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はじめに
面接では、入社後にやりたいことについて聞かれることは多いです。
企業側にとっての質問の意図を知り、落ち着いて自分の考えを伝えることができるよう準備しておきたいものです。
回答の仕方のポイントや良い回答例について見ていきましょう。
なぜ企業が入社後やりたいことを聞くのか
入社後にやりたいことを聞く意図は、何も就活生のプライベートにおける夢を聞いているわけではありません。
そこを理解しておかなければ、意図にそぐわないおかしな返答をしてしまうことになります。
やりたいことは入社してから決めるというのでは、その会社で働きたい意欲が伝わりにくくなります。
なぜこうした質問をするのか、まずはしっかりと企業側の意図を掴んでおきましょう。
企業理解をどこまでしているのかを知るため
自分が受ける会社がどんな分野でどういった仕事をしているのか具体的にわかっていなければ、入社してからやりたいことは明確になりにくいです。
企業側はこの質問により、就活生がどの程度自社について研究し理解しているのかを知ることができると考えています。
たとえば営業職を受ける場合に、「御社に入社できた際は、優秀な営業マンになりたいです」という回答ではあまりにも曖昧で仕事内容の知識不足とみなされるかもしれません。
具体的に、「御社のチーム営業という営業スタイルにおいて、自分の協調性やリーダーシップ能力を活かして社内でトップレベルの営業マンをまずは目指したいです」というような回答が望ましいでしょう。
ちぐはぐな回答にならないためにも、会社説明会やOB会を活用したりホームページを見たりして、しっかりと企業研究をしておきたいものです。
働くイメージが湧いているかどうかを把握するため
面接官は、就活生が将来の自分に対して明確なビジョンを持っているかどうかも知りたいと考えています。
具体的にやりたい仕事を答えることができる人は、働くイメージが湧いている証拠です。
そうした人材であれば、入社してから目標を持ちそれに向かってしっかりと成長していけるはずです。
またこの質問は、その人の仕事に対する価値観を知る意図もあるでしょう。
職場というものは、自分のキャリアやスキルを形成していける場でもあります。
そこで伸びていける人かどうかも、企業側は判断しています。
ミスマッチを防ぐため
いくらやる気を感じられる就活生でも、その人がやりたいことと実際の会社での仕事内容が違っていてはどうしようもありません。
就活生は「孤独に強く一人で何でも決めて勇気を持って行動できるので、単独で回る営業職で成績を上げたい」と述べたとします。
しかしながら実際のところその会社では、単独営業ではなくチーム営業スタイルの場合には、この人の性格は合わないことになります。
こうしたミスマッチが生じると、企業側にとっても戦力になりませんし、就活生もストレスを感じ思うように働けないでしょう。
入社してから、「思っていた会社と違っていた」と感じて辞めてしまう人も出てきます。
企業側としては、自社の方針に合い自社で活躍できる人材が欲しいわけです。
互いにとって良い方向に結び付くためにも、面接の時点でミスマッチがないかを確認しておく必要があります。
「入社後にどんな仕事がしたいか」は、企業と就活生のミスマッチを予防する意図もあるのです。
入社後やりたいことを答える際のポイント
スムーズに回答するためには、その企業の仕事内容について触れるべきポイントがあります。
業界分野や職種、そして扱っている商品やサービスに関する話を取り入れるようにしましょう。
そして自分自身の特技や長所の活かし方をプラスすることで、グッと説得力のある回答になります。
仕事に対する姿勢を見るため
面接官は、就活生が希望する仕事についてどのような姿勢で臨もうとしているのかを知るために、この質問をしています。
同じ営業職を志望する場合でも「営業で良い成績をおさめて企業の可能性を広げる」という考えと「営業の仕事をするうえで、お客様を一番に考えて最適な提案がしたい」という考えではまったく方向性が異なるのです。
方向性によっては、企業の方針とずれていることもあるかもしれません。
そういったミスマッチをなくすためにも、やりたいことの方向性を確認が必要になるというわけです。
また、あなたが入社後の配属先を決めるうえでも、どんな仕事がしたいかは重要な要素となります。
入社後にしっかり仕事へ打ち込んでもらうためにも、企業はなるべく本人の希望にそった仕事をさせたいと考えているものです。
したがって、やりたいことが明確になっており、仕事に対する姿勢がはっきりしている人物のほうが良い印象をもたれます。
入社後にやりたいことに答える際のコツ
具体的な仕事内容や事業について話す
抽象的な回答は、面接ではあまり良い評価はされません。
「企業のことをそこまで理解していないので曖昧な言い方をしているのでは」と思われてしまう可能性があります。
回答する際には、その会社の実際に行っている仕事の特徴やオススメ商品・サービスについて触れるようにしてみましょう。
たとえば介護業界を受ける場合に、「御社のIT×介護という独自のサービス方法に関心があります」というようにその会社ならではの特徴に触れます。
そして「多くの人の力になりたいという目標からシステムエンジニアを志望する私にとって、最適な会社である」という点を伝えることで、この人はしっかり自社について研究しているなと感じてもらえるはずです。
ただ「御社の介護職に興味があります」では、意欲も何も伝わらないので気を付けましょう。
会社の知識について述べる際には、頭でっかちにならないことも大切です。
知識ばかりが増えていっても、それを実際に何らかの行動に移すことができなければ無駄になってしまいます。
その点にも気を付けるとともに、「まだまだ勉強したいことがあります」と謙虚で前向きな姿勢を見せたいものです。
事業内容や会社のビジョンと関連させる
ただ闇雲に入社後にやりたいことを述べても面接官の心を掴むことはできません。
企業への理解度が高いことをしっかりアピールするために、入社後にやりたいことを回答する際には事業内容や会社のビジョンを知ったうえで的を射た答えを述べることが大切です。
入社後の意欲や目標を述べるにあたって、企業の事業内容にまったく当てはまっていない的外れな回答を述べてしまうと「自社には合わない人物だ」と判断されてしまうこともあります。
そのため、入社後にやりたいことをポジティブな話すだけでなく、事前に事業内容や会社のビジョンを把握しておき、企業の価値観とマッチした回答を用意しておくことが必要です。
自分の強みがどのように活かせるかを話す
面接では、できる限り自分の良さや強みをPRしたいものです。
企業側としても、その就活生が持つ才能やスキルを知り、それが自社で活躍できるものであるかどうかを確かめたい気持ちがあります。
入社後にやりたい仕事を述べる際には、受ける会社が求めている能力とリンクしそうな強みに関してはしっかりとアピールしていきましょう。
自己アピール方法としては、学生時代の部活動やボランティア活動の他アルバイトでの経験や獲得した資格などを話すようにします。
ただし、受ける会社が必要としていない能力についてアピールしても意味がありません。
また、別質問での自己PRの時に話したことと明らかに異なる答えを述べるのも一貫性がなくおかしいです。
自己PRの時には「縁の下の力持ちタイプです」と言っていたのに、入社後にやりたいことを回答する際には「率先してリーダーとして頑張っていける力を活かしたい」などと調子の乗って話してしまわないようにしましょう。
努力していることを話す
内定をもらい入社して頑張っている自分をイメージして、すでにその準備を始めている姿は、面接官からすると非常に意欲的に映ります。
仕事でキャリアアップするために必要なことを把握して、計画を立ててビジョンを持ち行動できる人材を企業は求めているのです。
たとえば外資系の会社であれば、語学能力が必要になってくるのは当然です。
「よりトップクラスの営業ができるよう、英会話教室に通って語学力を付けようと勉強しています」などと、今時点で行っている努力や習慣についても述べると良いでしょう。
ありがちなのが、「○○しようと思っています」というような実際にはまだしていない行動を語ることです。
これはやるかやらないかわからないことであり、話してもあまり意味がないといえます。
ただし、入社後に現場にて取り組みたいことがあるならば話してもかまいません。
また「〇〇を頑張っています」という抽象的な言い方もせっかくの頑張りが伝わりにくいです。
「何をどう頑張っているのか」できるだけ具体的にわかりやすく説明したいものです。
具体的に、そして現実味のある話をすることがポイントといえます。
キャリアステップごとにどうなっていきたいかを伝える
自分の目標を伝え、どのようにその目標を成し遂げていくかを伝えていくことも上手に入社後にやりたいことを回答する方法です。
キャリアステップごとに自分の目標を明確に伝えることで面接官が入社後に仕事に向き合う姿をイメージしやすくなります。
入社してから半年後や1年後といった短期のキャリアステップだけでなく、10年後、20年後の自分の目標や希望を明確に伝えておくことも評価アップにつながります。
キャリアステップごとの目標を面接官が知ることは、就活生の入社後の適正を知るためにも欠かせません。
したくないことから考える
どんなに考えても、入社後にやりたいことが思い浮かばない場合は、どうしてもしたくないことから考えましょう。
「これだけはしたくない」ことから「なるべくならしたくない」ことまで、したくない順番に列挙して、残ったものを消去法で「やりたいこと」として用いる方法です。
ただし、面接の際は「どうしても思い浮かばなかったので」といった消極的な理由は述べないように気をつけなければなりません。
「これならやっても良い」と思った理由を、なるべくポジティブに言い換えてアピールしましょう。
将来から逆算して考える
入社後、将来的にどうなっていたいかという展望から逆算して、まず手をつけたい仕事からやりたいことを導き出すのも1つの手です。
「○○年後には□□という立場から△△の仕事に携わっていたい」など、なるべく具体的に未来の姿を思い浮かべてみましょう。
そうすれば、具体的にどういう道筋をたどるべきかという計画が立てられるはずです。
その計画にそって進むためには、どのような仕事から始めたら良いでしょうか。
そういった将来の姿から逆算して入社後やりたいことを決めると、説得力ももたせやすくなります。
入社後にやりたいことを伝える際の構成
ここからは、実際に入社後にやりたいことを回答する際の構成法について解説していきます。
面接官が投げかける質問に対して、その意図をしっかりと読み取り、相手が知りたいことを明確に伝えられるように正しい構成法を学んでおきましょう。
ここでは、順序を立てて構成法について解説していくので、入社後にやりたいことをわかりやすく伝えたいという方もヒントを得ることができます。
入社後にやりたいことを上手にアピールしながら入社後の意欲まで伝え、さらには面接官の期待度を高められるよう早速確認してみてください。
結論
まずはじめに「入社後に〇〇をしたいです。」「これまで学んだことを活かして〇〇に力を入れていきたいです。」というように結論となる回答から述べるようにしましょう。
最初に結論から述べると良い理由は、面接官が知りたいことを先に伝えてしまうことで大きなインパクトを与えられるだけでなく、面接官にその後の話に耳を傾けてもらいやすくなるといったメリットがあるからです。
1日に何人もの学生の回答を見聞きしている面接官は、ダラダラと長いアピールは好みません。
簡潔にわかりやすく結論を述べてもらったほうがストレスが少なく、学生に興味を持ちやすくなります。
ここでは、次の回答に興味を持って耳を傾けてもらえるようにわかりやすく印象に残るような形で入社後にやりたいことを述べていくと良いでしょう。
理由
次に具体的なエピソードを伝えながら理由を述べていきます。
結論を述べた後に理由を付け加えると信ぴょう性が増します。
理由を伝えたことで自分の強みにつなげることができるのもメリットです。
理由を伝える際には、「なぜなら〇〇だからです。」というようにハッキリと自分の気持ちを伝えてみましょう。
また、ただ理由を一文程度でまとめて完結してしまうのではなく、理由となる具体的なエピソードも盛り込んでいくことが大切です。
どのような経験をしてなぜ入社後に〇〇をやりたいと思ったのかを伝える必要があるでしょう。
やりたいことを述べる際には、その理由を伝えることは欠かせませんが、理由には必ずそう思ったキッカケとなるエピソードがあるはずです。
まずは、紙に理由となったエピソードを書き出してまとめることから始めてみると良いでしょう。
そのために何をするのか
ただ入社後にやりたいことを明るく伝えても面接官から信用を得ることはできません。
やりたいことを実現するには何をするのかというところまで、しっかりと伝えていかなければいけません。
面接官が入社後にやりたいことを学生に聞く理由は、学生と企業側とのミスマッチを防ぐためです。
実際に入社した後にお互いが「こんなはずではなかった」と思ってしまうことがないようにあえて面接で入社後にやりたいことを学生に問いかけていることもあるのです。
企業理念を学生がしっかりと理解しているか、また学生の将来の目標や入社後に実際に働くイメージが明確にできているかを把握したいといった面接官の目的を踏まえて入社後にやりたいことやその理由を述べた後に、それを実現するために何をするかまで熱意を持って伝えてみると良いでしょう。
結論
最後にもう一度、結論を述べていきます。
最初に結論を述べて、さらに最後にもう一度、結論を伝えると具体的になり面接官の心にも残りやすくなります。
多くの学生が入社後にやりたいことに関する質問に対して企業理念を踏まえたうえで回答してきます。
中には、ダラダラと自分の熱い思いを、時間を使って述べてしまう学生もいるでしょう。
しかし、面接官は、学生の人柄や価値観のほかにも入社後のビジョンが明確になっているかを知りたいと思っているのです。
また、企業のことを深く理解しているかも入社後にやりたいことに関する質問を通して知りたいと思っている部分でもあるので、企業理念だけでなく事業内容も確認しておくと良いでしょう。
入社後にやりたいことの職種別の例文
入社後にやりたいことの考え方、伝え方についてお話ししてきました。
やりたいことを見つけるためには、企業研究による事業への深い理解があり、自己分析で自分の強みや弱みと将来のビジョンが把握できていて、それが企業の方針とマッチしていることが大切です。
それでは、具体的にどのように伝えれば、面接官に効果的かつ明確に自分のキャリアビジョンを伝えられるのでしょうか。
4つの職種に分けて例文を用意しましたので参考にしてください。
営業職
私は学生時代に3年間、接客のアルバイトを続けていたために、お客様とのコミュニケーションには自信があります。
そして、私には人の顔と名前をすぐに覚えられ、忘れないという特技があります。
そのため、お客様に再来店していただいた際は誰よりも先に気付き、「またお越しいただきありがとうございます」などと声掛けをすることで、多くの常連さんを獲得し、結果として店の売上もアップしました。
既存のお客様とのコミュニケーションももちろん重要ですが、持ち前の記憶力とコミュニケーション力を活かして新規のお客様を開拓することで、企業の成長に直接貢献したいと思います。
エンジニア
大学ではWeb言語のプログラミングを多く学んできましたが、HPなどではデザインなどのマーケティング的な発想が必要になると思い、学業の傍ら独学で勉強をしてきました。
御社の説明会に足を運んだ際に、〇〇という企業理念に深く共感するとともに、新しい〇〇の事業展開が大学で学んできた分野と重なるところが多いために、私も携わって貢献していきたいと強く思いました。
デザインに関しては知識不足なところもありますが、今後も勉強を怠らず、御社の企業理念と将来性を伝えられるような唯一無二のHP作成ができる人材を目指して努力していきたいと思っております。
マーケティング
〇年前に御社が〇〇の事業を展開し、世の中に大きな影響を与えたのを見て、御社のマーケティング部で働きたいと強く思うようになりました。
私はマーケティング部で戦力になるためには、まずは顧客との接点を持ち、流通の知識を得る必要があると考えています。
最初からマーケティング職に就くのは今の自分には難しいために、営業職からキャリアを始めさせていただき、顧客と関わりながら現場について学んで御社に貢献できたらと思っております。
また、仕事をしながらも今までと同様読書などを通じてマーケティング知識を多くつけたいと考えています。
一般職
学生時代にはサークルの事務として帳簿をエクセルで管理するなどの業務を任されていました。
そこで、基本的な関数や数式を覚えましたが、さらにスキルアップしたいと思い、現在は入社するまでにMOSを取得することを目標に勉強してます。
そのため、PCスキルには自信があります。
〇〇の流通量で業界シェア圧倒的一位を誇り活気に満ちた雰囲気の御社に惹かれ、ここで私の特技を活かして貢献できたらと、強く思うようになりました。
PCスキルと裏方としてサークルを縁の下の力持ちとして支えてきた経験を活かして、皆様が円滑に仕事を進められるようなシステムづくりに貢献できるように努力したいと思います。
面接で入社後にやりたいことを聞かれたときの失敗例
入社後にやりたいことを聞かれた際には、将来のビジョンに沿ってポジティブな回答をすることもポイントですが、企業に寄り添った回答になっているか、また仕事内容をきちんと理解したうえで的確なことを述べているかに気を付けながら自分の思いを伝えることが大切です。
ここからは、NG例文を挙げながら失敗ポイントと改善点を解説していきます。
どんな点に注意すべきなのかを確認し実践に役立ててみてください。
例文①:自分のことしか考えていない
そのためには、自身ができるすべてのことに目を向け努力することを怠りません。
できる限り、自身の時間を仕事に費やし、同期に負けないくらいの高成績を上げながら御社に貢献していきたいです。
また、御社では、海外事業にも力を入れているため、自身も将来は海外で活躍できると確信しております。
私は、子供の頃から海外を拠点にキャリアステップしていくことが夢でした。
入社3年以内に海外で活躍することを実現したいと考えておりますので、短期間での海外勤務を希望します。
失敗ポイントと改善案
こちらの例文は、企業や同僚に寄り添っておらず、自分のことしか考えていない回答になってしまっています。
入社後の意欲や目標のほかにも子供の頃からの夢を交えてキャリアステップを明確にすることは間違いではありません。
しかし、入社後に仲間と切磋琢磨しチームワークを大切にしながら自身を高めていくという志を読み取ることはできません。
企業側は、成長を期待できる人物だけでなく、周囲の人間も大切にできるコミュニケーション能力の高い人物を求めています。
面接官の質問に回答する際には、自分勝手な答えになっていないかを考えてみることが大切です。
自分の目標や夢ばかりを大きく話しすぎてしまうと面接官からはマイナスイメージを持たれてしまうこともあります。
企業に寄り添った回答になっているかを考えながら、入社後にやりたいことを述べてみると良いでしょう。
例文②:企業研究が不十分
学生時代には、雑貨店や家電量販店などさまざまな販売のアルバイトに携わってきました。
その経験を活かして社会人としてのスキルを伸ばしていきたいです。
御社のことは、OBから評判をお聞きし、スキルを伸ばしながら成長できる企業であるということを知りました。
入社後に御社でどのような業務から携われるのか期待で胸が高鳴っております。
私自身、御社の事業内容や経営コンセプトなど、まだ理解できていないことが多いので、入社後は人一倍努力しなければいけません。
御社に入社できた際には、先輩方に仕事の基本から教えていただき、1日でも早く戦力になれるよう頑張ります。
失敗ポイントと改善案
こちらの例文は、企業の仕事内容を理解できておらず、OBからの情報をもとにした回答になっています。
これでは、仕事に対する意欲を感じ取ることはできません。
面接官が入社後にやりたいことを質問する意図の1つに事業内容を理解しているかを見極める点が挙げられます。
また、将来のビジョンを通して就活生と企業で価値観にミスマッチがないかを判断しています。
そのため、OBからの評判だけをもとに回答を用意するのではなく、自分自身で企業の事業内容や経営理念などの情報をきちんと集めることが欠かせません。
企業の事業内容に合った入社後の意欲や目標を伝えなければ、自社には合わない人物だと判断されてしまうこともあるため注意が必要です。
入社後にやりたいことがない場合の対処法
就活中はまだやりたいことが明確に定まっていない方も多いことでしょう。
同じ業種に絞り込んでいる方であれば何がやりたいか定まっている方もいますが、そうでない方も多いです。
また、実際に勤務してみないとどのような仕事に携われるかどうかはわからないというのも事実です。
入社後にやりたいことが特に決まっていないという方はどのように面接で答えていったら良いのでしょうか。
やりたいことを導くには次の3点をもとに答えられるようにすると良いでしょう。
なぜその企業に興味を持ったのかを考える
まず、皆さんが企業に応募する時、まったく関心のない企業にむやみに応募しているでしょうか。
やはり応募するにあたっては、何かしらその企業に関心を持ち、魅力を感じて応募を志したはずです。
つまり、なぜ応募企業に関心を持ったのか、魅力を感じたのかというその理由を考えていくと見つけやすくなるでしょう。
ただし、住宅手当や食事補助、社員食堂などの福利厚生の充実や残業時間や休日の多さなど、待遇を魅力に感じているというような理由では、入社後にやりたいことにつながりません。
あくまで会社の事業内容に沿って掘り下げて興味や魅力を見つけていくと、入社後にやりたいことにつながっていきます。
入社後やりたいことは志望動機のようなものでもありますから、同業他社でもできるようなやりたいことを述べてしまうと「うちでなくても良いのではないか。」と判断されがちです。
企業の事業内容を理解する
では、応募企業が「この応募者ならうちで活躍してくれそう」と感じてもらえるようにするにはどのようにしたら良いのでしょうか。
ここで重要なのが、企業の事業内容を理解して企業研究をすることです。
応募企業の事業内容や会社概要などを会社説明会に参加したり、OB訪問を積極的に行ったり、それが難しい場合は隈なく企業のホームページで調べて魅力に感じるポイントを絞り込んでいきましょう。
事業内容を把握するには、どんな事業で収益を上げている企業なのかを理解することも大切です。
この企業でなら将来的に自分がどのような場面で活躍していきたいのか、意欲的に取り組めそうなのかということを見つけることで自ずと入社後にやりたいことにつなげていくことができるでしょう。
この時、今の自分ならこういうことができるのでやってみたいということでなくても構いません。
将来的にキャリアアップも見据えてどんな事業に関わっていきたいのか明確にして興味ある事業について答えられるだけでも十分です。
自己分析をする
企業研究のほかにもう一つ重要になってくることが自己分析です。
入社後にやりたいが明確になっていない方のほとんどは自己分析ができていないことが多いです。
これまでの経験から自分の価値観や強み、考え方をよく理解していくことが大切です。
自分の強みを把握しておくとその強みを活かして企業でどのように業務に取り組んでいけるのかを企業側にアピールすることができます。
また、意欲的に取り組めそうな分野の事業に、キャリアアップを積んで将来的に関わっていきたいと伝えることもできるでしょう。
自己分析を行うことで、自らが就職後にやりたいことの整理がつくようになり、自分の考え方に一貫性を持たせることができます。
面接の際に言っていることと履歴書に書いてあることにちょっとした矛盾が生じるだけでも信用を失ってしまいます。
一貫性を持たせるためにも自己分析を欠かさず行いましょう。
就活エージェントを使う
就活生の強い味方になってくれる就活エージェントをご存知でしょうか。
就活エージェントは、専属のアドバイザーが学生の就活を手厚くサポートするサービスを提供しています。
希望に合う企業選びを手伝ってくれるほかにも面接のアドバイスや履歴書添削など嬉しいサポートが充実しています。
就活で悩む学生のお手伝いをしてくれるので、憧れの企業の内定を掴み取りたい方は利用してみてはいかがでしょうか。
就活エージェントをお探しなら、ぜひ就活市場エージェントにお任せください。
入社後にやりたいことの注意点
入社後にやりたいことははっきりと思い描けなくても、企業研究や自己分析から見つけられることがわかりました。
しかし、ただ思いつくまま、ありのままの自分の思いを話せば良いというわけではありません。
あなたが企業で目指すキャリアプランが具体的であっても、伝え方次第では面接官に悪い印象を与えてしまう可能性があります。
やりたいことを伝える際に特に気を付けるべき点を3つ挙げましたので、文章を作成する際には該当しないか注意を払ってください。
目標が低い
あなたが掲げている目標そのもののレベルが低くないか、一度振り返ってください。
たとえば、「仕事を早く覚えたいです」「早く一人前になりたいです」という目標は、社会人の心がけとして当たり前であり、わざわざ採用活動で入社後の目標として掲げるべきことではありません。
企業がやりたいことを聞くのは、入社後のミスマッチを防ぐためだけではなく、志願者の仕事に対する姿勢や価値観を見極めるという意図もあります。
入社後に目指す姿があまりに幼稚なものであれば、学生気分が抜けていない、社会人としての覚悟が足りないもしくは企業研究ができていないと判断されるおそれがあるのです。
また、すぐに達成できそうな目標だと、達成した後に転職するのではないかと疑問視されるリスクもあります。
自分本位なもの
企業に対して〇〇したいという視点ではなく、自分本位な視点の目標もNGです。
たとえば、「スキルを身につけて起業したいです」といったようなものは、その心意気自体はすばらしいのですが、企業は勉強するための学校ではないので目標として話すのは不適切です。
企業は自社に貢献でき、将来的に有益をもたらすであろう人材を採用面接で見極めて採用したいと考えています。
企業の展開する事業やビジョンを無視して、スキルアップしたいという気持ちばかり話しては、早期離職するのではないかと懸念を抱かせるだけでなく、社会人としての覚悟が足りないと判断されてしまいます。
入社後の目標は、企業に自分の強みや経験を活かして貢献したいという視点で作るように心がけましょう。
やる気が感じられないもの
当然のことですが、あまりにやる気が感じられないものも避けましょう。
たとえば、「ワークライフバランスを重視しているから定時で帰れるように仕事を効率的にこなしたい」といったものは、仮に思っていたとしても面接で話すべきではありません。
ワークライフバランスはもちろん大切ですが、仕事には責任が伴うものです。
入社後やりたいこととして、プライベートも充実させたいと話すと、やる気が低い、責任感がないと判断され仕事を任せられないと思われてしまいます。
それにこの理由だけでは、あなたの強みも企業に対する理解が深いのかもまったく伝わりません。
ワークライフバランスの視点は捨てて、どのようなジャンルでどのようなキャリアを積みたいかを述べるようにしましょう。
その企業でできないこと
「入社後にやりたいこと」では、その企業では本来できないようなことを述べるのは避けてください。
たとえば、海外展開を進める予定がない企業において「語学力を活かして海外展開を進めたい」と述べる、といったことを指します。
そういった、その企業ではできないようなことを述べてしまうと「企業研究が十分にできていない」と見なされ、入社意欲が低いと判断されてしまうのです。
また、OB・OG訪問で聞いた内容をそのまま話すのも良くありません。
それはすでに誰かが使った言葉であって、独自性が認められないからです。
「入社後にやりたいこと」は、あなた自身が行った企業研究にもとづき、あなたの言葉で伝えましょう。
入社後にやりたいことを考えるためにも将来のビジョンは必要
入社後にやりたいことを考えていく時、つい目先のことばかり考えてしまっていませんか。
中途採用などであれば即戦力が重要視される傾向にありますが、新卒社員には業務に対する一定のスキルがあることを期待している企業は多くありません。
企業側は、どのような目標を持って仕事に取り組んでいきたいかの将来的なビジョンがいかに描けているかどうかということを重要視されています。
ビジョンを描けているかどうかということで、応募者の熱意を確認することができるのです。
また、将来のビジョンは5年後、10年後どうありたいかという質問にも答えられるようになります。
就職する理由について考える
現在は、人気のYoutuberとして働いたりフリーランスとして働いたり、フリーターなど、正社員として就職しなくても生活していくことが可能です。
ただ、それでも皆さんがなぜ就職活動をして定職に就きたいと感じているのかについて一度考えてみると良いでしょう。
この理由を軸にして考えていくことで、就職後にどのような社会人になりたいのかがわかってくるようになります。
そして、どうなりたいか、どうありたいのかということがわかることによって、さらにどのようなことをしたいのか、どのような仕事に取り組んでいきたいのかということもわかってくるようになるでしょう。
こうすることで将来的なキャリアプランにつなげていくことができる可能性があります。
自分の人生について考える
20代の皆さんにとって、人生はまだわずか4分の1ほどにしかすぎません。
また、定年とも言われる60歳までには、なんと40年近くもの時間が残っています。
その長い人生の中で、ただフリーランスやフリーターとしてその日暮らしで働いていきたいと思いますか。
恐らくほとんどの方が不安に思うはずです。
何かしら将来について考える時、どのような人生を歩んでいきたいか、どのようなことをしていきたいのか考えていきましょう。
そうすることで入社後にやりたいことも見つけやすくなっていきますし、さらにはどのような企業に入社すれば良いのかがわかってくるようになります。
面接でやりたいことを伝えるためにも、事前に10年後、20年後の自分の人生やビジョンを明確にしてイメージして考えていきましょう。
まとめ
就活というものは、内定をもらったからそれで終わりというわけではありません。
内定をもらってからが、すべてのスタートなのです。
社会人として立派なスタートを切るためにも、就活の時点でしっかりと将来を見据えて自分なりの目標を立てておきたいものですね。
その準備は、必ずこれから先の人生に役に立つといえます。