電機メーカーは高度な技術を要する電気製品を製造する会社であるため、大学で学んだことを活かしやすいことや給料が比較的高めであることなどの魅力がある業界です。
このコラムでは、そのような電機メーカーで内定を獲得するための、攻略法を伝授します。
電機メーカーとは
まずは、今回扱う企業である、電機メーカーがどのような企業であるのか見ていきましょう。
電機とは、電気機械の略称です。
電気機械は、電気を使って動く機械の総称で、家庭向けの家電製品から、産業用の製造ロボットまで、幅広い種類の機械が含まれます。
電機メーカーとは、文字通り、このような電気機械を製造する会社の総称です。
電機メーカーの種類
電機メーカーの種類は、製造している電機メーカーの種類、対象とする顧客、販売業務の有無など、業務内容によって分類できます。
製造する電気機械を、特定の種類の製品に絞り込んでいる電機メーカーは、専門電機メーカーに大別されます。
このような電機メーカーは、一般消費者よりも企業を顧客とする傾向があり、光学機器メーカー、電子部品メーカーなどとして、特定の製品のメーカーであると認識・分類されることが多い点が特徴です。
専門特化している分、企業規模はあまり大きくないことが多く、小規模で独立している町工場などは、ほとんどが専門電機メーカーだといってよいでしょう。
一方、幅広く電気機械を製造するメーカーは、総合電機メーカーに分類されます。
総合電機メーカーといっても、多くの場合は、ルーツとなった機械の製造など、なんらかの得意分野を持っているものですが、その分野に限らず、幅広い製品を扱っていることが特徴です。
家電のみを扱う、消費者向けの電機メーカーなども、多角的な製品を製造するという意味では総合的だということもできますが、実際に総合電機メーカーと呼ぶかは意見が分かれるところです。
多くの場合、多角的な製造活動を行う電機メーカーの中でも、特に発電設備や電気施設を製造する、いわゆる重電の製造能力を持っているメーカーが、総合電機メーカーといわれる傾向があります。
総合電機メーカーは、活動の幅が広く、しばしば直売店など、卸売業者を介さない、独自の販売部門を持っていることがあるのも特徴だといえるでしょう。
総合電機メーカー以外でも直販ルートを保有しているメーカーも存在しますが、それらの企業のように、製造するのみならず販売も一体として行う企業であるか、それとも販売は卸売業者相手に絞り、自らは製造に専念する企業であるかも、業務内容という観点では大きな分類上のポイントになります。
電機メーカーの仕事内容
電機メーカーならではの仕事と言えば、何よりもまず電気機械の製造が挙げられます。
これは中心的な業務であり、電気機械を製造しない電機メーカーは、もはや電機メーカーとは呼べないといっても過言ではないでしょう。
しかし、それだけでは当然メーカーは成り立ちません。
どんな製品であれ、ほとんどの場合は類似した製品を製造する競合企業が存在しますので、彼らに負けることなく顧客の希望する製品を提供するべく、新製品の研究開発を行うことも、メーカーの重要な仕事の一つです。
小規模なメーカーであれば、製造部門が研究開発もそのまま担うことが多いですが、ある程度成長し、資金にもゆとりがある場合、研究開発部門は独自の部門として、製造部門から独立して活動することが許されることとなります。
さらに、企業の業績を伸ばすには、研究開発した新製品を顧客や卸売業者に売り込んだり、宣伝したりする部門も必要になってきます。
これらの役割を担うのが、営業部門や販売部門など、製品販売に携わる部門です。
大規模な電機メーカーであれば、これらの部門から独立して、さらに顧客のニーズを解析して宣伝や開発の最適戦略を考える、マーケティング部門を独自に設けている場合もあるかもしれません。
この他にも、会計や人事など、一般的な企業であれば行うような業務を担う事務系の職員も、電機メーカーの規模次第では在籍している可能性があります。
このように、電機メーカーでは、中核をなす仕事こそ明確に絞られていても、実際にはさまざまな関連業務が、電気機械の製造という業務を支えています。
ただ、人数の少ない小規模なメーカーの場合は、製造者が自ら他の仕事も兼任している場合も多いので、業務内容は文化の進んでいる大規模メーカーとはずいぶんと異なってくることでしょう。
電機メーカーの選考対策
電機メーカーは基本的に専門性の高い業界であるため、特に製造部門や研究開発部門への入社を希望する場合、最も基本的な選考対策としては、自らが大学で勉強したり研究したりしてきた専門知識をしっかり伝えられるようになることが挙げられます。
一方、企業活動には適宜顧客や卸売業者への宣伝を行うことが必要となりますので、営業部門や販売部門に入社することも考えられます。
この場合は、製造部門など、実際に製品の製造や研究開発に携わる応募者とは異なり、100%正確な専門知識は、必ずしも必要ではありません。
しかし、この場合でも、顧客に製品について質問された際に適切に回答できるように、製品知識を必要に応じて柔軟に取り込む能力と意欲があるかはかなり詳しくチェックされるでしょう。
したがって、製造そのものを直接行わない部門であっても、最低限の基礎的な専門知識の素養があることはうまくアピールしていくことが望ましいです。
以下では、この基本的な点を踏まえつつ、さらになんらかの魅力を伝えることで、人事から高評価を得られるような対策法を、場面ごとに紹介していきます。
電機メーカーでオススメの自己PR
電機メーカーの人事に訴えかけることのできる自己PRは、仕事にどのように役立つか明確かつ具体的に想定されているものだといえます。
いくら電機メーカーの仕事内容が専門的だとはいっても、PRの内容が一概に大学での研究成果である必要は必ずしもありません。
しかし、サークルや部活などの課外活動経験を元に自己PRを行う場合でも、自らの長所が、具体的にその会社のどのような仕事に貢献できるのか、例示したほうが好感度は上がることでしょう。
具体的には、ロボットを開発している企業に対してPRする場合に、サークルのロボコンへの参加実績を元に、得られた知識や性格をアピールすることなどが考えられます。
電機メーカーの志望動機例文
電機メーカーへの志望動機もまた、電気機械と密接に結び付いていることが望ましいです。
ここでもやはり、専門研究などの学んだことを積極的に活かしたい旨が表現できていればベストです。
製造部門や研究開発部門など、専門知識を活かすことが必須となる部門へ応募する場合は、ベストであると同時にマストにもなることでしょう。
しかし、仮に営業部門などへの入社を希望する場合は、門外漢であっても、ご自身の興味を持った機械のエピソードなどを盛り込むことによって、魅力的な志望動機を書くことができます。
これらの一般論として通用する動機を核としつつ、さらに、志望先企業ならではの特性を理由に結び付けると、ますます評価が上がることでしょう。
例文
この例は、幼少期から機械への関心が続いていることを述べることで、人事に対して長く働く意欲があることをアピールすることにも成功しているため、高い評価を得やすいでしょう。
ただ、ESなどの書類用として書かれた文章だと考えた場合は、貴社ではなく御社を使用しているなど、いくつかマイナスになるポイントも含まれています。
この例の内容を参考にして志望動機を書く際は、ESの書き方を特集した他の記事などにも適宜あたり、細かい表現など、内容面以外の要素にも注意を払うようにしてください。
電機メーカーの面接対策
電機メーカーの面接では、ES(エントリーシート)などの提出書類に記載された志望動機や自己PRを元に、メーカーの各部門においてどのような貢献ができるかが主に評価されます。
先輩へのインタビューや説明会などを通じて、あらかじめ応募先企業の業務内容を十分に具体的に調べておき、自らの経験や動機と結び付く具体的な貢献のアイデアをいくつか考えておきましょう。
そして、それぞれのアイデアに対して、実現に向けた障壁になり得る点や実現の必要性を疑わせる点、実現に際したあなたの経験の活かし方など、ツッコミどころを可能な限り考え、そのツッコミどころに対する返答も徹底的に用意してください。
一つのツッコミどころに対して、最低でも3往復、可能であれば5往復以上の質疑応答を複数パターン想定しておくと、面接時間中にアイデアが破綻することを防ぐことが可能になります。
面接でアイデアを打ち出すだけでも、意欲を示す効果は十分期待できるでしょう。
しかし、それに加えて、アイデアが自分よりも専門知識があるであろう担当者とやり取りしても破綻しない強固なものであることを示すことには、更なる理由があります。
担当者に、あなたが高い論理的思考力の持ち主であることも伝えることが可能となり、ただの妄想好きではなく、実現可能性もしっかり想定した建設的なアイデアマンであるという印象を伝えられるという点です。
電機メーカーの製造する製品には、コンピューターなど、技術革新のサイクルが短く、瞬く間に数年前の製品が旧式になってしまうようなものも存在します。
メーカーが技術革新から取り残されず、最前線に立てるようになるためには、新製品や新機能を積極的に提案できるアイデアマンは欠かせない存在です。
従って、あなたが実現可能なアイデアを持っていると伝えることは、あなたが専門知識の持ち主以上の即戦力になることを伝える手段ともなりますので、応募部門によらず、ぜひともオススメします。
そのほかの例文
こちらの記事でも、電機メーカーの例文を紹介しています。
志望動機の例文を沢山見たい、という書き方はこちらもご覧ください。
まとめ
いかがでしたか。
電機メーカーは専門性が高い業界であるため、業務上の専門と自分の経験や考え方、大学での研究内容を結び付けることが、最大の攻略の糸口になることはご理解いただけたと思います。
また、技術革新が速いため、積極的に現実的で魅力的なアイデアを提案できるアイデアマンも歓迎されます。
これらの傾向を理解し、内定獲得に向けた、あなたならではの攻略法を積極的に考えていきましょう。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート