はじめに
就活の面接では様々な質疑応答が行われます。
その際に言いたい結論を裏付けるために重要なのが、エピソード(体験・事例)です。
自己PRでも志望動機やガクチカでも、エピソードを話さなければ曖昧でリアリティに欠ける内容になってしまいます。
とはいえ、良いエピソードがないと悩む人も多いようです。
就活に欠かせないエピソードの探し方について解説します。
自分の過去経験からエピソードを見つける方法
体験エピソードを見つけるためには、自分の過去を洗い出す必要があります。
自己分析のやり方と似ており、過去を思い起こすことで自分と向き合い楽しかったことや辛かったことなどを探り出せます。
その中から、面接に活用できそうなエピソードを見つけることができるはずです。
具体的なエピソードの見つけ方を見ていきましょう。
今までやって来た活動や、行動を書き出す
就活ノートを作り、過去の行動について書き出してみます。
幼少期ではなく、物心ついて自分で物事を判断できるようになってからの行動です。
「ガクチカ」に関しては、その中で学生時代の間の行動だけに注目します。
学校での出来事をはじめ、友達との交流やお稽古事、部活やボランティアなど様々な出来事があるはずです。
順番に書き出していくことで、忘れていた出来事も思い出せるでしょう。
それぞれのエピソードについては、大変だった苦労話やそれについての取り組み方・対処方法なども書くようにします。
その結果どうなったのかもまとめておきましょう。
問題掲示と結果や学びを添えておけば、理論的で内容の濃いエピソードになります。
家族や友達、先生に、自分のエピソードを聞く
エピソードを見つけるにあたって、親しい人に聞いてみるのも一つの方法です。
家族や親友、先生など自分のことをよく知っている人に聞くようにします。
できれば長い付き合いの人のほうが良いですが、見当たらない場合は中高生時代、大学時代と分けてそれぞれ異なる人に聞いてみる手もあります。
自分一人で過去を思い起こしていても、どうしても思い出せない出来事もあるはずです。
けれども人に聞くことで、自分では気付かなかったエピソードを思い出せる可能性が出てきます。
そんなこと忘れていたとびっくりするような出来事があるかもしれません。
また第三者として客観的な見方をしてもらえるのも、良い点です。
聞くときの注意
第三者にエピソードについて聞くときには、明るくて良い話だけではなく失敗した話や大変だったことなども教えてもらいましょう。
そもそも楽しかったことや成功したことは、本人もよく覚えているものです。
家族や恩師から失敗経験や恥ずかしい話なども聞くことで、面接時に活用できるエピソードの幅も広がります。
たとえば「短所について話してください」と言われたときなどに役に立ちます。
失敗談からは学ぶこともありますし、より深い自己分析につながるはずです。
就活エピソードのNG例
面接でエピソードを話す際には、気を付けなければいけない点もいくつかあります。
エピソードを話す目的は、あくまでも結論を証拠付けるためであることを忘れないようにしましょう。
面接官は面接のプロであり、エピソードの内容に関してもしっかりチェックしています。
高い評価をほしいがために、マナー違反をしないように気を付けたいものです。
嘘をつくこと
エピソードは自分で適当に嘘の話を作ることもできてしまいます。
実際の体験だけではつまらないので、面接官に好印象を持ってもらえるようにいろいろと作り話をしてしまう人もいるかもしれません。
しかしながら、嘘のエピソードは控えましょう。
自分でも惨めになりますし、面接官によってはしっかり見破ってしまう人もいます。
嘘をついてまで自分を良いように見せる必要はありません。
本当の自分を知ってもらわなければ、後々困るのは自分です。
平凡なエピソードであっても、自分らしさが伝われば十分内容のあるものになるはずです。
自慢のような言い方になること
エピソードの中には、武勇伝のようなものもあるでしょう。
なんらかの大会で優勝という素晴らしい成績を収めたことや、成績優秀で表彰されたことなど、自慢できる話はいろいろとあるものです。
けれども面接でエピソードを話す際には、謙虚さを心がけた物言いが大切です。
明らかに自慢とわかる言い方では、面接官は高く評価するどころか危機感を覚えます。
鼻高すぎる人材は、入社してから思うように仕事ができないことも多いからです。
謙虚さがなければ上司の言葉も耳に入ってきませんし、成長できません。
社会人として、謙虚な姿勢は非常に重要です。
何事においても優秀であることは素晴らしいことですが、話す際には謙虚な言い方を忘れないようにしましょう。
エピソードにて人事が選考で見ている点
面接官は、就活生が話すエピソードからどのような点を見ているのでしょうか。
エピソードは、志望動機や自己PRの裏付けとなる大切なものです。
しかしそれだけではなく、その人の人間性を知るためにも有効と言えます。
また自社とのマッチングを見る判断材料にもなるでしょう。
面接官の見極めポイントを知って、より好印象を持ってもらえるエピソードを話したいものです。
エピソードからその人の人となりが見えるか?
すべての企業は、それぞれ求める人材が異なります。
接客業であればコミュニケーション能力や気配り力などに長けた人材を求めています。
工場職などは、集中力や粘り強さなどがあれば期待されそうです。
面接で話すエピソードからは、その就活生の長所や強みが見えやすいです。
人間性を見極めることで、自社で活躍できる人材であるかどうかをチェックしていると言えます。
だからこそ、使うエピソードは受ける会社にマッチしたものを選びたいものです。
しっかり企業研究をして、その会社が求める人間性を把握しておきましょう。
企業が求める能力をアピールできそうなエピソードを話すことで、選考が通りやすくなるはずです。
順序立てた基本的な会話ができるか?
エピソードを話す際に心がけたいのが、できるだけ理論的な文章構成です。
理論的に話すことで説得力も生まれ、聞いているほうも理解しやすくなります。
理論的に話すコツとして、常に「なぜ?」と問いかけてみる方法があります。
「なぜそうしたのか?」「なぜそう思ったのか?」「どういう風にしたのか?」という風に自分に問いかけながら、エピソードを制作していきましょう。
また、問題や課題を掲示してそれに対する対処法や結果についても書くようにします。
整理して順序立てた説明ができるかどうかも、面接官はチェックしています。
エピソードについては、面接の準備として一度きちんと文章にしてみることが基本です。
雰囲気やマインド面から。社風が合うか?
能力面以外にも、その会社の雰囲気に合う人材であるかどうかも重要な判断材料になります。
いくら優秀な人材であっても、自社の社風にはマッチしなさそうだと判断されてしまうと、選考を落ちる可能性があります。
たとえば体育会系の会社の場合、あまりにも大人しそうなエピソード内容であると面接官は不安に感じることでしょう。
能力は素晴らしいけれども、いざ職場でみんなと打ち解けてやっていけるだろうかと疑問を感じてしまいます。
エピソードは、自社とのマッチングを伺うという意図もあるのです。
この点をクリアするためにも、企業研究は欠かせません。
受ける会社については、社員の年齢層や社風なども調べておきましょう。
自分自身のエピソードで印象を残すコツ
面接官は非常にたくさんの就活生の面接を行います。
実際のところ、優秀な学生はたくさんいるものです。
その中で、どれだけ面接官にインパクトを持ってもらえるかも、選考をクリアするためには重要になってきます。
エピソードを語ることで面接官の心に残るための工夫やテクニックについて紹介します。
堂々としよう
見た目が堂々としている人は、自信があるように見えるものです。
どうしても面接は緊張してちょっとしたことで動揺しがちですが、できるだけ堂々と振る舞うことで面接官の目には「できる人」に映ります。
堂々とするコツとして、まず姿勢が重要です。
猫背で小さくなっていては自信がなく頼りなさげに見えてしまいます。
胸を張って笑顔で、エピソードを語るようにしましょう。
面接官の目をしっかり見ることも大切です。
目力がある人間はやる気や意欲を感じるものですし、まっすぐ相手を見ることができるのは誠実な証拠です。
どうしても恥ずかしくて面接官の目を見ることができない場合は、首元やネクタイの辺りを見据えて話しても良いです。
キョロキョロ目が泳いで挙動不審にだけはならないように気を付けましょう。
大きな声でハキハキと
声のトーンや大きさは、その人の性格を表します。
小声でぼそぼそと話しているようでは、面接官に積極性がなく暗い性格だと捉えられても仕方ありません。
またぼそぼそ話すと聞こえにくくて、面接官はストレスを感じます。
わかりやすく伝えることは相手への気遣いにもなるのです。
面接官にインパクトを持ってもらうには、大きな声でハキハキとわかりやすく話すことが大切です。
手でジェスチャーしながら説明するのも良いでしょう。
ジェスチャーを入れることは相手に理解してもらいやすくなるだけでなく、自分自身も緊張がほぐれます。
面白いジェスチャーを交えると、面接官の印象にも残るはずです。
ゲインロス現象を使おう
相手にギャップを感じさせることも、インパクトを与えるテクニックと言えます。
これはゲインロスと呼ばれ、マイナスの視点から入りプラスの印象を見せることで、よりいっそうプラスの印象を持たせることができるという方法です。
エピソードを話す際にも、ゲインロスを活用することができます。
一見大人しそうに見える人が、話してみるとユーモア満点で面白い人だった場合に、面接官の脳にはしっかりとその人材がインプットされるでしょう。
面接時の話し方だけでなく、エピソードの内容にゲインロスを取り入れてみるのも一つです。
人事に印象つけられるエピソード例
エピソードの内容において、面接官にインパクトを持ってもらえる事例を紹介します。
過去を思い起こして出来上がった数々のエピソードの中から、特に有効な内容について見ていきましょう。
成果を出せたエピソードや継続したエピソードであれば、人間性を評価してもらいやすいはずです。
受ける会社の職種や社風によって、効果的なエピソードも変わってきます。
企業研究を重ねて、ベストなエピソードを選びたいものです。
成果を出した経験
結果や実績がすべてではありませんが、やはり成果の出たエピソードはスムーズに話しやすいものです。
特に何かしら大変な苦労があった後に成果を出したエピソードは、面接官も聞いていてグっとくるものがあるでしょう。
たとえば陸上部で足が遅くて退部しようかと思っていたが、諦めずに厳しい自主練習をして見事大会で入賞を果たしたというような話です。
また塾のアルバイトで勉強嫌いな子を何とかしようと試行錯誤した結果、見事志望校に合格したというエピソードも感動的です。
どちらも就活生の努力や頑張りが評価されるのではないでしょうか。
継続してきた経験
何かをコツコツと継続して続けたエピソードも、ぜひ話してみましょう。
特に、粘り強さや継続力が必要とされる職種の場合、こうしたエピソードは好印象を持ってもらえます。
陸上部でもっと強くなるために、毎朝欠かさずに近所の神社の階段をダッシュしてから通学したという話も効果的です。
毎日トイレ掃除をしているエピソードも、インパクトがあるでしょう。
何事も続けるためには根性がいるので、面接官に「根性のある努力家だな」と思ってもらえるはずです。
特技での経験(カラオケ、料理、アウトドア、習い事など)
ピアノやプール、華道などの特技を頑張ったエピソードは、すんなりと面接官の心に響きます。
特に小さな頃から何年も続けて頑張ってきた場合や自分の短所を克服するために始めた特技の話などは、印象に残ります。
具体的な特技の話は、その人の雰囲気も伝わりやすいです。
アウトドアの特技であれば活発な印象ですし、茶道や華道は古風で落ち着いた品の良さが感じられます。
練習量や実績などは数字を使うなどして、できるだけ具体的な内容にすることがポイントです。
まとめ
面接で活用するエピソードがないと思っていた人も、こうして見てみると一つや2つは見つかったのではないでしょうか。
自己分析と企業研究をしっかり行うことで、より効果的な良いエピソードを語ることができるはずです。
エピソードは自分をアピールするためにも重要です。
理論的で掘り下げた内容の濃いエピソードを話して、無事に選考をクリアしましょう。
面接官の心を掴むかどうかは、あなた次第なのです。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート