小売業界とは?動向や仕事内容を解説!向いている人の特徴も紹介!

小売業界とは?動向や仕事内容を解説!向いている人の特徴も紹介!

小売業界は私たちの普段の生活に密接している業界で、実際に働いている姿が直に見られるためどのような仕事をしているのかイメージしやすいです。

そんな小売業界ですが、個人の消費が拡大している昨今需要はかなり高まっています。今回は人気の高い業界の1つである小売業界についてまとめます。

小売業界とは?

就活で小売業界を本格的に目指す場合は、業界の特徴をしっかりチェックしておきましょう。

小売業界とは、メーカーから商品を仕入れ、保管・管理したうえで消費者に販売していく業界を指しています。

詳細は後述しますが、私たちにとって馴染み深い小売業といえば、スーパーマーケットやコンビニエンスストアが挙げられます。

食品や日用品などさまざまな商品を消費者に届けるという点では、小売業は私たちの暮らしに欠かせない大きな役割を担っていることが特徴です。

卸売業との違い

似ているため混同されやすい業種の一つに、卸売業が挙げられます。

小売業は卸売業と合わせて流通業と呼称されるケースがあることが特徴です。

しかし両者は、厳密には担っている仕事・ポジションが異なります。

卸売業は生産者から商品を仕入れたうえで小売業に卸すことをおもな事業としています。

小売業の顧客は消費者のためBtoC業界になりますが、卸売業の顧客は企業のため、BtoB業界にあたることも大きな特徴です。

小売業界のビジネスモデル

ここで、小売業界の具体的なビジネスモデルの特徴・仕組みを押さえておきましょう。

前述のとおり、小売業界の一般消費者が顧客となるため、ビジネス形態はBtoCに該当します。

小売業界は自分たちで作った商品等を販売するのではなく、メーカーや卸売業者から商品を購入(=仕入れ)し、仕入れた商品を一般消費者に販売します。

よって小売業界は、仕入価格と販売価格の差額から利益を生み出すことで、成り立っていることが大きな特徴です。

小売業者として安定的に利益を生み出すためには、いかに安く仕入れて高く販売するかが重要なポイントになります。

小売業界の現状

就活で小売業界を目指す際は、小売業界の具体的な現状、昨今見られる業界全体の動向などを整理しておきましょう。

小売業界の現状としてチェックしたい点は、以下の3つです。

Point
  • エッセンシャルワーカー不足
  • オンラインサイトの成長
  • 2024年問題

では、一つひとつを詳しく見たうえで小売業界の現状について理解を深めましょう。

エッセンシャルワーカー不足

小売業は地域の生活を支えるライフラインとしての役割を持っており、スーパーマーケットやドラッグストア、コンビニエンスストア、ホームセンターで働く従業員は「エッセンシャルワーカー(日常生活を維持するために不可欠な職業)」と呼ばれます。

小売業界は慢性的に人手不足の傾向があると言われているため、今後も需要が増えていく見込みがあるでしょう。

オンラインサイトの成長

小売業界にとって、オンラインサイトの成長はビジネスのあり方を見直す大きなきっかけとなっています。

近年はネットショッピング・ECサイトの利用がさかんであり、日本の小売業界でも、ネット経由で顧客を獲得する動きが広まってきています。

ホームページやSNSなどで配信するコンテンツ等に力を入れて集客し、リアル店舗ではなくECサイトで多くの利益を獲得している企業は少なくありません。

そのためオンラインでの商品購入の形が広まる一方で、リアル店舗がショーケース化しつつあることも事実です。

このことから、リアル店舗の活かし方に悩まされている企業は多いといえます。

2024年問題

小売業界は現在、2024年問題と呼ばれる大きな課題に直面しています。

2024年問題とは、ドライバーの時間外労働に上限が設けられたことで労働時間に制限が産まれ、やがて輸送能力不足を引き起こす問題のことです。

2024年問題がもたらす輸送能力の不足は、物流費の高騰やサービスの柔軟性低下などにつながります。

結果、小売業界は物流費をまかなうために商品・サービスの値上げを余儀なくさている状況です。

値上げは顧客満足度低下につながるため、いかに顧客離れを防ぎながら2024年問題を乗り切るか、多くの企業は悩まされています。

小売業界の動向

小売業界の現状を踏まえた上で、今後の動向がどのように推移していくのか、3つのポイントを紹介します。

ITの活用

小売業界の各企業は、ITを採り入れたマーケティングを推進しています。従来のPOSシステムに加え、キャッシュレス決済が普及したことによって購入データの分析精度が上がり、より高度な販売戦略を立てられるようになってきました。

また、人員不足を賄い、店舗業務の省人化を図るためにもロボットを導入する動きも見られます。

SPA

SPAは「Speciality store retailer of Private label Apparel」の略を指し、自社で商品の開発、プロモーション、販売まで一貫して行うスタイルです。このようなビジネスモデルを「製造小売業」と言います

SPAの特徴は、自社開発の商品を自社の店舗に限定して販売することでしょう。SPA業態でビジネスを展開する代表的な企業としては、ニトリ、ユニクロ、無印良品、GAPなどがあります。

DtoC

DtoCは「Direct to Consumer」を略したもので、メーカーが自社製品を消費者に直接販売するビジネスモデルです。

小売業界では、メーカーが卸売業者や小売業者を介して消費者に商品を提供するのが一般的な流れですが、近年はDtoCで消費者に直接商品を届けるメーカーも多くなっています。

また、ネット通販でAmazonなどのモールを利用して出店した場合、手数料が発生したり価格競争になったりするデメリットがあるため、ECサイトで自社商品を消費者に直接売るスタイルが支持されつつあります。

DtoCを採用している企業の例としては、ランドセルメーカーのセイバン、メンズコスメのバルクオム、ビジネスウェアのカスタムオーダーサービスを提供するFABRIC TOKYOなどが挙げられます。

小売業界の主な4つの業態

ここからは、小売業界で代表的といえる4つの形態をチェックしていきましょう。

就活で小売業界を目指すのであれば、以下4つの業態は基本でもあるため、しっかり覚えておきましょう。

Point
  • スーパーマーケット
  • コンビニエンスストア
  • 百貨店
  • 専門店

いずれも小売業に分類される業態であり、業態によって特徴や規模、仕入れる商品などは異なります。

では、詳細を一つひとつ見ていきましょう。

スーパーマーケット

まず、小売業界のおもな業態といえばスーパーマーケットが挙げられます。

食料品・日用品をメインとして扱っており、日常生活のニーズを満たすために必要な商品を豊富に取り揃えていることが特徴です。

なお、同じスーパーマーケットでも、細かく分けると業態は「総合スーパー」「専門スーパー」に分けられます。

総合スーパーは大衆向けの大型のスーパーであり、食料品・日用品のほかには衣料品・生活家電・家具などの販売も行っています。

一方で専門スーパーは食料品・衣料品・住関連スーパーに分けられ、それぞれの分野に特化してさまざまな商品を取り扱うことが特徴です。

コンビニエンスストア

コンビニエンスストアは、スーパーと比べると小規模な店舗にあたり、食品・日用品をおもに販売しています。

日本ではセブンイレブン・ローソン・ファミリーマートが大手コンビニエンスストアチェーンとして知られています。

これらは飲食料品小売業と呼ばれ、スーパーマーケットと比べると弁当や惣菜などが中心となるため、野菜や果物などの食材の取り扱いは少ない傾向にあります。

なお、「コンビニエンス」には便利・簡便といった意味があり、コンビニエンスストアは24時間営業など便利さにおもに特化していることが特徴です。

百貨店

小売業界のおもな業態には、百貨店も挙げられます。

百貨店には衣食住に関係するさまざまな商品がそろっており、スーパーやコンビニと比べると規模も大きいため、品揃えはより豊富な傾向にあります。

また、ブランド感や高級感のある商品をメインに取り扱うことも大きな特徴です。

日常生活のほかには、贈答品やビジネス向けのニーズに対応した商品もたくさんあります。

国内における大手百貨店といえば、高島屋や伊勢丹、三越、大丸などが有名です。

専門店

小売業界のおもな業態といえば、ほかには専門店があります。

専門店は名前のとおり、特定の分野の商品を専門的に取り扱うことで店舗を展開しています。

わかりやすい例には、家電量販店やドラッグストア、家具店、玩具店、書店などがあります。

専門店のウィークポイントは、スーパーやコンビニのように日常生活の幅広いニーズには応えられない点ですが、その反面特定の顧客ニーズに強い点が魅力といえます。

特化したジャンルの品揃えの多さ・商品知識の豊富さは、専門店ならではの強みです。

小売業界の6つの職種

小売業で働く人の姿を想像した時に、接客や販売といった仕事を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。小売業界を支える職種には、接客販売の他にも様々な種類があります。

Point
  • 販売
  • 店舗運営
  • バイヤー
  • マーケティング
  • 商品開発
  • 物流管理

ここでは、小売業界の6つの職種について詳しく確認してみましょう。

販売

販売職の仕事は、店頭で直接お客様に商品を売ることです。スーパーマーケットやコンビニ、ドラッグストア、百貨店などの店舗に来店したお客様のニーズを聞き取ったり、商品の説明をしたりして販売につなげます。

接客以外にも、売り場に商品を陳列する、レジで会計をするといった仕事もあります。

店舗運営店舗でのキャリアを積むと、店長やエリアマネージャー、スーパーバイザーなどの役職に就いて店舗運営を任される場合があります。

売上管理や店舗スタッフの管理、売場の運営などを行い、店舗全体をまとめる責任者のポジションです。

バイヤー

バイヤーは商品を仕入れる職種です。

売れそうな商品を吟味して、メーカーや卸売業者から仕入れます。

また、メーカーと協力して新たな商品を開発することもあります。

売れる商品を品揃えするためには、情報収集をしっかり行って店舗の地域性や客層に合ったものを仕入れることが必要です。

バイヤーが買い付けをする際には価格交渉が発生するため、多方面の知識や経験値が求められるでしょう。

マーケティング

マーケティング職は販売促進のための戦略を立てたり、イベントやキャンペーンの企画を行ったりする仕事です。

顧客や競合の動向を調べ、商品を売るための施策を考えます。

それに加えて、チラシや販促物の作成、テレビやWeb上での広報活動なども行います。

商品開発

商品開発は、プライベートブランド(PB)などの自社商品を企画・開発する仕事です。近年は、自社で開発した商品をプライベートブランドとして販売する企業が多くなっています。

商品開発のために市場調査を行い、消費者のニーズに合った商品を企画します。企画・開発だけでなく、商品の販売促進や宣伝活動に関わる施策を考えることもあるでしょう。

売れる商品を作るには最新のトレンドや消費者の動向をつかむ必要があるため、情報収集・分析力が求められます。

物流管理

物流管理商品の物流管理をしたり、在庫コントロールをしたりする仕事です。効率良く物流を回すために入荷量を調整し、適正な在庫管理を行います。

特に実店舗とネット通販を手掛ける企業では細かい在庫管理が必要となるため、物流管理の役割は重要でしょう。

小売業界の4つの仕事内容

小売業界では4つの仕事内容があります。

Point
  • 販売
  • 営業
  • 販売支援
  • 物流

どのような仕事をするのか順に説明します。

販売

小売業でもっともイメージしやすい販売についてです。 販売は主に店頭での販売もありますし、今ではインターネットでの販売もあります。

田舎にある無人野菜販売から宝飾品や高額なブランド品を売るような接客業務まで、すべてが販売の仕事として関わるでしょう。

この販売については販路が多様になってきたこともそうですが、販売員のきめ細やかなサービスを売りにしているお店も多いため、質の向上が望まれるケースも多いですし、販売成績が良い販売員は優遇される傾向もあります。

このため、簡単な仕事や需要が少ないというわけではなく、むしろさまざまな人が働いており、なかなか需要が消えることはない良いキャリアと言えるでしょう。

営業

営業は物を作る企業と物を売る店舗との懸け橋になり、さまざまな提案や商品販売の支援を行って、より商品を効率良く売るのが基本的な仕事になります。 主にバイヤーが営業業務を担当します。

この場合は実際に店頭で商品を売ることよりも、お店や店舗との関わりを持ったり、商品の魅力を伝えたり、新しい商品を宣伝して店頭に置いてもらうなどの仕事が基本です。

また、店舗の販売員や店舗責任者との関係づくりも大事です。

誰でも売れる製品を店頭に置きたいものですし、売れる製品を効率良く各店舗に流通させて効率良く売ることができれば、やる気や成果も格段に高くなるでしょう。

販売支援

店頭で売るのが販売業務そのものだとしたら、販売支援はバックオフィス業務としてさまざまなことを行います。 マーケティング部や商品開発部が該当します。

販売支援とは、さまざまな製品がある中でライバル企業やライバル社の製品との差別化を行い、どのように魅力を伝えていくかという仕事になります。

ターゲット層の解析や分析、ライバル社製品の分析やトレンドの解析、たくさんの商品を売るためのポップや広告、チラシや宣伝などの支援業務を行うことも多いです。

総合的に商品を売るためのさまざまな計画やサポートを行い、時に商品を効率良くお客様に届けるように工夫します。

時にラウンダーとして外に出て実際に販売の現場を目にすることもあれば、ずっとさまざまな製品を比べて売れそうな商品を表に出すような計画を行う場合もあります。

物流

物流は、物を右から左に運ぶだけではなく、流通するルートを作ったり、より効率良く物を運ぶための技術やテクニックを確保したりすることも行い、物流管理部門が担当します。

とくに食品系であればその食品そのものの鮮度は大事ですし、扱いが難しい精密機器や高額な製品の輸送についても配慮が必要です。

このため、鮮度が劣らないように配送する技術や、精密機器を壊れないように配送する技術、高額な製品を上手に丁寧に輸送する方法など、関わる部分は多いです。

とくに最近はECサイトが倉庫を外部に持つケースがあり、その場合商品を梱包して発送するところから物流業者に委託しているケースもあります。

今後も需要は伸びていく分野と言えます。

小売業界の福利厚生

福利厚生は企業によって様々なので、業界として優劣があるわけではありません。ただ、小売業界のなかでも福利厚生が手厚い企業とそうでない企業があります。そこで、新卒者が福利厚生で重視しておきたい点をピックアップします。

福利厚生で注目すべきは

Point
  • 通勤手当
  • 家賃補助
  • 有給消化率

です。最後の有給消化率は福利厚生とはやや異なりますが、実態は企業の風通しや雰囲気が分かる指標の1つなので含めました。これらについて説明します。

通勤手当

まず通勤手当です。これは支給される企業がほとんどですが、実費ではなく上限が定められているところがあります。また、自動車で通勤したい場合にはガソリン代以外にも駐車場が企業に整備されているか、もし整備されていない場合は駐車場料金が支給されるかどうかをチェックしましょう。

公共交通機関で通勤する場合も上限が決まっていることがあるため注意しましょう。例えば片道500円だとすれば往復1,000円、20日出勤の場合月額20,000円もの交通費がかかります。

ところが、交通費上限が月15,000円の場合残りの5,000円は自己負担となります。会社に行くだけで月5,000円も負担しなければならないのはきついですよね。なので実費で交通費が支払われる企業を選びましょう。

家賃補助

次に家賃補助です。よく「家賃は収入の3割以内に抑えるべき」と言われますが、新卒の貯金のない時期にとってはたとえ収入の3割であっても負担が大きいです。そのため、貯金のないうちは家賃補助のある企業を優先させましょう。

例えば、家賃5万円に住んで会社からの補助が1.5万円あった場合、本来支払うべき家賃のり7割分の支払いで済むのでかなり大きいです。

家賃は食費と並んで家計のなかで占める割合が大きいため、他の条件が合えば家賃補助のある企業に就職するのがおすすめです。

有休消化率

有給消化率の高い企業は休みやすい環境にあるということです。企業は原則として有給休暇を労働者に与えなければいけませんが、与えられた有給は従業員の権利として行使するわけです。つまり、全て消化する義務はないためフルで使うと企業にとって負担となります。

有給を多く使われると企業としてはマイナスになりますが、従業員にとっては個人の都合で休みを取れるため、ワークライフバランスを保ちやすくなります。そのため、有給消化率の高い企業を選びましょう。

参考までに小売業改善のための平均有休消化率について紹介します。

企業全体の平均有休消化率が62.1%に対し、

小売業界の平均有休消化率は49.5%かなり低い現状があります。

平均有休消化率60%以上を指標として企業を見ていきましょう。

小売業界の給料

平成28年度の国税庁の調査によると、卸売業を含む小売業の平均年収は363.8万円となっています。全業種の平均が422万円なので60万円程度低いです。この数字だけ見るとかなりの差であり、小売業界への就職を躊躇されるかもしれません。

ただ、小売業界にはアルバイト・パート従業員が他業界と比較して多く存在します。したがって、正社員として採用されれば他業界と比較して別段年収が低いということはありません。

しかし、企業によって年収の差が大きいのも小売業界の特徴です。上場企業でも北九州を中心に展開している井筒屋の平均年収は302万円ですが、同じく大手デパートである伊勢丹は783万円となっており2倍以上の差が付いています。

売上や平均年齢、所在地は異なりますが業務内容としては大差ないデパートであってもこのような差があります。特に本社の所在地が地方と東京では歴然の差です。

基本的に同じ業界であれば給与が大きく変わることはありませんが、小売業界に関しては規模などによって収入が大きく変化するということに注意しましょう。

小売業界の人気企業6選

学生に人気の企業は

Point
  1. イオン
  2. セブン&アイ・ホールディングス
  3. ファーストリテイリング
  4. ニトリ
  5. アマゾンジャパン
  6. 良品計画

となっています。小売業界はその性質から私たちのよく知る企業が多く、今回ランクインした企業もいずれも知らない人はいないほど有名な企業ばかりです。

この見出しでは人気企業の特徴をまとめているので、是非参考にしてください。

イオン

国内小売業の最大手がイオンです。

総合スーパーの「イオン」を中心にコンビニやショッピングセンターなど、国内外で多くの店舗を展開するグローバルな企業です。

先進技術の導入にも積極的で、国や千葉市が主体となって行う「ドローン配送」の実証実験にも参加しています。

セブン&アイ・ホールディングス

コンビニチェーンの「セブンイレブン」を経営するセブン&アイHD。セブンイレブンはコンビニ業界でNo.1シェアを誇っており、高品質なPB商品が高い評価を受けています。

セブンイレブン以外にも、「イトーヨーカドー」「ヨークマート」「そごう」「西武」「ロフト」「アカチャンホンポ」など、様々な業態の店舗を全国展開する小売業界のリーディングカンパニーです。

ファーストリテイリング

ファーストリテイリングは、「ユニクロ」を筆頭に「ジーユー」「セオリー」などのブランドを世界中で展開するファッション小売りの最大手です。

「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」という企業理念の下、積極的に海外展開・M&Aをおこないグループを拡大しています。

ニトリ

「お値段以上」というキャッチコピーで有名な、家具や家電、ライフスタイルなどを提案する企業です。

主に家具や家電を中心として、インテリアやエクステリア、ペットや介護などさまざまな商品を販売しています。

各地域に大規模な店舗を持ち、インテリアの提案をするなど魅せ方がとても魅力的な上、オシャレでトレンドを押さえつつ、お値段も手ごろな点が魅力となっています。

アマゾンジャパン

小売業界というと今ではECサイトも当てはまり、とくに有名なネットショップとして知られています。

取り扱う商品の幅はとても広く、本や書籍を中心に、衣類や医薬品、ペット用品や家具家電、宝飾品などを販売しています。

また、電子書籍やダウンロードミュージックなど、デジタル販売にも強い側面を見せています。

こちらは地域はないものの、世界的に有名な企業で多くの商品を取り扱っていることから、需要もとても高くなっています。

また、商品のレビューが話題になるなど、さまざまな面での話題性も多いです。

良品計画

インテリアなどで有名な無印良品というブランドを運営する企業です。

近年では家の販売などを始めるほど、商品の数は多様で豊富であり、食品から衣類、化粧品、家具や家電など、多くの製品を販売しています。

特徴は製品のシンプルさで、何も主張がないことや店舗で扱う範囲が広いことなどが逆に個性を際立たせています。

また、話題性にも事欠きません。ファンが工夫して使う様子やさまざまなものに転用する様子も話題となっています。

また、シンプルかつオシャレでカスタマイズしやすいため、SNSでも人気が高いブランドとなっているのです。

小売業界で身につく3つのスキル

小売業界に就職した場合、どのようなスキルが身につくのでしょうか。

小売業界に就職しようかどうか迷っている方はもちろん、小売業界がいいと決めている方も、将来的にどのようなキャリア形成ができるか気になるところです。

そこで、小売業界で身につく主なスキルについてご紹介します。

小売業界でのステップアップを考えている就活生は、参考にしてください。

コミュニケーション力

小売業界でお店に出れば、毎日多くのお客様と接することになります。

バックヤードでも多くのスタッフが働くなど、お互いに連携、協力し合いながら仕事を進めていきますから、コミュニケーション力は必須です。

店頭以外の業務でもお客様からの問い合わせに対応したり、電話注文を受けたり、仕入れ先に発注の連絡をしたり、届けられる品物を取引先や納品業者から受け取ったりと、担当する分野や職種を問わず、コミュニケーションが必須の業界です。

コミュニケーション力を高めることは小売業界で活躍していくうえで必須のスキルになるとともに、仮に他の業界に転職することになっても役立つスキルです。

プレゼンスキル

小売業界ではお客様への提案販売をはじめ、高額な商品を勧めるときなど、商品の魅力をいかにアピールしたり、お客様の興味やニーズを引き出したりし、ほしいと思わせるかのスキルも不可欠です。

つまり、プレゼンスキルを磨いていくことができます。

アパレルショップでコーディネートの提案をしながら、お客様が買おうとしているトップスだけでなく、ボトムスやバッグ、靴、アクセサリーなども同時に売り上げアップをする、なかなか売れない高額帯のジュエリーや化粧品を顧客心理に働きかけて売るといったテクニックが求められるようになります。

商品の魅力や特徴をしっかりと理解し、顧客心理についても学び、経験を積みながら磨いていけるスキルです。

市場を読み解く力

売れ筋は小売店が時代のニーズを捉えて生み出したり、最新のトレンドをいち早くキャッチアップして創り出したりすることもありますが、顧客のニーズの動きや環境の変化で突然の需要が生じることなどもあります。

次に何が来るかを捉えるのはもちろんのこと、急激なニーズの変化に臨機応変に対応し、需要を逃さないことや、落ち込んだ需要を別の手段で挽回するといったアイデアを生み出す力も求められます。

現場で経験を積みつつ、経済ニュースをはじめ、日々のニュースにも敏感になって勉強をしていくことで、どの時期に何が売れるかなどを察知できるようになるものです。

それを活かして消費者に先駆けてトレンドになる品を揃え、お店の売り上げアップに貢献していくやりがいが生まれます。

小売業界に向いている人の5つの特徴

職業には向き不向きがありますが、それは小売業界でも例外ではありません。ここでは小売業界に向いている人の特徴についてお話しします。

小売業界に向いている人は

Point
  • 人が好きな人
  • 商売が好きな人
  • あまりプライドが高くない人
  • 体力のある人
  • 定期的な休みを重視しない人

です。それぞれ説明します。

人が好きな人

まず、人が好きである、多くの人と関わりたいという人です。小売業はアルバイト、客、取引先など様々な人と関わります。老若男女問わず本当に色々な人と交流するため、うまく話せたり雰囲気を感じ取ったりできる人には向いている業界です。

商売が好きな人

次に、商売が好きな人です。どうしたらものが売れるか、かつ自社に最大限の利益を出せるのか工夫をするのが好きであれば小売業界で働くのが楽しいと感じます。

あまりプライドが高くない人

日本の特徴ですが、お客様を神様のように扱う傾向にあります。海外では対等なので横柄な態度を取られたらこちらもそれに応じるということが可能ですが、日本ではそうもいきません。常に礼節を欠かずに接客をする必要があるため、プライドが高いと小売業は不向きです。

体力のある人

小売業界では体力が必要です。仕入れ先との商談に関東から関西まで日帰りをすることは当たり前という世界です。当然商談だけで業務が終わることはなく、その後の資料作りや報告業務などもあります。とにかく多くの作業が必要なので、体力がある人が向いています。

定期的な休みを重視しない人

最後に、定期的な休みが重要でない人です。小売業は職種にもよりますが、ゴールデンウィークなどの大型連休が稼ぎどきで、休むことは基本的にできません。多くの人が休みの土日も出勤する可能性は大いにあります。

イベントごとは土日に開催されることが多いですが、それらに参加しないような人であれば小売業界に向いています。

小売業界に向いていない人の3つの特徴

ここからは、反対に、小売業界に向いていない人の特徴を整理していきます。

就活で小売業界を目指すにあたって「自分に向いているか不安」と悩んだときは、以下3つの向いていない人の特徴をチェックしておきましょう。

小売業界に向いていない人は

Point
  • プライベートを優先したい人
  • 対人関係が苦手な人
  • 体力がない人

では、以下から向いていない人の特徴について詳細を解説していきます。

プライベートを優先したい人

小売業界には、プライベートを優先したい人はあまり向いていません。

なぜなら、小売業界は休日・年末年始・お盆・GWは多くのお客様が来店する稼ぎ時だからです。

そのため、カレンダー通りに休日を迎えられる働き方とは異なり、周りが休んでいる中でも積極的に出勤しなければならないことが多いです。

プライベートを優先したい人、休みの取りやすさを重視したい人などは、小売業界は向いていない可能性があります。

対人関係が苦手な人

小売業界は、対人関係が苦手な人にもあまり向いていないため注意が必要です。

多くの場合、小売業界で働く際は、取引先・お客様・従業員同士で頻繁にコミュニケーションを取る必要があります。

さらに、接する人は老若男女問わずさまざまなタイプが挙げられるため、むしろ対人関係スキルはある程度高くなければ務まらない部分があります。

最低限のコミュニケーションで黙々と作業して働きたい人などは、別の仕事を検討したほうが無難です。

体力がない人

小売業界は、体力がない人にも向いていません。

小売業界で働く際はある程度の体力が求められるため、「働いてみたら意外と肉体労働できつい」と感じる人は少なくありません。

接客する際は基本的に立ちっぱなしで働かなければならず、商品が詰まった段ボール箱を運搬するなどの作業も伴います。

特に繁忙期や休日は、朝から晩まで仕事をしなければならないことも多いです。

体力に自信がない人はきついと感じる可能性が高いため、慎重に選ぶことが重要といえます。

小売業界で働く3つのメリット

普通のサラリーマンやOLとして働くのも憧れますが、小売業界で働くメリットも多数あります。

最初は覚えることが多く大変でも、良さを感じられると続けていて良かったと仕事にもやりがいを感じられるようになるでしょう。

小売業界のメリットは主に3つあります。

Point
  • 平日休みが多い
  • 仕事のやりがいを感じやすい
  • ノルマが課されにくい

こちらではメリットについて詳しく紹介していきます。

平日休みが多い

本来事務職などをはじめ、大手企業でサラリーマンやOLとして働くと土日や祝日が休みになります。

しかし小売業界で働くと、本来皆が働いているような平日に休みが多く便利です。

銀行や病院なども土日は休みのところも多いですし、休日に行っていても別途料金を取り高くなっている場合も多々あります。

平日休みであれば、通常通りに銀行や病院なども行っていますし、どこに行っても休日に比べて少ないため楽です。

人気のある飲食店などは土日となると学生やサラリーマン、OLが休みになる時なため一気に並びなかなか食べられない場合もあります。

しかし平日であれば皆勉強や仕事があるため、並んでいる人も少なくなり比較的スムーズなことも多いです。

さらに旅行に行く時にもすんなり新幹線やホテルの予約も取れやすいですし、土曜日に比べると月曜日から木曜日に泊まる方がホテルも安くなります。

お得に見たい場所や行きたい場所に行けるため、働くとメットを感じられるでしょう。

仕事のやりがいを感じやすい

小売業ではお客様と直接接しながら話をするため、生の声を聞きながら販売ができます。

さらに自分の接客態度が良いとお客様に褒めてもらえることもあり、直接言われると喜びにつながるでしょう。

仕事では大変なことも出てきてしまいますが、優しいお客様に褒めてもらえたらそれまでの疲れが吹っ飛ぶ程嬉しいものです。

中には日ごろのお礼も兼ねて、自分が旅行に行った先のお土産やプレゼントなどをくれるような方もいます。

直接的ではなくても、会社にメールやSNSなどを通じて●●さんに接客してもらい気分が良かったと褒めてくれるケースもあります。

ノルマが課されにくい

小売業界で働くメリットとしてノルマが課されにくいという点も挙げられます。

小売業界の中でも日用品など営業をかけずともニーズが高いものを取り扱っている業種ではノルマが課されることはほとんどないと言われています。

しかしながら、仕事の能力で差がつきにくい分、キャリアアップが難しいという面もあります。

小売業界で働く3つのデメリット

平日休みで動きやすいなどメリットを感じられることもありますが、逆にデメリットに感じてしまう点もいくつかあります。

どんなデメリットがあるのかあらかじめわかっていると、後からビックリせずに済むでしょう。

小売業界の主なデメリットはこちらです。

Point
  • カレンダー通りに休めない
  • 仕事のストレスが溜まりやすい
  • 転勤が多い

ここからはどんな点が残念な部分か、紹介していきますのでぜひ参考にしてみてください。

カレンダー通りに休めない

平日休みな点はメリットではあるのですが、逆に土日休みたいと思ってもなかなか休めません。

中には1ヶ月の間で何回までは土日の休みを取っても良いなどと決めて休ませてくれるような職場もありますが、忙しく人が足りないような職場であればよっぽどのことがなければ出勤です。

冠婚葬祭など休まなければならないような時でないと、自由に休めないでしょう。

周りも平日休みが取れるような友人や家族であれば問題ありませんが、サラリーマンやOLの人が多い環境だと自分だけ土日の遊びに参加できないという場合も考えられます。

休日だからこそコンサートやお祭り、催し物があったとしても自分だけはお店が忙しいから休めない場合も考えられるため覚悟が必要です。

特にお正月やゴールデンウィークは混み合うので、必ず出勤の会社も多いでしょう。

仕事のストレスが溜まりやすい

直接お客様と接する仕事ですので、常に人と接しています。

特に問題が起きずに仕事ができていれば問題ありませんが、時にはトラブルになることもありストレスも溜まってしまうでしょう。

たとえばパソコンや何か事務作業のようなものでも疲れてストレスというのはありますが、人を相手にしていると感情も含まれてきますので相手との上手な距離を保つのも大変です。

時にはすごい勢いでクレームを話すお客様に当たることもありますし、それなりに人を相手にする仕事なためストレスは出てきます。

最初は自分が否定されているような気持ちになってしまうかもしれませんが、会社で働いている社員として言われていて自分を否定されているのではないと割り切るの心も大切です。

ストレスが溜まらないように、上手に発散できるようになりましょう。

転勤が多い

小売業界は転勤が多いとされています。

転勤が多く見られる企業の特徴としては全国的にチェーン展開しているところが挙げられます。

転勤が多いことで、今後のビジョンを立てづらくなってしまうのがデメリットです。

しかしながら、最近では転勤の範囲を限定できる制度を導入している企業も現れ始めています。

その分、給料が下がったり、昇格が難しくなる可能性はありますが転勤がデメリットに感じる人にとっては心強い制度かもしれません。

小売業界で活かせる資格

小売業界に就職するために必要不可欠な資格というのは存在しませんが、自分の能力を客観的に示すことができる資格を持っていると他の学生と差をつけることができます。

小売業界で活かせる資格としてはリテールマーケティング検定がおすすめです。

リテールマーケティング検定は小売業界の定番資格と言われています。

検定で用意されている級は1〜3級があり、就活生であれば時間も限られているため最も取り組みやすい3級を取得するのがベストだと考えられます。

リテールマーケティング検定3級は小売業で必要な基本的知識が出題されます。

近年は学生の受験者も増えてきており、認知度も増えてきているため、就活でアピールできる資格になるでしょう。

まとめ

もし今まで小売店でアルバイトをしていたのであればおおよそどのような業界かは判断できると思いますが、接客がメインの業務の1つとなっています。40代以降で管理職になれば接客する機会が減り、企業の運営側として働くことになりますが、新卒で採用されてしばらくはほぼ接客です。

そのため、接客が苦手という人は絶対に向きません。もしアルバイトで接客をしていて違和感を覚えたことがあれば、別の業界を目指すのも手です。

そうでなければ高度な専門性が必要なわけでもなく、人を選ばない業界なので興味を持ったならばぜひ挑戦しましょう。

柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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