コンサルタントに向いている人とは?仕事内容から向いている人の特徴を紹介

コンサルタントに向いている人とは?仕事内容から向いている人の特徴を紹介

いろんな仕事がある中で、コンサルタントとして働いてみたい方は少なくないと思います。

知的な専門職というイメージがあり、これからの不確かな時代を生きていく上で魅力的な職業として見られるようになり、最近注目されるようになっています。

学生の就職先ランキングでも上位にコンサルティング会社が見られるようになっていますし、転職先としてコンサルタント業に携わることを希望する人も年々増加しています。

人気が高まっているコンサルタントですが、どのような人が向いているのか紹介していきます。

コンサルタントとは

コンサルタントとは、どんな仕事なのでしょうか。

一言で言いますと、顧客の課題を明らかにし、改善の実現をサポートする仕事です。

通常、コンサルタント業務は、企業や自治体向けに、一定のテーマについて有償で実施するものを指します。

企業も自治体も、自らの活動内容について絶対の自信を持っているわけではなく、常に改善を模索しています。

また、新しい制度や時代の要請に対応するために進むべき方向性や体制改革などについてのアドバイスを求めています。

そうした顧客ニーズに応える仕事がコンサルタントの仕事です。

顧客の規模が大きくなるほど、一人での対応は難しくなりますので、コンサルタントの側も会社形態をとることが多くなります。

コンサルタントの仕事内容

続いて、コンサルタントの仕事内容についても紹介します。

コンサルタントの業務内容は多岐にわたりますが、代表的なものは以下の2つです。

ぜひ、それぞれ確認した上で、自分がコンサルタントに向いているか考えてみてください。

現状分析と今後の課題の抽出

まず一つ目は、調査を通じた現状分析と今後の課題の抽出です。

顧客の現状と問題点を明らかにするために、まず顧客の実態調査を行います。

顧客が企業であれば、事業現場の状況、商品やサービスの内容、業績・財務内容、人事や組織体制などを調査します。

いわば、人・物・金といった企業の基本要素を調査し、同業他社や業界動向も踏まえながら調査します。

顧客が市町村や地方公共団体の場合も、基本的には同様の調査手法をとります。

市民アンケートや関係者ヒアリング、あるいは海外先進事例調査などといった手法も取り混ぜながら、予算具合に応じて各種調査を進めていくことになります。

調査については、データの客観性を重視します。

すなわち、ある事象の時系列で見たデータ推移や、構成比の変化など実態把握に必要なデータを的確に収集・分析することが必要になります。

以上の各種調査を通じて、現状がどういう状態か、このままでいくとどうなるか、将来どんなことが問題となるかなどを明らかにしていきます。

課題の解決方策の提示、改善に向けたサポート

そして2つ目は、課題の解決方策の提示、改善に向けたサポートです。

調査の結果導き出された現状の問題点を踏まえ、課題解決の方策を示すと同時に、その実施に向けたサポートを行うことになります。

課題解決方策は、項目ごとに、時系列で示されるのが一般的です。

ここで求められるのは、納得感と実効性のある課題解決方法の提示となります。

顧客は、問題を明らかにするだけではなく、その解決による改善の実現を求めています。

そのため、顧客に問題点を理解してもらった上で、できるだけ明確にポイントを絞って、具体的な解決方法を提示することが求められます。

大きな調査になりますと、上記2つの調査内容を社内の他部署や別の専門会社を用いて分業することも珍しくありません。

例えばアンケートを専門に手掛ける調査会社も存在します。

コンサルタントのジャンル分け

コンサルタントはいくつかのジャンルに分けられます。

主なものを見ていくと、以下の通りです。

戦略コンサルタント

戦略コンサルタントはコンサルティング業界の中でも最も知名度が高く、企業の経営戦略を支援することを主な業務としています。

企業の事業方針や経営改善に対して全体的な視点から指導やアドバイスを提供し、特に経営層や上級管理職に向けて提案を行います。

戦略コンサルタントの業務はデータ分析や市場調査を基に、企業が持続的な競争優位を確立できるような戦略を立案することに焦点を置いています。

例えば、競争環境の分析を通じて、新規事業の立ち上げ方針や市場参入戦略を提示したり、コスト削減のための効率化プランを提供することなどが代表的です。

戦略コンサルタントには論理的思考力が特に求められ、複雑な課題を整理し、クライアントにとって最適な解決策を提案する能力が重視されます。

したがって、分析力と共に、経営者視点での判断力も必要とされ、ビジネスの最前線で活躍するためのスキルと知識が要求される職種です。

総合系コンサルタント

総合系コンサルタントは企業の経営改革や業務プロセスの改善、IT導入支援など、幅広い分野においてクライアントの課題解決をサポートする役割を担っています。

戦略コンサルタントとは異なり、戦略の立案からその実行支援まで幅広く対応することが特徴です。

例えば、業務効率化のためのプロセス改善や、ITシステムの導入支援、財務戦略の見直し、人事制度の改革など、クライアントの多岐にわたるニーズに応えることが仕事です。

クライアントの現場に密着して支援を行うことが多く、実際の業務に深く関わりながら変革を推進する姿勢が求められます。

総合系コンサルタントには幅広い分野の知識や、複数の専門分野を統合して課題を解決するスキルが必要とされます。

また、常に新しい知識を学び続ける姿勢や、好奇心旺盛で柔軟な対応力も重要です。

クライアントとの信頼関係を築き、長期的な視点で支援することが、総合系コンサルタントの大きな役割となります。

人事・組織コンサルタント

次は人事・組織コンサルタントです。

社員が最適な環境で能力を発揮するための処遇制度の構築や、企業が持つ人的資源の最適な配置を行います。

人事制度に関する法律的な知識も求められますので、このジャンルのコンサルタントとしては、社会保険労務士の資格を持つ人がよく活躍しています。

それから、財務・税務コンサルタントです。

これは、会社の資金運営、税務対策に関するコンサルタントですが、税金関係の専門知識が不可欠なことから、税理士の有資格者がこのコンサルタントを担っているケースが数多くあります。

以上は従来からあるスタンダードはコンサルタントです。

このほかにも、時代の要請に合わせて活躍している主なコンサルタントを以下に紹介します。

ITコンサルタント

まずはITコンサルタントです。

これは、進展する情報化社会に適合するために求められているコンサルタントです。

具体的には、経理関係の勘定処理システム化、社内外の情報ネットワークの構築などに関するコンサルタントです。

このコンサルタント業務に引き続いて、本格的なシステム構築プロジェクトへつなげるケースも多いです。

そのため、コンサルタント業務と、それに引き続くシステム導入業務を複数の系列会社などが連携して継続実施することがよくあります。

リスク管理コンサルタント

最近増えているのがリスク管理コンサルタントです。

近年、自然災害による被害が増加していますが、自然災害に限らず、企業のリスク管理の在り方について、課題抽出と解決方策を提示するコンサルタントです。

地震・火災といった災害リスクから、社員の健康管理上のリスク、情報漏洩リスク、そのほかのさまざまなリスクに備えるためのコンサルタントです。

このコンサルタント業務では、業務終了後、実際の保険契約につなげるケースが多く見られます。

そのため、保険関係の企業グループが協働して手掛けているケースがよくあります。

以上、コンサルタントのジャンル分けについて見てきました。

このほかにも、顧客の要望の種類に応じて、特化したマイナーなものまで含めると、実に多様なジャンルが存在しています。

コンサルタントの活躍の場は、顧客が抱える問題の数だけ存在するといってもいいでしょう。

コンサルタントに必要なスキル・能力

ここまで、コンサルタントのジャンルを大まかに説明してきましたが、ここではさらにコンサルタントの仕事をするうえで必要となるスキルや、能力にどのようなものがあるか見てみましょう。

ここであげるスキルや能力に自信のある人は、採用選考の際は積極的にアピールすると良いでしょう。

自己分析によって、その能力やスキルが自分の強みであることが裏付けられる具体的なエピソードを見つけておくと、志望動機や自己PRを考える際に役立ちます。

傾聴力

問題の解決方法を考えるためには、その問題の抱えている課題を見つけ出さなければなりません。

そして、顧客の課題を見つけ出すためには、顧客の悩みや意見を十分に聞き取ることが必要です。

そのため、コンサルタントには傾聴力が欠かせません。

顧客の話す言葉へ丁寧に耳を傾けることで、顧客自身も気づいていない潜在的なニーズを発見できる場合もあります。

その結果として本当の課題を見つけ出し、押しつけではない顧客の望む形での解決方法の提案ができるのです。

視野の広さ

コンサルタントの仕事では、課題解決のために柔軟な発想力が求められます。

また、課題解決の方法を考える際には、その問題の抱える本質を明らかにしなければなりません。

本質を見つけるためには、広い視点から問題を捉える必要があります。

問題点を明らかにしたり、解決方法を考えたりするときには、物事の一部分だけにこだわってしまうとうまくいきません。

コンサルタントは偏見をもたず、1つの考え方に固執せず、さまざまな角度から物事を見られる視野の広さが求められるのです。

問題分析力

問題の本質を見抜くための問題分析力がなければ、問題解決のための提案も見当違いのものになってしまいます。

丁寧な調査から物事を細分化し、構造を明らかにすることで、問題の原因が見えてきます。

解決すべき本当の問題がどこに潜んでいるのか、より内面的な分析ができる力は、コンサルタントの仕事にとっては欠かせない能力です。

常に物事を整理して構造化して考えられる人・原因と結果を正しく把握できる人は、問題分析力が備わっている人と言えるでしょう。

上昇志向

コンサルタントは、顧客の現状をより良くするためのサポートし、顧客の成長を促す仕事です。

そして顧客は、課題を解決し、成長することを望んでいます。

つまり、顧客の成功が、コンサルタントとしての成功と言えるでしょう。

良い結果を出すためには、顧客の成長しようとする姿勢はもちろんですが、コンサルタント自身も成長しようとする姿勢が大切です。

自身も上昇志向をもって「顧客と共に成長しよう」という姿勢で臨めば、コンサルタントとしてより良い提案ができるのです。

ストレス耐性

どんな仕事にも、多かれ少なかれストレスの種はあるものですが、ことコンサルタントの仕事は、顧客の望む結果に導けるかどうかが自分の提案にかかってきます。

そのため責任が大きく、思うような結果が出ないときのストレスは、はかり知れないものがあるでしょう。

また、さまざまなタイプの顧客に合わせて対応しなければならないため、やりとりがうまく進まずストレスになる場合もあります。

ストレスを抱え込まずに、常に前向きに仕事に取り込めるストレス耐性は、コンサルタントの仕事には大切な能力です。

コンサルタントに向いている人の特徴

それでは、コンサルタントに向いている人の特徴を具体的に見ていきます。

多くの職業同様、仕事に対して真面目に真摯に取り組むのは当然としても、コンサルタントならではの素養や必要とされる資質は確かにあります。

ここでは、大きく5点に絞って紹介します。

好奇心旺盛な人

好奇心旺盛な性格も、重要な要素の1つです。

コンサルタントの仕事は多岐にわたる業界や企業の課題に取り組むものであり、常に新しい情報や知識を吸収する必要があるからです。

クライアントごとに異なる業界やビジネスモデルに適応しなければならないため、未知の分野にも積極的に興味を持ち、深く学ぶ姿勢が求められます。

好奇心旺盛な人は新しい知識を楽しみながら学ぶことができるため、幅広い視点で問題を捉え、最適な解決策を見つけ出す力を備えています。

また、現場ではクライアントごとに異なる複雑な課題に柔軟に対応する必要があります。

新しい挑戦に対して前向きに取り組み、常に「もっと知りたい」「より良い解決策を見つけたい」という探究心を持つ人こそ、次々と現れる課題に対して迅速に適応し、質の高いサポートができるでしょう。

体力がある

まず、基本的はことですが、体力が必要です。

コンサルタントというと、インテリのイメージがあるかもしれませんが、綿密な調査の実施と分析、顧客との膝を付け合わせての協議、明確で説得力のある解決方策の提示とその実現に向けたサポート実施といった、実にハードな業務です。

請け負っている業務の数や勤務環境にもよりますが、時には夜遅くまで調査分析や課題検討に時間を割くことも珍しくはありません。

こうした難関を通過していくためには、それ相応の体力とタフさが必要になります。

コンサルタントを行う顧客先にもよりますが、大きな現場をいくつも抱えているメーカーの実地調査や、膨大で複雑な実務データを抱えている事業者の分析作業は物理的にもハードです。

単にオフィスでパソコン相手にレポートをまとめられれば良いという楽なものではありません。

コンサルタントには、実態調査をやり切る体力が、まず持って必要不可欠です。

さらに、関係者との打ち合わせも時間と体力を必要とします。

コンサルタント業務は顧客と緊密な連携を必要とします。

都度、顧客先へ出向いて、打ち合わせを重ねることが求められますので、そういった面でも、フットワークの軽さ、基本的体力の有無が問われます。

論理的思考能力がある

コンサルタントの調査において求められることは、検証可能な客観性のある結果です。

単なる印象や推測では顧客を納得させることはできません。

各種の実態調査を踏まえ、なぜそういう結論が導き出されるのか、明解に示せなければなりません。

そのためには、論理的思考が不可欠となります。

コンサルタント業務においては、筋道の通った理論展開ができる能力が求められます。

それがなければ、適切な解決策を示すこともできず、顧客に満足のいく成果を約束できません。

論理的思考の巧拙が、コンサルタントの成否を決めるといっても過言ではありません。

それぐらい重要な素養といえます。

言語化できる

コンサルタントの仕事は、顧客の抱えている課題に対しての解決方法を提案し、実現に向けてのサポートを行うことです。

課題解決に向けての方策を顧客に正しく伝えたうえで、それに対して十分な納得を得られなければ、実現に向けてのサポートが効率良くできなくなってしまいます。

どんなに良い解決方法を導き出せたとしても、自分の考えをわかりやすく言語化し、正しく顧客に説明する力がないと、コンサルタントの仕事はうまくいかないのです。

コミュニケーション能力がある

コンサルタントの相手は、個人事業者であれ、企業であれ、結局のところ最後は人次第となります。

個人の事業者についてはもちろんですが、企業であれば、コンサルタントを依頼してきた部署の担当の方々や、その上司、さらには経営層にコンサルタント内容について、納得してもらわなければなりません。

そのためには、適切なコミュニケーション能力が必要となります。

独りよがりの押し付けや、説得力のないプレゼンテーションをしていても、顧客の信頼は得られず、納得してもらえません。

コンサルタントに向いていない人の特徴

次に、コンサルタントに向いていない人の特徴について見てみましょう。

以下のような特徴がある人の場合、残念ながらコンサルタントを目指すことには、ハンデがあると言わざるを得ません。

明らかに当てはまる場合は、その特徴を改善するように努力するか、それがどうしても無理ならば、コンサルタントを目指さず、より適切な仕事を考えたほうが賢明かもしれませんので、参考にしてください。

数字が苦手

コンサルタント業務における調査には、客観性に基づく説得力が求められます。

数字は、最も人を客観的に納得させる上で必要な指標です。

この扱いが苦手というのであれば、コンサルタントの調査には向いていないといえます。

特に経営や業績改善の分野では、数字を使った分析は避けて通りません。

そもそもコンサルタントが信頼されるのは、正確で説得力がある調査・分析が行えることに根差しています。

この点ができない、苦手というのは、コンサルタント業務の基本が苦手と言っているのに等しいことになってしまいます。

頭を使うのが苦手

課題を抽出し、解決策を考え出すには、現状分析力と、課題解決能力、すなわちソリューション能力を発揮することが必要となります。

顧客のために、調査結果をにらみながら、あれこれと頭を使って、問題の本質と課題解決策を考えることこそ、コンサルタントの役割です。

そもそも業務本来の性質そのものからいって、コンサルタントは頭を使うことを大いに求められますが、それが苦手ということになりますと、コンサルタントであることは難しいということになります。

頭の使いどころこそが、コンサルタントの売りの部分であり、価値といえます。

逆の言い方をすれば、頭を使うことが好きならば、コンサルタントに向いているともいえます。

人と話すのが苦手

コンサルタントは、パソコンに向かってデータ分析やレポート作成だけをしていれば務まるものではありません。

コンサルタント業務の中でも特に重要なことは、顧客との信頼関係構築です。

そしてそれには、コミュニケーション能力が必要となります。

調査の進め方や、中途報告については、逐次顧客の理解を得ながら丁寧に進めていくことが必要です。

ネット社会が進んでメールでのやり取りが増えてはいますが、やはり重要なことは、顔を突き合わせて、じっくり話し合わなければなりません。

人と話すのが苦手というのは、その重要なコミュニケーションを取る上での障害となってしまいます。

加えて、コンサルタント業務は、テーマにもよりますが、調査の過程で人と接することが少なくありません。

良い調査を行う上でも他者とのコミュニケーション能力は重要です。

まとめ

以上、見てきました通り、コンサルタントには、客観的に検証可能な形で論理的に現状分析を行い、その結果を顧客に納得させ、適切な解決方策を顧客が実行できるようサポートする能力が必要となります。

大変高い能力が求められる専門職の一つであるといえますが、やる気と一定の能力・素養がある人であればチャレンジする価値がある仕事です。

関心がある人は、関連の情報を収集し、ぜひコンサルタントを目指していただきたいと思います。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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