就職活動で面接を受けていると「自分の弱み、短所はどのようなところだと思いますか?」という質問をされる場面が度々あります。
自分の長所をアピールするのは比較的簡単なのですが、自分の弱みを答えるというのはなかなか難しく、苦手意識を持っている就活生も多いのではないでしょうか?
しかし面接官はしっかり意図を持って就活生に弱みを発表させており、上手く答えることができれば高評価につながります。
今回は面接で度々聞かれる自分の弱み、短所について解説していきます。
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面接で弱み・短所を聞く目的とは?
面接官は興味本位や面白半分で弱み・短所を聞いているわけではありません。
もちろん質問する意図はあり、就活生を評価しています。
ここでは面接官が面接で弱み・短所を聞く目的について説明します。
面接で弱みを聞く目的①自分のことを客観的に分析できているか評価する
面接で弱み・短所を聞く目的としては自分を客観的に分析できているかを評価するという目的があります。
完璧な人間は存在せず、誰しも多かれ少なかれ弱点を持っています。
そんな自分の弱みを知っているということは自分を客観的に分析することができており、その弱みと向き合うことができているという証拠となるのです。
仕事においてこのスキルは役に立つことが多く、良好な人間関係を構築し、より多くの実績を残すことにもつながるでしょう。
面接で弱みを聞く目的②企業とのミスマッチを防ぐため
就活生の弱み・短所を聞くことで企業や業種に馴染めるかを評価しています。
例えば食品メーカーの営業希望の学生で「私の短所は人と話すのが苦手なところです」という人がいたとしたら、あなたはこの学生を採用するでしょうか?
人と多く関わる仕事で人と話すのが苦手だという人を採用するのは少々リスクがあると感じるでしょう。
仮に入社してもすぐに辞めてしまう可能性も高く、企業側にとっても就活生側にとっても時間の無駄になってしまうのです。
そのような事態を防ぐために、面接官は短所・弱みを聞き出すことで企業・職種の適性を評価しています。。
面接で弱みを聞く目的③問題解決能力が備わっているか見ている
弱み・短所は誰にでもあるものですが、それを放置せず、克服しようとしている姿勢があるのか面接官は評価しています。
仕事をしていると様々なトラブルに見舞われます。
そんな時率先して課題や問題を解決するように策を講じる社員の方が成長速度は早く、企業にとっても利益を出しやすい人材になります。
そのような能力が備わっているかを判断するために弱み・短所を聞いているのです。
【短所の回答一覧】短所を回答する際の構成
面接で短所や弱点、弱みなどを問われた時、どのように回答するのがベストなのでしょうか。
「弱みを見せるなんて内定をもらえなさそう」と不安を抱えている方のために、内定に結びつく構成をご紹介します。
結論:私の短所は〇〇です
短所や弱みを尋ねられたら、最初に端的にその回答を述べます。
「私の短所は〇〇です」と結論からスタートするのが基本です。
「短所はこれと言ってないのですが、強いて言うなら」とか、「とくに思い浮かばないのですが、あえて言うなら。」などと、枕詞をつける必要はありません。
自分には短所はないけれど、あえて言うならといった風に、自分が完璧な人間だと印象付ける必要はないのです。
選考担当者もパーフェクトな人間を期待しておらず、短所は誰にでもあることを前提にしています。
自分の短所をしっかりと把握しており、その弱みをどうにかカバーしようと工夫したり、頑張ろうとしているか、改善に向けた行動を取ったりしているかをチェックしたいのです。
そのため、端的に改善をしようとしている短所について述べればいいだけです。
理由:なぜならば、〇〇という経験で〇〇ということがあったからです
結論で、あなたが気になっている短所を述べたら、なぜそう思うかの理由を伝えましょう。
こんな経験があったので、ここは自分が弱い部分だと思ったと簡潔に理由を述べます。
エピソード:私は〇〇で〇〇ということをしていました
次の段階で、自分の短所に気づいたり、短所があらわになったりしたエピソードや、自分の短所と向き合うことになったエピソードについて紹介します。
エピソードの内容は直近の出来事でも、高校時代の部活動や大学時代のアルバイトやボランティア活動、海外留学時の経験でもよく、種類などはとくに問いません。
ただし、選ぶ際のポイントがありますので、過去の経験談からエピソードを選ぶ際にはそのポイントを踏まえて選んでください。
短所を回答する際の構成においては、最終的な結論として、「短所をカバーしながら、貴社で活躍できるよう頑張っていきたい」「短所を改善する努力を重ねながら、貴社の一員として成長していきたい」と言ったように、会社への貢献意欲や仕事をしていくうえでの熱意を伝えて締めくくります。
そのため、その結びにつながるエピソードでなければなりません。
また、エピソードを紹介する際も、ただ経験談を述べればいいわけではないので、この点にも注意が必要です。
エピソードを紹介する構成だけでも、起承転結が求められるためです。
まず、起として、「私は〇〇で〇〇ということをしていました」と経験したことの概要を述べます。
次に承として、その経験で直面した問題を紹介します。
そして、転として、問題解決のためにどのような行動に出たのかや、どう考えたのかを説明することが必要です。
エピソードの結として、短所をどう改善していこうと努めているのかを述べるのが、エピソード紹介の起承転結の流れとなります。
そのため、エピソードを選ぶ際には、この流れに沿って話せる経験であること、何より、改善に向けた努力に結びついている経験談である必要があるのです。
問題:その経験で〇〇という問題に直面しました
エピソードを紹介する2ステップ目で、そこで直面した問題について述べましょう。
はじめて話を聞く面接官に状況がわかりやすく伝わるように、話をするのがポイントです。
あなたが置かれている状況が思い浮かぶよう、わかりやすく、簡潔にまとめてください。
行動:今の現状が〇〇のため、私は〇〇しなければいけないと考えました
エピソードを紹介する3ステップ目として、直面した問題に対応したり、解決したりするには、自分の短所があるとうまくいかない、自分が変わらないと解決ができないことを思い知ったことを伝えます。
どんな行動に出るべきだと考えたのかを、わかりやすく述べましょう。
改善:そのため、今〇〇を行い、短所の改善を行っております
エピソードを紹介する4ステップ目として、改善しなくてはならないと思った結果、実際に改善の努力を行っていることを伝えます。
結論:その経験を活かして貴社では〇〇で貢献していきたいと考えております
エピソードを紹介するだけでも、4つのステップの構成を踏む必要があり、内容が濃いので、最後の結論を忘れてしまう人も少なくありません。
ですが、この締めくくり部分が、あなたをアピールし、内定を得るためにも必要なところです。
全体の流れとして、「私にはこんな短所がありますが、今はこんな改善努力をしております。その経験や改善努力を活かして、貴社で活躍をしたいと考えています。」と伝えるのが基本構成となるのです。
「志望している企業に短所を伝えるなんて何だか怖い、不安」と思っていた方も、この構成を踏むことで、自分が成長努力ができる人間、変われる人間であることをアピールできるとわかれば、安心して回答できるのではないでしょうか。
面接で弱み・短所を答える時のポイントは?
自分の弱みを答えるのは意外と難しく、苦戦している就活生も大勢います。
しかし弱み・弱点を答えるポイントはいくつかあり、それに則って話せばそこまで難しいことではありません。
面接で弱み・短所を答える時のポイントについてまとめていきます。
面接で弱みを答える時のポイント①エピソードを交えて話す
面接で自分の弱み・短所を答える際はエピソードを交えながら話すと説得力が増しますのでオススメです。
自分がこの短所に気がついたきっかけになった出来事や失敗してしまったエピソードを思い出してみましょう。
エピソードを交えながら話す事で内容に客観性が生まれ、自分の思い込みではないということを面接官に伝えることができます。
面接で弱みを答える時のポイント②ポジティブな言葉で伝える
面接で自分の弱みを答える際はなるべくポジティブな表現をする様に心がけましょう。
「〜がない」「〜できない」などマイナスな表現ばかり使ってしまうと面接官に、「改善する気がないのか」という印象を与えてしまう可能性があります。
例えば「思い切って決断ができない」という短所ならば「優柔不断」「慎重になってしまう」といった表現にした方が良いでしょう。
面接で弱みを答える時のポイント③長所を裏返して考えてみる
面接で話す弱みを考える時は長所を裏返して考えてみると良いでしょう。
短所は長所の裏返しであるとも言われており、言い方次第では長所にも短所にもなってしまいます。
例えば「せっかち」という短所は「行動力がある」という長所に言い換えることができますし、「慎重」という長所は「優柔不断」という短所に言い換えることができます。
またこの考え方で長所・短所を考えると、内容に一貫性が生まれ、相手に分かりやすくなるといったメリットもあります。
面接で弱みを答える時のポイント④一貫性を持った内容にする
先ほども説明した通り面接で話す内容には一貫性を持った方が相手に分かりやすく伝えることができ、高評価にもつながります。
短所を3つも4つも答えてしまうと結局どれが一番伝えたかった内容かが分からなくなってしまいます。
そのため答える短所は1〜2つに留めておいた方が良いでしょう。
先ほど解説した考え方で長所・短所の内容を作れば一貫性のある内容になるのでオススメです。
面接で弱みを答える時のポイント⑤改善しようとしていることも併せて話す
面接で弱み・短所を答える際は必ずその短所を改善しようとしているという点を併せて話しましょう。
人間誰しも弱みを持っていますが、大切なのはその弱みを改善する姿勢を持っているかどうかです。
弱みと同時に改善する努力をしているエピソードを併せて話せば、企業が求めている人材像に近づくことができる可能性も上がるので、忘れずに伝えるようにしてください。
こんな弱み・短所はNG!面接で答えてはいけない弱み・短所は?
いくら分かりやすくまとめても面接で答えると評価を下げることにつながる弱みもあります。
この章では面接で答えてはいけない弱み・短所について解説していきます。
意外とやってしまう就活生が多いので注意してみてください。
面接でNGな弱み①業務に関係ない弱み・短所
面接で答える長所・短所は業務に関係があるものを答えるの普通です。
そのため業務に関係ない弱み・短所を答えるのは絶対にやめましょう。
例えば「運動神経が悪い」「数学が苦手」など。
その短所を発表する時点でマイナスですが、その短所を克服しても企業にはメリットがありません。
面接でNGな弱み②改善不可能な弱み・短所
本人の努力では改善が不可能だと思われる弱み・短所を答えるのもNGです。
例えば障害や体質、体型などです。
業務に支障をきたす可能性があるのであれば事前に企業側に伝えるべきですが、その心配がなければあえて伝える必要はないでしょう。
またこれらの弱み・短所を答えてしまうと、質問の意図を理解していないということになり、評価を下げてしまう可能性があります。
面接でNGな弱み③社会人としての資質が疑われる弱み・短所
社会人としての資質が疑われる弱み・短所を答えるのは絶対にやめましょう。
社会人の資質が疑われる弱み・短所とは「遅刻癖がある」「浪費癖がある」「飽きっぽい」といったようなものです。
このような短所を答えてしまうと面接官から「採用するにはリスクがある人材」というような印象をもたれてしまいます。
当然リスクのある人材を採用する企業は少ないので、内定まで届かないことが多いです。
面接でNGな弱み④「弱み・短所はない」と回答する
面接で「弱み・短所はない」と回答してしまうと自分の評価を大きく下げることになると思っていてください。
人間誰しも弱み・短所があり、これをないと答えてしまうと「自分のことを客観的に分析できていない人材」というレッテルを貼られてしまいます。
どうしても自分の弱み・短所が思いつかないという人は家族や友人などに聞き、自分の弱み・短所をしっかり考えてみましょう。
面接で使える弱み・短所の例文まとめ
ここまで面接で話す弱み・短所のポイントなどについてまとめてきました。
この章では実際に面接でも使える弱み・短所の例文をいくつかご紹介していきます。
面接に挑む際には参考にしてみてください。
弱み・短所の例文①
私の短所は、何事にもこだわりを持って取り組んでしまうため妥協を許せず、人には頑固という印象を与えてしまうことです。
そのためサークルやゼミで会議をする際、自分の意見を押し通そうとしてしまい、会議がかなり長引いてしまったことが何度もありました。
このままではいけないと考え、極力人の意見に耳を傾けるように意識し、協調性を持つことを心掛けるようにしています。
弱み・短所の例文②
私の短所は優柔不断なところです。
何事にも慎重に取り組んでしまうため、決められた時間内で結論を出せたことの方が少ないほどです。
そのためサークルやクラス、ゼミで話し合う際も会議の時間が延びてしまったり、また後日会議が行われることになったりと迷惑をかけてしまうこともありました。
これ以降すぐに結論を出さなくてはいけない時は悩む時間を明確に決めて、後々に回さないように心がけています。
弱み・短所の例文③
私はせっかちなところが短所だと考えています。
先々のスケジュールを確認しないままどんどん予定を入れてしまい、後々大変な思いをしたことが多々ありました。
それを改善しようと現在では必ず週に一度、スケジュールを見直し、優先的に取り組むことはないか、ダブルブッキングはしていないかなどを確認する時間を設けています。
まとめ
ここまで面接時に答える自分の弱み・短所のポイントや例文などについて解説してきました。
面接ではほぼ必ずといっていいほど自分の弱み・短所はどのようなところか聞いてきます。
面接官も興味本位で聞いているわけではなく、しっかりと意図があり、就活生を評価するためにこのような質問をしているのです。
そのため弱み・短所をしっかり答えることができれば面接を有利に進めることができ、内定が大きく近づきます。
ぜひこの記事を参考に、自分の弱み・短所を見直し、面接で高評価を得ることができるように努力してみてください。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート