メーカーは製造業とも呼ばれその関わる範囲は広く、原材料を調達することから部品を組み立て製品にすること、そして販売することも行います。
日本の基幹産業なのでその業界の裾野は広く、一言でメーカー業界を志望先としても特徴の全容を把握するのは難しいのではないでしょうか。
そのためこの記事では、メーカー業界とは何かからメーカーの種類や職種、この業界に向いている人の特徴まで、細かく紹介していきます。
最後まで読むとメーカー業界を把握できて、メーカー業界を目指すメリットデメリットを理解して、ポイントを押さえた就活に取り組めます。
メーカー志望で日本のものづくりに関わりたいと思う方は参考にしてください。
- メーカー業界の特徴とメーカーの種類
- メーカーの職種
- メーカーと商社の違い
- メーカーの動向と今後の課題
- メーカーに就職するメリットとデメリット
- 日本のものづくりに関わりたいと思う人
- どのような人がメーカーに向いているのか知りたい人
- メーカーに就職するメリットとデメリットを知りたい人
- メーカーに就職するためのポイントを知りたい人
【メーカーの特徴】メーカー業界の特徴
メーカーとはモノづくりをする企業のことで、製品を製造すること全般に関わるため製造業とも呼ばれます。
製造する製品により、自動車メーカーや電子機器メーカー、機械メーカー、精密機械メーカー、食品メーカー、アパレルメーカー、化粧品メーカーなどに細分化できます。
自動車や総合電機を筆頭に世界的に有名な日本製品は数多くて、日本経済にとって重要な役割を果たしています。
メーカー業界では原材料の調達から製品の設計、製造、組み立て、販売に至るまで、非常に幅広いプロセスがあります。
メーカー業界の裾野は広く様々な専門職や技能を必要とするため、いろいろな職種やキャリア形成の選択肢があります。
【メーカーの特徴】メーカーの種類
メーカーが製造するものは車や機械など大型の製品から、衣料品や食料品など消費者の生活に密着したものまで幅広いです。
全てを1社で一手に製造する総合メーカーばかりではなくて、分業化が進んでいます。
まず、製品の元となる素材を専門に作る素材メーカーがあります。
そして、素材から最終製品に組み込まれる個の部品を作るのが部品メーカーです。
個の部品を最終製品にするため、組み合わせて加工するのが加工メーカーとなります。
- 素材メーカー
- 部品メーカー
- 加工メーカー
- 総合メーカー
素材メーカー
素材メーカーは鉄鋼や化学素材、樹脂やゴム、非鉄金属、紙、ガラスなどの製品の素となる素材を製造するメーカーです。
石油や鉄、アルミ、木などの原材料を仕入れ、それを加工して自動車や機械、建材などの一部として加工されるための高品質で安全な素材を作ることを基本にしています。
- 鉄鋼
- 紙・パルプ
- 繊維
- 化学
- 電線
- 半導体
部品メーカー
部品メーカーは製品全体を作るのではなく、その一部に特化して製造を手掛けているメーカーです。
日本は部品に強く、あらゆる製品のメーカーの要求に応えて、きめ細やかな設計と職人の作業による部品が作れると、世界から評価を受けています。
機械や自動車部品にはじまり、スマートフォンやパソコンなどのデジタルデバイスの部品、家電製品など、大中小問わず、さまざまな部品メーカーが存在します。
特に町工場や中小企業のメーカーが活躍しているのも、部品メーカーの特徴です。
部品メーカーはとても幅広く、さまざまな分野に別れています。
部品メーカーの主な分野は以下の3つです。
- 自動車部品
- 電子部品
- 機器部品
加工メーカー
加工メーカーは素材メーカーで製造された素材を加工して製品へと仕上げるメーカーとなります。
素材メーカーや部品メーカーから仕入れた素材や部品を組み立て、加工して車を作る自動車メーカーや、下処理された食材や製粉された小麦粉、製造された調味料などを加工して食品を作る食品メーカー、ポリエステルやコットンなどの素材からさまざまな色に仕上げられた生地を仕入れて衣料品に加工するアパレルメーカーなどが挙げられます。
なお、素材から加工まで一貫して行う自社生産・加工メーカーも少なくありません。
医薬品メーカーや化粧品メーカーが代表的で、素材となる物質や成分を自社で研究・開発して量産化を行い、さらにその素材を駆使して新しい医薬品や化粧品を企画、開発して最終製品へと仕上げる加工まで担います。
- 自動車
- 機械
- 電機
- 精密機器
- 食品
- 衣料品
総合メーカー
総合メーカーは上流の素材生産から下流の製品完成に至るまで、全ての工程を自社で一貫して行うメーカーです。
これは自社開発の素材を素早く製品に活用するために、一貫して担うのが合理的だからです。
大手企業でそれぞれの工程の事業部門を持ち、幅広い商品を手がけている場合が多いです。
例えば、医薬品や化粧品などが挙げられ自社の基礎材料の優位性や独自性が重要視されるため、研究開発部門が充実している傾向にあります。
- 大手医薬品
- 大手化粧品
- 大手電機
メーカーについてもっと詳しく知りたい人はこちらの記事を参考にしてみてください。
【就職:メーカー】メーカーの仕組み
この記事ではメーカーのビジネスモデルについても詳しく紹介します。
ビジネスモデルは企業が利益を得る仕組みという意味です。
「難しそうだから飛ばそう」「就活においてはそのような情報はいらないのでは?」と思うかもしれませんが、企業理解を深めていなければ内定を得ることはできません。
可能な限り簡潔に説明するので、この記事を熟読して、メーカーの仕組みについても理解を深めておきましょう。
BtoBメーカー
BtoBとは「business to business」の略です。
BtoBメーカーとは企業間で商品やサービスの取引を行うメーカーを指します。
そのため、日常的に名前を聞くことが少ない企業が多く、消費者の目に触れにくい存在です。
しかし、BtoBメーカーは多くの業界で不可欠な存在であり、特に素材や部品の供給を行う企業が該当します。
例えば、化学メーカーや自動車部品メーカーなどは自社の製品を完成品として他の企業に供給し、その企業の製品づくりに貢献しています。
BtoBメーカーは顧客単価が非常に高く、一度の取引で大きな金額が動くことが多いため、安定した収益が見込まれます。
また、BtoBメーカーの強みは、顧客である企業のニーズに応じたカスタマイズや高品質な製品を提供する能力にあります。
BtoBの市場は一度契約を結ぶと長期間にわたる取引が続くことが多いため、取引先企業との信頼構築が非常に重要です。
したがって、BtoBメーカーにおいては営業力や技術力、さらにはアフターサービスの充実が成功のカギとなります。
- 企業を相手にするため顧客単価が大きい
- 一度で大きなお金が動く
- 取引期間が長い場合が多い
- 市場規模が大きい
- 経営基盤が安定しているという特徴がある
BtoCメーカー
BtoCは「business to customer」の略で、一般消費者を顧客とするビジネスモデルを指します。
BtoCメーカーは日常生活の中で消費者と直接接点を持つ機会が多く、私たちが日常的に利用する製品やサービスを提供しています。
例えば、家電メーカーや食品メーカー、衣料品メーカーなどがBtoCメーカーに該当し、一般消費者に対して製品を販売し、その代金を受け取ることで利益を得ています。
BtoCの取引は顧客単価がBtoBに比べて小さく、多くの消費者を獲得することが利益を上げるためのカギとなります。
このため、広範なマーケットを対象とし、消費者のニーズやトレンドを的確に捉えることが重要です。
また、BtoCメーカーは直接的に消費者のフィードバックを受けることができるため、迅速な製品改良や新商品開発が可能です。
このように、消費者のニーズに迅速に応えることで、企業の競争力を高めることができる一方、多くの顧客に対するサービスの提供や顧客対応が求められるため、オペレーションコストがかかることも特徴の1つです。
- BtoBに比べて顧客単価が小さい
- 多くの顧客を獲得できるかがポイント
- 経営基盤が安定している
【メーカーの特徴】メーカーの職種
メーカー、イコール製造というと、工場で作業をするスタッフや技術者などがイメージされがちです。
ですが、製品を製造して販売するうえでは多くのプロセスがあり、さまざまな職種が存在しています。
メーカーでの開発や製造というと、理系出身者や工学系出身者が希望する職種と見られがちですが、営業からコスト管理、広報や事務に至るまで幅広い職種があるので、文系、理系を問わず、あらゆる学部や学科の出身者がチャレンジできる業界です。
海外との取引や、海外への工場建設なども増えているため、語学力なども活かせる仕事が用意されています。
営業職
いかに高品質な素材や製品を製造しても、買ってくれる人がいないのでは経営は成り立ちません。
かけたコストを大きく上回る売り上げを目指すことが求められます。
自社で製造いた製品の魅力や内容を伝え、加工メーカーや流通小売業などに売り込んでいく役割を担うのが営業職です。
法人担当者へのアプローチや折衝はもちろん、新たな導入先の開拓も欠かせません。
食品メーカーの営業職にいたっては小売店で並べるスペースを確保したり、自ら新製品を並べて歩くような地道な活動もしたりしています。
生産管理職
生産管理職はメーカーでは、非常に重要なポジションを担っています。
品質の維持やコスト管理などはもちろんですが、売れ残りを作らないこと、逆に需要があるのに供給できない状況を作らないことなど、企業の売り上げや収益も左右するポジションです。
各メーカーにおける製品や製造技術に対する確固たる専門知識や技術を有するとともに、マネジメント的な能力も必要になります。
商品企画職
消費者や法人などエンドユーザーが何を求めているのかをリサーチし、時代のニーズをキャッチアップしながら、新しい商品の開発を担う職種です。
少子高齢化や経済のグローバル化に伴い、従来のターゲット層だけでなく、対象となるユーザーも広がりを見せており、国内外の多様なニーズを細かく分析して商品開発へと活かす必要が生じています。
モノがあふれ、飽和状態にもある中で、次なるヒット所品をいかに生み出すかは大きな課題です。
長年愛される商品を維持するとともに、会社の成長を止めないための次世代を担う商品開発は不可欠です。
研究開発職
商品企画職からの依頼に基づき、新たな製品のための素材や原料、部品などを開発したり、既存の製品をよりブラッシュアップするために常に改良や新たな成分や技術の開発を担ったりする職種です。
製造する製品の種類により、専門資格や専門知識、技術などが求められます。
たとえば、医薬品メーカーであれば薬剤師の資格や、薬剤に関する専門知識が求められます。
製造職
製造現場を担う職種で、メーカーには欠かせない人材です。
製造を一から担うほか、日本ではライン製造による役割分担も少なくありません。
アルバイトやパート、派遣スタッフなどさまざまな人材が携わる中で、やがては、現場をまとめ上げて管理するリーダーや管理職としての役割も期待されています。
宣伝・広報
B to Bの製品はもちろん、エンドユーザーが消費者である B to Cのケースでは、宣伝や広報の役割も重要です。
食品や化粧品を中心にテレビCMや雑誌広告、現在ではSNSやオンラインショップなどのネットも駆使して、販路拡大や売り上げ増大を目指します。
資材調達
資材調達は地味な職種に思えて、実はとても重要です。
製品の素となる資材は、いかに高品質で安心のものを、いかに低コストで仕入れるかでその後の製品の品質や収益にも関わってくるからです。
【メーカーの特徴】メーカーと商社の違い
メーカー同様、商社もとても人気のある業界です。
商社も製品を販売する点ではメーカーと似通った事業を行っていますが、もちろん、それぞれはまったく異なる業界ですので、違いをしっかり理解しておきましょう。
簡単に言えば、メーカーは自社でモノを作る会社、商社は製品を調達して売る会社です。
商社の中にはかなり手広く事業を行い、モノを作る会社と提携したり、グループ内にモノを作る会社を持っていたりもします。
メーカーの中にも、独自ルートで原材料を調達したり販売したりする企業もあります。
昨今は境界があいまいになり、判断がつきにくい場合もあるかもしれませんが、あくまでも自社でモノを作っているかいないかが見分けるカギです。
原材料を仕入れて加工し製品を作って売るのがメーカーであり、商社は国内外からあらゆる品を調達して販売するのが仕事です。
仕事内容の違い
年収の違い
やりがいの違い
仕事内容の違い
メーカーと商社で重なりやすい業務が営業です。
ただ、メーカーの営業は自社製品を販売するのが仕事であり、他社から調達した製品を販売する商社の営業とはそこが大きく異なります。
メーカーの営業は完成品を売るのも仕事ですが、売れる商品を作るために企画段階からプロジェクトに加わることもあります。
場合によっては素材から開発することもありますし、自社製品に対する専門知識も必要となるのが特徴です。
扱う商品は自社のものだけに限られますが、それだけ深く製品を理解する必要があります。
一方で商社の営業は、顧客から「欲しい」と言われたものを調達したり、「売りたい」と言われたものを販売するルートを開拓したりするのが主な仕事です。
メーカーが顧客となる場合も多々ありますし、いかに要望に沿ったものを探して提供するかが勝負どころです。
扱う品は種類も数も膨大なので、それぞれに対する理解を深めるよりも、広い知識と迅速な対応が求められるのが特徴です。
年収の違い
メーカーと商社の年収を比較すると、一概に言えませんが、商社のほうがメーカーより高めになる傾向があります。
ただしこれは企業規模にもよりますし、職種や勤務地によってもかなり変動するため必ずしもそうとは限りません。
なぜ商社のほうが高めになるかと言えば、商社はあまり固定費がかからないからです。
メーカーのように工場を持てば設備投資も必要ですし、ランニングコストもかかりますが、商社はそれらを自社で抱える必要がありません。
また商社は基本的に在庫を持たないので、保管のコストもかかりません。
そうした経費を人件費に分配したり、拠点に人員を派遣して赴任手当をつけたりすることから高めになりやすいと言えるでしょう。
やりがいの違い
やりがいに関しては一人ひとり違いますので、こればかりは何とも言えません。
強いて言えば、メーカーを希望する人はモノ作りをすることにやりがいを感じ、商社を希望する人は顧客の御用聞きをすることにやりがいを感じる傾向があります。
世界で活躍するという点においては、昨今はメーカーにも商社にもチャンスがあります。
ただ、自分一人で莫大な金額を動かすような大きな取引をしたいなら、総合商社のほうが向いているでしょう。
【メーカーの特徴】メーカーに就職するメリット
メーカーへの就職は勝ち組と言われてるくらい学生からの人気が高い業界です。
人気の理由であるメーカー就職のメリットについて詳しく解説していきます。
もしメーカー業界に就職しようと考えている方は是非参考にしてください。
平均年収が高い
経営が安定している
ホワイト企業が多い
平均年収が高い
一つ目のメリットは平均年収が高いということです。
これは先ほど商社との違いでも述べましたが、メーカーは比較的平均年収が高いとされています。
実際に2020年の業種分類別の平均年収ランキングではメーカーが453万円で一位にランクインしています。
ちなみにメーカー企業の中ではたばこを扱う企業の平均年収が641万円で二位に100万円以上の差をつけて一位にランクインしています。
日本の平均年収ランキング1~20 位(2025年版四季報参照)
2 キーエンス(2765万円)
13 レーザーテック(1576万円)
14 ディスコ(1564万円)
経営が安定している
二つ目のメリットは経営が安定しているということです。
この理由としては素材や部品を扱うメーカー企業は販売先が国内外に多数あるために、景気や消費者の影響を受けづらいという点が挙げられます。
メーカー企業の中でも特に素材を製造する上流工程メーカーは経営が安定しているとされています。
上流工程メーカーとは紙や木材、鉄など、主に製品の部品になる素材を製造している企業のことを言います。
ホワイト企業が多い
三つ目のメリットはホワイト企業が多いということです。
メーカー企業は生産管理がきちんと行われているため、社員に膨大なタスクを強いる可能性が他の業界に比べて比較的少ないです。
その他、福利厚生がかなり充実しているところもあります。
これらの点はメーカー企業の中でも差がありますのでご自身の志望する企業については必ず口コミやホームページなどを参考にするようにしましょう。
【メーカーの特徴】メーカーに就職するデメリット
先ほどはメーカーに就職するメリットについて解説しました。
ですがその反面、デメリットも存在するのです。
そこでここからはメーカーに就職するデメリットを2つご紹介していきます。
年功序列の風潮が残る企業が多い
転勤が多い
年功序列の風潮が残る企業が多い
一つ目のデメリットは他の業界と比べて比較的年功序列の風潮が残る企業が多いということです。
というのもこれは先ほどのメリットで述べたメーカー企業は経営が安定しているという点が深く関係しています。
メーカーは経営が安定していて、創業年数が長い企業が多いため、年功序列の風潮が残っている場合が多いのです。
そのため実力主義でどんどん出世したいと考えている人にはあまり向いていない業界かもしれません。
転勤が多い
二つ目のデメリットは転勤が多いということです。
理由としてはメーカー企業が効率的に物作りをするためには各地に拠点を持つことが必要になるからです。
そのため、大手企業になるにつれて拠点の量が増え、転勤の可能性も高くなります。
どうしても転勤をしたくない人は他の業界にも視野を広げるようにしましょう。
待遇が変動しにくい
待遇が変動しにくいのは、メーカーで働くことにおける大きなデメリットの1つであると言えるでしょう。
良くも悪くも年功序列の考え方が根強いため、仕事で成果を上げても給料に反映されにくいのです。
若手の段階から目覚ましい活躍を残してお金を稼ぎたいと考えている人はやる気がなくなってしまうかもしれないため、あらかじめ覚えておきましょう。
【メーカーの特徴】メーカーに向いている人の特徴
メーカーは分野や職種が多彩で、それぞれ人材に求めるスキルや適性が異なっています。
ひとことでメーカーといっても、分野が違えば企業が求めるタイプは大きく異なります。
すでに希望する仕事の方向性がはっきりしているなら、その分野に向いているのはどんなタイプかリサーチして対策を行えば、就活を有利に進められるでしょう。
漠然とこの業界への就職を考えているという人は、分野別に傾向をリサーチし、どの分野のメーカーに向いているのか分析したうえで、自分が応募すべき企業を導き出すのがおすすめです。
【文系】メーカーに向いている人は?
文系学生は営業や企画、マーケティングや管理部門に配属されることが多いです。
そういった職種に向いている学生の特徴を3つ紹介します
コミュニケーション能力がある
コミュニケーション能力がある人は非常にメーカーに向いていると言えます。
特に、メーカーの営業職では取引先との関係構築が重要な仕事となります。
取引先のニーズを正確に把握し、信頼関係を築くためには相手の話をしっかりと聞き、適切なタイミングで自社製品の提案をする能力が重要です。
顧客の要望に迅速に対応することで、長期的な信頼を得るための柔軟な対応ができることも求められます。
また、社内でのコミュニケーションも同様に重要であり、研究開発や生産、販売の各部門が連携しながら製品を生み出すため、他の社員と円滑に連携する協調性も欠かせません。
マーケティング力がある
メーカーは単に商品を作るだけでなく、その商品が市場で求められ、売れることが重要です。
そのため、マーケティング力がある人もメーカーに向いています。
顧客や市場のニーズを的確に把握し、適切な製品をタイミングよく提供できるかどうかが企業の成長を左右します。
市場動向を読み解き、消費者が何を求めているのかを正確に掴む能力が必要です。
特にマーケティングや商品企画の部門では文系出身者も大きく活躍しており、マーケティング力があれば文系の人々も重要な役割を担うことが可能です。
企業・商品に愛着がある
企業や商品に対して愛着がなければ、良い商品を作ることはできませんし、売上を伸ばすこともできません。
特に営業職では自社の商品を他社に売り込む際、まず自分自身がその商品に対して深い理解と愛着を持っていなければなりません。
商品についての深い知識や、その製品が市場においてどのような価値を持っているかを説明できることは営業活動における大きな強みとなります。
相手に信頼されるためには自分がその商品や企業を信じ、誇りを持って語れることが大切です。
【理系】メーカーに向いている人は?
理系学生は研究開発や生産管理など技術職に配属されることが多いです。
そういった職種に向いている学生の特徴を3つ紹介します。
手先が器用
メーカーの中でも、精密電気機器や電子部品など、非常に緻密な手作業を要する職場では手先が器用な人の方がその力を発揮します。
手先が器用というのはあくまでも主観的な判断、自己または他己から見た評価であり、採用の合否に直接かかわるものではありません。
しかし、緻密な手作業に専念するにはやはり向き・不向きがあります。
苦手意識のある人は、効率が下がったり作業中にストレスが増えたりすることになってしまいます。
もし、子どもの頃から工作や細かい作業が得意で手先の器用さに自信がある人は、面接で積極的にアピールしてみるとよいでしょう。
地道に努力できる
メーカーの研究開発や生産部門においては地道な努力が求められる場面が多々あります。
特に研究開発職では実験や検証を繰り返し行い、失敗を重ねながらも新しい技術や製品を生み出していく作業が主となります。
試行錯誤が続く中でも諦めずに、コツコツと取り組む姿勢が重要です。
難易度の高いプロジェクトにおいても、課題に対して粘り強く努力できる人は研究開発の場で大きな成果を上げることができるでしょう。
数字に強い
電気・電子分野の開発・製造を行う職種では、数学の公式を応用して製品を開発したり、図形や図面を見ながら作業を進めたりするため、数学的知識を利用した業務が多くを占めています。
したがって、技術者になるなら数学が好きな人や、数学が得意な学生が断然有利です。
電気系メーカーの技術職は、電気系や機械系の大学生・大学院生を募集していることが多いため、自然と数学に明るい人材が集まってきます。
ただし、数学が苦手な人が必ずしも不利になるとは限りません。
事務系の部門は文系も多く、電気系の専門知識を学んでいなくても事務職や営業職に就くことができます。
職種を選べば、各分野の専門スキルを活かして活躍することが可能です。
【メーカーの特徴】メーカーに就職するための重要なポイント
メーカーの内定をゲットするには、どのようなことに気をつけてエントリーシートを書いたり、面接に臨んだりすればいいのでしょうか。
アピールすべきポイントについて解説します。
あなたのモノづくりに対しての熱意を述べる
その会社でなくてはいけない理由を述べる
その会社の製品のよい点、悪い点を理解しておく
あなたのモノづくりに対しての熱意を述べる
研究開発職や製造職はもちろん、営業職など職種の種類を問わず、モノづくりに対する熱意を具体的に述べられることは重要なポイントです。
営業職は保険や金融、不動産などモノ以外のものでもできるわけですから、なぜ、その企業が作っているモノを売りたいのかを伝えなくてはなりません。
形あるモノ、想いが詰まったモノの魅力を消費者や事業者に伝える営業職として、モノづくりへの理解や情熱がないと役割を担えないからです。
その会社でなくてはいけない理由を述べる
メーカーは製造する種類も多彩で、同じ業種であっても、数えきれないほどのメーカーが存在しています。
その中で、なぜその会社を志したのか、製造されている製品の具体名や企業理念、製造技術やプロセスのほかの会社との違いまで言及して伝えましょう。
他社とは違うことを理解していることは、その会社への情熱や想いが強いことを意味し、他ではないその会社を選んだ理由が伝わりやすくなります。
その会社の製品のよい点、悪い点を理解しておく
当然ながら、製造している製品の名称や種類、利用目的や利用者、品質や性能などを強い興味を持って理解しておきましょう。
エンドユーザーの声を調査するなど、自分でも使っている製品についてはその評価も踏まえます。
よい点だけでなく、悪い点も理解し、ユーザーの満足を高めるため、よりよい製品の製造に尽力したい熱意を語りましょう。
【メーカーの特徴】 メーカーの動向と今後の課題
就活を考える上で欠かせない視点が、その業界の動向と今後の課題です。
日本はモノ作りの国として世界進出してきたので、経済産業省や厚生労働省など政府もメーカーの動向には注意を払っています。
メーカー業界に差し迫っている課題は人手不足の解消で、デジタル人材の育成が必要と言われています。
また、コネクテッド社会の広がりで「モノ」からサービスやソリューションへの転換期である点も特筆されます。
・人材育成
・DX化の遅れ
・海外進出
・D2Cモデルの浸透
人材育成
近年は、人件費の上昇や材料コストの高騰により競争力が低下しています。
競争力の維持には革新的な製品を生み出し続ける必要があり、企業が取り組めるのは高度な技術力と創造力を持った人材を確保することです。
しかし、技術革新のスピードに対して、専門知識を持つ人材の育成が追いついていないのが現状です。
さらに、高い技術を持った熟練工の高齢化や優秀なスキルを持った若手人材の海外進出によって人手不足を深刻化させています。
業界が持続可能な成長をするには、技術者を積極的に育成し継続的な学習機会の提供が求められています。
そのため、理系文系を問わず採用活動して、自社教育に注力して育成する取り組みを行う企業も増えています。
DX化の遅れ
DXとはデジタルトランスフォーメーションの略です。
これまでアナログで人が行ってきたことをデジタル化し、コンピューターの力を借りて効率化と最適化を行うことです。
メーカー業界は主要産業として長く経済を支えてきたことで、社歴が長い企業も多いです。
そのため、伝統的な企業文化と経営陣の新しい技術への関心や理解力の不足という弊害も生まれがちです。
AIやIotといった先進的なIT技術の導入が多くの業界で行われているが、対応できる人材が確保できていないことからICT活用が遅れています。
経営効率の向上と製品製造のクウォリティ向上に貢献するので、DX化への取り組みは前向きな検討が急務であると言えます。
海外進出
日本国内で進行中の人口減少と少子高齢化で、国内市場は縮小の一途を辿っています。
これらの課題に直面し企業は安定した収入源を得られる市場を求め、海外進出に踏み切ることが増えています。
海外市場への進出は、新たな成長機会と顧客基盤の拡大を目指す絶好のチャンスです。
しかし、中国や台湾、インドといった国々の経済的に台頭してきており、国際市場での競争は以前より激化しています。
そのため、現地の消費者ニーズに合わせた製品開発や効果的なマーケティング戦略、強力な販売網の構築が以前に増して重要です。
さらに、現地での人材採用やパートナーシップの確立もビジネスの成功において重要な要素となっています。
D2Cモデルの浸透
D2CはDirect to Customerの略で、メーカーが直接ユーザーに製品やサービスを自社のECサイトで提供するビジネスモデルです。
インターネット技術やSNSなどIT技術の普及により顧客とコミュニケーションが取れるようになったのが普及した大きな要因です。
SNSと相性が良い化粧品メーカーを筆頭に進んでいます。
D2Cでは企業が顧客との直接的な関係を構築できて、顧客データを収集して製品開発やマーケティング戦略をより効果的に行えます。
例えば、よりパーソナライズされた製品やサービスの提供などです。
これは、顧客満足度の向上と長期的な顧客関係の構築に寄与し、企業の競争力を高めることにつながります。
脱炭素化
現在、多くのメーカーにおいて脱炭素化が重要なテーマとして注目されています。
日本政府はGX(グリーントランスフォーメーション)政策を掲げており、これを受けて多くの素材メーカー、機械メーカー、自動車メーカーが化石燃料の使用削減や二酸化炭素排出量の低減に向けた取り組みを進めています。
これに伴い、新しい商品や技術の開発が急速に進行しているのです。
特に、電気自動車や再生可能エネルギーを活用した機械、環境負担の少ない素材の開発などが注目されています。
コロナ前の水準に回復傾向
BtoCメーカーの多くは新型コロナウイルスの影響を受け、製品の需要減少や供給の停滞に悩まされました。
しかし、現在では多くの部門でコロナ前の水準に回復しつつあります。
特に消費財メーカーや家電メーカーでは消費者の購買意欲が徐々に戻り、商品需要が回復している状況です。
コロナ禍で消費行動の変化やライフスタイルの変容があった中で、多くの企業は新たな戦略を導入しており、オンラインショッピングへのシフトを加速させました。
これがポストコロナにおいても消費者の新しい購買行動に対応する形で機能し続けているため、業績回復が進んでいます。
また、コロナ禍によって一時的に停滞していたサプライチェーンも徐々に正常な状態に戻りつつあり、製品の生産や物流が回復することで、これまで溜まっていた需要に応えることができ、業績が回復傾向にあるメーカーも少なくありません。
【就職:メーカー】メーカーの志望動機
続いて、メーカーを目指す人におすすめの志望動機の構成について紹介します。
以下の構成はどのような企業を受ける際にも汎用的に活用できるものであるため、メーカー以外の業界も選択肢に入っている人であったとしても、ぜひ活用してみてください。
結論
志望動機を作成する際はまずは結論から述べる必要があります。
なぜその企業に入りたいのか、一言で説明する必要があるため、「私が御社を志望する理由は〇〇です」と一言で説明するようにしましょう。
結論について最初に触れられていないと、冗長な印象を与えてしまい、読む気・聞く気を削いでしまうため、まずは結論から話す必要があります。
理由
続いて、その志望動機を補強する理由について説明しましょう。
なぜその企業に入りたいと思ったのか、なぜそのような志望動機を抱くようになったのかについて簡単に説明します。
ただし、最も重要なのは後に続くエピソードの部分であるため、あくまでこの理由の部分は結論とエピソードをつなぐための役割であるということを覚えておきましょう。
特に文字数指定・時間が少ない場合は、簡単に一言で述べてしまって構いません。
エピソード
続いて、エピソードを分かりやすく説明しましょう。
なぜそのメーカーに入りたいと思ったのか、なぜ自分がメーカーに向いていると思ったのかについて分かりやすく説明する必要があります。
可能な限り客観的な視点を用いて説明することで、その場に居合わせていなかった企業の採用担当者も、あなたのエピソードの情景が思い浮かべられるでしょう。
もし可能であれば、数字などを用いて可能な限り定量的に説明するとなお良いです。
入社後にどうやって活躍したいか
企業は「活躍してくれる人材」を採用したいと考えているため、入社後にどのように活躍したいかを述べることも非常に重要です。
メーカーにおいて自分がどのような役割を果たし、どのように活躍するかについて説明することで、好印象を与えられます。
特に、企業の求める人物像に沿ったアピールをすることができれば、企業研究をしっかりと行っているモチベーションが高い人物であるということも同時にアピールできるでしょう。
業界別例文はこちら
各業界の例文はこちらの記事で詳しく紹介しています。
ぜひこちらも参考にしてみてください。
【メーカーの特徴】まとめ
メーカーは多彩な業種があるほか、職種も多彩です。
自分の興味や知識、技術などに基づき、どのメーカーで何をしたいのかを明確に絞り込みましょう。
そのうえで、モノづくりに対しての熱意、会社でなくてはいけない理由、製品のよい点だけでなく悪い点まで含めて理解し、具体的なアピールができることが内定獲得のカギを握ります。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート