はじめに
就職活動をしている時、様々な場面で自己PRをする場面や、自分の長所について答える場面がでてくるでしょう。
一見すると、自己PRと長所は同じようなものにも思えますが、実は大きな違いがあります。
どれほど素晴らしい発言をしても、面接官からの質問の意図と答えが合わないと、不採用になることもあります。自分では自信をもって伝えた発言が、実は質問の意図とは全く違い、検討外れの内容ということもあるかもしれません。
この記事では、自己PRと長所の違いを、就活生と採用側、それぞれの視点から解説していきます。この記事を参考に、自己PRと長所の違いを理解し、採用側の求める人材像をしっかりと把握して、今後の就職活動に役立ててください。
自己PRと長所の違いは何か
まず、自己PRと長所の違いについて確認していきましょう。
就活生の視点で考える自己PRと長所の違い
ここでは就活生の視点から見た「自己PR」と「長所」の違いについて解説していきます。
自己PRは「自分を採用するメリット」
自己PRは、自分を採用するメリットをアピールするための項目です。
「自分がアピールしたいことを話せば大丈夫だろう」「自己紹介のようなものだ」と認識している人もいるかと思いますが、その認識で面接をしてしまうと、面接官に十分にアピールできないという可能性があります。
自分を採用すると企業にどう貢献できるか、企業にどんなメリットがあるかを、面接官が想像できるようなアピールをするのがポイントです。
この時のポイントは、「会社研究を徹底的にすること」です。
会社のホームページや採用パンフレット、会社説明会への参加やOB訪問などを徹底的に行い、「この会社で求められる人材像」を意識し、アピールしましょう。
長所は「自分の人柄」
長所は、自分の性格や人柄をアピールするための項目です。
たまに長所でも採用するメリットを訴える就活生の方がいますが、 それは違います。自分の持っている雰囲気などを伝えたほうが良いです。
その理由は、人事側は「早期離職しない人材かを見極めたいから」です。
退職理由に「人間関係」を挙げる人は非常に多く、せっかくコストをかけて採用した人材がすぐに辞めてしまっては、人事としては非常に困ります。
そのため、人事は面接段階から見極めようとしているのです。
人事側は、就活生の性格が会社の社風とマッチしているなら会社に馴染んでくれると判断し、そうでないなら人間関係に悩み退職してしまう可能性が高いと判断します。
ここで注意したいのは、自分の性格を偽らないことです。
偽って内定を獲得しても入社後につらい思いをするのは就活生です。
採用側の視点で考える自己PRと長所の違い
ここからは採用側の視点から見た「自己PR」と「長所」の違いについて解説していきます。
自己PRは「会社に貢献してくれそうか」を知るために質問をする
会社にとって新卒採用といのは非常にコストの掛かることです。求人から面接までの人件費や広告費を合わせると、新卒採用1人につきおおよそ数百万円かかると言われています。
採用にあたっては、そのコストに見合った人材を採用したいため、未経験の学生を採用することで会社にどれほど貢献し、メリットをもたらすかを判断しています。
自己PRはその判断のための材料の1つということです。
長所は「社風に合うか」を知るために質問する
長所とはすなわち「強み」です。会社はその強みを知り、それが社風に合うかどうかを判断しています。
会社側としても、どんな学生でも採用というわけではありません。あらかじめ、求めてる人材像というものを想定し、その人材像にはどのような素養と特徴があるかを定義づけしています。
それによって、就活生の強みが会社側の求めている人材像や社風に合うかどうかを判断し、ビシネスに対しての姿勢をチェックするのです。
自己PRと長所をアピールする際の基本
自己PRや長所をアピールする際はエピソードに絡めて話すことで、具体性が生まれて説得力が増します。
アピールしたいことが明確に決まっているのであれば良いですが、話したいことが複数ある時に、どのようなエピソードを話せばいいか、ポイントを確認していきましょう。
自己PRのエピソードは「大学時代に頑張ったこと」
自己PRでアピールするエピソードは「大学時代に自分が頑張ったこと」を素直に話しましょう。
たまに話しを盛る人・ウソをつく人がいますがやめましょう。
エピソードの凄さと、あなた自身の雰囲気がマッチせず、面接官にウソっぽいと思われるリスクがあるためオススメしません。
「あなたを採用するメリット」が面接官に伝われば良いので、エピソード自体はなんでも大丈夫です。
例えば、部活やサークルの話や、アルバイトや趣味についてアピールしてもOKです。
長所のエピソードは「長期間がんばったこと」
長所をアピールするエピソードは「長期間頑張ったこと」をアピールするのがおすすめです。
なぜなら、基本的に面接官のウケが良いからです。
稀にベンチャー企業などでチャレンジ精神や挑戦した回数が重視されることもありますが、長期間頑張ったというエピソードの方が評価されやすい傾向にあります。
上記でも少し触れましたが、面接官は新入社員が短期離職することを非常に恐れています。
採用活動にお金をかけ、人手を使い、複雑な入社手続きを経て雇用したのに短期間で離職されては会社としては大損です。
そのため「自分は短期離職しない人材である」とアピールすることが、手っ取り早い内定獲得のノウハウです。
そして最も手軽な方法が「長期間努力したエピソード」をアピールすることです。
小学生や中学生から継続していることをアピールできればベストですが、小さい頃から継続したエピソードがない人は、大学時代に継続したことをアピールしましょう。
ただし、中学生や高校生時代のエピソードを話す人がいますが、やめておいたほうが無難です。
面接官は「 今のあなたについて」知りたいのであり、高校生以前のエピソードはアピール材料としては賞味期限切れです。
特徴的なエピソードがない人はチャレンジ精神をアピールしよう
そもそも大学時代もふらふらしていたから何かを頑張ったり、長期間頑張ったりしたエピソードがない人もいるでしょう。
その際は「様々なことに挑戦し続けたこと」をアピールすることをおすすめします。
バイトを転々とした、サークルは入ったり辞めたりといった状況でも言い方を変えれば「自分が納得する状態を求めてチャレンジし続けた」とも言えます。
アピールのポイントは「自分の目的達成のためには辞める必要があった」と伝えることです。
例えば、バイトを転々とした理由は「海外旅行が趣味で、長期間旅行にいくためには短期バイトを繰り返す必要があった」などと、目的を明確に伝えましょう。
また、「〇〇という仕事に惹かれて、ぜひ御社で働きたい」など、働く目的を伝えることで、すぐに離職しない人材であるとアピールしておきましょう。
自己PRと長所の内容は一緒でもいいの?
ここまでは自己PRと長所の違いについて見てきました。
それでは面接でアピールする際に、自己PRと長所の内容は同じでも良いのでしょうか。
自己PRと長所の内容は変えるべき
結論から言えば自己PRと長所を一緒にしてしまうのはやめた方がいいでしょう。
同じものをアピールしてしまうと、それぞれの違いをわかっていないと認識されてしまいます。
自己PRは企業に対してあなたを採用するメリットを伝えるもの、長所は企業に対してあなたがどんな人間なのかを伝えるものです。
そのため、自己PRと長所を一緒にしてしまうのは好まれないのです。
長所を自己PRに盛り込むのはアリ
自己PRと長所を一緒にしてしまうことは良くないと伝えましたが、自己PRに長所を入れるのはアリです。
自己PRであなたを採用するメリットを企業に伝えるとともに、長所を盛り込むことであなたと一緒に働いている場面をイメージさせることができるのです。
そのため、自己PRのなかで長所について触れるのは一つの戦略だと言えるでしょう。
ただし、ここで注意しなければならないのは、自己PRに長所を入れた後に長所を聞かれてしまう場合です。
そこで一度伝えた内容と全く同じ内容をアピールしてしまっては内容が薄いといった印象を抱かれてしまう可能性があります。
できるだけ自己PRと長所を分けるか、言い換えたり、別のエピソードを用意しておいたりするなどの対策をすることをおすすめします。
長所と自己PRを考えるための準備
長所と自己PRそのものはアピールすべき内容が異なります。
しかし、自己PRや長所を考えるためにするべき準備は殆ど同じです。
実際に長所や自己PRを書く前に、まずは以下の準備をしてみてください。
準備を丁寧に行えば、その分自己PRや長所も質が高くなります。
自己分析で自分の情報を整理する
まず、欠かせないのが自己分析です。
長所を作成する上でも、自己PRを作成する上でも、自己分析は欠かせません。
自分と向き合って自分の性格を知る事で長所やアピール材料が見つかりやすくなります。
自己分析は様々な方法があります。
できるだけ自分の手を動かして、実際に紙に書けるような方法をとる事をお勧めします。
紙に書いてみることで頭が働き、より深い考え方や発見ができるからです。
ぜひ自己分析は時間をかけて、アナログな方法で行ってみてください。
業界分析で業界の特色を知る
業界分析も、長所や自己PRを考える上でとっても重要となります。
業界分析で特に見てほしいのが、業界の雰囲気や業務に向いている人の特徴、具体的な業務内容です。
もう一度改めて業界分析を行ってみると、業界にとって魅力的な人材像や、どんな人が重宝されるのか想像がつきます。
それに則して自己PRや長所を作成すると企業にとって魅力的なアピールができるのです。
企業研究で企業が求める人材を考える
業界研究と同じ理由で、企業研究も大事です。
企業研究ではさらに的をしぼって、企業のことを調べます。
企業の求人情報やスローガン、社風や雰囲気を見てみると、企業が求めている人材も見えてくるのです。
企業にとってどのような人材が魅力的なのかを考えて見ましょう。
企業ごとに重視される人柄やスキルは異なります。
そのため自分なりに考えて答えを出すことが大切です。
自己PRと長所をアピールする際のポイント
自己PRと長所をアピールする際は、言いたいことを明確に伝えるためにも、構成など注意すべき点が幾つかあります。
話す内容が同じであったとしても、構成の仕方などを変更すると、相手の受け取り方や相手に与える印象に違いが生じます。
また、自己PRと長所の意味合いも就活においては微妙に違いがあるため、注意が必要です。
・アピールすることは1つに絞る ・同じエピソードを使いまわさない ・自分が主体的に行動したエピソードをアピールする ・企業に貢献できることをアピールする ・実際の業務とアピールポイントを結びつける
アピールすることは1つに絞る
多くの就活生はあれもこれもアピールしなければと思い、今までの人生で経験したエピソードを1つでも多くアピールしようとします。
しかし面接官からみると「アピールしている内容が多すぎて結局この就活生は何を伝えたいのかわからない」と感じるケースが多く、そうなると内定獲得は難しくなってしまいます。
そのため、アピールしたいことをあらかじめに1つに絞りましょう。
同じエピソードを使いまわさない
自己PRと長所で全く同じエピソードを使うのはNGです。
例えば、自己PRで「継続力」、長所で「粘り強さ」をアピールするのに「小学校から野球を続けてきた」というエピソードで終わらせてしまっては、自己PRと長所で同じエピソードを使うことになってしまい、また十分にアピールできているとは言い難いです。
この際、自己PRでは「野球を続けつつ、マラソン大会に毎年出場している」というエピソードを使い、長所では「野球でコンディションを維持するため、お風呂でのストレッチは欠かさなかった」というエピソードを使うなど、軸をずらす、別の一面を見せるなどの工夫をしましょう。
自分が主体的に行動したエピソードをアピールする
自己PRや長所で扱うエピソードはなるべく自分が主体的に働いた経験にしましょう。
主体性は社会に出てから、会社の一員になってから、とても重視されます。
頼まれたことを遂行することも勿論必要です。
しかし、それ以上に主体的に考えて行動できる人材が魅力的なのです。
就活では、アルバイトやサークル、留学などさまざまな経験をアピールすることになります。
但し、誰かの指示に従って得た功績よりも自分が自分で考えて行動したことをアピールできると良いです。
結果それが失敗に終わっても、そこから学んだことや他に得たこともあるでしょう。
指示を待つというより主体的に動ける人材であることをアピールしてください。
企業に貢献できることをアピールする
企業は入社後のことを想定しながら学生の話を聞きます。
そのため、自分が入社したらどのように活躍したいか、目標も述べるようにしましょう。
就活は内定をもらうことがゴールですが、人生において、入社後は働くことを見据える必要があります。
自分を雇うと企業にどのような効果をもたらすのかまで目を向けてアピールしましょう。
実際の業務とアピールポイントを結びつける
企業は入社後に貢献して貰える存在かどうかを就活を通して見極めたいため、実際の業務とアピールポイントを結び付ける必要があります。
このポイントをしっかり抑えることができれば、就職試験を合格に導ける可能性が飛躍的に高くなります。
自己PRを作成する際の注意点
自己PRをする際の注意点を3点確認していきましょう。
同じ自己PRを使いまわさない
自己PRは志望動機などと違い、状況に応じて変わるものではないですし、変えなくて良いと思うかもしれません。
しかし、企業によって表現を変えて話した方が魅力的に映ることは間違いありません。
企業の求める人物像を調べ、合わせてアピール内容も変えましょう。
言葉の表現に気をつける
言葉の表現はは難しく、一概に何がダメとは言えませんが、企業に悪い印象を与えないように注意しましょう。
例えば「アルバイトでバイトリーダーをしたからリーダーシップをとっていける」という内容は主体性があり、魅力的な自己PRです。
しかし、伝え方次第では「新人ですが、会社を引っ張る力がありますよ」という生意気な印象を与えてしまう可能性があります。
具体性がある内容にする
自分の強みをアピールしたいがあまり、強みをただただ述べたものは良くありません。
どの部分を企業に活かせるかをしっかり考え、自分にしか言えない自己PRにする必要があります。
一番伝えたい強みに向き合い、採用担当者に印象を残せるような魅力的な文章にしましょう。
ありきたりな強みだな…と思っても具体的な自分のエピソードや、企業にどのように活かせるかの具体的なエピソードがあれば「印象的な自己PR」を作ることは可能ですので、考えてみてください!
長所を考える際の注意点
長所をアピールする際の注意点を2点見ていきましょう。
企業にとって魅力的なものか
長所をアピールする際は、その長所が企業にとって魅力的なのかを考える必要があります。
長所はあなたの人柄を伝える部分ですが、人柄がいいからと言って採用されるわけではありません。
例えば、肉体労働などのきつい仕事であれば忍耐力などを求められたり、マーケティングなどの地味な改善を繰り返さなければならない仕事では、課題発見力やある程度の地頭を求められたりするかもしれません。
このように企業は、人材の適性を見極めるためにもあなたの人柄を知りたいと考えています。
企業に最適なアピールをするために、その企業が求めているものは何を考えてみましょう。
客観性があるか
長所は、あなたの人柄を伝える部分であるため、どうしても自分一人の意見で考えてしまいがちです。
しかし、目には見えない部分だからこそ、他の人からはどう捉えられているかという客観性が大切になってきます。
そのためには、エピソードを数値などを用いて具体的に紹介したり、仲のいい知り合いの話を入れたりして、客観性があることをアピールすることが大切です。
短所も考えておく
面接やエントリーシートで長所だけを聞かれるということは少なく、長所と短所はセットで聞かれることが多いです。
あなたの人柄を把握するためにも、あなたはどんなことが得意でどんなことが苦手で、そのためにどんなことをしているのかと言ったことを企業は知りたいと考えています。
そのため、長所だけではなく、短所も一緒に考えておくと選考で困るということはないでしょう。
短所を考える際のポイントは以下の2点です。
・内容が矛盾していないか ・短所は致命的なものでないか
まず、長所と短所の内容が矛盾してしまっては、選考で一番大切な一貫性が失われてしまいます。
例えば、長所を「継続力」、短所を「新しいことをすぐに初めてしまう」というアピールがあげられます。
矛盾があると、嘘をついているんじゃないかと不安を与えてしまったり、伝えたいことが伝わらないということが起きてしまいます。
次に、短所を聞かれたからと言って何でも正直に伝える必要はありません。
例えば、朝起きるのが苦手で、学校やバイト先に何度も遅刻してしまった、という致命的な短所を持っていても、必ずしもそれを伝える必要はありません。
基本的に短所では改善するために何をしているかも伝える必要があるため、改善しやすいものや改善の方法が見えやすいものを伝える方がいいでしょう。
短所の考え方
長所と短所はセットで考えるべきというのは伝えた通りです。
しかし、どんな短所を伝えればいいのか、短所の伝え方などに不安を抱いている人はとても多くいます。
そのため、ここでは短所の考え方について詳しく解説していきます。
短所を聞かれていても、あくまでも面接ではアピールすることが重要になるため、ただ短所を伝えるだけでなく、企業にとってあなたが魅力的にうつるように短所を考えるようにしましょう。
短所は長所の裏返し
短所を考える際におすすめなのは、長所との関連性を持たせることです。
長所が〇〇だから逆に短所は〇〇です。といったアピールです。
そうすることで長所と短所をセットで印象付けることができ、企業にとってあなたの魅力が伝わりやすいです。
また、長所と短所をセットにすることであなたがどのような改善を行っているのかといった部分も伝えやすいです。
どのような短所を伝えればいいのか迷っている方はぜひ参考にしてみてください。
一貫性を意識する
企業の選考ではさまざまな質問を通してあなたのことを知ろうとしています。
その質問ごとに答えを考えるのではなく、選考を通して企業にあなたはどういった印象を与えたいのかを考えることが重要です。
短所の内容がガクチカなどの他のアピール内容と合わせた時にどこか矛盾を感じることのないようにしましょう。
選考の中ではこの一貫性が非常に重要です。
面接で自己PRや長所を伝える際の構成
自己PRについては、あなたを会社に積極的に売り込むための営業トークとも呼べるものです。
これに対して長所は、あなたの得意なことや性格上の魅力などをアピールし、それが仕事に役立つことを売り込むものです。
いずれも、あなたの魅力を明確化し、企業や、企業の求める人物像にマッチしていること、職種や仕事、職場への適性があることを伝える重要な項目となります。
自己PRと長所と2つの質問が投げかけられるので、あなたの魅力や強みを2つの角度からアピールしましょう。
この際、自己PRと長所をアピールする構成はほぼ同じで問題ありません。
構成は同じですが、伝えるべきアピールポイント、理由、エピソードはそれぞれ違う内容にすることが大前提です。
以下で効果的にアピールできる構成について確認していきましょう。
PREP法を意識する
文章を作成する際には、PREP法を意識してみましょう。
PREP法というのは、「Point ・ Reason ・ Example ・ Point」の略で、文章作成における「型」のようなものです。
例えば、「(私にはリーダーシップという強みがある=Point)(なぜなら、学生時代にリーダーとしてチーム全体をまとめていたからだ=Reason)(例えば、チーム全員の名前を覚え、日頃から声がけをするようにしていた= Example )(そうすることで、チーム全体からの信頼を蓄積し、結果的にチームをまとめることができた。私には信頼される存在になるためのリーダーシップがある= Point)」のように作成することができます。
PREP法を意識することで、読み手にとってわかりやすい文章作成ができるので、是非参考にしてみてください。
結論:私の長所は〇〇なところです(アピールポイント)
自己PRも長所も、質問への答えは結論からはじめます。
結論を端的かつ明快に述べることで、あなたが何を言おうとするのかがストレートに伝わります。
そのため、問いに明確に答えることを基本原則に、結論からスタートさせましょう。
自己PRの場合、「私の強みは〇〇です。」「私のアピールポイントは〇〇です。」などの一言から、長所なら「私の長所は〇〇なところです。」などの一言から始めると良いでしょう。
一見、単純すぎるように思うかもしれませんが、余計な前置きや修飾語はつけずに、ダイレクトにアピールポイントを伝えましょう。
理由:なぜならば〇〇という経験で〇〇ということがあったからです
アピールポイントを伝えた後は、なぜそう思ったのかという理由を伝えます。
理由を述べる際には、自分の強みや長所を裏付ける具体的な経験を伝えることがポイントです。
周りからそう言われるからとか、ほかに思いつかないからなど抽象的な理由や、消極的な理由は避けましょう。
エピソード:私は〇〇で〇〇ということをしていました
エピソード:私は〇〇で〇〇ということをしていました 次にアピールポイントを発揮したエピソードを話します。
エピソードを話す際の構成は、次の4つのステップを意識することで、面接官を惹きつけられます。
1ステップ目:「エピソードの概要」(概要)
2ステップ目:「そこで直面した問題」(問題)
3ステップ目:「問題に対処するために、あなたのアピールポイントを発揮しようと行動に出たこと」(行動)
4ステップ目:「行動に出た結果、どんな成果が現れたのか」(成果)
各ステップのポイント
1ステップ目のポイントは、エピソードの概要を端的にまとめ、伝えることです。
2ステップ目のポイントは、面接官は初めてあなたの話を聞くことを意識し、状況をイメージしやすいように、わかりやすく、明快にまとめることです。
3ステップ目のポイントは、あなたが最初(結論)で述べた、アピールポイントを発揮した内容を伝えることです。
そのアピールポイントを活かして、解決しようとしたという内容をまとめましょう。
4ステップ目のポイントは、問題が生じていた時点とどう変わったのかを、具体的な数値や変化を説明することです。
例えば、アルバイト先で1つの業務に作業時間が20分かかっていたところ、あなたのアイディアによる業務改善で15分に短縮され、生産効率アップに貢献した、などが挙げられます。
このように具体的に述べられると、面接官からのあなたへの期待度もアップします。
これらのステップを意識しなかった場合、3ステップ目で話が終わってしまう方が少なくありません。
しかし、企業にあなたの能力や強みをアピールするには、行動に出た結果まで伝えることが大切です。
まとめ:その経験を活かして貴社では〇〇で貢献していきたいと考えております
エピソードを話し切ったと満足してはいけません。
どう貢献できるのかを具体的に伝えるという、もう1つの構成を踏みましょう。
話したエピソードを会社に活かせることをしっかりとアピールし、話の結論とすることが大切です。
自己PRや長所をアピールする例文
それでは実際に自己PRや長所をアピールする際の例文を見ていきましょう。
自己PRの例文4選
自己PRは、自身にはどのような特徴があり、その特徴を活かしてどう職場や会社の役に立てるかを説明すると良いです。
面接試験においては自己PRを話す時の表情や声の高さによっても、相手に与える印象が違います。
自身の特徴がどのようなものであるかを効果的に伝える文章の例文は以下のようなものになります。
1:「継続力」をアピールする場合
私の強みは継続力がある所です。
私は小学校から大学3年生の引退まで野球を続けてきました。
しかし、中学3年生の時に肩にケガを負い、一時期野球をすることができませんでした。
それでも、今やれることは何かを考え、状況に応じてトレーニングの強度を変えるなど工夫をし、モチベーションを保ってきました。
この結果、ケガをしても挫折せず、野球を続けることができました。
この経験を生かし、御社でも自分がおかれた状況で粘り強く努力し、最大限の力を発揮していきたいです。
2:「協調性」をアピールする場合
私の強みは協調性があることです。
人と接する場面においては何をすれば相手が喜ぶか、何をされれば相手が不愉快に思うか、ということを常に考えるようにしています。
価値観や感覚は人それぞれ違いがあるため、それに合わせて言動なども微妙に変えてきました。
その結果、気が利くと周囲に評価されることが多く、円滑な人間関係を気づくことに長けています。
3:「傾聴力」をピールする場合
私の強みは傾聴力が高いことです。
議論が平行線をたどった時は双方の意見を聞き、互いに妥協しあえる点がどこにあるか、どう妥協しあうかを考えるようにしています。この能力を生かしてサークルの部長を務めました。
4:「行動力と英語スキル」をアピールする場合
私の強みは猛勉強の末に身に付けた英語力です。
大学のネイティブの講師に教えを請い、昼食の席でもできるだけ隣に座るようにし、コミュニケーションの際は全て英語を使うようにしました。
長所の例文4選
企業はその人の長所を聞くことで、その企業の社風や仕事内容に適合する人材かどうかを見極めています。
従って、特出した長所をアピールすることよりも、希望の企業に合っているかどうかを気にかけると良いです。
自己PRと違い、長所はより人柄などヒューマンスキルに焦点が当たっています。
1:長所が「相手の立場に立てること」の場合
私の長所は相手の目線に立てる所です。
私は大学1年生から3年生まで塾講師のアルバイトをしていました。
私の担当は小学生で、その際、どう伝えたらわかりやすいかを意識していました。
担当していた生徒は、最初は勉強が嫌いと言っていましたが、だんだんと成績を伸ばし、勉強が好きになったという声も頂けました。
私の長所である、相手の目線に立てるという長所を御社でもいかし、周りと協力しあい、また親切で丁寧な対応を心掛けていきたいです。
2:長所が「社交性があること」の場合
私の長所は社交性があることです。
私は大学の頃よく一人旅に出ていましたが、言葉のわからない外国に行った際も道に迷った時などは身振り手振りで相手とコミュニケーションを取りました。
一人旅に行った国は言葉は勿論ですが文化も違い、最初は苦労しましたが数をこなしていくうちに何に違いがあるのかに気づくため、コミュニケーションも取りやすくなります。
3:長所が「好奇心旺盛であること」の場合
私の長所は好奇心が旺盛であることです。
大学生の頃はやりたいことは全てやりたいと考え、サッカーと旅行関連のサークルと、領域が全く異なる2つのサークルに入って活動していました。
加入していたサークルの活動は両方とも全力で取り組み、結果的に双方のサークルの部長を務めました。
4:長所がリーダーシップがあること」の場合
私の長所はリーダーシップがあることです。
大学時代に所属していたバスケ部ではキャプテンを務めていましたが、控え選手を含め不満がある部員とは積極的に対話をして、チームが一致団結できるように努力をしました。その結果、チームに団結力が生まれ、県大会で優勝できました。
【自己PRと長所の違い】面接での注意点
面接で自己PRや長所を伝える際にもさまざまなことに注意して伝える必要があります。
面接では基本的にさまざまな質問を通してあなたのことを理解しようとしています。
模擬面接をする際にもこうしたポイントを理解して行うことで選考の通過率は非常に高くなります。
面接について少しでも不安に感じている方はぜひ参考にしてください。
質問の意図を理解する
企業はあなたの本音を聞き出そうと、さまざまな質問の仕方をします。
シンプルに「あなたの長所を教えてください」、「自己PRをしてください」という
聞き方をしても就活生の暗記したテンプレートのような答えしか返ってこないことがあるからです。
そのため、企業からの質問に対してそのまま答えるのではなく、企業がどういったことを聞きたくてそのような聞き方をしているのか考えて答える必要があります。
企業の意図を理解することであなたの魅力が最大限伝わるようなアピールをすることができるので、他の就活生と差別化をすることができます。
一貫性を意識する
面接ではさまざまな質問を通してあなたの答えを聞いた上での総合的な判断をされます。
そのため、長所や自己PRなどだけを対策しても内定をもらうことは難しくなります。
また、ガクチカなどの他のアピールと比較してあなたのアピールが一貫性を持っていなければ、企業はあなたという人物像を把握することができず、選考を通過することはできません。
そうなることのないように、面接では今までのアピール内容やあなたが企業に持ってもらいたい印象に沿った回答ができているか考えることが必要です。
そのためには模擬面接などを通して、あなたの面接が与える印象についてフィードバックをもらうことをおすすめします。
必ず模擬面接をしておこう
就活セミナーでも、友達同士でも良いですので、必ず模擬面接はこなしておきましょう。
ぶっつけ本番で面接に望むと、緊張してうまく口が回らなかったり準備した内容をど忘れすることも多々あります。
模擬面接で場慣れをしておくことで内定が近くなります。
十分すぎるくらい模擬面接は受けておいて損はないです。
暗唱はNG!キーワードを決めて面接に臨もう
面接慣れしていない人に多いのが「準備してきた内容の暗唱」になってしまうことです。
面接はスピーチではなく、自分を売り込むプレゼンの場ですので、その場の雰囲気や面接官の表情に応じて振る舞う必要があります。
面接をする場合のポイントは、キーワードを意識することです。
例えば、「小学校から大学まで野球部に所属し、つらいことから逃げない姿勢をつけた」といったエピソードを話す場合、「部活・野球・忍耐力」という3つのキーワードを意識して話すことが挙げられます。
就活市場エージェントを利用しよう
模擬面接をしたいけど友達がいない、相手がいない…と悩む必要はありません。
その際は、就活エージェントを活用しましょう。
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自己PRと長所の違いを把握して就活に活かそう
就活における自己PRと長所の違いは理解できたでしょうか。
どちらも「自分の良いところをアピールする」という意味では同じですが、意識するポイントが「採用するメリット」か「自分の性格」と、異なります。
また就活の面接は、できるだけ友達や就活セミナーの講師や、就活エージェントをりようして模擬面接してもらいましょう。
自分ひとりだけで面接対策は難しく、結局面接官の受ける印象次第で合否が大きく変わってしまいます。
ぜひ第三者に、客観的にあなたの面接のフィードバックをしてもらいましょう。
自己PRと長所でアピールを変え、早期かつ第一志望企業からの内定を獲得しましょう!
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート