、具体的に示すことが重要です。

なぜ地元で働きたいのかを伝える

志望動機で地元で働きたいことを伝える場合、その理由をしっかりと説明し、企業の業務やミッションとつなげることが大切です。

地域に根ざした企業であれば、その企業の事業が地域社会に与える影響や、自分がどのように地域貢献に携わりたいかを具体的に述べることが有効です。

例えば、イベント事業を行う企業に応募する場合「地域の文化やコミュニティを活性化させるために自分の力を発揮したい」などの理由を志望動機に加えることで、具体的にどのように貢献できるかを明確にできます。

また、企業の業務内容と自分の目標が共通していることを示すことができれば、「地元で働きたい」という希望は、十分に志望動機として成立します。

地元志向が評価される場合もある

地元で働きたいという志望動機は評価が悪くなってしまうのではないかと考える人もいるかもしれません。

しかし、この地元志向が評価される場合も十分にあります。例えば、近年では全国転勤の大手企業でも望まない転勤をなくす傾向が増えています。そのため、首都圏などの人気なエリアの社員が増えてしまい、地方勤務の人が減っているという状況もあります。

そういった中で、地方の地元勤務を志望すると歓迎され、相対的に評価が上がる場合があります。このように、地元で働きたいという志望動機も場合によっては強く評価されることがあるので、深く心配する必要はないでしょう。

【地元で働きたい理由】「地元で働きたい」に企業が抱く印象

地元で働きたいという志望動機を伝える際に、企業が抱く可能性のある印象について詳しく解説をしていきます。

「地元で働きたい」だけでは就活生の本当の理由がわかりません。

どのような意図で聞いているのか把握しておきましょう。

「地元で働きたい」に企業が抱く印象
  • 地元で働きたい目的は何か
  • 自分本位な理由でないか
  • 都会に戻ってしまわないか

地元で働きたい目的は何か

企業は、応募者がなぜ地元で働きたいと考えているのか、その目的や理由を知りたがっています。

そのため、就活生の志望動機や将来のビジョンを理解し、地元で働きたいだけでなく、企業への熱意や早期離職しない人材かを確認しています。

就活生が地元で働きたいという理由には、家族や地域への愛着、地域社会への貢献、ライフワークバランスの実現など様々な要因があるため整理をして伝えていきましょう。

自分本位な理由でないか

自分本位な理由になっていないかを考えてから話すことが、地元で働きたいという志望動機においては重要です。

ただ「地元に帰りたい」「実家に住みたい」といった自分本位な理由を説明してしまうと、「自分のことしか考えていない人物だ」と思われてしまう可能性があります。

企業で働くとなると、すべてを企業に捧げなければならないというわけではありませんが、自分本位な働き方をする人はあまり重宝されません。

したがって、本音の志望動機がただ「地元に帰りたい」「実家に住みたい」というものであったとしても、建前の志望動機は少なくとも、自分本位ではない、別の何かにする必要があると言えます。

会社や地元にどう貢献したいのかを明確に伝えましょう。

都会に戻ってしまわないか

会社側は、地元で働く意志を示す一方で、将来的に東京などの都会に転職する可能性があるのかを懸念する場合があります。

地元での長期的なキャリアビジョンを示すことで、採用担当者へ就活生自身の意欲があることを明確に伝えることが重要です。

また、地元における強みやネットワークの活用方法を具体的に説明することで、地元での活動が有意義であると理解されやすくなります。

【地元で働きたい理由】「地元で働きたい」の伝え方

では、志望動機において地元で働きたいことを伝える際には、どのようなポイントに気をつけなければならないのでしょうか。

以下の点を踏まえた上で伝えることで、よりあなたの志望動機に深みが増し、良い印象を与えられる可能性が高まるため、ぜひ参考にしてください。

「地元で働きたい」の伝え方
  • 地元で何をしたいのか伝える
  • どうやって地元に貢献するのか伝える
  • 地元への想いを伝える

地元で何をしたいのか伝える

地元で働きたいと伝える際には、ただ地元で働きたいというだけでなく、具体的に地元で何を実現したいのかを明確に示すことが重要です。

例えば、地元の経済活性化や文化発展に貢献したいという目標がある場合、それを企業の活動と結びつけて伝えることで、説得力を持たせられます。

例えば「企業が推進している地域イベントを通じて、地元の文化を広め、地域住民とのつながりを強化したい」など、自分の目標と企業のビジョンをリンクさせると良いです。

これにより、企業側は応募者が地元に対して明確なビジョンを持ち、その実現を自社で行いたいと考えていることを理解しやすくなります。

このように、地元で何をしたいのか具体的に伝えることで、「地元愛を叫んでいるだけ」ではなく、実際に行動に移す意思があることを示すことができるのです。

どうやって地元に貢献するのか伝える

ただ「地元で仕事を頑張りたい」「地元に貢献したい」という抽象的な理由を説明するのではなく、どのように地域に貢献するのかについても伝えなければなりません。

例えば、「地元で働くことを通じて地元産業の発展に貢献したい」といった志望動機を述べる場合、その実現方法についても具体的に伝える必要があります。

企業の中でどのような役割を果たし、どのような仕事を通じて地域に貢献できるのかを示しましょう。

例えば「貴社の地域振興プロジェクトに携わり、地元の特産品を全国に広める活動を行いたい」というように、自分の役割と貢献の形を具体的に説明することが求められます。

これにより、応募者が地元への貢献に真剣であることが伝わり、志望動機としての説得力が増すのです。

地元への想いを伝える

地元で働きたいという思いを伝える際には、地元への強い思いを率直に表現することも重要です。

企業の中には地元採用を重視しているところも多く、地元で働くことに対する熱意や理由をしっかりと伝えられれば、企業側から共感を得られます。

例えば「地元で家族と共に暮らしながら、長期的に地域社会に貢献したい」といったライフプランや家族とのつながりを重視する姿勢を示すことも選択肢の1つです。

また、地元に対する愛着やその地域で育った背景などを交えて話すことも、応募者の地元への深い理解と愛情が伝わりやすくなるポイントです。

企業は、地元に根付いて長く働いてくれる人材を求める傾向があるため、企業の業務内容や貢献について話すことは大切ですが、率直に「地元がなぜ好きか」を正直に話すことも選択肢の1つであると言えます。

【地元で働きたい理由】その会社で働きたい理由を伝える

地元で働きたいという思いは、就職活動において大きな強みになります。

しかし、単に地元が好きだからという理由だけでは、企業にあなたの熱意や貢献意欲を伝えるのは難しいでしょう。

なぜその会社を選んだのか、そして入社後にどのような活躍ができるのかを具体的に示すことで、採用担当者に響く志望動機を構築できます。

そのためには、自己分析を通じて就活の軸を明確にし、その軸と志望企業の特性をどう結びつけるかが重要です。

また、入社後のキャリアプランまで具体的に描けていると、あなたの入社への熱意がより一層伝わるでしょう。

就活の軸を明確にする

就職活動において、企業選びの際に特に譲れない部分が就活の軸です。

すでに就活を始めているものの、まだ軸について意識していなかったという人もいるかもしれません。

しかし、これまでにどのように企業を選んできたかを振り返ることで、逆算的に分析し、あなたの潜在的な軸を見つけ出すことができます。

例えば、どんな仕事に興味を持ち、どんな点に魅力を感じてきたのかを掘り下げてみましょう。

あなたの経験や価値観に基づいた軸を明確にすることで、企業選びの基準がはっきりし、志望企業に対して説得力のある説明ができるようになります。

企業選びの軸の考え方

企業選びの軸を考えるには、徹底的な自己分析が不可欠です。

仕事を通じて何を成し遂げたいのか、何にやりがいを感じるのか、仕事とプライベートどちらを優先したいのかといった問いについて深く考えることで、どのような会社があなたに合っているのかが見えてきます。

そのためには、これまでの人生を振り返る自分史をはじめとした自己分析を行い、あなたの価値観を明確にしてみましょう。

また、一人で自分を知るのには限界があります。

友人や家族に自分の印象や強み、弱みについて尋ねる他己分析もおすすめです。

自分では気づけなかった価値観や強みを発見できるので、ぜひ試してみてください。

様々な業界を見てみる

早いうちから一つの業界に絞るのではなく、様々な業界について調べてみることも必要です。

それぞれの業界がどのような事業を行っているのか、その業界に進むとどのような経験ができるのか、そして自分のやりたいこととどう結びつくのかを一つひとつ照らし合わせていくことで、それぞれの業界の特徴が浮き彫りになってきます。

幅広い業界に目を向けることで、当初は考えていなかった業界の中に、あなたの就活の軸に合う企業が見つかる可能性もあります。

そうやって多くの業界を見た上で、志望度が高いところを絞り込み、その後で具体的な企業をチェックするようにしましょう。

その会社の特徴を掴む

いきなり自分の志望動機を考えるのではなく、まずはその会社の特徴を掴むところから始めましょう。

会社のホームページなどに掲載されている基本的な公開情報はもちろんですが、インターンシップやOB・OG訪問で得た情報も整理し、その会社の強みや社風といった独自の部分を深く理解していくことが重要です。

そういった情報を元にして、あなたがしたいことやできることが、実際にその会社で実現できるのかを整理する必要があるでしょう。

表面的な情報だけでなく、その会社の文化や働き方、社員の雰囲気なども含めて把握することで、より深い視点から志望動機を形成できます。

競合との比較がおすすめ

一つの企業だけを見て情報をまとめるだけでは、他社と比較した際の特徴や強みを見つけることは非常に困難です。

競合する他社と比較をしていくことで、それぞれの違いや共通点が初めて明確になります。

その比較の過程を経て、その企業が業界内でどのような特徴や強みを持っているかがはっきりと見えてくるでしょう。

そうすることで、より具体的にその企業の特徴を掴むことができ、なぜこの会社なのかについて言及した際、説得力が増します。

単なる憧れや知名度だけでなく、客観的な比較に基づいた具体的な理由を伝えることが、採用担当者の心を動かすポイントになります。

キャリアプランを考える

実際にその会社に入社した後、あなたがどのようなキャリアを歩んでいきたいかを考えることも必要です。

前提として企業研究や自己分析は必須ですが、入社後のことを具体的にシミュレーションしていることで、あなたの志望度の高さを印象づけられます。

企業は、入社後に活躍してくれる人材を求めています。

あなたがその会社でどのように成長し、どのように貢献していきたいのかを明確に伝えることで、企業側もあなたの入社後の姿をイメージしやすくなります。

実際にどのようなキャリアを歩むことができるかについては、会社のホームページやナビサイトを活用してどう成長していけるのかを調べたり、OB・OG訪問でキャリアについて直接質問してみたりするのも良いでしょう。

【地元で働きたい理由】「地元で働きたい」がおすすめな企業の特徴

次に大切なのは、地元愛という志望動機が有効な相手(企業)であるかどうか、ということです。

しかしそういう相手ではなく、例えばその土地に来て日の浅い企業、企業と志望する学生との繋がりが見えてこない場合などは、地元愛と言われてもピンとこないのです。

地元愛を志望動機にする上では、そういった部分で問題が生じていないか、事前に調べるようにしておきましょう。

地元で働きたい、地元に恩返ししたいという意味で、上記のような企業にアピールする方法もありますが、そうなると今度は「地元に恩返ししたいだけなら、うち以外の地元企業でもいいよね?」という話になってしまいます。

その場合は、地元愛や恩返し以外に、純粋に企業に志望する動機も考える必要があります。

言い換えると、地元にこだわりがある企業ならば地元愛のアピールがプラス評価になります。

以下で詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

アピールが響きやすい企業の特徴

地元に位置することにこだわりを持っている企業については自身の地元愛をアピールすることができます。

企業にも地元愛があるかは重要なポイントです。

例えばトヨタなどであれば、豊田市、豊田町など、地元と本社に深い結び付きがあるのは一目瞭然です。

そこで育った人は小さい頃から自動車工場見学でトヨタ関連企業を訪れたり、両親や知人、親戚が実際にトヨタで勤務したりしている場合もあります。

そういうことであれば「私は地元愛が深く、幼い頃から御社(トヨタ)にお世話になり、父も御社の製造部門で勤務しながら私を育ててくれました。だから私も地元に根付いている御社に恩返しをしたいと考えております」

という発言に説得力が増しますし、相手も悪い気はしないでしょう。

他の場所でもいいのに地元にいる企業は地元愛がアピールとして有効な可能性が高いです。

業界の例:製造業、情報通信業、医療・福祉サービス業、公務員(特に地方公務員)、金融機関(地方銀行、信用金庫など)

アピールが響きにくい企業の特徴

中には他の地域では代替不可な理由から地元に身を置く企業もあります。

例えば、地価が安い場合や、十分な土地の広さがある条件などを考えた際、あなたの地元が企業にとって一番都合がよかっただけの場合もあります。

この場合は、自分の地元愛が強いからといってそれが企業に向けて有効なアピール材料になるかは少し不安です。

このように、企業がなぜ地元に位置しているのか、理由によっては地元愛がアピールにならないケースも十分可能性があります。

業界の例:

全国転勤・海外赴任が多い業界(金融、総合商社、大手メーカーなど)。

グローバル思考が強く、海外勤務や国際的な業務が中心となる企業・職種(外資系企業の一部、日経グローバル企業の一部)。

ビジネスモデル上、特定の地域社会との直接的な接点が少ない企業・職種(完全リモートワークで、顧客も国内外に分散しているIT関連企業の一部)。

【地元で働きたい理由】志望動機を書く前に準備しておくこと

志望動機はただやみくもに、企業への熱意を伝えればいいというわけではありません。

熱意の伝わる志望動機を作るには、面接官に論理立ててあなたのことを説明しなければなりません。

つまりは志望動機を書く前の準備が、内容のクオリティに関係します。

この章では、志望動機を書く前に準備しておくことを紹介します。

志望動機を書く前に準備しておくこと
  • 自己分析を深める
  • 就活の軸を明確にする
  • 企業研究をする

自己分析を深める

まず、志望動機を書く前の準備として、「自己分析」は欠かせません。

志望動機に限らずですが、自己分析を通して、自分が過去にどういう経験をして、どういう価値観を持っていて、どういう人間なのかを整理しておくことは非常に重要です。

自己分析を通じて見えてきた将来やりたいことを、志望動機に繋げることで非常に説得力のある志望動機になります。

以下の記事に自己分析の方法についてまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。

就活の軸を明確にする

志望動機を考える際には、「なぜうちの会社を選んだのか」という点が特に重視されます

この質問に対して説得力のある答えを用意するためには、まず自分自身の就職活動における軸を明確にしましょう。

就活の軸とは、自分が仕事選びにおいて何を重視しているかという基準のことです。

例えば、技術力を伸ばしたい、社会貢献度の高い仕事をしたい、ワークライフバランスを大切にしたいなど、人によって様々な軸が考えられます。

明確な就活の軸があると、それを基に「なぜその業界を選んだのか」「なぜその会社を選んだのか」という質問への答えを導き出すことができます。

また、ぜひ以下の記事からあなたに合う就活軸を見つけてみてください。

企業研究をする

企業研究は、志望動機を考える上で欠かせないステップです

企業ごとに特色があり、その企業が何を大切にしているか、どのような人材を求めているかは異なります。

したがって、応募する企業のビジョン、ミッション、事業内容、研修制度、社風、過去の実績、将来の展望などをしっかりと研究し、理解することが大切です。

また、研修制度に関しては、その内容を詳しく調べましょう。

研修制度を通じてどのようなスキルが身につくのか、自分のキャリアビジョンとどのように繋がるのかを明確にすることで、志望動機に説得力を持たせることができます。

面接で研修制度について具体的に触れることは、その企業への深い理解と高い関心をアピールする良い機会になります。

企業研究はインターネットでの情報収集だけでなく、企業説明会の参加や現職者との情報交換など、多角的に行うことが望ましいです。これにより、一般的に知られている情報だけでなく、その企業の本質や文化をより深く理解することが可能になります。

【地元で働きたい理由】志望動機の構成はPREP法で作ろう!

志望動機 PREP法

志望動機を書く際には構成を意識して書くことで論理的で分かりやす文章を作ることができます。

具体的にはPREP法を使うとよいでしょう。これはビジネスの場でも用いられる手法であり、ESや履歴書だけでなく、面接で話すときにも意識しましょう。

PREP法

「Point(結論)」→「Reason(理由)」→「Example(具体的なエピソード)」→「Point(結論)」の順で構成する手法。

この順番で話すと自然に論理構造が意識できている文章がつくれる。

Point(結論)

まずは「なぜその企業を志望するのか」を簡潔に書きましょう。

ESや履歴書などのでは最初の1行目が最も重要とされているため、できるだけわかりやすく、伝えたい内容をしっかり伝えられるようにしましょう。

この結論の部分をおろそかにすると、応募数の多い会社では最後まで志望動機を見てくれない場合もあるので気を付けましょう。

読み手が理解しやすい書き出しを意識することで、企業の目に留まり、しっかりとアピールできるでしょう。

結論の書き方の例
  • 「〇〇という企業理念に共感しました」
  • 「△△という事業に興味があります」
  • 「〇〇というスキルを活かしたいです」
  • 「〇〇を実現したいため志望しました。」

Reason(理由)

結論を書いたら、必ずそれに対する理由や根拠を書きましょう。

書き出しでグッと興味を掴むワンフレーズは、インパクトこそ絶大ですが抽象的です。

そのため、結論に説得力を持たせるため、詳しい根拠を書く必要があります。

理由・根拠の記入例
  • 「貴社の〇〇というサービスを利用した際に感動しました」
  • 「〇〇の必要性を感じ、それに力を入れている貴社に興味を持ちました。」
  • 「〇〇の分野に興味を持っており、将来はその分野を広げる仕事がしたいと思うようになりました。」

Example(具体的なエピソード)

結論と理由を述べたら、それにいたった具体的なエピソードや実体験を述べましょう。

その志望動機を考えるに至った自分のこれまでの経験があるはずです。

それを述べることで、志望動機に根拠を持たせることができ、説得力の高い志望動機を作成することができます。

また、志望動機が同じような学生は多く存在しますが、根拠となるエピソードによって自分の志望動機にオリジナリティーが埋めれるため、差別化をしやすくなります。

エピソードの記入例
  • 「学生時代のアルバイトの経験で〇〇に疑問を持つようになり、これを解決したいと考えた。」
  • 「長期インターンの経験で〇〇の面白さを感じ、将来は〇〇を突き詰めていきたいと考えるようになった。」

Point(結論)

最後に結論を述べていきます。

最初に述べた結論とは異なり、「入社後に成し遂げたい事」や「貢献したい事」といった入社への意気込みを重点的に述べましょう。

この部分は志望動機の最後の締めになるため、意気込みや志望度の高さを採用側に伝えるように意識しましょう。

結論の書き方の例
  • 「このような経験から入社後は〇〇に挑戦したいです。」
  • 「この経験から〇〇の部分で貢献していきたいです。」

まとめ

最後に伝えたいことをまとめることで、あなたが何を思い、なぜ働きたいのか、どのように企業に貢献するかを再度印象付けることができます。

文章は起承転結になっていると読みやすいので、起(志望動機)承(理由)転(入社後どうなりたいのか)を書いたら、最後にまとめを書きましょう。

「以上のことから、私は貴社への入社を希望し、自己実現や貴社そして地域の発展のために、全力で頑張ります」など、シンプルなものでかまいません。

「長年続けてきたスポーツで培った粘り強さを武器に、努力していきたいと思います」など、自己PRと関連する記述を少し入れても良いかもしれません。

ただし、エントリーシートには多くの場合、自己PRや長所・短所を書く欄があるので、内容が重複しすぎないよう注意しましょう。

「地元が好きだから」を全面的に出したアピール例

ここまで地元愛をどのように言い換えてアピールするかをお伝えしてきました。

しかし、企業と地元とのつながりなどを見つけづらく、どのように言い換えればいいのかわからないという方もいるのではないでしょうか。

そこで、今回は志望動機で地元が好きだからと直接的に書きたいという方に向けて、次に例文を紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。

例文

私が地元で働きたい理由は「地元が好き」だということです。

また、単に「地元だから」という理由だけではなく、地元を活気付けたいと考えているためです。

自分の生まれ育った故郷で働きながら、御社での活動により、自分と同様に地元が好きだという人を増やしていきたいと考えています。

貴社を通じて地元をさらに魅力的にしていきたいです。

幼い頃から、地元の多くのイベントに参加した経験があります。

中でも、貴社と地元の自治体の協力により行われた町興しのイベントは、たくさんの方々が笑顔で楽しそうに参加しており、このような空間を共有することができたのは貴重な体験でした。

それ以来、私は地元を盛り上げている貴社に魅力を感じていました。

貴社がこの地元にターゲットを絞り、地域の人々のことを考えたサービスを提供しているという働き方と地元に貢献したいという私の意思は通じるものがあると考えました。

入社いたしましたら、地元で育った私しか知り得ないような地域の方のニーズを分析し、より地元を活気づけたいと考えております。

このように、企業が開催するイベントによって、地元に住む多くの人を感動させたいと考えています。

また、今まで自分のことを支えてくれていた地元と企業に対して、恩返しをしたいと考えています。

【地元で働きたい理由】志望動機で伝える際の注意点

志望動機において地元が良いと伝える際には、単純な理由では通らないので気を付けておきたい注意点がいくつかあります。注意しておきたいポイントをご紹介しましょう。

地元というワードにだけとらわれた志望動機だとただなんとなく地元で就職したいという学生と同じように扱われてしまい、書類でも落とされてしまう可能性もあるでしょう。

ではどのような注意点があるのでしょうか。

志望動機で伝える際の注意点 
  • 「地元で働きたい」だけの内容にしない
  • ネガティブな内容にしない
  • 「実家が近い」「親の勧め」だけにしない
  • 「地元愛」を押しつけがましくしない
  • 「地元就職しか考えていない」と言い切らない

「地元で働きたい」だけの内容にしない

志望動機で地元で働きたいことを話すのは悪いことではありませんが、単に「地元で働きたい」と言うだけでは、説得力が著しく欠けています。

なぜ地元で働きたいのか、そして地元の中でも特になぜその企業を選んだのかを明確にすることが重要です。

地元で働きたいというだけならば、他にも無数の企業が存在するはずです。

例えば、地元で育った経験から、その地域の特性に深く関わりたいと思う気持ちを伝えることで、その企業が地域に対してどのような影響を与えているか、自分がどのようにその一員として貢献できるかを具体的に説明すると良いでしょう。

地域社会への理解と自分の経験やスキルを結びつけることで、企業に対して説得力のある志望動機を作成できます。

ネガティブな内容にしない

地元で働きたい理由がネガティブなものであると、マイナスな印象を与えてしまう可能性が高いです。

他の地域に対するネガティブな発言や批判的な内容は避けるべきです。

例えば「大学では4年間東京で生活したが、人々が冷たかったから二度と東京に住みたくないと感じ、地元に帰りたいと思っている」といったマイナスな発言は、働く際にもマイナス思考でチームに悪い影響を与える可能性があると判断され、志望動機としての評価が大きく下がってしまいます。

代わりに、地元の魅力や自分が地元でどのように成長し、貢献できるかに焦点を当てて説明することが大切です。

ポジティブな視点から地元の良さを強調し、自分が地元でどのような価値を生み出せるかを具体的に伝えることで、企業に対して前向きで積極的な印象を与えられます。

「実家が近い」「親の勧め」だけにしない

「実家が近いから」「親の勧めで」などの理由は、正直で等身大の思いかもしれませんが、それだけを伝えてしまうと“受け身な印象”を与えかねません。

企業側からすると「この人は自分の意思で働く場所を選んでいないのでは?」と不安になる可能性もあります。

もし家庭の事情が関係しているのであれば、それを踏まえた上で「地元で長く安定して働きたいから」「地域に根ざした仕事がしたいから」など、前向きで主体的な理由に言い換えて伝えるようにしましょう。

「地元愛」を押しつけがましくしない

地元が好きという気持ちは素晴らしいことですが、それが強調されすぎると「ただ感情だけで志望している」「冷静な判断ができていない」と捉えられてしまうこともあります。

たとえば「〇〇市が大好きなので、絶対ここで働きたいです!」と熱意を強調しすぎると、かえって“自己中心的な印象”を与えかねません。

地元愛を伝える際は、「地元の特産品に可能性を感じている」「地域の課題解決に関心がある」など、具体的な理由や行動につなげて表現することで、好感度が上がります。

「地元就職しか考えていない」と言い切らない

面接で「地元でしか働くつもりはありません」と言い切ってしまうのはリスクがあります。

企業側は、「視野が狭いのではないか」「柔軟性がない人かもしれない」と感じる可能性があります。

本音として地元が第一希望であっても、「地元で働くことを軸に就職活動を進めています」「御社のように地域密着で活躍できる環境に魅力を感じています」など、柔軟性を持たせた表現にすることで、印象を和らげることができます。

【地元で働きたい理由】「地元で働きたい」のウケの良い言い換え表現

ここでは、「地元で働きたい」のウケの良い言い換え表現について解説したいと思います。

場合によっては、「地元で働きたい」という言い方では不十分、もしくは印象が悪いことがあります。

以下の言い換え表現を参考にし、志望動機を書きましょう。

ウケの良い言い換え表現

1.「地域に根ざした形で、長く働き続けたいと考えています」     
→ 安定志向や定着率の高さをアピールできます。

2.「地域社会に貢献できる仕事がしたいと考えています」     
→ 単なる場所の希望ではなく、貢献意識を加えています。

3.「慣れ親しんだ地域の方々の暮らしを支えたいという思いがあります」     
→ 地元の人々とのつながりや想いを強調できます。

4.「自分が最も力を発揮できる環境で働きたいと考えた結果、地元が最適だと感じました」     
→ 地元で働くことが自己成長やパフォーマンス向上につながるという視点。

5.「地域の特性を理解している自分だからこそ、より深くお客様に寄り添えると感じています」
→ 地元であることが仕事上の強みに結びついているという表現です。

【地元で働きたい理由】「地元だから働きたい」ということを伝える例文10選

面接の時に、地元だから働きたいという思いを上手く伝えることによって、面接官に良い印象を与えることができます。

単に「地元だから」という理由だけではなく、なぜ地元で働きたいのか理由を明確に伝えることが大切です。

ここから、地元だから働きたいということを伝える例文を紹介していきます。

地元が好きなことをアピールする例文

例文

私が地元で働きたい理由は「地元が好き」だということです。

自分の生まれ育った故郷で働きながら、御社での活動により、自分と同様に地元が好きだという人を増やしていきたいと考えています。

御社で働くことが可能になれば、会社を通じて地元をさらに魅力的にしていきたいです。

地元を活気付けたいことをアピールする例文

例文

私が地元で働きたいのは、単に「地元だから」という理由だけではなく、地元を活気付けたいと考えているためです。

幼い頃から、地元の多くのイベントに参加した経験があります。中でも、御社と地元の自治体の協力により行われた町興しのイベントは、たくさんの方々が笑顔で楽しそうに参加しており、このような空間を共有することができたのは貴重な体験でした。

このように、企業が開催するイベントによって、多くの人を感動させたいと考えています。

今まで自分のことを支えてくれていた地元と企業に対して、恩返しをしたいという気持ちもあり、地元で働きたいと思うようになりました。

地元の発展をアピールする例文

近年、地方では人口減少と高齢化が問題視されています。

かつてはにぎわっていた町でも生産年齢人口が年々減って、商店街が「シャッター通り」になってしまったという話も 頻繁に聞かれます。

東京などの都心部に企業も人も集中している状態は昔から指摘されてきたことですが、いよいよ地元産業の維持が危ぶまれている地域はとても多いのです。

もし「子ども時代を過ごした頃のにぎわいを取り戻したい」「地元をさらに活性化させていきたい」などの希望がある場合は、ぜひ志望動機に書いてみてください。

行政と連携して地域活性化の取り組みを行っている企業もあるので、企業研究をする過程で当てはまる内容を見つけたら、そこにフォーカスして書くのも良いでしょう。

例文

コロナ禍によってリモートワークが進み、地方や都心部などの働く場所や、働き方を縛られることが少なくなったように感じます。

「都心部に住み働く」というスタイルは、以前ほど重要視されなくなってきました。 私はこれを、地方で事業を展開している企業にとって、大きなチャンスだととらえています。

世の中が劇的に変化した今こそ、地元の企業や地域社会の発展に力を入れることで、人や企業・モノが都心部に集中している現状を変えたいと考えました。

地方が活気づいて一極集中型の世の中が変われば、経済全体も元気になると思います。

私は思い入れのあるこの地域で活躍されている貴社の発展に貢献しながら、貴社とともに地元産業の活性化に尽力していきたいです。

親の介護をアピールする例文

親などの介護が必要な場合には、地元で就職したい理由として明確です。親孝行をする姿勢が採用担当者に悪い印象を与えることはありません。

ここで注意したいのは「仕方なく地元で就職する」という印象を与えないことです。現状を説明したうえで、地元での就職をポジティブに考えていることをアピールするのがおすすめです。

また、介護が必要な家族がいることを最初に伝えると、のちのち配慮を得られやすくなることもあります。

逆に、入社したあとになって「実は親の介護で就業時間に制約があります」と申し出ると、「なぜ最初に言わなかったのか」と思われてしまいます。

しかし、最初から条件ばかりを主張するのは好ましくありません。「こういう事情がある」という説明にとどめておくのが無難です。

例文

長年病を患っていた父が、介護が必要な状態になりました。

母も高齢のため、1人で父の介護を担うのは難しい状況です。

一緒に父の介護をするためには、地元の企業に就職するという選択肢しかないのですが、地元だからこそ安心して働けると思っています。

また、生まれ育った土地で働き、地元に貢献できるのは、私にとって大変喜ばしいことです。

もともと貴社の事業内容も関心があったので、とても幸運だったと思います。

ホームページに掲載されている企業理念や、社員の皆様のお話なども拝見し、貴社であれば親孝行と自分自身のスキルアップを両立できると感じました。

入社後には両親を安心させるため、そして貴社に貢献していくために、少しでも早く仕事を覚えたいと考えています。

地元への恩返しをアピールする例文

生まれ育った土地に愛着がある場合「地元に恩返しをしたい」というのは、志望動機の核になっている部分かもしれません。

しかし「地元への恩返し」というワード自体は、地元愛を志望動機にする際の典型例でもあるため、それだけを書いてもインパクトに欠けます。

志望動機欄に書くときには、幼少期の思い出と重ねることによって、採用担当者の心に響きやすくなるでしょう。

特にその企業で長く働いている人にとっては、その土地の魅力を再認識できたり、志望者の話から以前携わったプロジェクトなどが思い起こされたりするので、印象に残りやすくなります。

その企業が地域のために行っている取り組みや、参加している地域行事などがあれば、ぜひとも内容に盛り込みたいところです。

例文

幼少期には、貴社が所有するバスケットコートを地域に開放してくださったおかげで、友人と毎日のように遊ぶことができました。

また、子どもの頃に地元の夏祭りに行くと、貴社のブースに立ち寄るのが何よりの楽しみでした。

着実に業績を伸ばしている一方で、そのような形で地域貢献にも力を入れてきた貴社に対して、深い感謝と尊敬の気持ちを抱いています。

入社したら、売り上げや業績アップに貢献することはもちろん、別の角度から愛する地元の発展にも寄与していきたいです。

企業として発展しながら、昔と変わらず地域との関わりを大切にしている貴社であれば、やりがいのある仕事を通じて自分自身を研鑽しながら、地元への恩返しができるのではないかと考えています。

地方創生をアピールする例文1

例文

私は地元である〇〇県〇〇市が、少子高齢化や若者の都市流出といった課題を抱えていることを身近に感じてきました。学生時代、地元の商店街が年々活気を失っていく様子を見て、地域を盛り上げるために自分にできることはないかと考えるようになりました。御社の〇〇事業(または「地域密着の事業展開」など)を通じて、地元の活性化に直接的に貢献したいと考え、地元で働くことを志望しています。自分が育った場所に恩返しをしたいという思いもあり、将来的には地域課題の解決に主体的に取り組める人材を目指したいと考えています。

地方創生をアピールする例文2

例文

私は生まれ育った地元が大好きで、この土地で暮らす人々や文化に深い愛着を持っています。今後は社会人として、その大切な地元の発展に貢献したいという思いから、地元での就職を強く希望しています。特に御社の〇〇事業は地域密着型であり、地元住民の生活に寄り添ったサービスを展開されている点に共感しています。生活者の目線を持ち、地域に本当に必要とされる価値を提供することで、地元の魅力を未来に繋げていける仕事をしたいと考えています。

地方創生をアピールする例文3

例文

私は将来的に、地元に根ざして長く働きながら、地域に持続的な価値を提供できる人材になりたいと考えています。地元は今、人口減少や産業衰退といった課題を抱えていますが、逆にそれはチャンスでもあると感じています。御社の〇〇のような事業を通じて、地元の強みを引き出し、地域活性化に貢献したいという想いから、地元で働くことを志望しています。地域とともに自分自身も成長し、10年後・20年後も「ここにいてよかった」と思えるような仕事を続けていきたいです。

地方創生をアピールする例文4

例文

私は大学進学を機に地元を離れましたが、外から地元を見つめ直す中で、その魅力と可能性を改めて実感しました。今後は、自分自身が地元に戻って働くことで、同じようにUターン・Iターンを考えている若者のロールモデルとなりたいと考えています。御社のように地域に根差し、多様な人材とともに課題解決に取り組む企業であれば、地元の地域創生に確かな形で貢献できると感じ、志望いたしました。自らが率先して地域との関わりを深めることで、若い世代の地元回帰の流れを生み出したいと考えています。

地方創生をアピールする例文5

例文

私の地元には、自然や伝統文化、農産物など豊かな地域資源があるにもかかわらず、それらを十分に活かしきれていない現状があります。これらの地域資源を活用したビジネスを通じて、地域経済の活性化や雇用創出に貢献したいと考え、地元で働くことを志望しています。御社の〇〇事業に携わることで、地元の魅力を発信し、持続可能な地域づくりの一翼を担いたいと考えています。地元の良さを外に伝え、内に活力を生む、そんな循環を生み出せる仕事を目指したいです。

【地元で働きたい理由】NG例文

地元で働きたいという思いは、就職活動においてポジティブな要素となり得ますが、伝え方を誤ると採用担当者にネガティブな印象を与えてしまう可能性があります。

特に、企業側のメリットよりも自身の都合や漠然とした地元愛ばかりを強調してしまうと、この学生は本当に当社で働きたいのか?という疑問を抱かせてしまいかねません。

ここでは、地元で働きたい理由を伝える際に避けるべきNG例文とその問題点について解説します。

実家が近くて楽だからという本音が見え隠れする

NG例文

私は生まれ育ったこの〇〇市が大好きで、慣れ親しんだ土地で働きたいと強く思っております。

貴社は実家からも通いやすく、生活基盤を変えずに済むため、安心して仕事に集中できると考えました。

地元である〇〇市で、安心して長く働きたいです。

この例文は、企業側のメリットが全く述べられておらず、会社への貢献よりも自分の都合が優先されている印象を与えてしまいます。

安心して長く働きたいという言葉自体は悪くありませんが、その理由が個人的な利便性だけでは、企業にとって魅力的ではありません。

企業は、交通の便が良いからという理由で入社を希望する学生よりも、自社の事業内容や理念に共感し、成長意欲を持って貢献してくれる人材を求めています。

この例文では、仕事への意欲や企業への貢献意欲が伝わらず、入社後の活躍も期待しにくいと判断されてしまうでしょう。

地元ならどこでも良いように聞こえる

NG例文

私は、地域貢献への意識が強く、地元である〇〇県に貢献できる仕事を探していました。

その中で、〇〇県に本社を置く貴社を見つけ、地域に根ざした活動をされている点に魅力を感じました。

地元企業の一員として、地域活性化に貢献したいと考えています。

この例文は、なぜこの会社なのかという点が非常に曖昧です。

地元にある他の企業でも通用する内容であり、企業への熱意や深い理解が感じられません。

地域貢献という言葉は立派ですが、具体的に貴社で何をして貢献したいのかがなければ、ただの理想論に聞こえてしまいます。

企業は、自社の事業や文化、そしてそこで働く社員に惹かれ、具体的なビジョンを持って入社を希望する学生を高く評価します。

漠然とした地域貢献という言葉だけでは、その企業でなければならない理由が伝わらず、入社への本気度が疑われてしまう可能性があります。

地元愛が強すぎて、企業への貢献視点が薄い

NG例文

私は、〇〇市の歴史と文化、そして温かい人々に心から愛着を持っています。

この素晴らしい〇〇市が今後も発展していくためには、若い力が必要だと感じています。

貴社も〇〇市を代表する企業として、長年地域経済を支えてこられた実績に敬意を表します。

私も貴社の一員となり、〇〇市のために尽力を尽くしたいです。

地元愛が強いということは伝わりますが、それが貴社でどのように活かせるのか、貴社の事業にどう貢献できるのかという具体的な結びつきが見えにくい例文です。

企業は地元愛が強い人を採用したいわけではなく、自社に貢献してくれる人材を採用したいという点を忘れてはいけません。

地域への愛着は素晴らしいことですが、それを企業の事業内容や求める人物像とどのように結びつけるかが重要です。

単なる感情論に終始せず、その地元愛が貴社で働く上でどのような強みとなり、どのように会社の成長に貢献できるのかを具体的に示すようにしましょう。

【地元で働きたい理由】志望動機でよくある質問

「地元で働きたい」という理由で志望動機を作成する際は、あらかじめよくある質問もチェックしておきましょう。

前もってよくある質問を見ておけば、志望動機を書くうえで不安になりやすいことやわかりにくいことを解消できます。

よくある質問は、以下の4つです。

タイトル 
  • 正直地元で働きたい以外の理由がありません
  • 志望動機の締め方がわかりません
  • 面接官に「他県の企業でもいいのでは?」と聞かれたら?
  • 企業側が納得する「地元で働きたい理由」とは?

地元で働きたいという理由をうまく志望動機に反映させられないときなどは、以下のよくある質問の回答をチェックしてみてください。

正直地元で働きたい以外の理由がありません

「地元で働きたい」という気持ちは志望理由として成立しますが、ほかの理由が見当たらないときや深掘りできないときは、改めて自己分析を行ったり企業について調べたりする必要があります。

例えば、地元で働くことで活かせる自分の強みや、企業とのつながりを考えることが大切です。

ほかには、地域への貢献や成長の視点を加えてアピールすれば、地元で働きたいという志望理由にはしっかりとした説得力が出てきます。

地元で働きたいという思いはれっきとした志望理由になりますが、それに付随する熱意やビジョンなどが見えてこないときは、深掘りが足りない証拠ととらえましょう。

改めて自分の強みや企業の特徴などを整理すれば、より説得力のある内容で志望動機が書けるはずです。

特に地元密着タイプの中小企業などは、地域への愛着や貢献の姿勢を重視しています。

そのような点も考慮しながら、志望動機を深掘りしましょう。

志望動機の締め方がわかりません

「地元で働きたい」という志望動機の締め方がわからないときは、まず、企業に対してどのように貢献できるかを考えましょう。

基本的に志望動機は、どのような内容であっても、最後は貢献や活躍のビジョンを明確に示すことが重要です。

自分の強みや熱意を活かして貢献したいという意思を伝えれば、強い思いや具体的なビジョンをもって志望していることがわかります。

企業も具体的な活躍・貢献のイメージが持てるため、採用を前向きに検討しやすくなるでしょう。

例えば「御社の〇〇に共感し、自分の△△の経験を活かして貢献したい」などの形が理想的といえます。

または、「長期的に成長しながら地域に貢献したい」といったように、成長意欲の高さをアピールするのもおすすめです。

面接官に「他県の企業でもいいのでは?」と聞かれたら?

面接の際に「他県の企業でもいいのでは?」と聞かれた場合は、答えに困らないためにも、地元で働きたい理由を具体的に説明する必要があります。

そのため、なぜ地元が良いのか、なぜ地域貢献に興味があるのかをしっかりと深掘りしておくことが重要なポイントです。

例えば「地域ならではの特性を理解し、地元の〇〇産業の発展に貢献したい」などの理由が有効といえます。

もしくは、「地域や家族とのつながりを大切にしながら、地元の発展を支えたい」などの視点でアピールするのも効果的であり、説得力を高められるでしょう。

就活の志望動機では、とにかく「その企業である理由」「その地域である理由」などをロジカルに説明できることが重要になります。

企業側が納得する「地元で働きたい理由」とは?

企業側が納得する「地元で働きたい理由」を示すなら、単に「地元が好き」と強調するのではなく、企業との接点を意識して伝える必要があります。

単純に地元が好きだという理由のみでは、説得力やインパクトに欠けるだけでなく、ほかの業界・地元企業を志望する場合でも当てはまってしまいます。

そのため、「なぜその企業で、なぜ地元なのか」を具体的に説明することが重要です。

例えば「地元に根ざした企業の強みを活かし、〇〇の分野で貢献したい」と伝えることが効果的といえます。

また、「〇〇地域が抱える課題を解決する仕事に携わりたい」など、自分のビジョンや過去の経験と絡めてアピールすることもおすすめです。

自分の意思や興味関心に関連する志望動機に仕上げられれば、より説得力・深みが増すため、採用担当者の印象に残りやすくなります。

志望動機は就活エージェントに頼ろう

志望動機の作成でどうしても煮詰まってしまうこともあるでしょう。このような時に頼りになるのが就活エージェントです。

就活市場エージェントは学生なら無料で会員登録して利用することができ、専任のエージェントが在籍されていることから志望動機の添削など相談にも乗りますので安心です。

そのほかにも、履歴書やエントリーシートについて相談をすることも可能ですし、企業の応募についてもしっかりサポートいたします。

ぜひ志望動機で悩まれているなら、信頼できる就活市場エージェントに頼ってみてはいかがですか。

志望動機で地元が好きなことを伝えるコツを知ろう

地元愛というのを志望動機にして面接やエントリーシートを乗り切るのは、それなりのリスクが伴います。

「私は潤滑油のような存在です」と同じように、企業の担当者が聞き飽きた言葉だから、というのがその最たる原因です。

しかし逆に、聞き飽きた地元愛という出だしから、魅力的な志望動機を語ることができれば、相手の印象に強く残ることができるでしょう。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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